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○■悪夢の超特急 リニア中央新幹線■2015年09月03日 21:55

消費電力、沢枯れ、耐震性能、採算性、電磁波…
リニア新幹線の問題を理解するには十分


樫田 秀樹 (著)
単行本(ソフトカバー): 264ページ
出版社: 旬報社 (2014/9/17)

■内容紹介
【第58回JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞受賞!!】

「夢があっていい! 」「地域が活性化する! 」と思っているあなた。覚悟はできていますか?
新幹線の3倍以上かかる電力を原発再稼働でつくる? 南アルプスの天然水を枯らし、稜線に残土を積み上げる? 1日に1700台ものダンプカーを街中に走らせる? 日本最大のウラン鉱床地帯にトンネルを開ける?

【著者メッセージ】   総事業費9兆円。この史上最大の鉄道事業は、その問題点をほとんど報道されることなく着工目前まで来た。  東京・名古屋間の286キロのうち86%の246キロがトンネルになることで発生する水枯れの可能性、処分方法の決まらない膨大な建設残土、掘り当てるかもしれないウラン鉱床、一日に1700台ものダンプカーが12年も走る村、10年以上も続く騒音と振動と土ぼこり、喘息、生活と交通阻害、生態系の劣悪化、立ち退き等々。
私がリニアに関して取材を続けるのには理由がある。いま伝えるしかないからだ。
3・11の前、原発の危険性を訴えるマスコミはきわめて少なかった。事故が起きてから、多くの記者が饒舌になった。原発関連の本にしても、事故のあとは数百冊も出ているはずだ。もちろん否定しているのではない。次から次へと新たな問題が発生する以上、どれも大切な情報である。
だが、その礎を作ったのは、原発事故以前の数十年間、事故の可能性を訴え、反原発を訴えていた少数の市民団体やジャーナリストや研究者だ。たとえば、原発事故のあと、どの講演会場も立ち見が出るほどに時の人となった小出裕章・京都大学原子炉実験所助教は、事故の前は10人前後しか聴衆のいないときもあった。それでも腐ることなく、淡々と講演活動を続けた。市民団体も廃炉を視野に入れた運動を展開したり、東京電力に何度も申し入れを行なっていた。 だが、マスコミは東京電力という大スポンサーに配慮して、こうした声を拾わなかった。東京電力はひたすら「原発は安全です」を繰り返し、国民的検証もないまま、ついに事故が起きた。
リニアが事故や問題を起こすとは断言しない。ただ人間が造るものである以上、その可能性はある。リニア計画では、すでに山梨県のリニア実験線周辺で、起こらないといわれていた水枯れが頻発しているだけに、問題発生の可能性は低くはないと推測する。しかし、その検証がされていない。
あるテレビ関係者は言った。「JR東海がスポンサーである以上、報道は難しい。でも、事故や大問題が起これば取材できる」と。だが、私は事故を待ってなどいられない。いま伝えることで、多くの人にリニアに関する情報を知ってもらい、議論をしてほしい。 なぜなら、リニアは似ているのだ。原発の推進の仕方と。

内容(「BOOK」データベースより)
総事業費9兆円。この史上最大の鉄道事業は、その問題点をほとんど報道されることなく着工目前まで来た。東京・名古屋間の286キロのうち86%の246キロがトンネルになることで発生する水枯れの可能性、処分方法の決まらない膨大な建設残土、掘り当てるかもしれないウラン鉱床、1日に1700台ものダンプカーが12年も走る村、10年以上も続く騒音と振動と土ぼこり、喘息、生活と交通阻害、生態系の劣悪化、立ち退き等々。今からでも遅くはない。JR東海は関係者、特に住民を軽視せず、徹底議論を図るべきだ。

著者について
樫田秀樹(かしだ・ひでき)
1959年北海道生まれ。岩手大学卒業。コンピュータ関連企業勤務を経てフリーのジャーナリストに。NGOスタッフとしての活動や取材でアジア・アフリカ各地に赴く。著書に『9つの森の教え』(築地書館。ペンネーム峠隆一)、『「新しい貯金」で幸せになる方法』(築地書館)、『自爆営業』(ポプラ新書)、編著書に『世界から貧しさをなくす30 の方法』(合同出版)など。各誌で環境問題、社会問題、市民運動、人物ルポなどを手がける。自身のブログやホームページでも多くのテーマを執筆している。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
プロローグ
第一章 計画前夜 16
・技師の閃き/署名運動/走らないリニア/動き出した計画/「リニア・市民ネット」の誕生
第二章 空疎な「方法書」説明会 50
・国の民意軽視/不毛な説明会―環境影響評価方法書の縦覧/計画の大義/原発一基分の電力を消費するリニア/このままではずるずると着工される/大鹿村の新聞/NO!リニア連絡会/大鹿村の説明会/東京での説明会/NOを言わなかった自治体/議論がなかった期成同盟会/自治体の本音
第三章 何が問題なのか 90
・推進者からの批判/海外での事例/自治体にも隠される情報/何が問題なのか/電磁波/水枯れ/空疎な「町づくり」計画/なぜ報道されないのか?/「個別説明会は開催しません」
第四章 リニアは必要なのか? 166
・速いけど早くない/声にならない声が―「リニア、いりませんよね」/リニアを止める!―「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」の誕生/ネットワーク、国土交通省へ/議員の関心/誰がリニアを必要としているのか?
第五章 土壇場での懸念の噴出 190
・加速の第一歩/「ご理解」なんてできない/自治体も懸念。長野県大鹿村と中川村/長野県南木曽町の懸念/岐阜県可児市/静岡県七市二町の水源がなくなる?/悩ましき南アルプスの残土/公聴会と審査会
第六章 厳しい知事意見書が出ても 232
・評価書/環境大臣意見/環境省と国交省へのダブル交渉/行政訴訟?/高まる関心

あとがき 257
リニア新幹線沿線住民ネットワーク加盟の市民団体一覧 261
主な参考文献 262

■「プロローグ」から
  水枯れや残土だけではない。南アルプスだけではない。リニア中央新幹線計画には、さまざまな問題が存在する。

・新幹線の三倍以上の電力を消費することから指摘される原発再稼働につながる可能性
・強力な電磁石の使用による電磁波の発生
・岐阜県では日本最大のウラン鉱床地帯にトンネルを開ける可能性
・三兆円の借金がある会社が九兆円もの事業に乗り出すという疑問。つまり資金ショートした場合の国民負担の可能性
・なぜ時速五〇〇キロでなければならないのか

  こうしたことはほとんどの人が知らない。JR東海も国もマスコミも、総工費約九兆円という、世界の鉄道史上最大の超巨大プロジェクトの実像をほとんど周知しない。

■書評:
るびりん書林 別館