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○■カムイ伝講義■2016年08月04日 19:17

江戸時代の架空の村と、非人、エタ、農民らの暮らしを通じて、現代社会を見る。

■書評
るびりん書林 別館

田中 優子 (著)
単行本: 339ページ
出版社: 小学館 (2008/10)

■商品の説明
内容紹介
白土三平の名作漫画『カムイ伝』を通して、江戸の社会構造を新視点で読み解く。現代の階層社会の問題が見えると同時に、エコロジカルな未来もみえる。 --このテキストは、文庫版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)
コミック界の巨星・白土三平のライフワークが江戸学の新視点を得て、新たな輝きを放つ!「いまの日本はカムイの時代とちっとも変わっていない」競争原理主義が生み出した新たな格差・差別構造を前に立ちすくむ日本人へ―。江戸時代研究の第一人者が放つ、カムイ伝新解釈。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
田中/優子
法政大学社会学部教授。1952年横浜市生まれ。遊女、被差別民など、歴史の表舞台に登場しない民衆にも着目して江戸時代を立体的に研究。『江戸百夢』で芸術選奨文部科学大臣賞、サントリー学芸賞を受賞。明快な語り口と艶っぽい和服姿はテレビのコメンテーターとしても人気。2003年より法政大学社会学部で「江戸ゼミ」を主宰。2006年4月より、同ゼミと学科基礎科目の授業で『カムイ伝全集』を参考書に使う授業を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
はじめに 『カムイ伝』から発掘できる、さまざまなテーマ 11
第一章 『カムイ伝』の空間と時間 21
第二章 夙谷の住人たち 31
穢多の存在理由/穢多の実像/河原の豊かさ/日本の村の多様性/かわた村の成立/弾左衛門支配/武士のなりわいとしての乞胸/黄表紙に見える非人/身分制度の形骸化/組織内格差/社会の中での非人・穢多

第三章 綿花を育てる人々 67
百姓――多様な能力を持つ人々/綿作とはどういう仕事か/綿花栽培のはじまり/いく人もの正助/木綿には二種類あった?/インド的技術改良と嶋(ストライプ)/綿花栽培の崩壊

第四章 肥やす、そして循環する 93
正助たちの下肥/肥料とは何か/さまざまな肥料/下肥システム/肥料の情報化と商品化/動物系肥料/干鰯・干魚/カスとクズこそ価値がある

第五章 蚕やしない 117
マユの専売/産業の現場/蚕から布まで/絹の国産化/生糸一揆

第六章 一揆の歴史と伝統 141
一揆の歴史/戦いとしての一揆/百姓一揆のルール/一揆の音と形/一揆の原因/郡上一揆/一揆の性質/特産物をめぐって/さまざまな一揆

第七章 海に生きる人々 169
迫力!『カムイ伝』の漁シーン/納屋集落/深川の漁師たち/生きるための漁・楽しむための漁/商業の介在/江戸時代の漁と漁師/イワシ漁の展開

第八章 山に生きる人々 197
袋堰/日本の森林/治山治水思想と「山川掟」/山の管理と放置/マタギ/サンカ/宝の山――『カムイ伝』に見られる鉱山/なぜ鉱山は必要だったか/平和な鉱山町/山と山丈

第九章 『カムイ伝』の子どもたち 241
子どもというテーマ/子どもたちの縄張り/子どもとは何か?/たくさんの親/組織としての子ども組・若者組・娘組/生きる力とは何か

第十章 『カムイ伝』の女たち 257
武士の親子/ナナとサエサ/村の女たち/娘組・嫁組(カカア組)・婆仲間/恋愛と結婚/女性の存在感

第十一章 『カムイ伝』が描く命 271
不知火の才蔵/生きようとする体/殺すことにも生かすことにも使える技術/島原・天草の乱/二つの外科医術/薬師と本草/死/命/生態系/『カムイ伝』について

第十二章 武士とは何か 309
武士の生活/武士は必要だったか?

おわりに いまもカムイはどこかに潜んでいる 325

あとがき 330
追記 受験生にとっての「カムイ伝講義」 332
図版索引 334
引用・参考文献 338

○■私が直す! (1983年) ■2016年08月09日 08:55

戸塚ヨットスクールの理念、実際

■書評
るびりん書林 別館

戸塚 宏 (著)
-: 217ページ
出版社: 飛鳥新社 (1983/11)

■商品の説明
内容
本著は、昭和58年のマスコミによる"戸塚つぶし"キャンペーンの最中、戸塚校長が逮捕される直前に書かれたものです。校長の著書は他にもいくつかありますが、本著は誰にでも読みやすいように編集されたお勧めの本です。それゆえ、とうとう稀少なものとなってしまいました。そこで出版元の飛鳥新社にお願いしたところ、ここへの掲載を快く了解して頂けました。この機会に、一人でも多くの方に本著を読んで頂きたいと思います。(戸塚ヨットスクールWebサイトより)

著者に付いて
戸塚宏校長の軌跡

■目次
I章 体罰はタブーか
II章 ヨットスクールがしてきたこと
III章 問題児の親たち
IV章 父権の喪失
V章 子どもたちは何をつかむか
VI章 私のヨット体験
VII章 子離れできない親たち
VII章 親は何をすべきか

○■マンガ トロン―全世界から注目を浴びるコンピュータ革命の主人公 (ゴマコミックス) ■2016年08月11日 21:00

1984年に始まった国産OSプロジェクト

■書評
本が好き!

谷川 唯 (原作), 幸野 武 (著)
坂村 健(監修)
単行本: 232ページ
出版社: ごま書房 (1988/07)

■目次
口絵 「トロン」の出現で人間とコンピュータはさらに緊密になる 1
プロローグ 機種によってなぜ使い方がマチマチなのだ? 9
第1章 トロンはなぜ生まれてきたか 42
第2章 10年後からはトロン世代 85
第3章 国民コンピュータ・トロン 124
第4章 トロンがもたらす情報化社会 168
第5章 世界に広がるトロン 198
付録 コンピュータ主要用語集 225

○■ドクダミ健康法―効用と治療■2016年08月12日 19:29

古くから薬草として珍重されてきたドクダミのさまざまな効用を解説。「ドクダミワイン」も紹介

■書評
本が好き!

松尾通 (監修)
成美堂出版 (1990/8)
158ページ

■商品の紹介
内容
古くから薬草として珍重されてきたドクダミのさまざまな効用を解説し、また、最近その効果が注目されている“ドクダミワイン”の体験談も多数紹介しました。また、煎じ薬、塗り薬としてばかりでなく、入浴剤としての効能、料理法なども紹介しています。

著者について
松尾通(まつお・とおる)
昭和13年生まれ。日本歯科大学、東京医科歯科大学専攻科卒業。日本歯科東洋医学学会専務理事。歯学博士。松尾歯科医院院長。

■目次(中項目まで)
1 ドクダミに秘められた薬効 ドクダミが効くこんな病気
1 皮膚疾患に威力を発揮 22
2 成人病に著しい効果 44
3 ガンコな便秘にも効果 48
4 諦めていた痔疾に特効 54
5 利尿を促進し体を洗濯 60
6 更年期障害を克服する 64
7 女性特有の症状に効果 68
8 むくみをとり腎機能を向上 78
9 体の中から老化を防止 82
10 怖い胃ガンの予防にも効果 86
11 目の疲れをスッキリとる 90
12 肉体疲労をとり若返り 92
13 髪を黒くしハゲを防ぐ 94
14 胎毒・おりものを正常に 98
15 前立せん肥大に効きめ 102
16 鼻のトラブルも解消 104
<体験談>24例

2 ドクダミのプロフィール ドクダミの薬理効果を知ろう
ドクダミはこんな薬草 110
代表的民間薬・ドクダミ 114
ドクダミを分析してみる 118
ドクダミの薬効を生かす 128

3 ドクダミを生活に取り入れる ドクダミを有効活用するために
ドクダミ茶 140
ドクダミ・ワイン 142
ドクダミ入浴 150
ドクダミ料理 152
粉末ドクダミ 158

カラーページ
・ドクダミの花
・ドクダミの青汁
・ビン詰めされるドクダミ・ワイン

■「まえがきにかえて」より中間部分
公式に認められているドクダミの効用
  このように強い生命力を持つドクダミは、昔から排膿・駆毒の民間薬として幅広く用いられてきました。
  しかし近年になり、その抗菌性や抗毒性、利尿性、皮膚表面の修復力などが、医学・薬学的に研究され多くの論文が発表されました。ドクダミは単なる民間薬という扱いを越えたものとされるようになったのです。
  現在では、厚生省認可のもと、日本薬局方に収載されて、「じゅうやく」の名で薬局で販売しています。
ちなみに、「じゅうやく」という呼び名の由来は、貝原益軒が宝永六年(一七〇九)頃に著した「大和本草」が参考となります。

○■サルが木から落ちる 熱帯林の生態学■2016年08月20日 09:04

熱帯の動植物が見せる生きる姿

■書評
るびりん書林 別館

スーザン・E. クインラン (著), Susan E. Quinlan (原著), 藤田 千枝 (翻訳)
単行本: 175ページ
出版社: さえら書房 (2008/04)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
中央アメリカの熱帯林にすむホエザルがときどき木から落ちるのはどうしてだろう?同じトケイソウなのに生えている場所のちがいで葉の形がちがうのはなぜか?アリアカシアのトゲの中にすむアリとアカシアの関係は?熱帯林に暮らす生きものたちのさまざまな謎を解いていくうちに、彼らの生きたつながりが見えてくる…十二の物語。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
クインラン,スーザン・E.
野生動物学者。長年、野外生物を研究し、野外教育にも携わってきた。ガイドとして中央アメリカ、南アメリカの熱帯林の多くの探検に加わった。その仕事のあいだに、動植物のイラストを描くようになり、現在では彼女の作品はカードやポスターなどになり、教育に使われている。著書はいくつかの賞をうけている。アラスカのフェアバンクスに、夫と二人の娘と共に暮らしている

藤田/千枝
東京生まれ。お茶の水女子大学理学部卒。科学読物研究会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
はじめに 7
動物たちはどこにいるのだろう? 13
種の数は? 29
「サルが木から落ちる」事件 35
アリ植物の軍隊のなぞ 49
チョウをだますトケイソウ 61
カエルの猛毒をさぐる 79
寄生、それとも助け合い? 89
チョウの奇妙な追跡 101
翼のある果物どろぼう 113
サルの糞にひそむなぞ 125
姿なき花粉運び屋 137
森の大きさはどのくらい必要か? 151
熱帯のシンフォニー 170
訳者あとがき 174

■「動物たちはどこにいるのだろう?」より
  また、熱帯林の植物の多くは、大部分の動物にとっては消化しにくいか、まったく消化できないのだという科学者もいる。理由はどうあれ、熱帯の多くの鳥、ほ乳類、は虫類、両生類、昆虫が生きのびるためには非常に広い森が必要だし、そこで暮らしていける生きものはごく少ししかいない。

○■幻の民コノイ族■2016年08月27日 11:11

今から50年前、フィリピン南西部パラワン島の高地に、床下までの高さが8メートルもある樹上住居を作る、焼畑農耕民コノイ族がいた。

<■書評
るびりん書林


藤木 高嶺 (著)
-: 191ページ
出版社: あかね書房 (1970)

■商品の説明
内容
幻の秘境をとらえた異色の探検記録!
フィリピンの西南、パラワン島に住むコノイ族の部落を世界で初めて発見
その驚くべき生活を克明に調べあげた第三次関西学院大学探検隊の記録!

著者略歴
藤木高嶺(ふじき・たかね)
一九二六年兵庫県生まれ、関西学院大学英文科卒、朝日新聞大阪本社写真部勤務。日本山岳協会第一種公認指導員。スペイン国立登山学校名誉教授。
第一二回菊池寛賞受賞。
〔著書〕「インディオの秘境」(朋文堂)、写真集「極限の民族」(朝日新聞社)「解放戦線潜入記」(ぺりかん社)
〔共著〕「父と子の山」(中央公論社)、「カナダ・エスキモー」「ニューギニア高地人」「アラビア遊牧民」(いずれも朝日新聞社)「エスキモー探検記」(あかね書房)、「秘境探検I」(山王書房)

■目次
はしがき 本多勝一 1
■ついにコノイ族を見つけた!
おく病なターザン 11
コノイ族とは 18
意外な障害 24
オーシタ一家の物語 33
アリボボガンへの道 46

■"山の人"たちとともに
山の人 57
遠慮のないくらし 66
秘密の樹上家屋を発見 73
快適な樹上家屋 80
イプス 89
豊富な農作物 94

■パラワン島の動物たち
動物たち 102
オオコウモリ 112
パラワンのチョウ 121

■コノイ族の素顔
住民の素顔 128
タバコと火 136
物々交換 141
アルマシガ 148
交易の方法 153
結婚 158

■子どもの遊びと楽器
子どもの遊び 165
楽器 171

■さらばパラワン島
下山 177

あとがき 藤木高嶺 188

■内容の紹介(5、6歳の男の子たちが遊ぶ様子)
一人の子どもが、ヤシのように枝のない細長い木を、スルスルと一〇メートルも登ると、ぶらさげてあるトウに伝わってアッという間に降りてきた。サルのような早わざだ。カーミンドン、ロンケ、アンビックの三人が、かわるがわるトウにぶらさがると「キャーッ」と声をたてながら、大きな孤をえがいて空中ブランコをはじめた。ときには、二人、三人がいっしょにぶらさがった。まるでターザンの子どものようだ。(63~64ページ)