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イルミナティ 世界を強奪したカルト2015年05月02日 08:52


ヘンリー・メイコウ (著), 太田 龍 (監修, 監修, 翻訳)
単行本: 448ページ
出版社: 成甲書房; 初版 (2009/5/19)

内容(「BOOK」データベースより)
プロパガンダ映画「天使と悪魔」は洗脳アイテム。サタニストと銀行家の超巨大陰謀ネットワーク、奇妙で信じられない話だが、人類はイルミナティという悪魔崇拝カルトに侵略されている。この狂信的集団はフリーメーソンとユダヤ系金融財閥が結託した組織だ。彼らは世界の経済を詐欺的手段で操作している。人類は現在、イルミナティに服従するように再設計されている。イルミナティは結婚や宗教といった制度を弱体化し、堕落・腐敗・分裂をもたらそうとしている。彼らはすでに二つの世界大戦を実現した。そして今や、第三次世界大戦を企図している。ヘンリー・メイコウ博士が暴くイルミナティ巨大陰謀の全貌。
著者について
ヘンリー・メイコウ
カナダ人著述家。1949年スイス・チューリッヒのユダヤ人家庭に生まれ、幼くして家族とともにカナダみ移住。弱冠11歳にして新聞50紙に連載されるコラムを執筆、1982年にはトロント大学で英文学博士号を取得した。1984年に開発したボードゲーム「スクラプルズ」は5ヶ国語に翻訳され全世界で700万部が販売されている。陰謀理論研究者としてのメイコウの主張は「悪魔的カルト集団の超長期アジェンダの隠れた手が世界を支配している。今日の民主主義はまやかしであり社会的規制の道具に過ぎない。マスメディアは真の情報を報道せず大衆から考える力を奪い、各種のエンターテイメントは現実から大衆の目をそらす。カルト権力(フリーメイソン組織を通じて機能)はロンドンを本拠とする中央銀行カルテルによって世界的独裁体制を着々と
築いている」というものであり、その積年の研究が本書として結実している。また、フェミニズムがイルミナティ組織の邪悪な創造物だと見破った労作『Cruel Hoax:Feminism and the New World Order(悪質な捏造:フェミニズムと新世界秩序)』は女性層を中心に大きな衝撃を呼んでいる。

太田 龍
昭和5(1930)年、樺太生まれ。平成3(1991)年以降、全人類を世界人間牧場に収監しようと企図するユダヤ・フリーメーンを中核とした超巨大勢力による新世界秩序(ニュー・ワールド・オーダー)構想の危険性を看破し警鐘の乱打を続けている。現在、天寿学会、文明批評学会、週刊日本新聞、日本義塾主宰。海外の貴重文献を渉猟して日本に紹介する活動を精力的に行ない著書・訳書多数。

■目次
本書を手にした方へ 003
世界を強奪したカルト、イルミナティとは何か 003

はじめに●人類はサタニストに支配されている
「ユダヤ人の陰謀」なるものは実在するのか 020
私にとってユダヤ人であることの意味 023

序論●世界を乗っ取った狂信的カルト
世界を乗っ取った狂信的カルト 030
フリーメーソンと融合したイルミナティ 033
反ユダヤ主義と「役に立つ愚か者」 035
タルムードとカバラ、その本質とは何か 038
ユダヤ教が宗教であるはずがない 042
『悪魔とユダヤ人』に見る蔑視の系譜 044
宗教のふりをした秘密結社 047
不満を抱く人間が世界制服ゲームの手駒となる 050
権力・金銭・セックスの欲望は悪魔への信仰 052
イスラエル・シャミルが語るユダヤ教の実装 054
人類全員がユダヤ人化してしまった 056
ハリウッド映画界を冒すルシファーの病巣 058
世界の歴史はパイクの予言の通りに進行している 060

第I部●銀行家、ユダヤ人、反ユダヤ主義
人類に大災厄をもたらす銀行カルテル 066
ユースタス・マリンズが見破った中央銀行のカラクリ 067
銀行家にとって理想の世の中が実現される 071
アメリカは超大国ではなく「超使い走り国家」 074

銀行家たちは私たちに隷従を求めている 077
素性を明かさない「グローバリストからの手紙」 078
政治指導者はいつでも脅迫できる 082
私たちはいつになったら目覚めるのか 084

「ユダヤ人の陰謀」とはイギリス帝国主義だ 086
巨大企業を支配下に置く「クラブ・オブ・ジ・アイルズ」 087
英国と結びついた「ヴェネチアのユダヤ人」 090
「ブリティッシュ・イスラエル運動」と大英帝国の完全復活 091
新世界秩序は「ユダヤ=中央銀行家」の野望 092
アル・ゴアの娘とシフの孫、米国にも及ぶ婚姻戦略 094
「永遠の平和のための終わりなき戦争」 096

無から創り出した金、ユダヤ資本の帝国主義 098
「偉大なる赤いドラゴン」とロスチャイルド家 099
貨幣供給での過ちが各国の首を絞めている 102

反ユダヤ主義の謎・謎・謎 104
壊れやすいガラスのように扱われるユダヤ問題 105
非ユダヤ人には徹底隠蔽する信仰 106
ユダヤ教はなぜキリストを拒絶すうのか 108

共産主義―窃盗と殺人のための計略 110
密告者が解説する「カハル」の細目 111
革命的な窃盗手段による暴利 112
「二〇〇〇万人虐殺」を指揮したレーニンとトロツキー 113
イルミナティの掌中にある私たちの国家 116

ソ連はシナゴーグを見逃し、教会を破壊した 118
その邪悪な精神はどこから生じているのか 122

ユダヤ人の精神統一体「エグレゴア」 125
ひた隠しにされる掠奪計画の秘密 127
史上最大の虐殺、ウクライナの「ホロドモール」 128
グローバリストに変身したエグレゴアの体現者たち 129

第II部●イルミナティ、サバティアンと[議定書]
新世界秩序、それは神に対する陰謀である 132
ルシファーを心底愛するエリートたち 133
マルクスが唱えた宗教と道徳の廃絶 136
キリストの磔刑が現代に蘇る 137
イルミナティが危惧するのは「個人の自発的行動」 138

イルミナティのお家芸「多重人格プログラミング」 141
スプリングマイヤー、獄中からの告発 143
トラウマを利用しての徹底的な洗脳 145
マインドコントロールから脱出するために 148

高位階イルミナティ離脱者の証言 150
イルミナティはユダヤ人を悪辣に利用している 152
離脱者が証言した恐怖支配の諸相 154
「ブリティッシュ・イスラエル」が目指すエルサレム神殿の玉座 156
ロックからポルノまでが頽廃手段として利用されている 158

イルミナティの性奴隷、恐るべき現実 160
「MKウルトラ」が造り出すセックス・ロボット 162
クリントン夫妻とのおぞましき変態行為 163
証言者の勇気ある言「真実は消えない!」 166

イルミナティはいつ、どこで誕生したか 168
ヴァイスハウプト理論で武装した邪悪な組織 170
悪魔の勝利は人類の破滅を意味する 174

人類はオカルトの攻撃にさらされている 176
金融はこうして独占されていった 178
高位のメイソンだげが知る真の教義 181

世界を支配する「すべてを見通す目のカルト」 184
「自分たちを除くあらゆる集団の力を骨抜きにしてやる!」 186
ある種の宗教となってしまった「セックスの解放」 187
生贄であり供物であったホロコーストの犠牲 188

イルミナティがユダヤ人を憎む理由 191
ユダヤ人が目覚めるべき大義とは 192

カバラ主義者の人類奴隷化計画 196
性を抹消し社会を去勢する策略 197
長期的社会変革プログラムの狙い 199
人種闘争も意図的に造られたものだった 200

議定書「偽書論」の誤謬を衝く 203
頑として偽書だと主張する人々への反証 204
偽書説の陰に見え隠れするシオニストの暗躍 208
『対話』による盗用を示す証拠箇所 209
議定書否定はイルミナティのダメージコントロール戦略 211

シオンの議定書―イントロダクションと概要 213
『シオン長老の議定書』を少禄する 215
第一議定~第二四議定 215~234
ゼロテ派ユダヤ人が語る「議定書」の最新動向 234
デス・グリフィンが直接聴いたインタビューテープ 241
経済的手法による「革命」を目指すイルミナティの銀行家 242
ラコフスキー「赤い交響曲」文書の衝撃度 244
オバマに託されたイルミナティ版「新FDR政策」 246

第III部●隠された歴史
イルミナティは大統領殺害も躊躇わない 250
リンカーンを暗殺した「金環騎士団」 252
ヒューイ・ロング銃撃の真相 253
孤立主義者リンドバーグとハーディングの中毒死 254
フリーメイソン大統領を自在に操るカルト集団 256

やはり世界大戦は画策された茶番だった 258
正義の告発を死で葬り去った銀行家たち 261
彼らはいかにしてドイツを借金の奴隷国家としたか 262
四大帝国の瓦解によって任務は完了した 264

ハウス報告書―「アメリカは王権金融植民地だ」 267
金融寡頭組織は超権力を「王権」と譬える 268
「我々の思想統制システム」で実現させた国際連盟 270
悪魔に魂を売った各界のエリート層 272

ロックフェラー帝国の傀儡、近親交配大統領 274
フランクリン・D・ルーズヴェルトとは何者だったのか 276
ウォール街の見せかけの反対、世論誘導者の妙技 278
FDRがレールを敷いたアメリカの独裁制 279

知能指数184の工作員ヴィクター・ロスチャイルド 281
大統領にも首相にも命令する「やり手の男」 283
悪魔の陰謀に抗して自殺したマイヤー・アムシェル 285

騙したはずのヒトラーが騙された「宥和政策」 287
宣戦布告を正当化するための「おとり作戦」 289
こうして戦争は創られていく 292

銀行家が誘導した米国の第二次世界大戦参戦 294
ナチズム打倒などまるで眼中になかった中央銀行家 296
公式の歴史を書くのはいつも「外交問題評議会」 297
ヴェノナ解読で明るみに出たスパイ活動 299
バーネイズ『プロパガンダ教本』が看破した真実 300

告白「私はヒトラーの上官だった」の余波 302
はみ出し者のヒトラーが「軍事独裁者」になる 303
お飾りのヒトラー、真のドイツ指導者は誰だったのか 306
イルミナティ演出の輝ける実験作品 307

ヒトラーを狂人化した洗脳タヴィストック機関 309
ロスチャイルド血縁者・ヒトラーとは何者だったのか 313
世紀の殺戮者はこうして形成された 314
ことごとく達成されたイルミナティの野望 315
すべての戦争には青写真がある 318
ヴェルサイユ賠償金とドイツ再軍備の秘密 319
オウーチン、アハマディネジャドも祭り上げられた偶像 321

『わが闘争』口述筆記タイプライターの秘密 323
悪の連環=ドイツ銀行、シュタウス、ロスチャイルド家 324
銀行家にとって戦争は「金の卵を産むガチョウ」 325

ヒトラーを利用した副総統ボルマン 328
「五〇個師団ほどに役に立つ男」ボルマン 330
ニューヨークの出版社が黙殺した秘密暴露本 333

イルミナティ傀儡としてのチャーチル 335
チャーチルが激怒したドイツ独自の経済システム構築 337
戦争にも歴史にも、偶然などありえない 340

オカルト独裁の隠れ蓑、ピアソンの「国際主義」 342
「人類を救うのはやめろ!時間と労力に値しない」 343
ある仕掛けが旧ソ連への世論を一変させた 345
国務省高官アルジャー・ヒスの黒い役割 347
優雅な余生を送った英国派遣KGBスパイたち 348

恐るべき新世界秩序ファシストの系譜 351
五年の戦争で資産を倍増させた大企業群 354
第二次世界大戦の「きわめて醜い」秘密 356
新世界秩序を糾弾して口封じされたエロール卿 358
旧ソ連という国家はフリーメイソンの創造物 360

第IV部●シオニズムとホロコースト
シオニズム阻止を試みたイギリスのユダヤ社会 364
同化ユダヤ人の英雄、その数奇な人生 366
バルフォア宣言に盛り込まれたパレスチナ条項 369
世界政府の陰謀に騙されたユダヤ人 371

最悪の反ユダヤ主義者はシオニストだ 372
メノラ協会を圧死させた「ユダヤ系慈善団体」 373
非シオニストだけがホロコーストの犠牲になった 375
「反ユダヤ主義」が「反米主義」になる瞬間 378

共産主義―シオニズムの双子の弟 381
元共産主義者マルキンは何を暴露したか 382
フェミニズムとは性をターゲットにした「階級闘争」 385
全米を覆い尽くす「ヘイトスピーチ」検閲 387

シオニズム―ユダヤ人に対する陰謀 389
シオニストが熱烈歓迎した「ナチスの反ユダヤ政策」 391
ヒトラーが力を貸したイスラエル建国 393

シオニストは悪魔と取引をした 396
アイヒマンが無視していた強制収容所のユダヤ人 398

「テロとの戦い」の根源はシオニストにある 400
「隠れた侵略」が「対テロ戦争」に変化した 401
9・11の随所に残されたモサドの痕跡 403
「離散ユダヤ人よりも一頭のヤギに価値あり」という暴言 405
ホロコーストをあえて阻止しなかったシオニスト指導層 406
陰謀は超巨大ゆえに「存在することさえ信じられない」 408

マインド・コントロールのためのホロコースト 412
「悪の陳腐さについての報告」が明かすナチスとユダヤの蜜月 414
核兵器よりも強力な「イスラエルの嘘」 416
ユダヤ人は新たなホロコーストに陥れられようとしている 417
ホロコーストの再現は果たしてあるのか 420
ホロコースト否定者が垣間見せる「別の顔」 422

モラル地獄へ転落していくイスラエル国家 426
「まやかしの戦争」で手にした祖国 427
ナクバ=大破局をもたらしたパレスチナ民族浄化計画 429
狂信国家イスラエルが認めるべき歴史の真実 430

あとがきに代えて●新世界秩序を生き延びるために 433
自身への覚書として 433
みずからの天国をつくろう 435
二大精神コントロールシステムからの脱却 436
倒錯者の言いなりになってはいけない 437

監修者解説―太田龍 439

■一言:
本書は真実の書としてではなく、現状を説明する仮説を集めた書として読み、日々触れる情報を分析するときの視点を増やすことを目的とすべき書のようである。

共生のフォークロア―民俗の環境思想2015年05月03日 08:15


野本 寛一 (著)
ハードカバー: 344ページ
出版社: 青土社 (1994/04)

商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
自然を殺して人は生きる…。だが、かつてそれは、さらに豊かな再生をめざすいとなみでもあった。森と川をつなぎ、植物と動物をつなぐ、自然と生命の環を、民俗の知恵はどのように守り伝えてきたか。村のタブーから昔話まで、海・山・町を渉猟し、日本全土から集められた貴重な共生のルールと、語部達のさりげなく重いメッセージ。
内容(「MARC」データベースより)
森と川をつなぎ、植物と動物をつなぐ、自然と生命の環を、民俗の知恵はどのように守り伝えてきたか。日本全土から集められた貴重な共生のルーツと、語部達のさりげなく重いメッセージ。

一言:自然から奪うことでしか生きられないのが動物

●アマゾン、インディオからの伝言●2015年05月04日 09:17


南 研子 (著)
単行本: 235ページ
出版社: ほんの木 (2000/04)

商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
減少を続ける熱帯雨林。その森を守る先住民達。インディオ保護区にいきる貨幣経済も文字も無い人びととの、11年間に渡る交流を初めて綴った記録。これは、現代人の心を癒し、文明そのものを見直す精霊達のドラマである。

■目次
まえがき 2
目次 4
シングー・インディオ国立公園 6
主な登場人物、FUNAI 7bu シングー・インディオ国立公園とカヤポ族保護区 9
第1章 アマゾン、9年目の旅
第2章 ラオーニとスティング 37
第3章 私のこと 49
第4章 世界先住民族会議に出かける 57
第5章 NGO、日本の現実 73
第6章 いよいよ始めてのシングー地域 79
第7章 雨期のシングー川で遭難 111
第8章 アマパ州で見た理想の政治 141
第9章 アマゾンの伝説に出会う 161
第10章 インディオたちの未来 203
あとがき 228
プロフィール&団体紹介 236

■まえがき
一九八九年五月にイギリスの歌手、スティングがブラジル先住民の長老、ラオーニを伴い、『アマゾンを守ろう』というスローガンを掲げ、ワールド・キャンペーン・ツアーを行いました。この一行が来日した時、ボランティアとしてお手伝いしたことがご縁で、私のアマゾン支援活動が始まり、現在に至ります。地球の肺と言われるアマゾンの熱帯林は、北の社会、すなわち先進諸国の生活が豊かになるのと反比例して減少の一途をたどり、ジャングルを住処としているインディオの人達の暮らしをおびやかしています。
私達は貨幣制度の中で生きてきて、知らぬ間にお金に支配された社会を築いてしまったように思えます。かく言う私も、アマゾン支援の資金集めにはこの日本でいつも苦労します。自分のお金を使うのなら誰にも文句は言われまいと思い、持ち出しているうちに、去年アマゾンから戻った時には、私の銀行個人口座の預金残高は二九一円しかありませんでした。幸いなことに、友人、知人が服をプレゼントしてくれたり、お米、お茶などを送り、助けてくれますので、見た目にはそうみすぼらしくなく、余裕があるようにも見えます。それにしても私達の団体だけでなく、日本のNGO(国際協力市民組織)界はいつも資金難にあえいでいます。NPO法(特定非営利活動法人法)の免税の制度化や企業の環境に対しての理解が広がれば、もっと素晴らしい支援活動が展開出来るし、きっとそうなると信じています。
それまでして、何故アマゾン支援を行うのかといいますと、インディオと呼ばれ、また自らもそう呼んでいるブラジル先住民の世界は、私達がすでに遠い昔に失ってしまった素敵な知恵や、どこかに置き忘れてきた大切な人としての心が、いまだに存在しているからです。
ある時私は、シングー川上流域のジュルーナ族の集落で人目を忍んで日本から持参したキャラメルをこっそり食べていましたが、インディオの四歳くらいになる女の子三人に見つかってしまいました。照れ隠しにポケットからたった一つしか残っていなかったキャラメルを、「後で二人の子には別の物をあげればいいかなあ」くらいに考え、私の一番そばに来た子にあげました。その子はキャラメルをポンと口に放り込み、何と三つに割り、後の二人に分け与えました。私は恥ずかしさで一杯になったのと同時に、分かち合う気持ちをこんな小さな子から教えられ、地球上にまだこのような社会が残っている事に正直、驚きと喜びと感動を覚えました。
私達が支援している地域は、先住民保護区ですので、誰でもが簡単に入れるという訳にはいきません。私自身、アマゾンとかかわり、十二年目を迎えて、やっと自分の体験談を書けるようになりました。これから始まる話は、私の目で見、心で感じてきた事実です。

■一言:
外部との接触から半世紀程度であり、接触官がキリスト教を持ち込むことがなかったため、現在までインディオの伝統文化が独自に継承されている重要な地域、シングー・インディオ国立公園。
自然食の効力』でも指摘されていた、自然食を食べていれば、老年になっても性欲が保たれるという話もでており、面白そう。
拾い読みする限りでは、著者がインディオの病気を柏手で直してしまった話や、精神科に通院した著者が森田式療法で回復したことなど、「人」という存在の不思議さも教えてくれそう。
インディオの価値観や裸に対する感覚は『逝きし世の面影』に描かれた江戸期の日本人の価値観・感覚とも近いように感じる。
私たちは、NPOや募金活動を始めたり、利他主義の幻想を追う前に、「文明」や「人間」の本質を知るべきであろう。

△■ボルネオ 熱帯雨林 ペナン族──失われる環境と人間2015年05月05日 08:24

ボルネオ島に400人未満しか残っていない、非定住生活を送るペナン族の生活と、熱帯雨林の破壊


秋元 健治 (著)
単行本(ソフトカバー): 152ページ
出版社: 第一書林 (1997/10/1)

商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
最後の密林の狩人。森林が刈り尽くされたあとに何がやってくるか。「近代社会による収奪」のなかで生きる先住民族を描く。
内容(「MARC」データベースより)
森林が伐採され尽くしたあとに何がやってくるか。ボルネオ島で生活の糧を森林に大きく依存する狩猟採取生活を営むペナン族と、近代化や開発の名のもとに行われる森林伐採の問題を描く。

■目次
はじめに
プロローグ―人間と自然の原点へ 11
第I章 ボルネオ島の自然と社会 15
1 熱帯雨林の豊かな自然 15
2 政治社会的な背景 18
3 先住民族 19

第II章 熱帯雨林のペナン族 23
1 ペナン族とは 23
2 神秘的世界観 29
3 非定住生活 41
4 狩猟と採取 45
5 生活文化 53

第III章 破壊される熱帯雨林 59
1 ボルネオ島の森林伐採 59
2 マレーシアの木材産業 62
3 森林政策と利権集団 66
4 伐採労働者の労働環境 72
5 海外からの非難 83
6 ブルーノ・マンサー 86

第IV章 抵抗する先住民族 93
1 連邦政府への「直訴」 93
2 林道封鎖 97
3 先住民族の焼畑農業 101
4 無視される先住民族 108

第V章 森は誰のものか 117
1 先住民族の権利 117
2 森林伐採免許 120

第VI章 変わりゆく森の住人 125
1 定住生活と農業 125
2 「迷信」からの解放 130
3 ペナン族の未来へ 134

エピローグ―環境と人間 139
参考文献一覧

■プロローグ(最初の段落と最後の段落を引用)
私たちの祖先は、今から五〇〇世代前ものはるか遠い昔、現在とは非常に異なった生活様式、つまり狩猟と採取に完全に依存する生活をおくっていた。それはいくつかの大河下流に古代農耕文明が芽ばえ、国家の形成がなされ人類の歴史が刻まれるよりもかなり以前のことである。人類の歴史の流れは一八世紀後半まで比較的ゆるやかであったが、産業革命を境として人間は人口とその活動範囲において急激に拡大することになる。地球上の資源が有限であるなどという認識をまったく欠如させたまま、辺境を切りひらき、圧倒的な強さを持つ自然に挑戦する時代が到来した。そうした延長上に位置する今日の物質文明は、経済社会が発達してきた過去二〇〇年たらずのあいだに成立したにすぎない。人類の長大な歴史のなかで、このほんの短期間に地球環境が失ったかけがえのないものはあまりにも大きい。
(中略)
近代化や開発が、国家の名において土着の先住民族の生活基盤を収奪してきた歴史は、まさしく自然環境の破壊の歴史でもあった。すでに荒廃のいちじるしい地球環境が、短期的な利益のためになおも安易に犠牲にされる。この種の利益はその国全体に経済効果、福利厚生を与えながらも、政治家や企業家を中心とする一部の集団の蓄財に寄与することが多く、国内問題にとどまらず、またその国の内政干渉にあたるといって、われわれが軽視できることではない。途上国における富の分配の不均衡を是正し、資源収奪型の開発をあらためることが、途上国の持続的な発展と地球規模の環境保全の両方にとって必要とされる。また先進諸国においても、環境問題に関して、自国内で立地が許されないような公害産業を輸出しない、汚染物資を国外の海洋などに投棄しない、乱開発や人権侵害を助長するような開発援助をしない、などの地球的視点からの取り組みがなされる必要がある。

■お勧めポイント
ボルネオの狩猟採集民というあまり情報のない民族に関する本である点が貴重。

■一言
アフリカの狩猟採集民ピグミーは農耕文明の脇で文明と触れながら狩猟採集生活を続けてきており、あえて狩猟採集生活を選んでいることは、狩猟採集生活が劣った滅びゆく存在ではないことを示している。また、歴史を表層でとらえており提案内容は常識の範囲を出ないように思われる点は残念である。
■書評
るびりん書林

○■森に生きる人―アフリカ熱帯雨林とピグミー (自然とともに)■2015年05月07日 22:18

森に生きることの楽しさと素晴らしさを伝える子ども向けの本(ルビあり)


寺嶋 秀明 (著)
単行本: 123ページ
出版社: 小峰書店 (2002/10)

商品の説明 内容(「MARC」データベースより)
森の中に住み、今も狩猟と採集の生活をしている人たちピグミー。森の生活、子どもの一日、驚異の方向感覚、狩猟と採集のエコロジー、家族と社会など、自然と共生するピグミーの人々を詳しく紹介。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
寺嶋/秀明
1951年、北海道札幌市に生まれる。京都大学理学部卒業、同大学院理学研究科博士課程修了。生態人類学・文化人類学専攻、理学博士。福井大学教育学部助教授をへて、1992年から神戸学院大学人文学部教授。1973年以来、沖縄諸島、アフリカ(コンゴ民主共和国、カメルーン)、中国海南島などでフィールドワーク。人と自然とのかかわりを中心に研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
はじめに 7
地球と森林 7
アフリカとフィールドワーク 9
森の民、ピグミー 13

I 森の生活 20
一、森を歩く 20
二、ピグミーのキャンプ 20
即席イス 27
キャンプ 30
三、チャックの一日 33
森の朝 33
蜂蜜採集 38
かいぼり漁 44
キャンプに帰る 49
夜の森の仲間たち 52
四、森の人のパワー 53
驚異の方向感覚 53
風のように、ヒョウのように 55

II ゆたかな森の恵み 58
一、狩猟―自然との知恵くらべ― 58
槍猟―ゾウ・バッファロー・イノシシ 59
弓矢猟 61 毒矢猟 61 モタ猟 63
網猟(ネットハンティング) 66
そのほかの猟 68
森の狩猟とサバンナの狩猟 69
二、採集 72
植物性食物 72
イモ 72 ナッツ 73 くだもの 75 キノコ 77
虫 79
蜂蜜 81
小魚など 83
三、狩猟と採集のエコロジー 83
肉の消費量 83
採集の役割 85
肉の価値 86
楽天主義 87

III 森の家族 90
一、家族と社会 90
結婚のルールと社会 90
男と女 93
夫婦げんか 95
二、病気とたたかう 97
アトサの病気 97
病気と医療 103
三、毎日のたのしみ 106
おしゃべりと遊び 106
歌 107
楽器 109
ダンス 111
仕事の喜び 112

IV 共生のためのルール 115
分かち合い 115
平等主義 117
自然とのつきあい方 120

■「はじめに」の「地球と森林」から
「森」というと、君は、どんな場所を想像するだろうか。森なんてどこにでもあるし、どんなものか、だれでも知っている。多くの人はそう思っているだろう。でも、森で暮らしたことのある人はほとんどいないにちがいない。この地球上には、とてもつなく広い森がある。日本列島がいくつも入るほどの森だ。そんな大きな森がアフリカ大陸の真ん中に広がっている。
(中略)
しかし、森というと、恐ろしいところと考える人もいる。うっそうとした深い木立。暗がりのなかにひそむ野獣や毒ヘビ。グリム童話などでも、森のなかには、狼や熊や魔女などが住んでいて、ふつうの人間にはとても危険なところであるかのように描かれている。とても楽しい感じはしないかもしれない。でも、ほんとうにそうなのだろうか。たしかに、うっそうと茂る森のなかに入るのはちょっとこわい気がする。でも、ぼくらは森の外に生きている人間だからそう思うのかもしれない。森のなかに生きている人がいるとしたら、その人たちは、まったくちがう見方をしているのではないだろうか。人間にとって森に生きることとは、どんなことなのだろうか。

■一言:
ピグミーの暮らしの全体像がわかる良書

■書評:
るびりん書林

○■ユダヤに伝わる健康長寿のすごい知恵 (最新医学でわかった聖書の真実)■2015年05月08日 08:42

宗教書を読むよりもわかりやすいユダヤ教入門かも
問題だらけの世界を作る人々の考え方


石角 完爾 (著), 石原 結實 (監修)
単行本(ソフトカバー): 256ページ
出版社: マキノ出版 (2014/4/15)

内容紹介
本書は、ユダヤ人だけが知っていた
「ユダヤ式・避病法」を明かした、日本で初めての本です!

日本人にとってユダヤ人は、
「天才が多い」という印象しかないかもしれません。
物理学者のアインシュタイン、
哲学者のマルクス、
精神分析医のフロイト、
そして現代ではFacebookやGoogleの創業者もユダヤ人です。

ビジネス面で注目されるユダヤ人ですが、
実は彼らは
「世界で最も健康意識が高い民族である」
といったら、皆さんは驚かれるでしょう。
そんな本は、今まで日本にはなかったからです。

ユダヤ人にとっての聖典・ヘブライ聖書の中には、
健康法に関する知恵があふれています。
実践した66歳の著者は17kgやせ、
人間ドックの検査結果もオールAの健康体になりました。

ヘブライ聖書によって古代から伝わる健康の知恵は、
なんと最先端の現代医学の考えとピッタリ一致します。

もしかしたら本当に神がいて、
何千年も前から人間に、
病気の避け方を教えているのかもしれません。

【病気を避けるユダヤ4000年の知恵が満載! 】
・ユダヤ人の寿命は西欧の平均より13歳も長かった
・神が食べることを許したのは草と木の実だけ
・肉を食べたら800年も寿命が縮んだ!
・血圧降下剤より祈り・瞑想のほうが効果的
・笑いで免疫力アップ! ユダヤジョークの効用
・100歳まで生きた人はリスクを避け続けた人
・人間は全員120歳まで生きられる!
内容(「BOOK」データベースより)
4000年間、守られてきた「病気を避ける生き方」とは?どんな病気もことごとく回避する「ユダヤ式避病法」で、死の直前まではつらつ。

著者について
【著者プロフィール】
石角完爾(いしずみ・かんじ)
1947年、京都府生まれ。
京都大学法学部在学中に、国家公務員上級試験、司法試験に合格。
同学部を卒業後、70年に通商産業省(現経産省)に入省。
その後、ハーバード大学、ペンシルバニア大学のロースクール(法科大学院)をいずれも修了。
米国証券取引委員会、ニューヨークのシャーマン・アンド・スターリング法律事務所を経て、
81年にレイドン・イシズミ法律事務所をベルリンに設立し、現在はヨーロッパ、アメリカを中心に活躍。
日本におけるマイケル・ジャクソンの代理人弁護士として知られた。
2007年、3年間におよぶ勉強、審査、儀式の末に、60歳でユダヤ教に改宗しユダヤ人となる。
また、海外留学をサポートする教育コンサルタントとしても活動し、米国認定教育コンサルタントの資格も持つ。
スウェーデン在住。 『ファイナル・クラッシュ』(朝日新聞出版)、『お金とユダヤ人』(ソフトバンククリエイティブ)、
『日本人の知らないユダヤ人』(小学館)、『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』(集英社)など、ユダヤ教に関する著書多数。

【監修者プロフィール】
石原結實(いしはら・ゆうみ)
イシハラクリニック院長。
1948年、長崎県生まれ。
長崎大学医学部を卒業し、血液内科を専攻。同大学大学院博士課程修了。
その後、長寿で有名なグルジア共和国のコーカサス地方や、スイスのB.ベンナー病院などで最前線の自然療法を研究する。
85年、ニンジンジュース断食を取り入れた健康増進のための保養所「ヒポクラティック・サナトリウム」を伊豆に開設。
コーカサス・グルジア共和国科学アカデミー長寿医学会名誉会員、医学博士、イシハラクリニック院長。
著書は『「体を温める」と病気は必ず治る』(三笠書房)、
『「ショウガを食べる」とキレイにやせる』(マキノ出版)ほか200冊以上に上る。
また、アメリカ、ロシア、フランス、ドイツ、中国、韓国、台湾、タイなどで合計100冊以上が翻訳出版されている。

■目次
はじめに―ユダヤ教は世界で最も健康を追及する「健康教」 1

第1章 4000年語り継がれるユダヤの健康法
「成功者」ではなく「健康追及民族」 22
ユダヤ人の寿命は西欧の平均より13歳も長かった 24
アインシュタインもスピルバーグもユダヤ人 28
なぜ私がユダヤ教に改宗したのか? 30
突然わずらった大病と改宗へのいばらの道 32
最新医学の「避病」という考えを先取りしていた! 36
体重は17kg減り、健康診断はオールAに 41
「犠牲がなければ健康は得られない」 45

第2章 病気を避けるユダヤ人の「10の誓い」
01 穀奈・フルーツ・ナッツ食主義を徹底せよ! 54
ぜいたくな食事を求めたら死罪 54
神が食べることを許したのは草と木の実だけ 59
肉、魚、乳製品には制約が多数ある 60
現代でもユダヤの食事は菜食中心 62
ワインはユダヤ人の聖なる飲み物
一般的なワインではポリフェノールはとれない! 67
穀菜・フルーツ・ナッツ食の医学的合理性 70
日本人への提言―精白炭水化物を減らそう 73

02 動物の血と脂肪を食べるな!血液が健康の鍵 76
「ライオンでさえ麦わらを食べろ」 76
肉と乳製品を一緒に食べるのもダメ 80
現代の環境問題を神は予測していた 83
肉を食べたら800年も寿命が縮んだ! 85
「菜食主義はよくない」は本当か? 90
日本人への提言―肉と油を意識的に避けよう 92

03 食材選びや調理法、食べ方のルールを守れ! 94
食べてはいけない動物とは? 94
食べてはいけない海産物とは? 96
調理法における戒律も数多い 100
食器洗い機を現代のユダヤ人はどう見るか 103
豚肉や大半の鳥を避ける医学的合理性 106
大半の魚介類を避ける医学的合理性 108
日本人への提言―食材選びには細心の注意を 111

04 断食こそ健康の源!体を内部から浄化する 114
断食の日だらけのユダヤ教 114
「1日3食」という固定観念は捨てるべき 117
現代医学でわかった断食の健康効果 119
「人は食べると死に、食べないと生きる」 122
デトックスで体が軽くなり頭がさえる 124
日本人への提言―少食化の延長で断食をしよう 126

05 手を徹底的に洗え!ウイルス・細菌の回避法 128
手を洗い続ける清潔好きな民族 128
改宗時にも水浴で体を清める 131
細菌感染を防ぐために洗濯と掃除も徹底 133
男性への戒律である「割礼」の医学的合理性 136
割礼は女性の性器を守るための知恵 138
日本人への提言―徹底的な手洗いで健康を守ろう 140

06 週1日はなにもするな!心の平穏が健康を守る 142
怒り、憎しみの感情を抱いてはいけない 142
仕事も運転も電子機器の操作もダメ 144
安息日の食事と会話でリラックス 146
デジタル・デトックスで私の心が変わった 148
現代医学でわかった心の平穏が必要な理由 150
日本人への提言―緊張から解放される時間をつくろう 153

07 祈りと瞑想で最高の精神状態をつくれ! 156
不思議なことに血圧が下がる 156
日本的な「拝む」行為となにが違うのか? 160
ヨガや茶道とユダヤの祈りの共通点 163
現代医学でわかった祈りや瞑想の効用 164
日本人への提言―血圧降下剤より祈りのほうが効果的 166

08 笑いで免疫力アップ!ユダヤジョークの効用 168
ユダヤ人はジョークを好む明るい民族 168
苦難を乗り越える糧が笑いだった 171
「気をつけろ。その角を曲がると不幸が待っている」 173
アメリカの病院には笑い声があふれる 175
日本人への提言―病気になったときこそ笑いが必要 178

09 「俺は俺」の自己主張でストレスなく生きる! 180
強烈な自己主張はユダヤ人ならでは 180
初対面の人にも「なぜ」の質問攻め 182
日本人とユダヤ人は実に対照的 183
他人の顔色を気にしない人は長生き 185
日本人への提言―「俺は俺」の生き方を貫こう 187

10 家族をたいせつに!守れないものは死刑 190
「十戒」が聖書に2度も出てくるのはなぜか? 190
父母を敬わなければ死刑 192
子供の教育こそユダヤの財産 195
ユダヤでは女性の地位が古代から高かった 198
食卓で夫が妻をたたえる祈りを捧げる 201
家庭だけでなく周囲のコミュニティも守る 203
日本人への提言―家族、家庭を生活の中心に 205

第3章 知識こそ健康と幸せを獲得する第一歩
リンゴを天空へ吸い上げることはできるか 208
人生において確実なことはなにもない 210
「人は塵から生まれ、塵に返る」 212
100歳まで生きた人はリスクを避け続けた人 214
人間は全員120歳まで生きられる! 218
日本人はリスクの分析が下手 220
日本の医療と健康ブームの問題点 225
自分の健康は自分で守る時代 228
実践するもしないもすべては自己責任 232

おわりに―日本人がユダヤの格言を思い知るときは近い 236
監修者あとがき―ユダヤの健康法は理にかなっている 240
用語解説 249
参考文献 253

■「はじめに―ユダヤ教は世界で最も健康を追及する「健康教」」の冒頭部分
日本の健康法は、いわば「加える」健康法です。検査を加え、薬を加え、手術を加え、高度医療を加え、サプリメント(栄養補助食品)を加える。
これに対して、ユダヤの健康法は「削る」健康法です。食事戒律に従って「あれは食べない、これも食べない」。そして、日常生活の戒律に従って「あれはしない、これもしない」。
世界には、日本と正反対である「削る」健康法が4000年の歴史をもって存在している、ということを紹介するのが、本書の目的です。
ユダヤをテーマにしたビジネス本は世にたくさんありますが、本書は「ユダヤ教の健康」にまつわる4000年の知恵(ウィズダム)をすべて明かした、日本で初めての本なのです。
多くの日本人は「宗教」と聞くと、まずはオウム真理教のようなカルト集団を連想するでしょう。
または、極楽浄土を求める仏教、あるいはイエス・キリストが奇跡を起こして病人をたちどころに治してくれるキリスト教などを想像するかもしれません。しかしユダヤ教は、それらとはまったく違います。
現世で健康な生活を送れなければ意味がない、と考えるユダヤ教は、サイエンスと理性をベースに、「健康長寿につながる合理的な教義にあふれた健康教」であるといったら、皆さんは驚かれるでしょう。

■一言:
肉食をできるだけ避ける、魚をできるだけ避ける、油を避ける、1週間に1日は休息する、断食を励行するなど
■書評
るびりん書林

○■一万年前 気候大変動による食糧革命、そして文明誕生へ2015年05月08日 22:06

定説を覆し、今の文明を生んだ農耕が人類史上初めての経験であるという重要な点を指摘した良書


安田喜憲 (著)
単行本: 280ページ
出版社: イースト・プレス (2014/1/22)

商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
湖の底に静かに堆積し、長い年月をかけて美しい縞模様を刻んできた「年縞」、それは地球の記憶そのものだった。 過去の標準時計として、世界から認められた日本の年縞が、次々と新たな事実を明らかにしていく。危機の時代を生き抜いた生存戦略とは―「年縞環境史学」が解き明かす人類史の謎。
著者について
安田喜憲(ヤスダヨシノリ)
1946年、三重県生まれ。東北大学大学院理学研究科博士課程退学。理学博士。国際日本文化研究センター名誉教授。東北大学大学院環境科学研究科教授
2007(平成19)年紫綬褒章受章。気候変動と人類の生活・歴史の関係を科学的に解明する「環境考古学」の確立者。 著作に、『山は市場原理と闘っている』(東洋経済新報社、2009年)、『稲作漁撈文明』(雄山閣、2009年)『生命文明の世紀へ』(第三文明社、2008年)、 『環境考古学事始』(洋泉社、2007年)、『一神教の闇』(筑摩書房、2006年)『気候変動の文明史』(NTT出版、2004年)など多数

■目次
はじめに―一万年という尺度で地球を読み解く 4
第1章 「年縞」という画期的な年代測定法の発見 11
第2章 大洪水・高潮・暴風雨・豪雪・気候第変動の時代 55
第3章 土器と稲作がもたらした一万年という時間 129
第4章 麦作と牧畜から始まる破壊の歴史 161
第5章 縄文土器から生まれた心 187
第6章 危機を乗り越える縄文人の知恵 211
第7章 生命文明の時代へ 247
第8章 日本が立ち上がるために 261
おわりに―日本が世界から注目を集めるとき 269
年縞の研究を支えていくふたりの研究者より 北川浩之/中川毅 274

■「はじめに」の「これまでの歴史学の限界を超える」より
日本が近代西洋文明に肩を並べようとしていた明治ごろの歴史学は、近代以降を知っておけばことたりるものだった。それは川勝平太氏が『資本主義は海洋アジアから』 のなかで指摘したことである。歴史学者の内藤湖南氏は、「今日の日本を知るために日本の歴史を研究するには、古代の歴史を研究する必要は殆どありませぬ。応仁の乱 以後の歴史を知っておられたらそれでたくさん」と記していた。
明治以降、西洋から導入された歴史学が、なぜ、近代以降の研究に主眼をおいたのか。その理由は、先ほどの内藤湖南氏の一文を見れば明らかである。 日本の歴史学が近代西洋文明に追いつき、それを追い越すための一助たらんとする役割を担っていたからである。
ところが、二一世紀、近代西洋文明が生み出した金融資本主義の世界には、実質経済と乖離した金融中心の市場原理主義が横行し、格差社会が出現した。 未来を担う若者の生活は困窮し、おまけに、自然支配の文明は、地球環境を激しく破壊している。 近代西洋文明が生み出した「力と闘争の文明」は、多くの問題をかかえるようになった。 その延長戦上で起こったのが、東日本大震災と原子力発電所の事故だった。
この事故は、明治以降における歴史学の時間軸の限界をも、暴露することになった。
地震学者や電力会社の担当者が最初に口にした言葉は「想定外」だった。 近代以降を対象とする彼らの歴史の時間軸では、マグニチュード九の地震は存在しえなかった。 しかし、二〇一一年からさかのぼること一一四二年前、西暦八六九年には、同クラスの「貞観地震」がすでに起きていたのだ。

■一言:
せめて一万年の時間を考えなければ、現在人類が直面しているさまざまな問題は解決できない。
西洋文明は森林を破壊しては場所を移して存続してきたが、ついに地球上から森林がなくなろうとしている。
文明と森は共存できるのかどうかを考えてみたい。

■書評:
るびりん書林 別館

○■はだかの起原―不適者は生きのびる■2015年05月09日 15:11

人間が裸になったことと言語能力を得たことは、不都合であったかもしれないという視点をくれる本


内容(「MARC」データベースより)
寒暖、風雪、晴雨にかかわらず、常に体を守る完璧な衣類となる毛皮。なぜこんなに大切なものを、人間は失ったのだろうか? 人類の裸の起源を学術的視点から考察。『ソトコト』連載をもとに新しいデータを取り入れまとめる。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
島/泰三
1946年、山口県下関市生まれ。下関西高、東京大学理学部人類学教室卒業。房総自然博物館館長、雑誌『にほんざる』編集長、日本野生生物研究センター主任研究員、天然記念物ニホンザルの生息地保護管理調査団(高宕山、臥牛山)主任調査員、国際協力事業団マダガスカル国派遣専門家などを経て、現在、日本アイアイ・ファンド代表。理学博士。アイアイの保護活動への貢献によりマダガスカル国第5等勲位「シュバリエ」を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
はじめに ナリンダ湾、一九九九年夏 001

第一章 人の裸の皮膚は自然淘汰で生じたはずはない 015
□最適者とは何か?
□絶滅した動物は不適者か?
□リマ=デ=ファイアの『選択なしの進化』とウォレス
□ダーウィンは「自然淘汰」説を放棄した
□水中動物について
□熱帯の動物について
□人間の毛の位置について
□髪の問題は通りすぎる

第二章 ダーウィンは変だ 037
□ダーウィンはなぜ例外を説明しないのか?
□時代的背景
□増加の幾何比の幻想
□「増加の幾何比」は食物で崩壊する
□ダーウィンは数の増加を抑える要因を知っていて

第三章 ダーウィンは裸の起原を改名できない 055
□性淘汰とは何か?
□人間の裸の皮膚は性淘汰で説明されるか?
□人間の裸はなぜ起こったのか?―ダーウィンの説明!
□ダーウィン病からの脱却

第四章 裸の獣 075
□裸のけものたち
□裸の哺乳類の共通点
□大型哺乳類の物理学
□熱時定数
□大型哺乳類の例外と例外的哺乳類
□裸の子供たちはどうなる?
□ゾウの赤ちゃんの防衛態勢

第五章 特別な裸の獣たち 099 □コビトカバ―謎のトンネル―
□バビルーサ―古い謎と新しい謎―
□ハダカオヒキコウモリ―空飛ぶ謎―
□ハダカデバネズミ―謎の中の謎―

第六章 裸体化仮説 117
□胎児化仮説
□胎児の裸は成人の裸と関係ない
□自己家畜化仮説
□デズモンド・モリス―裸のサルの苦闘―
□耐久走仮説

第七章 人類海中起源説 133 □ライアル・ワトソンによる海中起源説の説明
□海中で直立二足歩行が始まるか?
□海中起源説への反論
□海中起原の痕跡?
□人間の発汗システムは海中で始まったか?
□汗腺の問題
□皮下脂肪と食物供給の問題
□海の惨劇

第八章 突然変異による裸の出現と不適者の生存 167
□ヌードマウス
□「不適者の生存」を実現する「重複する偶然」
□人類のただ一種だけに起こった偶然
□不適者の生存

第九章 火と家お着物と 183
□ヒト属と現代人の起原
□着物の起原
□家と火の起原
□北京原人は火を使ったか?
□灰の層は火を使った跡か?
□家の起原
□一八〇万年前の最古の家?

第十章 ネアンデルタールの家 211
□ネアンデルタールの家といわれる遺跡
□焚き火の跡とネアンデルタールの分布
□ネアンデルタールが絶滅したわけ

第十一章 裸の人類はどこで、いつ出現したのか? 227
□現代人と文化の起原―マクブリーティとブルックスの仮説から―
□遺伝学からみた現代人の起原

第十二章 重複する不適形質を逆転する鍵は? 239
□声を出す機構
□重複する不適形質
□ネアンデルタールは言葉を持たなかった
□アフリカの高原から氷河期とともに
□オーリニャック文化
□しかし、巨大前頭葉は……

おわりに アンタナナリブ、二〇〇三夏 261
あとがき 268
引用文献
資料

■「はじめに ナリンダ湾、一九九九年夏」の終わりの部分から(台風の日にニホンザルの群れを追跡して)
  よく見ようと思って木に登ると、船の上のように木が揺れる。 これほどの風と雨だから、いくらかはサルの活動も鈍っていいものだがと、隣の木を見ると、二、三歳のコザルたちが跳ね回って遊んでいる。
  愕然とした。これだけの風雨も、彼らには何の影響も及ぼしていなかった。 こちらは夕方になって冷え込んできて、濡れた体はもうこれ以上無理と言っている。 しかし、このサルの子供たちは、雨具もなく服もなく、ただ濡れるだけ濡れているはずなのに、普段と同じか、あるいはそれ以上に風に揺れる枝の動きを楽しんでいる。 たしかに毛皮も濡れてあいる。だが、ブルッとひとつ身震いすると、水滴は飛んでしまって、また快適な毛皮である。
  夕暮れの山道を、私は黙りこくって歩いた。この経験は壮烈だった。 毛皮はそれほどに完全で、強力なのだ。 私は雨の中でサルの群れを追いかけるたびに、あらゆる雨具の不完全さに憤っていた。 だが、そこに完璧な雨具があった。 寒暖、風雪、晴雨にかかわらず、常に体を守る衣類がそこにあった。 それがサルたちの毛皮だった。なぜ、こんなに大切なものを、人間は失ったのだろうか?
  この台風の日以来、この疑問は私の心の中にしっかり錨を下ろした。
■一言:
人類の本来の姿を知るために参考になりそう。

■書評:
るびりん書林 別館

○■愛は化学物質だった!? 脳の回路にオキシトシンを放出すればすべてはハッピー■2015年05月09日 21:33

適切なオキシトシン回路を作ることの重要性
→生後3年までの養育者との安定して温かい関係の重要性


スーザン・クチンスカス (著), 白澤 卓二(順天堂大学大学院教授) (監修), 為清 勝彦 (翻訳)
単行本(ソフトカバー): 272ページ
出版社: ヒカルランド (2014/2/28)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
“愛の神経化学物質”オキシトシンを知らないと、一生不幸のまま。やさしく読める、ハッピーな生き方が身に付く面白科学実用書・ハウツー本。
著者について
スーザン・クチンスカス(Susan Kuchinskas)は、人間として生きることについて科学が教えてくれることに魅了されたジャーナリストです。『タイム』『ワイアード』などさまざまな出版物に数多くの記事を発表しています。カリフォルニア州バークリーで夫、犬、カエルとともに暮らし、菜園を持ち、溶接や養蜂も行っています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
白澤/卓二
1958年生まれ、神奈川県出身。順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。1952年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。同大大学院医学研究科修了、医学博士。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て現職。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。健康番組でのわかりやすい老化防止対策解説で定評がある

」 クチンスカス,スーザン
ジャーナリスト。『タイム』、『ワイアード』などさまざまな出版物に数多くの記事を発表している。カリフォルニア州バークリーで夫とともに暮らし、菜園を持ち、溶接や養蜂も行っている
為清/勝彦
1967年10月23日広島県尾道市生まれ。1990年筑波大学国際関係学類卒。電力会社勤務を経て、現在農業の傍ら執筆・翻訳活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■もくじ
序文「愛情ホルモン」で幸せになる―必読本! 白澤卓二(順天堂大学大学院教授) 2
はじめに 6
第1章 「つながり」を築く物質
□つながり(コネクション)の化学物質 20
・妊娠のためだけではない 2
1 ・化学物質のカクテル 22
・情動分子の干満 23
□ストレスとリラックスのバランスを取る 24
・逃げるか、戦うか「内なる先史」HPA軸 25
・「調停者」を支配する冷却材オキシトシン 28
・敵か、味方か? 29
□新生児には愛する能力がない 30
・誕生後の脳の形成 31
・なめる、鼻を押し付ける、愛する 34
・愛を愛することを学ぶ 38

第2章 赤ちゃんはこうして愛を学ぶ
□マザリングがオキシトシン系を形成するプロセス 46
・情動のサーモスタット(温度自動調整装置)48
・ママの短気に赤ちゃんは? 50
・不安の閾値 51
・愛着のギャップから学ぶ 57
□マザリングと「オキシトシンの型」 60
・安定型 62
・回避型 62
・不安型(葛藤型) 63
・情動のセットポイント(決定打) 63
・分裂した脳 64
□母親は母親になることをどのように学ぶのか 67
・「ママ脳」を再構築する 69
・ 愛の上昇幅 71
・ 赤ちゃんの疝痛(発作性腹痛)はなぜ?どうする? 74
□人間関係を拡大すれば「幸せ力」がアップする 77
・この親にしてこの子あり 78
・親に似た人を愛してしまう 86

第3章 いつも孤独
□愛がうまくいかないとき 95
・アイス染料で着色されたネガティブなメガネ 96
・ストレスでイライラの「犯人」コルチゾール 98
・坑コルチゾール―孤独とはオキシトシン渇望 103
□欠陥のある愛着のサイクル 104
・苦痛の潮流―青年4人に1人が深刻なリスク 106
・「愛せない」親の子供たち 107
□結びつくことを学習する 109
・悪循環を断つ 110
・なぜセラピーで効果があるのか? 115
・子犬との恋でオキシトシン反応を誘発する 118

第4章 恋(ロマンス)~コミットさえたあいへの第一歩~
□「一緒になる」を科学する 133
・欲情の火花 133
・求愛~獲物を追う~ 134
□次の段階、ロマンス 138
・ロマンス(恋)の化学 139
・情熱的な脳 141
・情熱に耽溺する 143
□セックスが絆を築く仕組み 146
・男女の興奮 147
・男女のオーガズム 148
・性差をバランスする 150
・オキシトシンの洪水 151
・セックスは報酬である 152
□オキシトシンで恋にさよなら? 153
□恋に落ちても、愛に落ちないのははぜ? 155

第5章 コミットメントの化学
□一夫一婦の脳 162
・クーリッジ効果 163
・脳が愛の条件反射を作る 165
・社会的一夫一婦制 166
・プレーリーハタネズミの愛 168
□男と女はなぜ、どう違う? 175
・保護者としての役割に作用するバソプレシン 177
・男の愛、女の愛 179

第6章 信頼と愛する能力のある子供を育てる
□自分が親から受けたものを再現する 190
・母親のように意地悪 191
・父親の役目(ファザリング) 196
□男の子と女の子のためのマザリングとファザリング 197
・猛り狂うホルモン 198
・思春期の女の子~強い性的関心を抱き、触られることに敏感~ 200
・思春期の男の子~テストステロンの時限爆弾~ 207
□「子供を大人にする」家族の責任 212
□学業でのオキシトシンの利点 214
□かくて、愛情にあふれた世代へ 216

第7章 快適な巣作り
□オキシトシン放出の更新・強化に手遅れということはない 220
□単独で行うオキシトシン放出法 222
・穏やかでつながりを感じることのできる場所を持つ 222
・安らぎの食べ物 228
・自分を愛す 234
□グループで行うオキシトシン放出法 235
・コミュニティとしての教会 236
・女は世話をして仲良くなる 237
・大きな声で歌う気持ちよさ 238
・抱擁のための場所、カドル・パーティ 239
・オキシトシン放出が仕事を成功に 241
□一対一で行うオキシトシン放出法 244
・セラピー的な接触を楽しむ 244
・家庭の火を燃やし続ける 246
・誰かを、何かを、大切にする 248
・助けてもらうことの意味 248
□オキシトシン薬の可能性 250
結び 252
訳者あとがき 256
参考文献 264

■「結び」の冒頭部分
  オキシトシンは、生理的状態を健康に保ち、バランスをもたらします。 性的パートナーや家族の親密さは、わたしたちが必要とする平穏や結びつきを生み出しますが、それ以外にも、オキシトシン反応を引き起こす方法はたくさんあります。 リラックスすべきだと、よく言われます。 第七章では、リラックスするために一人でできることをいくつか取り上げました。 リラックスとは、副交感神経系に「そろそろ良い仕事を始めてくれ」という信号を送ることです。 毎日、ちょっとした静穏にひたれる時間と場所を持つようにすれば、必要なときにいつでもオキシトシン反応を引き起こすことを、ほどなく習得できるようになるでしょう。
  また、オキシトシンが、職場や地域社会での日々の人間関係の基盤になっていることにも言及しました。 わたしたちは、生まれつき親密さを求めるようになっていますが、それと同様に、生まれつき社会性を求めるようにもなっています。 一夫一婦のプレーリーハタネズミも、つがいの相手だけでなく、さまざまな個体と親交することで恩恵を受けています。 実験室では、メスをペアにして一緒に飼うと、孤独で感じるストレスが軽減されることが確認されています(参考文献69)部
  人間も同様に、他の人々(たとえ見知らぬ人でも)と親しく交流することで恩恵を受けることができます。 「私は社交的でないから」と思うかもしれませんが、本書を通じて、人々と親しくすることで自分がどのような生理的反応をするかを理解したわけですから、他の人々と協力して行う何らかの活動をみつけることができるでしょう。
……

■一言:
子育て、ひきこもり、非コミュ、駄目男にばかり惚れる女性、セックス依存などに関わる体の仕組み

■書評:
るびりん書林 別館

○●おきなわ歴史物語 (1984年) (おきなわ文庫〈16〉)●2015年05月10日 12:00

メインストリートとは別の人々の顔


高良倉吉(著)
発行所: ひるぎ社
1984年7月15日初版発行
163ページ

内容・著者紹介(同書より)
内容
姿勢を正して読む歴史ではなく、くつろいだ気分で、おしゃべりでも楽しむように語り合うことのできる歴史を本書は提供する。近世古文書の中に人知れず眠りつづける歴史を揺り動かし、先人たちの自在な足跡とその多様な表情を示してくれる。この本を手にした時、私たちが親しんできた歴史は「歴史のメインストリート」でしかなかったことに、あらためて気づかされるだろう。歴史を生きた人々の「顔」は実に多彩である。―そのことを、今、つくづく思い知らされる。
著者
高良倉吉(たからくらよし)
1947(昭和22)年10月伊是名村生まれ
1971(昭和46)年3月愛知教育大学卒業後、
京都大学文学部国史学研究室に研究生(国史学専攻)として学ぶ
1973(昭和48)年4月 沖縄県沖縄史料編集所に入り、現在同署の専門員
専攻 歴史学(琉球史)

著書
沖縄歴史序説(三一書房、1980年)
琉球の時代(筑摩書房、1980年)
沖縄歴史への視点(沖縄タイムス社、1981年)
御教条の世界(ひるぎ社、1982年)

■目次
第I部 知られざる歴史の表情
第1話 遊女から愛する男への手紙 11
第2話 流人たちの素顔 19
第3話 久部良割り伝説の背景 27
第4話 中国に渡る密貿易船 35
第5話 人魚と王様 44
第6話 尚寧王の「遺言」 52
第7話 思想としてのユタ問題 60
第8話 牧志朝忠とロシア艦隊 75
第9話 アメリカ水兵の暴行事件 91

第II部 知られざる人物の表情
第10話 改革者の心意気(向象賢) 101
第11話 「日琉同祖論」のねらい(向象賢) 107
第12話 老政治家の回想(蔡温) 113
第13話 名護遷都論のなぞ(蔡温) 119
第14話 誤解された「弾圧者」(小禄親雲上良宗) 125
第15話 島役人への遠い道(チャモ洲鎌) 131
第16話 ある経済振興論(無名者たちの答案) 137
第17話 幕末のコスモポリタン(真栄平房昭) 143
第18話 女と男のいる風景(マカとタラ玉城) 149
第19話 無名者たちの死(神谷と知念) 155
あとがき 161

■「あとがき」(一部分)
話題は近世琉球の古文書や史料から入手した。そして、これまでの歴史書では全くお目にかかる機会の少ないエピソードを中心に集め、しかも、つとめて名もなき人々を優先的にとりあつかうよう配慮したつもりである。その結果、本書は「近世琉球における無名者たちの知られざるこぼれ話集」となってしまったわけだが、このような仕事もまた沖縄歴史とそれをつくりあげた人々の足跡を知るうえで必要なのではないかと思い、あえて一書にまとめたしだいである。歴史の広がり、表情の多様さを身近に感じていただければばぼくの目的は達せられたも同じである。
仕事柄、恰好をつけた小むずかしい論文を書くのも商売のうちであるが、しかし、ぼくはおしゃべりが好きだし、さまざまな友人・先輩たちと好奇心にまかせて談論風発表を楽しむことにエネルギーを費やしたい。スポーツで汗を流すのも気に入っているし、さまざまな土地を旅することも本職の一つと心得ている。不遜かもしれないが、歴史も、そんな自由な気持で楽しみたいのである。歴史家である前に歴史愛好家でありたいし、歴史愛好家である前に人間社会の喜怒哀楽の中に身をおく「生活者」でありたいと思う。そこから歴史なるものを方法として自分の側に置くことができればそれでいい。

■一言:
ここにあるように、「歴史のメインストリート」でも、為政者に好都合な 歴史でもない、人々の顔を伝える内容となっているようです。