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○■日本の長寿村・短命村―緑黄野菜・海藻・大豆の食習慣が決める■2015年11月01日 09:11

日本全国を歩き続けてまとめられた1972年初版の名著。新装版。


近藤正二(著)
荻原弘道(付帯報告と解説)
発行所: サンロード出版
1991年4月1日新版発行
179ページ

■商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
長寿者の多い村と少ない村との衛生学的比較調査研究の為に、日本全国くまなく、990カ町村以上を歩き続け、現地探訪の記録をもとに話されたものを編訳。生命の尊さと、食物の重大さをあらためて考え直す。

■目次
序 丸山博 14
本書の発刊を喜んで ゲイロード・ハウザー 16
新版にあたって 萩原弘道 18

日本の長寿村・短命村 近藤正二
1 平均寿命ではわからない 26
・誰もしていなかった長生きの研究 26
・必ずしも英雄的な長寿はいらない 29
・三十六年、九九〇カ町村を歩いて 30
・重労働で可哀想な村は短命か 31
・一升めしを伝統とする村は短命村 35
・畑をもたず魚ばかり食べる漁村 36
・大豆製品を毎日かかさないこと 40
・果物は野菜のかわりをしない 44
・少量でも毎日食べる習慣をつけよう 46

2 志摩の海女が長生きなわけ 48
・働き者の島の海女 49
・男を働かせない海女の神さま 50
・食べたいお菓子をなぜ食べぬ 53
・嫌いな人参を食べる理由 55

3 塩焼きを生業とした平家部落 57
・魚をとらない約束で住みつく 58
・落ちぶれても礼儀正しく 59
・野菜畑をもたない漁民部落 61

4 岡山県公文村の謎をとく 65
・女がつくってくれたものを、残せません 65
・婚礼の日から野良に出ようとした婿さん 68
・女に教養をつけさせた開拓武士団 69
・中学校より古かった高等女学校 71

5 男(女)を大切にする土地 73
・男が野菜を食べると笑われる 73
・娘の好ききらいにきびしい 75
・北海道のニシン御殿 76
・女を働かせない――野菜不足の村 78

6 米作りの部落をのぞいて長寿 80
・全体が九%という沖永良部島の和泊町 80

7 八重山の長寿村・竹富島 85
・八重山群島の食生活をみる 85
・大豆をすすめた前我名釜多 87
・野草「長生き草」を摘んで常食 90

8 米どころで長寿村の理由 93
・先生の説はひっくり返った 93
・配達証明つきの小包 97
・藍産地だった米どころの長命村 98
・南部海岸からくる海藻、干魚の行商 101
・長生きしない藍の豪商たち 101

9 労働する女たちから 104
・一寸二分の米を食べる輪島の海女 104
・手をとり合って泣いた江差沖の女 106
・豆腐だけで長生きする有芸村 110

10 大豆、にんじん、かぼちゃ 113
・海幸と交換する西山大豆 113
・鳴沢村で飲む六杯のみそ汁 114
・かぼちゃを食べない西米良村の例 116
・人参を食べる村食べない村 118

11 崖の上に畑を作る漁村 121
・山陰地方のある平家部落 121
・北海道・歌棄も同じ条件 124

12 これからの日本人は長生きか 126
・若死にするハワイの日系二世、三世 126

13 私の生い立ちと考え方 130
・虚弱児童だった少年時代の願い 130
・ゆっくり邦楽を楽しみながら 133
・私の健康十則とは 134
・船に強い理由をきかれて 136

14 結語 140

付帯調査と解説 萩原弘道
15 沖永良部島・屋子母と与論島 147
・近藤先生へのご報告 147
・屋子母部落中山清元氏の一家 148
・野菜がわりの野草のたぐい 151
・この長寿部落の泣きどころは高血圧 156
・塩分のとりすぎと漬けもの 158
・観光の島、与論島の姿 159
・糸満漁夫に売られた人たち 161

[解説]長寿村は幻想ではない 164
・乱暴だった松崎学説 164
・算定方式について 165
・知名町・屋子母の調査 168
・松崎方式は全国〇・九二 172
・やはり大宜味村は日本一の長寿郷 173
・カギはカルシウムにもある 177

■「新版にあたって」冒頭部分
  初版以来、この本は十数版を重ねたロングセラーでありました。 近藤先生はそれまで、研究の内容を一切印刷物にすることがなく、当時はブリジストンの石橋正二郎氏が先生の話を聞いて、数頁の小冊子をつくり人々に配布していた程度でした。
  私は近藤先生のライフワークを記録にとるため、講演会を主催したり、仙台の名誉教授室にかよって、一章ずつ口述してもらう作業をつづけるとともに、先生の地図上に記入された長寿者率を白地図に写し、その地方の長寿村、短命村の色分け地図をつくり上げました。
  こうして「日本の長寿村・短命村」はでき上がりましたが、先生独特の口ぐせもそのままにしましたので、先生を存じあげている方々は、先生が話されているとおりだと、たいへん喜んでいただきました。
  そして、先生のお人柄がにじみでていることもあって、ロングセラーをつづけたと思っています。

■一言
食事の影響の大きさを指摘したロングセラー。当時の暮らしぶりもよくわかる。

■書評
るびりん書林 別館