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○●世界ホームレス百科事典●2015年07月26日 08:34

ホームレス問題に関する知識の集約を目的とする百科事典


デーヴィッド・レヴィンソ (編集代表)
駒井洋 (監修)
田巻松雄 (監訳者代表)
発行所: 明石書店
2007年12月10日発行
798ページ

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
本事典の特色:第一の特色として、文学および映像の重視があげられる。文学については、すでに日本語訳された古典も数多く、また日本で上映された映画もたくさんある。第二の特色としては、イギリスの1601年救貧法と1834年改正救貧法の全文が収録されていることがあげられる。
内容(「MARC」データベースより)
アメリカの近年および現代の状況に焦点を当てながら、世界各国のホームレス問題に関する知識を集約し、21世紀のホームレス問題を詳解。170に及ぶ見出し語の解説とコラム、参考文献、参考資料等から構成。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
レヴィンソン,デーヴィッド
文化人類学者。バークシャー出版グループ(Berkshire Publishing Group[BPG])社長。1996年にカレン・クリステンセン(Karen Christensen)とともにBPGを設立する以前は、イェール大学の人間関係地域別資料(略称HRAF)に在籍。モントクレア州立大学で心理学士号、ニューヨーク大学ワグナー公共行政大学院で行政学修士号、ニューヨーク州立大学バッファロー校で人類学博士号を取得。1971~1972年と1984年にバワリー街とニュージャージー州ニューアークで民族学調査を実施、1972年にアメリカの都市におけるホームレス問題を調査した。そのほか、家族関係、アルコール依存症の治療、民族関係、および社会理論について研究している

駒井/洋
中京女子大学人文学部教授。1970年東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。東洋大学社会学部専任講師、筑波大学社会科学系助教授、同教授を経て、現職。筑波大学名誉教授

田巻/松雄
宇都宮大学国際学部教授。1984年筑波大学大学院社会科学研究科博士課程修了。名古屋商科大学を経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■「はじめに」に記された本書の目的
  本書『世界ホームレス百科事典』(Encyclopedia of Homelessness)の目的は、ホームレス問題に関するわれわれの知識 を集約することにある。過去におけるホームレスの類型を説明し、 アメリカの近年および現在の状況に焦点を当てるとともに、世界各 国のホームレス問題を例示する。執筆項目としては、原因、歴史、 法的問題・援護活動・政策、立法と実施計画、健康問題、団体・機 関、調査研究、対策事業(サービス)とその状況、ホームレス(問 題)についてのイメージや認識、ライフスタイル(生活様式)、国 際的な問題と展望などが含まれる。今日のアメリカの大都市8カ所、 および世界の30以上の国や都市におけるホームレス問題の解説記 事も載せたので、簡略な比較を試みることが可能になっている。 社会問題としてのホームレス問題に対して、社会全般の理解度は 格別に低い。一般の人がホームレスという状態に対して抱く概念も、 その性質や原因として認識することも、真のホームレス問題にはさ ほど関係がない。またアメリカ人の多くが、ホームレスの人と接触 することはまずない。街角で見かけても、刹那的に気まずい思いを するだけで、すぐに意識から消えてしまう。現に私が1970年代はじ めに人類学の研究活動としてバワリー街付近で物乞いに扮してみた とき、通行人は私の存在など気付かないかのように見えた。扮装し た私には居場所がなく、道行く人々の社会的物理的世界に存在しな かったのである。このようにホームレスの人々を忌避する一般的な 態度は、ホームレス問題にまつわる誤解をよけいに助長してきた。 しかも報道機関やテレビ番組、映画作品を通じて、誤解の度は日々 深まっている。

■目次
監修者序言 3
見出し語一覧(英語) 7
見出し語一覧(日本語) 13
項目別ガイド 17
コラム一覧 21
執筆者一覧 23
初めに31
謝辞 35
訳者紹介 37
利用の手引き 41

項目:A-Z 43

参考資料1 ホームレスの自伝的および小説的作品の文献目録 585
参考資料2 アメリカのホームレスの劇映画および記録映画の作品目録 589
参考資料3 ストリートペーパー住所録 593
参考資料4 ホームレスの文献史 597
参考資料5 ホームレス関連文献の総合目録 717

監訳者あとがき 775
索引 779

■「はじめに」の「包摂範囲」に列挙されている項目
□アメリカのホームレス問題
□アメリカ史におけるホームレス
□ホームレス研究
□ホームレスの原因
□健康問題
□団体・機関
□都市と国
□対策事業(サービス)とその状況
□住居(住宅)
□法的問題・援護活動・政策
□立法と実施計画(プログラム)

■「項目別ガイド」の分類項目
(これによって、調べたい内容が記載されているかどうかを確認しや すくなっており利便性が向上しています。)
【原因】
【都市】
【人口統計学的特徴】
【健康問題】
【歴史】
【住居(住宅)】
【法的問題・政策提言・政策】
【ライフスタイル(生活様式)】
【団体・機関】
【ホームレス(問題)についてのイメージや認識】
【下位集団】
【調査研究】
【対策事業(サービス)とその状況】
【世界各国・各都市のホームレス問題】

■一言:
「項目別ガイド」に含められている具体的な項目を見ると、「人口統計学的特徴:農村のホームレス」、「原因:帰属保留論」、「下位集団:家族」など、ホームレスに関連する多様な側面を知るために役立ちそうです。

◎■グアヤキ年代記―遊動狩人アチェの世界 (インディアス群書)■2015年07月26日 22:51

後に「国家に抗する社会論」へと飛躍したピエール・クラストルの初仕事


ピエール クラストル (著), Pierre Clastres (原著), 毬藻 充 (翻訳)
単行本: 440ページ
出版社: 現代企画室 (2007/01)

■商品の紹介
内容
権威を根底から拒否し、権力の絶対的否定を表明する集団
南米パラグアイの熱帯森林に生きるグアヤキ(自称は「人間」を意味するアチェ)民族は、南米先住民の中では例外的なことに、遊動の狩人・採集民である。
フランスの民族学研究者ピエール・クラストルは一九六三年、グアヤキの宿営区に入り、一年間生活を共にする。
性愛、出産、狩猟、食、住居、用具などにまつわる日常生活の仔細な観察、微苦笑を誘わずにはいない子どもたちや若い女性たちとの交流に始まる叙述は、
次第にその神話世界、「征服」以降の歴史過程、食人習慣の分析へと展開する。
伝統的な「未開」社会観を根底から覆すだけの衝撃力を秘めた、クラストル初のこの仕事は、やがて「国家に抗する社会」論へと飛躍していく。
権力の拒否、無益な過剰の拒否など、グアヤキ社会の自律的な原理は、現代の私たちに何を語りかけるだろうか。

著者について

「訳者あとがき」に記された、原著の紹介文の翻訳より)
  「ピエール・クラストルは一九三四年に生まれ、パリで哲学を研究した後、民族学に向かった。
  数年間をパラグアイのさまざまなインディオの部族―グアヤキ、グアラニ、チャコのアシュルスレー―で過ごし、一時期サンパウロで教鞭をとった後、 アマゾンのベネズエラ領に居住するヤノマミのもとに滞在した。
  フランスに帰国して国立科学研究センター研究員、コレージュ・ド・フランス社会人類学研究所(クロード・レヴィ=ストロース主宰)の研究員になった。
  この著者にとっては、民族学者はみずからの研究の編纂者や未開社会文化の記録保管者ではなく、政治思想家である。
  グアヤキのもとに滞在した体験をもとに、彼は賞賛すべき著者『グアヤキ・インディオの年代記』を出版した。 この著作は本質的な証言であり、ここでクラストルはほんの些細なグアヤキたちの慣行や言葉や思考にも、限りない精密さで観察の眼を向け、それらについて詳述している。 著者はグアヤキたちの振る舞いや思想と文字通り相互浸透しながら、この部族と親密に交流したのである。
  ピエール・クラストルは一九七七年に事故で亡くなった。 彼はわれわれの時代の魅力的な研究者の一人でわり続けるだろう。 政治人類学という観点で、彼は民族学に専念し、それを表現したのである」

毬藻/充(まりも・みつる)
1950年生まれ。現在、同志社大学で哲学講義担当。龍谷大学ほかでヨーロッパ・フランス文化論系の講義を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
第一章 誕生 7
第二章 二つの平和条約について 53
第三章 逆方向に 89
第四章 大人 142
第五章 女性たち、蜜蜂、戦争 192
第六章 殺害 241
第七章 同性愛者の生と死 286
第八章 食人種 325
第九章 終末 369

議論と批評 375
訳者あとがき 408
挿絵一覧表 416
テーマ索引 i
名前と場所の索引 xx

■「議論と批評」より(本書に対する反響)
国家のない
  古典的人類学は、国家のない社会と国家によって統制された社会とを対立させる。 国家がなければ社会は欠如の状態にあり、歴史の周辺部に引きこもり、権力を知らないであろうし、 そうした社会は惨めな生存経済でくたくたになっているだろう、というわけである。 「未開」社会という名前はここに由来する。 それは生産の発展にもとづくわれわれの歴史的社会に対立して用いられているのである。 この貧弱な分析のなかに、ピエール・クラストルは一世代の研究者たちが抱いていたあらゆる政治的、哲学的偏見を読み取り、この分析に対して彼は、理論を正当化する代わりに 事実を研究することで決定的に反論するのである。 未開社会は権力について何でも知っているのであり、彼らの組織全体はこのような分析とは逆のことを示している。 その社会は最初の豊かな社会、余暇の社会であり、不平等、奴隷状態、社会の分化―ここから国家は生じる―をもたらす余剰の財を避けるために、 「熟慮して」労働を制限しているのである。 未開社会は国家に抗する社会である。
    グザウィエ・デルクール、『ル・モンド』、一九七七年八月五日

■一言:
わかりにくいが、極めて重要な事実を指摘した本

■書評:
るびりん書林 別館