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×■良心をもたない人たち■2015年12月03日 09:43

良心についての考察と、良心をもたない人たちの見分け方・対処法


マーサ スタウト (著), Martha Staut (原著), 木村 博江 (翻訳)
文庫: 267ページ
出版社: 草思社 (2012/10/4)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
平然と嘘をつき、涙で同情を誘い、都合が悪くなると逆ギレをする―本来、人間に備わるはずの良心をもたないがゆえに、他者への思いやりが絶対的に欠落し、手段を選ばずに自分の欲望を満たそうとする人たちがいる。25人に1人いるとされる“良心をもたないサイコパス”の実態を心理セラピストが明かす。彼らの被害者にならないための見分け方と対処法を教える一冊。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
スタウト,マーサ
米国のマクリーン精神病院で研修を受け、ストーニーブルック大学で博士号を取得。ハーバード・メディカル・スクールの精神医学部で、心理セラピストとしてトラウマを抱えた患者の治療を25年以上続ける。現在はボストンで臨床心理学者としてカウンセリングをおこなっている。マサチューセッツ州在住

木村/博江
1941年生まれ。国際基督教大学卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
はじめに 7
1 ジョーのジレンマ 33
2 氷人間のスキップ 57
3 良心が眠るとき 79
4 世界一、感じのいい人 99
5 なぜ人は身近なサイコパスに気づかないのか 121
6 良心をもたない人の見分け方 139
7 なにが良心のない人をつくりあげるのか 161
8 となりのサイコパス 187
9 良心はいかに選択されてきたか 219
10 なぜ良心はよいものなのか 243
訳者あとがき 263
文庫版のためのあとがき 267

■書評
本が好き!

×■土の文明史■2015年12月02日 08:09

ローマ帝国、マヤ文明、米国、中国、アイスランド、キューバなど、精力的にデータを揃えた力作。しかし、 農耕そのものが問題という視点がほとんどなく、説得力に欠ける。


デイビッド・モントゴメリー (著), 片岡夏実 (翻訳)
単行本: 368ページ
出版社: 築地書館 (2010/4/7)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
文明が衰退する原因は気候変動か、戦争か、疫病か?古代文明から20世紀のアメリカまで、土から歴史を見ることで社会に大変動を引き起こす土と人類の関係を解き明かす。

著者について
ワシントン大学地球宇宙科学科・地形学研究グループ教授。地形の発達、および地形学的プロセスが生態系と人間社会に与える影響を研究。本書で、2008年度ワシントン州図書賞(一般ノンフィクション部門)を受賞。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
モントゴメリー,デイビッド
ワシントン大学地球宇宙科学科・地形学研究グループ教授。地形の発達、および地形学的プロセスが生態系と人間社会に与える影響を主要な研究テーマとする。『土の文明史』で一般ノンフィクション部門2008年度ワシントン州図書賞を受賞

片岡/夏実
1964年神奈川県生まれ。さまざまなジャンルの翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
第一章 泥に書かれた歴史 1
第二章 地球の皮膚 10
第三章 生命の川 34
第四章 帝国の墓場 63
第五章 食い物にされる植民地 110
第六章 西へ向う鋤 154
第七章 砂塵の平原 196
第八章 ダーティ・ビジネス 243
第九章 成功した島・失敗した島 297
第十章 文明の寿命 319
引用・参考文献 6
索引 1

■書評
本が好き!

×○目と耳と足を鍛える技術―初心者からプロまで役立つノンフィクション入門○2015年08月26日 09:30

宮本常一、やまびこ学級、正力松太郎…


佐野 眞一 (著)
新書: 174ページ
出版社: 筑摩書房 (2008/11)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
脳みそに汗かいて考えろ!世の中の動きと人びとの生態を一つ余さず凝視し、問題意識を身につける技術とは?必読書“百冊”を厳選した最強のブックガイド付き。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
佐野/眞一
1947(昭和22)年、東京生まれ。早稲田大学卒業後、出版社のライターや業界紙記者を経てノンフィクション作家に。社会の片隅や裏側から時代をえぐりとるようなルポや、綿密な資料調査とねばり強い取材によって近現代史の巨大なテーマに正面から迫り読者を圧倒する作品を書きつづけている。『旅する巨人』で第28回(平成9年)大宅壮一ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■一言:
東電OL殺人事件、正力松太郎、満州国と大麻など、いずれも現代の闇と深く関連する主題を扱いながら、その本質には決してふれず、におわせることすらない方向に誘導する行為を続けた人物のようだ。

×●ある森林インディアンの物語●2015年05月20日 09:11

一神教に屈したインディアンの話


ポール ラディン (著), 滝川 秀子 (翻訳)
単行本: 222ページ
出版社: 思索社; 〔新装版〕版 (1991/08)

内容:アメリカ先住民はヨーロッパアメリカ人に何を贈ったのだろうか?土地、バッファローの毛皮、勇気、神話、自然保護、つつましやかさ、沈黙。いづれにしてもアメリカ国家の創成の秘密は森林・平原インディアンとの出会いの中にある。アメリカ人の明るさ、天真らんまんさはむしろ彼らから学んだのではないか?算奪者であり文明の伝導者である白人たちとの出会いと決して奪われることのない魂のあり方を自分と父親の物語の中に託する。

■はじめに(各段落冒頭部分)
  未開社会に生きる民族を研究する際の最大の難関n一つは、彼らが内側から見た自分たちの文化について彼らの口から、しかも自ら進んで語ってもらうことである。(後略)
  こうした障害の多くは、調査者がその部族の一員になってしまうことによって解消することもできようが、これはまず無理な話だろう。(後略)
  長い間、民族学者たちは自分たちの記述に「雰囲気」が欠けているのは実に重大かつ根本的な欠陥だということ、そしてその欠陥をうまく埋めるにはその土地の人物に自らの文化について語らせることだ、と自覚してきた。(後略)
  筆者はこうした自伝をウィネバゴ族のアメリカ・インディアンから得て、一九一三年に「アメリカ民俗学誌」(the Journal of American Folk-Lore)第二六巻に発表した。この最初の自伝に対する反響のおかげで、筆者は更にこの方面に努力を注ぐことになった。第二の自伝の目的は、ある傑出した人物から自伝風の詳細な話を得ることではなく、ふつうの能力を持った典型的な中年期の人物に、彼が育った社会集団とのつながりにおいて自分の障害を語ってもらうことであった。筆者は一連の好運な事情に恵まれて、ウィネバゴ族のある非常に有名な家族の一人から、やや長めの自伝を手にいれることが出来た。ここに紹介するのがその話である。このインディアンは、先にあげた第一の自伝を書いたウィネバゴ族の人物の弟に当たる。(後略)
  自伝そのものは第一部で終わる。第二部は、ウィネバゴ族に伝えられる人生のしつけの体系をおさめたもので、それだけで独立した単位を構成している。(後略)
  個々の見出しは筆者がつけ加えた。説明を要すると思われることはすべて原注に入れておいた。

■目次
はじめに ポール・ラディン 1
第一部 わたしの生涯の物語 7
1 幼年時代 9
2 思春期の頃 12
3 断食 14
4 少年時代の思い出 20
5 求婚 22
6 義兄とその断食体験 27
7 ウォー・バンドル(戦いの包み)の祭 28
8 放浪と狩り 32
9 大おじの養子になること 34
10 メデシン・ダンス入会 36
11 結婚 42
12 ショーの一座と共に 45
13 放とう 48
14 兄の死 50
15 飲酒にふけること 51
16 自慢と祝福 53
17 にせの祝福の効き目 54
18 サーカスと共に 56
19 放とうの続き 63
20 わたしがポタワトミのクーをとること 66
21 ネブラスカへの旅 70
22 女とけんかすること 74
23 錯乱状態になり不思議なものを見ること 75
24 逮捕されて自白したこと 77
25 殺されたポタワトミ族の男の性格 82
26 刑務所暮らしと裁判 84
27 刑務所からの釈放 87
28 ペヨーテとの最初の出会い 89
29 ペヨーテを食べること 94
30 ペヨーテの効き目 99
31 わたしが改宗すること 102
32 創造主(神)および幻を見ること 104
33 改宗の結果のつづき 107
34 不思議な体験をしたこと 113
35 おわりに
第二部 わたしの父が教えてくれたこと 119
1 断食の教訓 121
2 社会的立場およびメデシンの価値に関する教訓 125
3 結婚に関する教訓 135
4 女性のための教訓 140
5 老人から知識を得る方法 147
原注 151
訳者あとがき 207
この本について 原ひろ子 216(実際は218)

■一言:
断食のすすめがピダハンと共通
キリスト教に改宗して過去を否定しており、まったく残念です

ユーカラの人びと 金田一京助の世界1 (平凡社ライブラリー)2014年09月29日 09:45



学術的ではなく、人々との交流史

明治三十九年、著者は平取にてユーカラと出会う。―変幻怪奇な無限の曲を分化していて、その長いものは、冬の夜長、ほだ火を囲んで、寝るを忘れ、一夜をうたい明かして、夜のしらじらと明けるころ、やっと一曲終る。これが、金田一アイヌ学の始まりだった。樺太、北海道で、ユーカラの世界の人びととの心暖まる交流を描く、感動の随筆集。
一言:彼はアイヌを敬愛していたのではないといい、弔いに訪れるアイヌもいなかったという。