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○■ひとの居場所をつくる: ランドスケープ・デザイナー 田瀬理夫さんの話をつうじて■2015年11月11日 21:42


西村 佳哲 (著)
単行本: 269ページ
出版社: 筑摩書房 (2013/9/9)

■商品の説明
出版社からのコメント
『いま、地方で生きるということ』から2年。仕事をすること、生活をすること、生きること、を考察し探求しつづけた、西村佳哲さんの新境地です。
「これからの日本でどう生きてゆこう?」この大きな問いを、政治や経済だけでなく、土地であるとか生き物であるとか、そうした角度から扱ってゆけるといい。(帯より)

著者について
西村佳哲(にしむら・よしあき)
1964年、東京生まれ。武蔵野美術大学卒。建築分野を経て、「つくる」「書く」「教える」仕事にたずさわる。代表的な仕事に、黎明期のインターネット・プロジェクト「センソリウム」(1996-99)、働き方研究家としての著作『自分の仕事をつくる』(2003、晶文社/2009、ちくま文庫)、奈良県立図書情報館での全国フォーラム「自分の仕事を考える3日間」(2009-11)など。デザイン・プロジェクトの企画立案とチームづくり、ディレクション、およびファシリテーター役を担うことが多い。
他の著書に、『自分をいかして生きる』(ちくま文庫)、『かかわり方のまなび方』(筑摩書房)、『自分の仕事を考える3日間I』『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』『わたしのはたらき』(弘文堂)、『いま、地方で生きるということ』(ミシマ社)、『なんのための仕事?』(河出書房新社)など。
http://www.livingworld.net/

■目次(大項目)
まえがき 6
遠野 17
・クイーンズメドゥ・カントリーハウスを歩く 20

・ただの別荘ではなく 38
・縁を切らずに 41
・土地は借りればいい 45
・山林の拓き方 47
・基本は土地利用 50
・ここにあるものでつくる 53
・農業生産法人になる 56
・土地は、いま生きている人たちが使うもの 59
・所有を越えて使う 62
・馬のポテンシャル 65
・農業が景観をつくる 71
・自分たちがクライアントになろう 78
・馬とつくる生業 85
・馬が先か、人が先か 86
・前例をつくってしまうほうが早い 88

・岩手県沿岸部の宝 95
・宝の中で生きる 98
・ビジョンに根拠は要らない 101
・フリーハンドで考えるステージ 104
・事業でなく、"環境"に投資する 108

東京 115
・すごく、きれいな東京 118
・意識のある仕事を 125
・手間はかかるほどいい 130

・時間を蓄積する空間 134
・同じものが少なすぎる 139
・その場所らしさを再生する 142
・かかわり方を知らない 145
・公共空間のあり方 150

・これからの東京 154
・東京は出先くらいのつもりで 159
・他愛のないことの積み重ねが価値を持っていく 163

写真 津田直 169

田瀬理夫さんのあり方、働き方 185
・変わっていくこと自体が意味 186
・知らなくても、伝えれば出来る 189
・トップレベルの技術者と働く 192
・わからない本を読む 194
・会わないとわからない 198
・ワークショップ・スタイルで 200
・最初にやり方を提案する 202
・前例を用意しておく 204
・みんなの仕事を台無しにしない 206

注釈と付記 213

地上をゆく船 あとがきにかえて 237
・ないものはつくる 238
・一般教養としての建築・ランドスケープ 243
・政治や経済だけが、人間の環境ではない 247
・"人と社会と自然"の関係資本 254
・地上をゆく船 259

参考文献等 268
謝辞 269


■「まえがき」の結びの部分
  あるランドスケープ・デザイナーの経験と言葉を介して、読み手がそれぞれの暮らしや場づくり、めいめいの「船」やその可能性について考えられる空間を本の形でつくってみたい。

  第1章では、田瀬さんが取り組んできた遠野の試みをめぐって。
  第2章では彼が生まれ育った東京のことを通じて、日本じゅうに同じく存在する都市的な課題の共有を。
  第3章では彼の働き方に触れ、付記事項を経たのち、自分の考えも書いてみようと思う。

  では、遠野から。
  さまざまな緑地設計に携わってきた田瀬さんは、一連のクライアントワークとは別に十数年前から、岩手県の山里に仲間たちと「クイーンズメドゥ・カントリーハウス」という滞在拠点をつくり、馬を軸にした営みの実践的な実験を重ねている。


■書評
本が好き!