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◎■本物の自然療法―自然に生きる人間本来の病気観■2016年12月24日 11:43

多くの代替療法もまた偽りであるという視点



大滝 百合子 (著)
単行本: 130ページ
出版社: フレグランスジャーナル社 (2005/5/27)

■商品の説明
内容
現代社会の不自然さに体がついていけなくなったために起こる、さまざまな現代病。本書では、自然の中で暮らす人間本来の考え方や生き方について解説した上で、現代医療や代替医療への疑問に触れながら、病気に対する自然な対処法に迫ります。現在あなたが抱く病気観と、ぜひ比べてみてください。

著者について
大滝百合子(おおたきゆりこ)
筑波大学人間学類卒業、教育社会学専攻。マサチューセッツ大学アーマスト校社会学部卒業。コロンビア大学大学院社会学部にて修士号取得、博士課程中退。医療社会学的視点からハーブや食事法に興味を持つ。
著書に『自然史食事学―自然の歴史に学ぶ最高の食事法』(共著、春秋社)、『本物の自然食をつくる[レシピ集]』(共著、春秋社)、訳書に『ガン代替療法のすべて―ガン治療の真髄に迫る』(共訳、三一書房)、『本物の自然化粧品を選ぶ―完全ナチュラルコスメ宣言』(春秋社)、『ストレスに効くハーブガイド』(フレグランスジャーナル社)がある。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
はじめに 1
第一章 愛という栄養
第一節 子供のアトピーの経験から 8
――人間にとってどれほど愛情が重要か
第二節 真の愛情とは 19
――自己愛から他人への愛へ

第二章 病気は友達
――「愛」の本当の理解があってはじめてできる「病気」のとらえ方
第一節 「病気の原因」は探らない 30
――病気の理論をもとに病気に接することの問題点
第二節 病気は友達 51
――現代医学や代替療法と自然人の病気に対する考え方の違い
コラム●自然人の寿命 59
第三節 自分の一部としての病気 61
――病気に対するさらに深い考え方の違い
第四節 病気に対する態度が重要 70
――病気になったら実際に何をやるかでなく、考え方の違いが重要であること
コラム●庭で 83
第五節 大地の恵みにすがる 86
――自然人は病気になったらどうするか
第六節 現代に息づく太古の生命ハーブ 94
――その本質と付き合い方

第三章 死は友達
――「愛」の本当の理解があってはじめてできる「死」のとらえ方
大地と一体化する 110
――自然人の死生観、人生観
コラム●ガンを恐れるすべての人へ 117

資料○「医療の三つの伝統」(スーザン・ウィード著『ヒーリングワイズ』より抜粋・訳) 120
おわりに 121

■「はじめに」の後半部分
  たとえ原生林の中に引っ越しても、気持ちの持ちようによってはまったく自然でない暮らしをすることはできます。大切なのは気持ちです。自然の中で暮らす本来の人間の考え方をし、本来の人間らしく病気に接すること――それが本当に自然な暮らしをするということであり、現代病が治る、おそらく唯一の王道でもあります。しかも、それは、現代病だけでなく、あらゆる病気が「治る」、人類史上最も古い病気に対する「治療法」でもあるのです。
  この私の考えは、現代医学はもちろん、現代医学に代わるものとして脚光を浴びている代替療法一般の考え方に疑問を投げかけるものです。いわば第三の方法ですが、この第三の方法は、第一の方法(現代医学)や第二の方法(代替療法)とはまったく違う性質を持つものです。病気に対する対処法なのに、それは医者や薬や権力とは無縁です。ですから、医学や医療と呼ぶにはふさわしくありません。そして、それは自然に暮らす人間本来の生きる姿であり、そのなかには、政治も経済も教育も、生活に関する物事はみんな含まれています。病気や健康に関して別の法則があるというわけではありません。
  そして、その自然に暮らす人間本来の姿はあまりにも日常的で当たり前のことなので、医学権力のもとに生じた文明以後の医学のように記述保存されてはいません。生きる人々を通して受け継がれるにすぎないのです。ですから、現代においては、それについての知識はほとんど皆無状態で、推測による本が国内外にほんのわずかに残るだけです。
  私はこの本で、私が知る限り、推測できる限りの自然に暮らす人間(自然人と呼びます)の生き方、病気の見方について説明します。そこでは私が実際にアトピーの娘と接して発見したことも参考にしています。第一章では、自然人の考え方の基本であり、健康の第一条件である愛情の意味について、第二章では、その愛情の考え方をもとにした病気のとらえ方について、第三章では、それに伴う死生観の違いについてお話します。
  人類史上最も古く、同時に今最も新しい「病気への自然な対処法」が、「不自然な治療法」である現代医療や「自然な治療法」である代替医療と比較してどのように違うかを感じていただければ幸いです。自然人の暮らしと考え方は私たち現代人にとってはまさに別世界です。楽しい夢を見るつもりで読んでください。それがさらなる健康への確実な第一歩であると私は信じています。

■書評
多くの代替療法もまた偽りであるという視点

○■世界の狩猟民――その豊穣な生活文化■2016年12月17日 20:44

世界の狩猟採集民を集めた待望の一冊、ついに刊行?


Carleton Stevens Coon (原著), カールトン・スティーヴンズ クーン (翻訳), 平野 温美 (翻訳), 鳴島 史之 (翻訳)
単行本: 471ページ
出版社: 法政大学出版局 (2008/02)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
1万年前、人間はすべて狩猟民だった。狩猟民とは農業を知らず、家畜を飼わない民のことである。著者は世界中の主だった狩猟採集民族を、民族ごとではなく、基本装具、狩りや漁のスタイル、結婚や神話、儀礼、シャーマンなどテーマごとに考察する。アメリカ先住民、アボリジニ、アイヌ、イヌイット、サンといった人々が、仲間と助け合い、豊かな知恵をもって驚くべき生活の技をどのように編み出し、伝えていったのか。人が集まって生きる意味を、あらためて私たちに問いかける書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
クーン,カールトン・スティーヴンズ
1904年6月23日米国マサチューセッツ州ウエイクフィールド生まれの人類学者。28年ハーバード大学でPh.D.取得。48年まで同大学で教鞭をとった後、ペンシルバニア大学に移り、退職する63年までペンシルバニア大博物館館長を務める。現役時代も退職後も、考古学、民族学の分野の根っからのフィールドワーカーで、モロッコ、アルバニア、エチオピア、イラン、アフガニスタン、シリア、ティエラ・デル・フエゴ、シエラ・レオネ、チャド、リビアなどへ出かけた。研究業績に対し1951年バイキング自然人類学賞、55年米国科学アカデミー選出など、多数の栄誉が授与された。考古学、自然人類学、民族学に大きく貢献し、その驚くべき広範な学識の成果を、書籍はもとより博物館展示やテレビのトークショーを通して専門家や一般読者に伝えた。自伝三部作は未完。1981年6月3日マサチューセッツ州ウエストグロスターで死去(76歳)

平野/温美
広島県尾道市生まれ。東京教育大学(現筑波大学)大学院文学研究科修士課程修了。アメリカ文学専攻。現在、北見工業大学教授

鳴島/史之
東京都立川市生まれ。東京学芸大学大学院教育学研究科修士課程修了。エリザベス朝演劇専攻。現在、北見工業大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
まえがき ix
第1章 世界の現存する狩猟民――その概要 1
第2章 狩猟民の基本装具 17
第3章 水陸の移動と運搬 63
第4章 食料探索――狩猟とわな猟 81
第5章 大型動物の狩り 125
第6章 漁 151
第7章 採取 173
第8章 食物と麻薬 197
第9章 狩猟民の社会組織――地縁、バンド、親族 213
第10章 結婚 231
第11章 政治と争い 267
第12章 専門分化、富と交易 303
第13章 神、精霊、神話と物語 321
第14章 誕生、成人、死における通過儀礼 351
第15章 強化儀礼と周期的な祭事 389
第16章 シャーマンと治療 423
第17章 結論――狩猟民から何を学ぶか 443

訳者あとがき 421
図・地図一覧(17)
参考文献(10)
索引(1)

■「まえがき」の冒頭部分
  わたしは、この世界で狩猟民や採集民として現代まで永らえた人々についての資料を、ほぼ半世紀間読んできました。そうした各地を、たとえ短期間でも訪れたことは幸運でした。今日二五万人弱の狩猟民が現存します。これは人類の〇・〇〇三パーセントにすぎません。一万年前の狩猟民はおよそ一〇〇〇万人、世界人口の一〇〇パーセントでした。
  一万年前、人は皆狩猟民でした。読者のみなさんの先祖も含まれます。一万年はおよそ四〇〇世代にわたる期間ですが、この短さでは目立った遺伝的変化は起こりません。人間行動が他の動物行動と同じく、最終的に遺伝された能力(学ぶ能力も含む)に依存する限り、わたしたちの持って生まれた傾向は大して変化するはずはありません。祖先とわたしたちは同じ人間なのです。
  「狩猟民の生き方が判明するなら、もし、わたしたちが一万年前の生活を始めることになった倍に一体何ができるか、それを知る参考になるだろう」。
  これはSFでも、気まぐれな空想でもなく、専門家としてのまじめな結論なのです。いつ頃からか、わたしたちは生物への放射能の蓄積効果、酸素浪費による回復不可能な大気圏の希薄化、その他の地球危機に、険しい顔をするようになりましたが、それを長々と論じる必要はないでしょう。誰もが知るこれら恐ろしい事実を説明する専門家は別にいます。わたしは同じく重要な、あることについて述べます。それは破壊の連鎖のすべてを解く鍵、すなわち人間自身についてであります。

■書評
世界の狩猟採集民を集めた待望の一冊、ついに刊行?

○■ヘンプ読本─麻でエコ生活のススメ■2016年03月27日 08:25

ヘンプ(大麻)のさまざまな使い方・使われ方を解説


著者:赤星 栄志
出版社: 築地書店
2006年8月1日発行
268ページ

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
ヘンプとは、麻の英語名でアサ科の一年生植物。大麻草のこと。世界各地で栽培され、3カ月で3メートル以上に成長し、農薬や化学肥料がほとんどいらないという特徴をもつ。スローライフやLOHASなどのキーワードとともに、これからの社会に不可欠なアイテムとして紹介されるヘンプ。衣料、食品、化粧品、紙、住宅建材、プラスチック、エネルギー…ヘンプのさまざまな使い方・使われ方を解説。

著者について
1974年、滋賀県生まれ。
日本大学農獣医学部卒業。
現在、Hemp Revo, Inc. 代表。
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク理事、
NPO法人ヘンプ製品普及協会理事。
学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、
農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て、
バイオマス(生物資源)の研究開発を行なうHemp Revo, Inc.を設立。
麻の実料理教室、麻の農業体験教室「麻畑サポート」などを行なっている。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
赤星/栄志
1974年、滋賀県生まれ。日本大学農獣医学部卒業。現在、Hemp Revo,Inc.代表。NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク理事、NPO法人ヘンプ製品普及協会理事。学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て、バイオマス(生物資源)の研究開発を行なうHemp Revo,Inc.を設立。麻の実料理教室、麻の農業体験教室「麻畑サポート」などを行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
はじめに 3
1 ヘンプの基礎知識
縄文時代から使われてきたヘンプ 13
  ヘンプの品種は大きく分けて3つ 15
  いろいろな麻とヘンプの違い 17
  法律上の位置づけ 21
  海外では栽培が次々に解禁 26
  なぜヘンプは規制されたのか? 27
  大麻の「麻」と麻薬の「麻」 29
  ヘンプが注目されている理由 31
  地球環境問題とヘンプ 35

2 ヘンプとはどんな植物か
  繊維用の品種の種類 39
  気候と土壌条件 41
  栽培方法 42
  レッテング(精練)と運搬 47
  加工方法 49
  収量と経済性 54
  【コラム】昔の麻畑の感覚 57

3 日本文化と麻
  正月は麻の鈴縄を振ってお参りする 58
  麻の神様を祀る大麻比古神社と忌部神社 59
  麻と『古事記』『日本書記』 60
  麻と『古語拾遺』 62
  木綿=大麻繊維=依り代はなぜ? 63
  化学繊維を使った神社では願いごとはかなわない!? 65
  麻の葉文様 66
  お盆と麻 68
  弓弦と麻 70
  凧の糸は、麻の糸 71
  横綱の化粧回し、結納品、書道、灯油油などにも麻 72
  【コラム】日本の文化財を支える麻 75
  【コラム】麻が使われている日本の文化財 76

4 ヘンプを着る
  麻を身に着けてきたご先祖さま 77
  日本の守るべき伝統技術「麻織物」 79
  コットンの服を着ているだけで環境破壊に貢献 82
  ヘンプはすべてオーガニック 83
  高温多湿な日本にはヘンプの服がいい 86
  ヘンプ繊維の特性 88
  ヘンプアクセサリーが手芸分野の一角に! 91
  ヘンプ・ブランド 92

5 麻の実を食べる
  古くて新しい麻の実 95
  日本人は飽食なのに栄養失調? 98
  麻の実タンパクで元気になる 101
  麻の実の食物繊維でお腹すっきり 102
  ヘンプオイルは必須脂肪酸バランスがよい 104
  ミネラルとビタミンをバランスよく含む 104
  麻の実料理と加工食品107
  毎日の簡単な麻の実料理レシピ 110
  【コラム】"ヘンプ・レストラン麻"の挑戦 112

6 ヘンプオイルで美しくなる!
  化粧用オイルと食用オイルを併用しよう! 113
  ヘンプオイルで血液サラサラ・肌をきれいに 114
  ヘンプオイルは低温圧搾法でしぼる 118
  ダイエットにはヘンプオイルが最適 118
  脳の機能の維持にも役立つ 120
  健康と美容のために1日スプーン1杯を! 121
  スキンケアには、ヘンプオイル 122
  ヘンプオイルでマッサージ 125
  ヘアケアにヘンプオイル 127

7 ヘンプでつくる癒しの空間
  麻の蚊帳 128
  麻の寝具 131
  麻と畳 132
  麻炭を部屋のインテリアに 134
  アロマテラピーとヘンプ 137
  ヒーリングとヘンプ 139
  ヘンプと動物 142
  【コラム】麻で育った野菜と有機卵 144

8 ヘンプハウスに住みたい
  ヘンプが住宅の建材に! 145
  茅葺屋根の材料 147
  漆喰壁には麻スサ 149
  塗料としてのヘンプオイルフィニッシュ 150
  ドイツで開発されたヘンプ断熱材 151
  ヘンプ内装材で呼吸する壁に 153
  ヘンプ布クロス(壁紙)とヘンプ和紙壁紙 154
  ヘンプ建材でリフォームを体験 155
  ヘンプクリートで家を建てる 161

9 ヘンプ紙で森を守る
  麻紙は、世界最古の紙 164
  野州麻紙工房で紙漉き体験 166
  非木材紙のヘンプ紙 168
  日本で市販されているヘンプ紙 171
  世界で使われているヘンプ紙 173
  無薬品パルプ化装置でつくるヘンプ紙 175
  ヘンプ紙は、やはり麻布ぼろでつくる? 177

10 ヘンプでプラスチックをつくる試み
  植物由来プラスチックとは? 179
  バイオマス・プラスチックの特徴 180
  バイオマス・プラスチックの可能性 181
  ヘンリー・フォードのヘンプカー 183
  ベンツに使われているヘンプ 184
  プラスチック材料に使う試み 186
  ヘンプからプラスチック樹脂をつくるには? 188
  ヘンプ・ナノテクノロジーで楽器をつくる 191

11 ヘンプエネルギーで車が走る
  ヘンプカー、北海道から沖縄まで走る 195
  ヘンプオイルをバイオディーゼル燃料にする 199
  ガソリン車にはエタノールを添加しよう! 202
  バイオマス・エネルギー社会が来るのか? 205
  【コラム】ヘンプ潤滑油で自転車を走らせる 209

12 ヘンプから医薬品をつくる
  脳内マリファナの発見 211
  脳内マリファナの役割は? 213
  毒性作用研究から創薬研究への転換か? 214
  カンナビノイドがさまざまな症状を緩和する 216
  イギリスGW製薬の挑戦 218
  これからの医療大麻 220
  【コラム】マリファナ効果のあるTHC量とは? 222

13 ヘンプの可能性に挑戦する
  ヘンプ商品開発の現場より 223
  黄金の繊維に魅せられて 226
  長野県の美麻の挑戦 229
  北海道から国産化プロジェクト 232
  【コラム】栽培免許をとるには? 235

14 ヘンプ生活24の方法
  無料でできること、すぐできること 237
  ヘンプのある暮らしをしてみる 239
  ヘンプを体験する 243
  ヘンプでセレブな気分になる 247
  企業、行政、大学にできること 249

おわりに 254
参考文献 260
ヘンプのメーカー、ショップ、団体リスト 258

■「はじめに」の終わりの部分
  本書では、ヘンプという植物をまったく知らない人のために、文化、衣料、食品、化粧品、癒し、住宅建材、紙、プラスチック、エネルギー、医薬品、法律という分野別にその特徴を解説し、使い方を紹介している。各章を読むことによって、万能植物ヘンプの多様性と可能性を知ることができる。興味のある章どこからでもお読みいただけるようになっている。
  さらに、地域活性化のテーマ、研究のテーマ、新しいビジネスを探している方にも役立つよう、現在わかっているデータはなるべく掲載した。
  本書の巻末には、さらにくわしく知りたい人のために、参考文献やヘンプ商品を販売しているメーカーやお店を多数紹介している。本書をきっかけに、多くの人が暮らしにヘンプをとり入れていただければ幸いだ。

■書評
本が好き!
関心空間
別館

×■土の文明史■2015年12月02日 08:09

ローマ帝国、マヤ文明、米国、中国、アイスランド、キューバなど、精力的にデータを揃えた力作。しかし、 農耕そのものが問題という視点がほとんどなく、説得力に欠ける。


デイビッド・モントゴメリー (著), 片岡夏実 (翻訳)
単行本: 368ページ
出版社: 築地書館 (2010/4/7)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
文明が衰退する原因は気候変動か、戦争か、疫病か?古代文明から20世紀のアメリカまで、土から歴史を見ることで社会に大変動を引き起こす土と人類の関係を解き明かす。

著者について
ワシントン大学地球宇宙科学科・地形学研究グループ教授。地形の発達、および地形学的プロセスが生態系と人間社会に与える影響を研究。本書で、2008年度ワシントン州図書賞(一般ノンフィクション部門)を受賞。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
モントゴメリー,デイビッド
ワシントン大学地球宇宙科学科・地形学研究グループ教授。地形の発達、および地形学的プロセスが生態系と人間社会に与える影響を主要な研究テーマとする。『土の文明史』で一般ノンフィクション部門2008年度ワシントン州図書賞を受賞

片岡/夏実
1964年神奈川県生まれ。さまざまなジャンルの翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
第一章 泥に書かれた歴史 1
第二章 地球の皮膚 10
第三章 生命の川 34
第四章 帝国の墓場 63
第五章 食い物にされる植民地 110
第六章 西へ向う鋤 154
第七章 砂塵の平原 196
第八章 ダーティ・ビジネス 243
第九章 成功した島・失敗した島 297
第十章 文明の寿命 319
引用・参考文献 6
索引 1

■書評
本が好き!

○■ひとの居場所をつくる: ランドスケープ・デザイナー 田瀬理夫さんの話をつうじて■2015年11月11日 21:42


西村 佳哲 (著)
単行本: 269ページ
出版社: 筑摩書房 (2013/9/9)

■商品の説明
出版社からのコメント
『いま、地方で生きるということ』から2年。仕事をすること、生活をすること、生きること、を考察し探求しつづけた、西村佳哲さんの新境地です。
「これからの日本でどう生きてゆこう?」この大きな問いを、政治や経済だけでなく、土地であるとか生き物であるとか、そうした角度から扱ってゆけるといい。(帯より)

著者について
西村佳哲(にしむら・よしあき)
1964年、東京生まれ。武蔵野美術大学卒。建築分野を経て、「つくる」「書く」「教える」仕事にたずさわる。代表的な仕事に、黎明期のインターネット・プロジェクト「センソリウム」(1996-99)、働き方研究家としての著作『自分の仕事をつくる』(2003、晶文社/2009、ちくま文庫)、奈良県立図書情報館での全国フォーラム「自分の仕事を考える3日間」(2009-11)など。デザイン・プロジェクトの企画立案とチームづくり、ディレクション、およびファシリテーター役を担うことが多い。
他の著書に、『自分をいかして生きる』(ちくま文庫)、『かかわり方のまなび方』(筑摩書房)、『自分の仕事を考える3日間I』『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』『わたしのはたらき』(弘文堂)、『いま、地方で生きるということ』(ミシマ社)、『なんのための仕事?』(河出書房新社)など。
http://www.livingworld.net/

■目次(大項目)
まえがき 6
遠野 17
・クイーンズメドゥ・カントリーハウスを歩く 20

・ただの別荘ではなく 38
・縁を切らずに 41
・土地は借りればいい 45
・山林の拓き方 47
・基本は土地利用 50
・ここにあるものでつくる 53
・農業生産法人になる 56
・土地は、いま生きている人たちが使うもの 59
・所有を越えて使う 62
・馬のポテンシャル 65
・農業が景観をつくる 71
・自分たちがクライアントになろう 78
・馬とつくる生業 85
・馬が先か、人が先か 86
・前例をつくってしまうほうが早い 88

・岩手県沿岸部の宝 95
・宝の中で生きる 98
・ビジョンに根拠は要らない 101
・フリーハンドで考えるステージ 104
・事業でなく、"環境"に投資する 108

東京 115
・すごく、きれいな東京 118
・意識のある仕事を 125
・手間はかかるほどいい 130

・時間を蓄積する空間 134
・同じものが少なすぎる 139
・その場所らしさを再生する 142
・かかわり方を知らない 145
・公共空間のあり方 150

・これからの東京 154
・東京は出先くらいのつもりで 159
・他愛のないことの積み重ねが価値を持っていく 163

写真 津田直 169

田瀬理夫さんのあり方、働き方 185
・変わっていくこと自体が意味 186
・知らなくても、伝えれば出来る 189
・トップレベルの技術者と働く 192
・わからない本を読む 194
・会わないとわからない 198
・ワークショップ・スタイルで 200
・最初にやり方を提案する 202
・前例を用意しておく 204
・みんなの仕事を台無しにしない 206

注釈と付記 213

地上をゆく船 あとがきにかえて 237
・ないものはつくる 238
・一般教養としての建築・ランドスケープ 243
・政治や経済だけが、人間の環境ではない 247
・"人と社会と自然"の関係資本 254
・地上をゆく船 259

参考文献等 268
謝辞 269


■「まえがき」の結びの部分
  あるランドスケープ・デザイナーの経験と言葉を介して、読み手がそれぞれの暮らしや場づくり、めいめいの「船」やその可能性について考えられる空間を本の形でつくってみたい。

  第1章では、田瀬さんが取り組んできた遠野の試みをめぐって。
  第2章では彼が生まれ育った東京のことを通じて、日本じゅうに同じく存在する都市的な課題の共有を。
  第3章では彼の働き方に触れ、付記事項を経たのち、自分の考えも書いてみようと思う。

  では、遠野から。
  さまざまな緑地設計に携わってきた田瀬さんは、一連のクライアントワークとは別に十数年前から、岩手県の山里に仲間たちと「クイーンズメドゥ・カントリーハウス」という滞在拠点をつくり、馬を軸にした営みの実践的な実験を重ねている。


■書評
本が好き!

○■日本の川を旅する―カヌー単独行 (1982年) ■2015年09月11日 14:07

日本ノンフィクション賞(新人賞)を受賞した、自然の楽しさ、大切さを伝える名著


野田 知佑 (著)
-: 290ページ
出版社: 日本交通公社出版事業局 (1982/04)

■新装版「まえがき」より
八年ぶりに長良川へ行ってみた。
相変わらず良い川で、良い川というのは大したもんだ、と思った。 一人の爺さんと釣りに行ったが、朝のうちは体の具合が悪い、と言っていた爺さんは、川原に着くと生色を取り戻し、二、三匹、魚を釣ったら、すっかり元気になってしまった。「良い川」とか「良い女」というのはこんな効用がある。

■著者略歴(新装版のカバーより)
一九三八年、熊本県に生まれる。
早稲田大学英文科を卒業し、
旅行雑誌記者を経て、現在はエッセイスト。
これまでに、ヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリア、
ニュージーランド、カナダの川を漕破した、
カヌーイストの第一人者である。
著書に『魚眼漫遊大雑記』(講談社)、
『のんびり行こうぜ』(小学館)、『北極海へ』(文藝春秋)、
『川を下って都会の中へ』(小学館)がある。
日本の川を旅するで
第九回日本ノンフィクション賞(新人賞)を受賞

■1989年新装版目次
新装版まえがき 9
いざ原野の光の中へ――釧路(くしろ)川 23
幻の魚イトウをつった――尻別(しりべつ)川 47
雨ニモ負ケル、風ニモ負ケル――北上(きたかみ)川 71
老婆は一日にしてならず――雄物(おもの)川 95
山河滅びて人肥え太り――多摩(たま)川 117
やっぱり日本は広い――信濃(しなの)川 139
冒険は三日もすると日常になる――長良(ながら)川 161 家族でツーリング――熊野(くまの)川 185
春の岸辺は花々に彩られ――(ごう)の川 209
水の上で水に渇く――吉井(よしい)川 231
桃源郷に若者は住めない――四万十(しまんと)川 253
美人も簗場(やなば)も洪水が流した――筑後(ちくご)川 275
唖然、ふる里の川はいま――菊池(きくち)川 297
薩摩(さつま)隼人(はやと)は死んだか――川内(せんだい)川 321

あとがき 344

■一言:
1985年に新潮社から文庫版、1989年に講談社から新装版が出ています。

■書評
るびりん書林 別館

○○アマチュア森林学のすすめ―ブナの森への招待○2015年08月04日 09:30

専門分野を越えて、森全体を研究するためにあえてアマチュアとして森を研究


西口 親雄 (著)
単行本: 216ページ
出版社: 八坂書房; 新装版 (2003/05)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
ブナ林に息づく様々な生物たちの姿をとおして、森という宇宙のメカニズムを探る。その考察は洪水や水質問題にまでおよび、自然保護を考える「アマチュア」のための入門書。
内容(「MARC」データベースより)
ブナ林に息づく様々な生物たちの姿をとおして、森という宇宙のメカニズムを探り、洪水や水質問題までも考察。自然保護を考える「アマチュア」のための入門書。1993年刊の新装版。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
西口/親雄
1927年大阪生まれ。1954年東京大学農学部林学科卒業。東京大学農学部付属演習林助手。1963年東京大学農学部林学科森林動物学教室所属。1977年東北大学農学部付属演習林助教授。1991年定年退職。現在、NHK文化センター仙台教室・泉教室講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次(中項目まで)
I 雑木林とブナの森 ―まえがきにかえて― 1
1 ブナの森は緑色 2
2 早春の森をゆく 7

II 森の生産者 ―樹木の社会― 13
1 陽樹の戦略 ―タネは風に乗って― 14
2 灌木の戦略 ―タネは小鳥に乗って― 20
3 広葉樹の萌芽戦略 28
4 陰樹ブナの森の構造 32
5 ブナの生活戦略 ―結実と芽生え― 40
6 ブナの生活戦略 ―稚樹から老木の枯死まで― 46
7 ブナ更新のなぞ 51
8 ササ進化論 ―日本列島で発展― 57
9 ブナの森探訪 ―ブナとカンバ類とシナノキ― 61
10 ブナの森探訪 ―ブナとスギとアスナロと― 66

III 森の消費者・昆虫 73
1 森の動物の代表は昆虫と野鳥 74
2 消費者のルール 80
3 ブナの実の害虫第発生 84
4 ブナアオシャチホコの大発生 91
5 ブナの森の蝶・チョウセンアカシジミ 97
6 ブナの森の蝶・フジミドリシジミへの進化 104
7 ブナの森の蝶・ササを食草とする蝶 109
8 ブナの森の蛾・キシタバ類 111
9 雑木林のアブラムシ ―その生活戦略 114

IV 森の消費者・野鳥と哺乳動物 121
1 野鳥 ―一次消費者の見張り番― 122
2 ブナの実の豊作と野ネズミの大発生 127
3 野ネズミの進化論 130
4 ノウサギの天敵 135
5 シカとカモシカ 142
6 大台ケ原のシカの害 148

V 森の分解者 ―森の掃除屋― 155
1 糞虫、牧場で大活躍 156
2 樹木の穿穴虫とキツツキ 162
3 シラカンバの敵・ゴマダラカミキリ 168
4 ブナの森はきのこ天国 171
5 松のこぶ病 ―雑木林の生きもの― 176

VI 森と水 183
1 ダムと森林伐採 184
2 川は汚れる、なぜ? 192

あとがき 203
参考文献 208
索引

?●続々と、旧暦と暮らす●2015年07月08日 13:00

太平洋諸国とのお付き合いから生まれた旧暦カレンダー。百十四年ぶりの太陰太陽歴復活から続く実践編

松村 賢治 (著), 風力5 (著), 大阪南太平洋協会 (監修)
単行本: 261ページ
出版社: ビジネス社 (2005/11)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
「72人の旧暦活用術」徹底取材。七夕の天体ドラマを見る、桜がいつ咲くか知る、疲れない体になる、最強の商品企画者になる、もっとアジアが好きになる、おいしい野菜をつくる、空に暦を見つける、都市と里山が元気になる、自然と交信する。などなど、シリーズ待望の実践編。こんな合理的な暦を使わないなんて、もったいない。

社団法人 大阪南太平洋協会(ASPA)
大阪を拠点に、太平洋島嶼国の人々と市民外交を目指すNGO団体。1981年に設立。 日本文化の原点の一つとして旧暦を捉え、自然回帰活動に活かそうと1987年から「旧暦カレンダー」を発行。 収益は、協会の活動資金に役立てられている。 活動内容及びカレンダー、旧暦勉強会など、詳しくはホームページあるいは下記迄。
http://www.aspa-osaka.com
e-mail info@aspa-osaka.com
事務局〒531-0072大阪市北区豊崎3-8-5-1001
TEL.06-6376-1151 FAX.06-6371-9337

松村賢治(まつむら けんじ)
大阪大学大学院建築工学修士課程修了。 大手建設会社に勤務後、1974年に1年9ヶ月に及ぶヨット世界周航の旅へ。 その旅で太平洋島嶼民の時間軸に出会い、後に沖縄で旧暦に出会う。 現在、設計事務所を経営する傍ら、ASPAを主宰。 著書に『旧暦と暮らす―スローライフの知恵ごよみ―』、スローライフ実践編として、いなか暮らしの最小空間を提案とした『続・旧暦と暮らす―庵を結び、炭をおこす』(ともにビジネス社))などがある。

風力5(ふうしょく ご)
2002年『旧暦と暮らす』プロデュースをきっかけに結成した、女性フリーランス・ライター等による書籍・雑誌企画構成チーム。 本書は、相良高子・小坂京子が担当。 順風満帆な状況「風力4」よりも【やや荒波強風は覚悟】の意から命名。 旧暦からみた持続可能な社会、ヒト・モノ・コト本来の在りようをテーマに、各方面とのゆるやかな連携を志す。 2004年より、ビギナーのための旧暦メールマガジン・月刊『カランドリエ』を配信中
お問い合わせ先:wind-5@xb3.so-net.ne.jp
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次(大項目)
序文 松村賢治 2
一章 月のちから 11
・昼間は明るく、夜は暗い。これが自然のリズム 12
・<體>のなかに暦がある 18
・よいお産は月のリズムを知ることから 24
・桜は、新月から満月にかけて咲くのや 28

二章 作付どき 35
・大桜が咲きはじめると春の始まり 36
・畑のオリジナル七十二候、ただいま作成中 40
・計画のないところに生産はない 47
・作物と月の不思議な関係 53

三章 技を磨く 61
・【深大寺元禄蕎麦】を再現 61
・桃の花の和菓子は、雛祭を過ぎてから 68
・毎日を二倍愉しく 70
・複眼思考をやしなう【天保歴】 77
・【自然歴】は、生命環境教育の基本 81

四章 商売繁盛 87
・「旧暦で作り、新暦で売れ」 88
・ゴールデンウィークが春か夏か、売上の分岐点 94
・新茶は旧暦四月一日に摘む 101

五章 生活空間 107
・季節とのつきあいかた 108
・暮らしにリズムをつける 114
・たそがれどき、かはたれどき 120
・お寺の【超時空間的日常歳時記】ブログ 125
・大阪木造長屋の再生 129

六章 地域発 135
・東京発
・・「農と旧暦の夜の宴」季節と同期した五節供 136
・・江戸期こそ革新そのもの 144
・・身体尺度を取り戻す 149
・・最高の文学は昔話、旧暦(ちえごのみ)さながらに 155
・奈良発「天川村の空気を育む会」「旧暦村という発想 161
・大阪発「里山の歳時記」を現代バージョンで復活 166

七章 おきなわ紀行 173
・沖縄の年中行事はすべて旧暦 173
・月がいちばんきれいな夜に 176
・西表島の初穂祭 182
・デイゴの花が咲くころ、マグロの産卵が始まる 197
・二つのお正月 202

八章 アジアの心 211
・「考暦学」から読み解く 212
・台湾/中国/朝鮮・韓国/米国版『旧暦と暮らす』 219
・鉄道の開通が、日本から旧暦を焼失させた 232
・「アジアの心」を取り戻す 237

旧暦の手びき 245
あとがき 風力5 258

■序文(第3~5段落)
  1987年(昭和六十二年)、大阪南太平洋協会は、四季の移ろいをなぞって文化を紡いできた、わが国のアイデンティティーとして「旧暦カレンダー」を発行した。 活動のための自主財源となればとの願いもあった。 1873年(明治六年)の太陽暦への改暦以来、百十四年ぶりの太陰太陽暦(=旧暦)の復活となった。 近年、書店には十数種類ものさまざまな趣向を凝らした旧暦カレンダーが並んでいる。 これは、「旧暦」が単に昔の珍しい暦・懐古趣味の暦ではなく、新しい生き方の時間軸になると、多くの方々から認められた証であろう。
  2002年『旧暦と暮らす~スローライフの知恵ごよみ』を世に出した。 協会発行の「旧暦カレンダー」の解説が目的であった。 同書は、旧暦カレンダーの定着を促し、その愛用者による口伝えも読者掘り起こしに力を発揮した・ 第二作目の『続・旧暦と暮らす~庵を結び、炭を起こす』は、スローライフの最小空間を考える実践編であった。
  そしてこの度は、全国の旧暦活用者や海外へのインタビューを含め、各界の旧暦活用の実践例を紹介させていただいた。 旧暦カレンダーの活用法が、よく分からない方々の手引書になればと考えたからである。 それが、『続々と、旧暦と暮らす』である。 ユニークで多種多少な活用法にまず驚いた。 同時に、わが国にはまだまだ、旧暦にまつわる生活の知恵が、数多く残されていることに安堵(あんど)した。 そして、その知恵の深さに、目を見張った。 ご協力いただいた各位への感謝で胸がいっぱいである。 旧暦に秘められたわが国の自然観を、世界中の人々に伝える。 それがきっかけとなって、各民族独自の自然との共生の知恵が掘り起こされ、次世代に伝わるとよい。

■一言:
本書は、三作目。

○■鳥の手帖 江戸時代の図譜と文献例でつづる鳥の歳時記■2015年06月26日 11:05

江戸後期に発行された『梅園禽譜』の絵を収録した歳時記


尚学図書 (編集)
単行本: 216ページ
出版社: 小学館 (1990/03)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより) 江戸時代後期に隆盛を見た日本の博物学は、日本人の手になる多くの博物画を産み出しました。その中でも鳥を描いたものは、精密さの点で他に類を見ないと言われています。 『梅園禽譜』はその代表的なものです。一般には目にすることのむずかしいこの図譜から採録した図版を中心に、身近な鳥を集めてこの本をまとめました。 それぞれの項目には、古今の文献から採集した用例文を添え、季語・異名も掲げて詩歌や俳句などを作る方のための便も図りました。

■帯の文言
梅園禽譜と文献例でつづる日本の鳥141種
・江戸時代の図譜『梅園禽譜』から選んだ彩色図版67点を収録。
・鳥の生態を理解しやすいカラー写真75点を掲載。
・鳥の生態・特徴・習性なども詳細に解説。
・古今の文献から、和歌や俳句を中心にした用例文を採集、鳥と
文学を結びつけた、鳥の文学図鑑。
・生活に密接なかかわりを持つ、鳥に関連したさまざまな季語を掲げる。
・鳥の古い名称、地方によって異なる呼び方など450種におよぶ異
名を、「鳥名五十音順総索引」として巻末に掲載。

■目次
・それぞれの区分の中は平地の鳥・山地の鳥・水辺の鳥の順に配置してあります。

留鳥
おなが(尾長) 1
かささぎ(鵲) 2
かわらひわ(河原鶸) 3
からす(烏・鴉) 6
きじ(雉・雉子) 10
こうらいきじ(高麗雉) 11
けり(鳧・計里・水札) 14
こじゅけい(小綬鶏) 14
きじばと(雉鳩) 15
すずめ(雀) 18
しじゅうから(四十雀) 20
はと(鳩・鴿) 22
しらこばと(白子鳩) 23
ひよどり(鵯) 26
ほおじろ(頬白・黄道眉・画眉鳥) 27
めじろ(目白・眼白・繍眼児) 28
とび(鳶・鴟・鵄) 30
ひばり(雲雀) 30
もず(百舌・鵙・百舌鳥) 32
やまがら(山雀) 34
いかる(斑鳩・鵤) 36
おおたか(蒼鷹・大鷹) 37
きつつき(啄木鳥) 38
くまげら(熊啄木鳥) 38
あおげら(青啄木鳥)40
あかげら(赤啄木鳥) 40
こげら(小啄木鳥) 40
かけす(懸巣) 41
こがら(小雀) 44
たか(鷹) 44
くまたか(熊鷹) 48
ふくろう(梟) 49
みみずく(木莵・木兔・角鴟) 50
このはずく(木葉木莵) 51
やまどり(山鳥) 54
らいちょう(雷鳥) 55
わし(鷲) 58
いぬわし(犬鷲・狗鷲) 59
みそさざい(鷦鷯) 60
ごいさぎ(五位鷺) 62
かいつぶり 62
かるがも(軽鴨) 63
あほうどり(信天翁・阿房鳥) 66
おしどり(鴛鴦) 66
うとう(善知鳥) 70
う(鵜) 70
ちどり(千鳥) 72
せきれい(鶺鴒) 74
かわせみ(翡翠) 75
やませみ(山翡翠・山魚狗) 79
とき(鴇・朱鷺・桃花鳥) 80
みさご((鶚・雎鳩) 80
たんちょう(丹頂) 85

漂鳥
うずら(鶉) 88
うぐいす(鶯) 92
むくどり(椋鳥) 94
くろじ(黒鵐) 94
あおじ(蒿雀・青鵐) 96
うそ(鷽) 98
とらつぐみ(虎鶫) 100
あかはら(赤腹) 102
るりびたき(瑠璃鶲) 102
ありすい(蟻吸) 102
あおさぎ(青鷺・蒼鷺) 106
ばん(鷭) 106
おおばん(大鷭) 107

夏鳥
かっこう(郭公) 112
さんしょうくい(山椒食) 116
のごま(野駒) 116
さんこうちょう(三光鳥) 118
つばめ(燕) 118
あまつばめ(雨燕) 122
おおるり(大瑠璃) 122
かやくぐり(茅潜) 124
いわひばり(岩雲雀) 124
きびたき(黄鶲) 126
まみじろ(眉白) 126
こるり(小瑠璃) 127
こまどり(駒鳥) 128
さしば(刺羽、差羽) 129
ぶっぽうそう(仏法僧) 132
つつどり(筒鳥) 132
ほととぎす(時鳥・子規・郭公・不如帰) 133
くろつぐみ(黒鶫) 132
みぞごい(溝五位) 138
よたか(夜鷹・蚊母鳥・怪鴟) 138
あかしょうびん(赤翡翠) 140
あまさぎ(尼鷺・甘鷺) 140
さぎ(鷺) 142
しらさぎ(白鷺) 143
ささごい(笹五位) 144
よしごい(葦五位) 144
いそしぎ(磯鴫) 145
くいな(水鶏・秧鶏) 145
ひくいな(緋水鶏・緋秧鶏) 146
よしきり(葦切・葭切・葦雀) 148
あじさし(鰺刺) 150
こあじさし(小鰺刺) 150

冬鳥
はやぶさ(隼) 151
しろはら(白腹) 152
かしらだか(頭高) 154
たひばり(田雲雀) 154
ひたき(鶲) 156
じょうびたき(尉鶲) 156
つぐみ(鶫) 156
ひわ(鶸) 160
まひわ(真鶸) 160
あとり(花鶏) 162
ましこ(猿子) 162
いすか(交喙) 164
しめ 164
あいさ(秋沙) 168
うみねこ(海猫) 168
かも(鴨・鳧) 172
おなががも(尾長鴨) 173
かもめ(鴎) 176
たげり(田鳧・田計里) 176
つる(鶴) 178
まなづる(真鶴・真名鶴) 182
なべづる(鍋鶴) 182
はくちょう(白鳥) 183
がん(雁・鴈) 184
ゆりかもめ(百合鴎) はじろがも(羽白鴨) 186
きんくろはじろ(金黒羽白) 187
みやこどり(都鳥) 190
ひしくい(菱喰・鴻) 190
ひどりがも(緋鳥鴨) 190

旅鳥
れんじゃく(連雀) 192
ひれんじゃく(緋連雀) 192
きれんじゃく(黄連雀・十二黄雀) 192
しぎ(鴫・鷸) 194
きょうじょしぎ(京女鴫) 195
しゃくしぎ(杓鴫・杓鷸) 198
だいしゃくしぎ(大杓鴫) 198

飼鳥
カナリア 199
ぶんちょう(文鳥) 202
じゅうしまつ(十姉妹) 202
おうむ(鸚鵡) 204
いんこ(鸚哥・音呼) 206
きゅうかんちょう(九官鳥) 206
(注:環境依存文字を含む表記は省きました)
(注:鴎は異字を採用しました)

■「毛利梅園と『梅園禽譜』について」(本書から)
  毛利梅園は、幼名鉙三郎(かねさぶろう)、名を元寿、通称を兵橘といい、 梅園、梅龍園などと号した。 寛政十〇(一七九八)年に三百石取りの旗本である毛利元苗(もとひで)の子として生まれ、嘉永四(一八五一)年八月、 五十四歳で没した。 その間、御小姓組として将軍に仕え、父元苗の著書「皇代系譜」の増補校訂を進めた。また一方で、動物や植物などの図譜の制作を精力的に行った。
  この本で図版を採録した『梅園禽譜』(国立国会図書館蔵)は全一巻百十一折の折帖(縦二八cmX横一九cm)である。 天保一〇(一八三九)年の記がある序には、一三八種の鳥を描いたと記されている。 その多くは写生した月日等の制作状況が記入されていて資料性も高い。
  毛利梅園には、このほかに「草木実譜」「梅園草木花譜」「梅園菌譜」「梅園魚譜」「梅園魚品図正」「梅園介譜」などの図譜もある。

■一言:
メルマガで紹介した飯沼慾斎の植物画に感激していたところ、このような図鑑を見かけて購入してきました。写真と絵の両方が使われているため、違いがよくわかります。
「梅園禽譜」をキーワードに画像を検索すると本書に収録されているような図版を参照できます。

■書評
るびりん書林 別館

△■古代ハワイ人の世界観 人と神々と自然の共生する世界■2015年06月10日 10:41

数千年前に太平洋の島々へと進出したポリネシア人の歴史を反映する世界観と「進化」の概念


マイケル・キオニ ダドリー (著), 中島 和子 (翻訳), 堀口登 (翻訳)
単行本: 127ページ
出版社: たちばな出版 (2004/01)

■内容(「BOOK」データベースより)
本書は、宗教、哲学、自然環境に関する基本的な思想的背景を取り上げ、ハワイ人の伝統的な世界観について論述した最初の文献である。それぞれの焦点がハワイ文化の中核をなしている。著者のダドリー博士は、偉大なる古代の遺産を現代人にも理解できるよう、じつに分かりやすく説明している。
内容(「MARC」データベースより)
熱帯の楽園である古代ハワイでは人と神々と自然が相互に影響しあい、それらの密接な関係を基盤とした宇宙・社会を形成していた。宗教、哲学、自然環境に関する基本的な思想的背景を取り上げ、ハワイ人の伝統的な世界観を論述。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ダドリー,マイケル・キオニ
1975年からシャミネード大学の講師としてハワイ人の宗教について講義を始めた。その間、リーワードやウィンワード短期大学、またハワイ大学、そしてカリフォルニア大学サンタバーバラ校で教鞭をとる。博士論文は、十年以上にわたる古代ハワイ人に関する研究の成果であり、古代ハワイ哲学の再構築をその主な目的としていた。学者であるとともに運動家であり、ハワイ人の主権回復運動にも深く関わっている

中島/和子
同志社大学法学部卒。政治学専攻の法学博士。桜美林大学、京都精華大学教授、中央大学講師を経て、1999年NPO古代遺跡研究所を設立、その所長となる。現在「古代における政治と祀り」をテーマに日本とアメリカ大陸先住民の古代文化を研究中。九州と六甲山・甲山周辺の磐座(いわくら)を守る運動を起こしている

堀口/登
関西学院大学英文学科卒。同大学院経済学修士。総合商社にて北・中・南米勤務など歴任。代表取締役退任後、大阪市外郭団体顧問(海外関係業務)、短大講師などを経て今日に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
第1章 魚の話 1
第2章 古代ハワイへの知識の伝承 7
第3章 古代ハワイ人の右中間 11
第4章 古代ハワイ人の思想における霊体と物体 33
第5章 古代ポリネシアの進化論 41
第6章 自然界が知覚を持っていることへの現代的立証 55
第7章 アクア(Akua), マナ(Mana)と神性 69
第8章 多様な形態をとる化身, キノラウ(Kino Lau) 79
第9章 森羅万象の組み合わせ 89
第10章 古代ハワイの環境倫理 95
第11章 首長の特別な地位 113
第12章 ハワイが掲げるモットーの真の意味 119
訳者あとがき

■推薦の言葉(冒頭部分)
この諸”Man, Gods, and Nature”を, ハワイに関する文献として図書館に加えることはこの上ない喜びであります。ハワイ人の間には, 伝統的なハワイの精神風土への情熱が「強烈な炎」として赤々と燃えあがっています。また, ハワイ人の心は主権の回復にも燃えています。どちらも昔ながらの生き方にその源泉があるのです。

ハワイの島々で暮らす人々は, 自然と密接に関わり合うのみならず, 宇宙に漲る力とも神秘的に結びついた信仰体系を発展させ, 人の営みとその周辺の世界についての独特な見方を生み出していました。ハワイ人は, 例えば多様な形を持つ水―雨, 霧, 雲, 海, 小川, 滝, 等々―をワイ・オラ(wai ora), すなわち,「命の水」あるいは「生きている水」と呼びます。ワイ・オラは人間や自然の源泉に存在しているものです。その力はすべての生き物を養い, 繁栄をもたらします。
・・・

■まえがき(冒頭)
さあ, ハワイ人のことを知ろう。彼らは豊かな文化遺産や魅力的な知的伝統を継承してきた素晴らしい人たちだ。ハワイ人の暮らしは, 彼らの住む島々やその自然美を守ることと密接に関わりあっている。ハワイ人の文化と伝統は, 土地への愛情アロハ・アイナ(aloha aina)をその軸に据えている。

今日のハワイ人は, 彼らの主権国家実現のために力を注いでいる。島々の状況―絶えざる「開発」と無差別な都市化計画―は, 彼らが土地の主権を取り戻そうとする理由の一つである。開発業者による島々の舗装事業は, 押し寄せる移民たちから利益をむさぼるものだが, ハワイ人が知る昔ながらの人と自然環境との良心的な関係とは矛盾し, 全く相容れないものなのである。

昔のハワイ人は, 宇宙とその働き, 宇宙における人の役割を説いた哲学体系を築いた。その他の哲学的伝統と同様に, 彼らの哲学は, 人々が周辺世界とどう接してきたかを観察し, それを元にして形成されてきた。つまり, ハワイ人の哲学は彼らの生き方そのものを反映している。それが誕生するやいなや, 人々はその体系をよりどころに世界と継続的な関係を結んできたのである。
・・・

■一言
ハワイ人の本来の世界観について、何も知らないことと、すこしでも知っていることの間には大きな違いがある。

■書評:
るびりん書林別館