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○■動物の「食」に学ぶ■2015年06月05日 10:04

新版「新・動物の「食」に学ぶ」あり


西田 利貞 (著)
単行本: 215ページ
出版社: 女子栄養大学出版部 (2001/08)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
なぜ、ウサギは自分のウンチを食べるのか?なぜ、ゾウやゴリラなど粗食の動物は、体が大きいのか?なぜ、大きなくだものと小さなくだものがあるのか?なぜ、食べ物は腐るのか?体が要求するものを食べるのがいちばん、とは本当か?朝食を食べたほうがダイエットに役立つのか?チンパンジー博士が歩く、動物とヒトの「食」紀行。
内容(「MARC」データベースより)
なぜウサギは自分のウンチを食べるのか。なぜゾウやゴリラは粗食なのに体が大きいのか。動物の食に関する知っているようで知らない素朴な疑問を、テレビでおなじみのチンパンジー博士がやさしく解説する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
西田/利貞
京都大学大学院理学研究科教授。理学博士。1941年生まれ。1969年京都大学理学研究科動物学専攻博士課程修了。東京大学理学部助手、講師、助教授を経て、1988年より京都大学理学部動物学教室教授。1965年以来、アフリカのタンザニアで野生チンパンジーの行動学的・社会学的研究に従事。ほかに、ニホンザル、ピグミーチンパンジー、アカコロブス、焼畑農耕民を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
はじめに 12

第一章 食を決めるもの―食物ニッチ 17
・大きな動物の小さな食べ物 20
・大きなサルと小さなサル―体の大きさと食性 25
・小さな動物は消化が早い―腸の通過時間 31
・食べたものの行く末―消化と発酵 38
・環境の小さな違いや偶然が行動の大きな違いを生む―霊長類の食文化

第二章 遺伝子の散布―食べられることは増えること 57
・果実は食べてもらうためにある―植物の知恵 59
・種子の散布者たち―果実の戦略 64
・チンパンジー向けに進化した果実―種子の散布者を選ぶ 69

第三章 味覚の不思議―なぜ甘いものに惹かれるか 73
・甘みを演出する植物―味覚の進化 75
・動物によって味覚は違う 80
・チンパンジーの食物の味―味覚による食の選択 85
・どれくらい低濃度まで味を感じるか―味覚の閾値 91

第四章 薬の起原―生物間の競争が薬を生む 101
・食べ物としての葉―植物の化学工場 104
・薬の起原は二つある 109
・チンパンジーの薬①―葉の呑み込み行動 114
・チンパンジーの薬②―ベルノニアの茎 119
・動物たちが使う薬―森は薬の宝庫 124

第五章 肉の獲得と分配―ごちそうを賢く手に入れる 129
・肉食するサル―ヒトの定義 131
・チンパンジーのコロブス狩り―共同ではない集団狩猟 136
・見返りを期待する?―食物の分配 142

第六章 変わった食べ物いろいろ 147
・糞は栄養に富んでいる 149
・昆虫という食物 155
・救荒食としての樹皮―古代からの非常食 160
・土を食べる―なそに包まれた食べ物 165
・魚を食べるサル―魚食文化 170

第七章 食の現在―ヒトの"食べる"を考えよう 175
・最初の人類を作った食物―ヒトへの進化 176
・朝食は重要か―食事の回数 185
・カニはなぜうまいのか?―現代人のグルメ三昧 191
・"食べる"ために生きる―飽食と廃棄の現代文明 197

あとがき 204
参考文献 210

■(冒頭のことば)
人間はいま、長い経験から学んだ
食べることの知恵を忘れつつあります。
その知恵を忘れてしまった人間は、
さまざまな「恵み」を受けている自然界をむやみに破壊し、
さらには自分自身の健康までもむしばんでいます。

一方、動物は本能的に備わった食べることの知恵を生かして
食べることで自分の体を作り、みずからの健康を保っています。
さらには、自分たちの住む自然界を維持し、
ほかの種と共存しています。

21世紀に向けて、食物連鎖の最高位になる人間は、
動物たちの食べる行動から、
人間の本来あるべき姿を改めて考え、
自分たちの生き方を見直す必要があるのではないでしょうか。

■あとがき(中間の二段落)
  環境保全のたには、たしかにベジタリアンが望ましい。 少なくとも植物性の食物にもっと重点を移す必要がある。 食事を、私たちの「身体の要求」に任せていてはいけないことは、これまで繰り返し述べた。 私たちの身体は、うまいもの(つまり、アミノ酸)、甘いもの(つまり糖)を際限なく求めるのである。 昔は環境がこういったご馳走を遮断してくれたが、文明社会では個人の自制しかない。
  日本人は、「一寸の虫にも五分の魂」というように、万物に優しい心をもっていた。 大木を見れば木の精を感じ、深い森には畏怖を覚えた。 ヒトと動物を不連続と見なさいのも、日本のあるいは東洋の哲学とされてきた。 そういった精神をもっているはずの日本人が、山を切り崩し、海岸を埋め立て、清流にはダムをつくり続ける。 そこに住む動植物には一顧だにしない。 そう遠くない将来、人間の人口は100億に達すると予想されている。 先端技術を生みだして、それで安い食料を外国から輸入するという方式はいつまでも通用するとは思われない。 このような事態が続けば、いずれわれわれは飢餓地獄を招来して、断罪されるだろう。 市場経済一辺倒を見直し、山河を、一木一草をいつくしむ日本のよく伝統を見直す時期にきていると思う。 そのためには、生活水準を下げなければならない。

■一言:
ヒトとチンパンジーを分けたのはヒトが山芋(ヤムイモ)食を始めたから!?
定住化を迫られながら、不便なサバンナに戻るブッシュマンたちの生き方に、本書とは別の解決策が隠されているのではないかと、私は思います。

■書評:
るびりん書林 別館