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○●自然栽培と調理●2015年06月07日 10:01

1903年発行の『果菜栽培及調理法』に索引、植物図などを追加し1998年に発行


梅原 寛重 (著)
発行所: 博品社
1998年1月25日発行
291ページ

■内容(本文より)
  本書は、一九〇三年(明治三十六年)十一月に、東京の有鱗堂より出版された梅原寛重著『果菜栽培及調理』を「栽培と調理」とし、 その「植物名および索引」「調理名索引」を新たに作成し、関連する植物図を付したものである。
  この度、刊行に際し、遺族の了承を得て文章を現代表現にし、度量衡もメートル法に換算した。度量衡については、<日本豆類基金協会> のご協力をいただいた。

著者略歴(本書より)
梅原 寛重(うめばら・かんじゅう:1843-1911)
  天保14年, 伊豆国田方郡神島村(現 静岡県田方郡大仁町)に生
  まれる.
  多くの農書を繙いて蘊奥を探り, 自ら実践・試験を行う傍ら,
  筆を執り数々の農業指導書を著し, その著書は約44種にのぼる.
  著書に, 『三椏培養新説』『草木撰種新説』『椎茸養成独案内』『田
  圃駆虫実験録』(正・続編)『農家暦』(『農事の楽しみに─十二ケ
  月』博品社)などがある.

■内容紹介
現在は伊豆の国市になっており著者の碑が建立されています。
本書は、目次の後に、復刊に関する注記程度の説明文があるだけで、まえがきも後書きもない構成になっています。

本文には、現在も栽培されている野菜が多い中、アカザ、スカンポなどの野草の栽培方法も記されています。野口種苗から固定種の種を購入して育てる他に、 このような本を参考に、野草を積極的に利用することもこれからの食を考える上で重要かもしれません。
たとえば、「椎(しい)」については、肥料として樹下の雑草を刈り 取って根のあたりに施すことや、椎の実が生食に向くことなどが記さ れています。
いまではほとんど利用されない植物が多く記載されており、参考になります。
■目次(大分類とかなによる品種名のみ)
栽培と調理 3
瓜果類 5
・きうり、しろうりとまるうり、すいか、まくわうり、れいし、かぼちゃ、とうがん、かんぴょう、へちま、なす、あかなす、 ごがつささげ、みづら、じゅうろくささげ、なたまめ、いんげんまめ、ふじまめ、あおまめ、えんどう
葉茎類 33
・ねぎ、いっぽんねぎ、かりき、わけぎ、あさつき、にら、にらねぎ、にんにく、のびる、なづな、つくし、いたどり、うど、 ふき、つわぶき、わらびとぜんまい、みょうが、しそ、べにひゆ、おらんだせり、ういきょうせり、うぐいすな、まつばうど、 おらんだみつば、みつば、おかぼうふう、あかざ、こがな、ふじな、こすい、めぼうき、さるびや、おかひじき、かぶらはぼたん、 はぼたん、はごろもはぼたん、ちしゃ、すかんぽ、つるな、ちょうせんあざみ、せんにんこく、まつな、とくな、あかな、 すいぜんじな、はすいも、だいおう、かなから、ひおおぎな、しんぎく、かんあおい、ほうれんそう、ちりめんたかな、 しらくきな、さんとうさい、たいさい、おらんだな、こうとうさい、はなはぼたん、ふだんそう、あざみな、はくさい、 こまつな、みぶな、きょうな
根菜類 77
・だいこん、はつかだいこん、ほそねだいこん、さんがつだいこん、なつだいこん、さとうだいこん、かぶら、かぶらみつば、 ごぼう、きくごぼう、なつにんじん、にんじん、あめりかぼうふう、たまねぎ、ちょろぎ、てんもんどう、さつまいも、 さといも、じゃがたらいも、つくねいも、ながいも、かしゅう、らくだいも、きくいも、こんにゃく、らっきょう、ゆり
水菜類 115
・はす、おにばす、じゅんさい、くわい、くろくわい、なぎ、ひし、あさざ、せり
辛菜類 125
・とうがらし、またで、しょうが、からしな、わさびだいこん、わさび
菌茸類 133 ・しいたけ、まつたけ、はつたけ、しょうろ、むらさきたけ、きくらげ、その他のきのこ
海草類 141
・のり、おんご、こぶのり、もずく、ひじき、あらめ
救荒植物 146
・根の類、茎の類、葉の類、芽の類、蔓の類、花の類、樹皮の類、子実の類、雑の部
果樹類 152
・うめ、すもも、あんず、はたんきょう、ぼたんきょう、もも、すばいもも、なし、りんご、まるめろ、かき、ざくろ、かりん、ぐみ、 ぶどう、むべ、みかん、くねんぼ、たちばな、だいだい、ゆこう、さぼん、ぶっしゅかん、ゆず、すだち、なつみかん、れもん、 べにこうじ、からたち、オランダいちご、おうとう、ゆうり、やまなし、いちじく、なつめ、かや、しい、はしばみ、とち、くるみ、 おりーぶ、けんぽなし、ぎんなん、びわ、やまもも、くり
付録
植物名目録および索引 230
調理名索引 283

■一言
『動物たちの自然健康法』によると、マサイ族やハウサ族は味が良 いとはいえない野草を食べることによって健康を保っているそうで す。私たちも、この本にあるような野生的な植物を食べることで健 康を維持できるかもしれません。