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大航海時代にわが国が西洋の植民地にならなかったのはなぜか ― 2019年04月25日 09:56
キリスト教の負の歴史をほとんど封印している現代社会。秀吉の朝鮮出兵も、島原の乱も、鎖国も、綿密に調べることで、通説が何を隠そうとしているのかがはっきりとしてくる。
しばやん (著)
単行本(ソフトカバー): 304ページ 出版社: 文芸社 (2019/4/1)
なぜわが国は鉄砲を捨てて刀剣の世界に舞い戻ったのか、なぜ西洋の植民地にならなかったのか、なぜキリスト教を厳しく弾圧したのか。戦前の書物や他国の記録を追いながら、大航海時代における、わが国の為政者の手腕、わが国に訪れた宣教師たちの本当の狙い、日本人が奴隷として海外に売られていた事実などについて分析していく。今、日本の真実の姿が明らかになる!
しばやん
京都のお寺に生まれ育ちながら、中学・高校はカトリック系ミッション・スクールで学び、大学卒業後、普通の会社員となる。役員退任後に勤務を継続するかたわらでブログ「しばやんの日々」の執筆を開始し、大手ブログランキングサイトの日本史分野で第1位を獲得。
序章 四百年以上前に南米やインドなどに渡った名もなき日本人たちのこと
第1章 鉄砲の量産に成功したわが国がなぜ刀剣に舞い戻ったのか 9
鉄砲伝来後、わが国は鉄砲にどう向き合ったか 21
世界最大の鉄砲保有国であったわが国がなぜ鉄砲を捨てたのか 27
第2章 キリスト教伝来後、わが国に何が起こったのか 37
フランシスコ・ザビエルの来日 39
フランシスコ・ザビエルの布教活動 43
最初のキリシタン大名・大村純忠の「排仏毀釈」 50
イエズス会に政教の実権が握られた長崎 58
武器弾薬の輸入のためにキリスト教を厚遇した大友宗麟 62
宣教師たちは一般庶民の信者にも寺社や仏像の破壊を教唆した 71
武士たちにキリスト教が広まったことの影響 76
異教国の領土と富を奪い取り、異教徒を終身奴隸にする権利 82
ポルトガル人による日本人奴隸売買はいかなるものであったか 87
スペインの世界侵略とインデイオの悲劇 93
スペイン・ポルトガルの世界侵略とローマ教皇教書が果たした役割 100
宣教師たちがシナの征服を優先すべきと考えた理由 108
第3章 キリスト教勢力と戦った秀吉とその死 115
秀吉のキリスト教布教許可と九州平定 117
秀吉によるイエズス会日本準管区長・コエリョへの質問 120
秀吉はなぜ伴天連追放令を出したのか 126
伴天連追放令後のイエズス会宣教師の戦略 131
スペインに降伏勧告状を突き付けた秀吉 134
秀吉はなぜ朝鮮に出兵したのか 140
サン・フェリペ号事件と日本二十六聖人掏教事件 145
イエズス会とフランシスコ会の対立 153
秀吉の死後スペイン出身の宣教師が策定した日本征服計画 158
宣教師やキリシタン大名にとっての関ヶ原の戦い 165
第4章 徳川家康・秀忠・家光はキリスト教とどう向き合ったか 175
日本人奴隸の流出は徳川時代に入っても続いていた 177
家康がキリスト教を警戒し始めた経緯 181
家康の時代のキリスト教弾圧 188
大坂の陣で、多くのキリシタン武将が豊臣方に集まったのはなぜか 190
対外政策を一変させた秀忠 196
東南アジアでスペインに対抗しようとしたイギリス・オランダの戦略 200
幕府がキリスト教の取締り強化を図っても、キリスト教信者は増え続けた 206
家光がフイリピンのマニラ征伐を検討した背景 208
幕府はなぜキリスト教を禁止せざるを得なかったのか 213
第5章 島原の乱 219
島原の乱は経済闘争か、あるいは宗教戦争か 221
棄教した住民たちが、なぜ短期間にキリシタンに立ち帰ったのか 229
島原の乱の一揆勢は原城に籠城して、どこの支援を待ち続けたのか 234
島原の乱の一揆勢は、大量の鉄砲と弾薬をどぅやって調達したのか 241
島原の乱を幕府はどぅやって終息させたのか 247
島原の乱の後も、わが国との貿易再開を諦めなかったポルトガル 255
島原の乱の前後で、幕府がオランダに対しても強気で交渉できたのはなぜか 260
第6章 「鎖国」とは何であったのか? 271
ポルトガルと断交した後になぜ海外貿易高は増加したのか 273
シーボルトが記した「鎖国」の実態 281
あとがき 295
しばやん (著)
単行本(ソフトカバー): 304ページ 出版社: 文芸社 (2019/4/1)
商品の説明
内容
なぜわが国は鉄砲を捨てて刀剣の世界に舞い戻ったのか、なぜ西洋の植民地にならなかったのか、なぜキリスト教を厳しく弾圧したのか。戦前の書物や他国の記録を追いながら、大航海時代における、わが国の為政者の手腕、わが国に訪れた宣教師たちの本当の狙い、日本人が奴隷として海外に売られていた事実などについて分析していく。今、日本の真実の姿が明らかになる!
訳者略歴 (本書奥付けより)
しばやん
京都のお寺に生まれ育ちながら、中学・高校はカトリック系ミッション・スクールで学び、大学卒業後、普通の会社員となる。役員退任後に勤務を継続するかたわらでブログ「しばやんの日々」の執筆を開始し、大手ブログランキングサイトの日本史分野で第1位を獲得。
目次
序章 四百年以上前に南米やインドなどに渡った名もなき日本人たちのこと
第1章 鉄砲の量産に成功したわが国がなぜ刀剣に舞い戻ったのか 9
鉄砲伝来後、わが国は鉄砲にどう向き合ったか 21
世界最大の鉄砲保有国であったわが国がなぜ鉄砲を捨てたのか 27
第2章 キリスト教伝来後、わが国に何が起こったのか 37
フランシスコ・ザビエルの来日 39
フランシスコ・ザビエルの布教活動 43
最初のキリシタン大名・大村純忠の「排仏毀釈」 50
イエズス会に政教の実権が握られた長崎 58
武器弾薬の輸入のためにキリスト教を厚遇した大友宗麟 62
宣教師たちは一般庶民の信者にも寺社や仏像の破壊を教唆した 71
武士たちにキリスト教が広まったことの影響 76
異教国の領土と富を奪い取り、異教徒を終身奴隸にする権利 82
ポルトガル人による日本人奴隸売買はいかなるものであったか 87
スペインの世界侵略とインデイオの悲劇 93
スペイン・ポルトガルの世界侵略とローマ教皇教書が果たした役割 100
宣教師たちがシナの征服を優先すべきと考えた理由 108
第3章 キリスト教勢力と戦った秀吉とその死 115
秀吉のキリスト教布教許可と九州平定 117
秀吉によるイエズス会日本準管区長・コエリョへの質問 120
秀吉はなぜ伴天連追放令を出したのか 126
伴天連追放令後のイエズス会宣教師の戦略 131
スペインに降伏勧告状を突き付けた秀吉 134
秀吉はなぜ朝鮮に出兵したのか 140
サン・フェリペ号事件と日本二十六聖人掏教事件 145
イエズス会とフランシスコ会の対立 153
秀吉の死後スペイン出身の宣教師が策定した日本征服計画 158
宣教師やキリシタン大名にとっての関ヶ原の戦い 165
第4章 徳川家康・秀忠・家光はキリスト教とどう向き合ったか 175
日本人奴隸の流出は徳川時代に入っても続いていた 177
家康がキリスト教を警戒し始めた経緯 181
家康の時代のキリスト教弾圧 188
大坂の陣で、多くのキリシタン武将が豊臣方に集まったのはなぜか 190
対外政策を一変させた秀忠 196
東南アジアでスペインに対抗しようとしたイギリス・オランダの戦略 200
幕府がキリスト教の取締り強化を図っても、キリスト教信者は増え続けた 206
家光がフイリピンのマニラ征伐を検討した背景 208
幕府はなぜキリスト教を禁止せざるを得なかったのか 213
第5章 島原の乱 219
島原の乱は経済闘争か、あるいは宗教戦争か 221
棄教した住民たちが、なぜ短期間にキリシタンに立ち帰ったのか 229
島原の乱の一揆勢は原城に籠城して、どこの支援を待ち続けたのか 234
島原の乱の一揆勢は、大量の鉄砲と弾薬をどぅやって調達したのか 241
島原の乱を幕府はどぅやって終息させたのか 247
島原の乱の後も、わが国との貿易再開を諦めなかったポルトガル 255
島原の乱の前後で、幕府がオランダに対しても強気で交渉できたのはなぜか 260
第6章 「鎖国」とは何であったのか? 271
ポルトガルと断交した後になぜ海外貿易高は増加したのか 273
シーボルトが記した「鎖国」の実態 281
あとがき 295
書評
キリスト教の負の歴史をほとんど封印している現代社会。秀吉の朝鮮出兵も、島原の乱も、鎖国も、綿密に調べることで、通説が何を隠そうとしているのかがはっきりとしてくる。■★かくれた次元■ ― 2019年01月20日 21:39
アメリカの自文化中心主義の弊害を解消しようとする中で書かれ、プロセラミックス(近接対人空間学)を提唱している本だが、動物としての人間の在り方を含め、興味深い着想に富んでいる
エドワード・T・ホール (著), 日高 敏隆 (翻訳), 佐藤 信行 (翻訳)
単行本: 304ページ 出版社: みすず書房 (1970/10/31)
今日の世界では、われわれは、多くの情報源からのデータに圧倒され、さまざまの文化に接触し、世界中いたるところで人びとにインヴォルヴされてゆく。それとともに、世界全体とのかかわりが失われているという意識もしだいに強くなっている。
本書は、人間の生存やコミュニケーション・建築・都市計画といった今日的課項とふかく結びついている“空間"利用の視点から人間と文化のかくれた構造を捉え、大量のしかも急速に変化する情報を、ひとつの統合へと導く指標を提供するものである。
ホールは、二つのアプローチを試みる。一つは生物学的な面からである。視覚・聴覚・嗅覚・筋覚・温覚の空間に対する鋭敏な反応。混みあいのストレスから自殺的行為や共食いといった異常な行動にかられるシカやネズミの例をあげ、空間が生物にとっていかに重要な意味をもつかを示す。人間と他の動物との裂け目は、人びとの考えているほど大きくはない。われわれは、人間の人間たるところがその動物的本性に根ざしていることを忘れがちである。
もう一つは文化へのアプローチである。英米人・フランス人・ドイツ人・アラブ人・日本人などの、私的・公的な空間への知覚に関して多くの興味ぶかい観察を示し、体験の構造がそれぞれの文化にふかく型どられ、微妙に異なる意味をもつことを示す。それはまた疎外や誤解の源でもあるのだ。
このユニークな把握は、人間に人間を紹介しなおす大きな助けとなり、急速に自然にとってかわり新しい文化的次元を創り出しつつあるわれわれに、新鮮な刺激と示唆をあたえてやまない。
エドワード・T・ホール
エドワード・T・ホール(Edward Twitchell Hall, Jr.、1914年5月16日 - 2009年7月20日)は、アメリカ合衆国の文化人類学者。日本では「E・T・ホール」と表記されることも多い。
第一章 コミュニケーションとしての文化 3
第二章 動物における距離の調節 13
第三章 動物における混みあいと社会行動 37
第四章 空間の知覚――遠距離受容器 目・耳・鼻 63
第五章 空間の知覚――近距離受容器 皮膚と筋肉 76
第六章 視覚的空間 95
第七章 知覚への手掛りとしての美術 111
第八章 空間のことば 130
第九章 空間の人類学――組織化のモデル 145
第十章 人間における距離 160
第十一章 通文化的関連におけるプロクセミックス
――ドイツ人・イギリス人・フランス人 192
第十二章 通文化的関連におけるプロクセミックス
――日本とアラブ圏 206
第十三章 都市と文化 228
第十四章 プロクセミックスと人間の未来 249
付録 遠近法の十三のヴァラエティーに関するジェームズ・ギブスンの論文の摘要 261
エドワード・T・ホール (著), 日高 敏隆 (翻訳), 佐藤 信行 (翻訳)
単行本: 304ページ 出版社: みすず書房 (1970/10/31)
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
今日の世界では、われわれは、多くの情報源からのデータに圧倒され、さまざまの文化に接触し、世界中いたるところで人びとにインヴォルヴされてゆく。それとともに、世界全体とのかかわりが失われているという意識もしだいに強くなっている。
本書は、人間の生存やコミュニケーション・建築・都市計画といった今日的課項とふかく結びついている“空間"利用の視点から人間と文化のかくれた構造を捉え、大量のしかも急速に変化する情報を、ひとつの統合へと導く指標を提供するものである。
ホールは、二つのアプローチを試みる。一つは生物学的な面からである。視覚・聴覚・嗅覚・筋覚・温覚の空間に対する鋭敏な反応。混みあいのストレスから自殺的行為や共食いといった異常な行動にかられるシカやネズミの例をあげ、空間が生物にとっていかに重要な意味をもつかを示す。人間と他の動物との裂け目は、人びとの考えているほど大きくはない。われわれは、人間の人間たるところがその動物的本性に根ざしていることを忘れがちである。
もう一つは文化へのアプローチである。英米人・フランス人・ドイツ人・アラブ人・日本人などの、私的・公的な空間への知覚に関して多くの興味ぶかい観察を示し、体験の構造がそれぞれの文化にふかく型どられ、微妙に異なる意味をもつことを示す。それはまた疎外や誤解の源でもあるのだ。
このユニークな把握は、人間に人間を紹介しなおす大きな助けとなり、急速に自然にとってかわり新しい文化的次元を創り出しつつあるわれわれに、新鮮な刺激と示唆をあたえてやまない。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
エドワード・T・ホール
エドワード・T・ホール(Edward Twitchell Hall, Jr.、1914年5月16日 - 2009年7月20日)は、アメリカ合衆国の文化人類学者。日本では「E・T・ホール」と表記されることも多い。
目次(大項目の抜粋)
第一章 コミュニケーションとしての文化 3
第二章 動物における距離の調節 13
第三章 動物における混みあいと社会行動 37
第四章 空間の知覚――遠距離受容器 目・耳・鼻 63
第五章 空間の知覚――近距離受容器 皮膚と筋肉 76
第六章 視覚的空間 95
第七章 知覚への手掛りとしての美術 111
第八章 空間のことば 130
第九章 空間の人類学――組織化のモデル 145
第十章 人間における距離 160
第十一章 通文化的関連におけるプロクセミックス
――ドイツ人・イギリス人・フランス人 192
第十二章 通文化的関連におけるプロクセミックス
――日本とアラブ圏 206
第十三章 都市と文化 228
第十四章 プロクセミックスと人間の未来 249
付録 遠近法の十三のヴァラエティーに関するジェームズ・ギブスンの論文の摘要 261
「日本版への序」の終わりの部分
このような本は、生活を検討し、あらゆる人々がめいめい自分の織物を織りだしてゆく、生活の美しくも、すばらしい、そして多様な形を見出してゆく一つの途を示すものなのです。私は人類の運命に多大の関心をもっています。というのは、人間はあまりにしばしば表面しか見ておらず、自分自身について知ることがあまりにすくないからです。私が何か得るとすれば、それは人々が自分自身について何を知り得るかということであり、この本が日本語に訳されることをたいへんうれしく思っている次第です。書評
アメリカの自文化中心主義の弊害を解消しようとする中で書かれ、プロセラミックス(近接対人空間学)を提唱している本だが、動物としての人間の在り方を含め、興味深い着想に富んでいる■秘密結社―世界を動かす「闇の権力」■ ― 2018年05月30日 21:05
子孫を残してつながることによってのみ意味を持つ存在が「命」である以上、ヒトだけが例外であるはずはない。ならば、このような本を通じた知識は、ぜひとも要求なのだ。
桐生 操 (著)
新書: 305ページ
出版社: 中央公論新社 (2007/9/1)
世界史を動かし、現代でも政治、経済からテロリズム、宗教、犯罪にまで、ただならぬ闇の力を及ぼし続ける秘密結社。代表的な団体の全貌を俯瞰し、関わった事件の数々を一冊にまとめた力作。
桐生/操
パリ大学(ソルボンヌ大学)、リヨン大学に留学し、主にフランス文学や歴史を専攻する。帰国後、執筆活動を開始。ルネサンス期を中心とした西洋の歴史人物の評伝をはじめ、歴史の知られざるエピソードを次々と発表し、好評を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
序章 秘密結社とは何か 17
第1章 世界を動かす秘密結社の全貌 23
フリーメーソン 世界統一をめざす 25
イルミナティ 世界を動かす13血流とは 63
三百人委員会 10億人を支配下におく巨大な権力の実態とは 82
第2章 『ダ・ヴィンチ・コード』で注目された秘密結社の真実 93
テンプル騎士団 正義のヒーローが、なぜ犯罪集団に変容したのか 95
シオン修道会 名を連ねる数多くの有名人 114
第3章 神秘結社の謎に迫る 127
トゥーレ協会/ヴリル協会 ヒトラーに影響を与えたオカルト集団 127
薔薇十字団 職人たちの組合が密かに錬金術を伝承 140
地獄の火クラブ 不良貴公子たちの社交クラブが織りなす幻の性の祭典 151
第4章 魔術結社の実態を知る 159
薔薇十字カバラ会 宗教家を呪い殺すほどの力が本当にあったのか 161
悪魔協会 マリリン・モンローとの意外なつながりとは 171
東方聖堂騎士団 現代にひっそりと生きる性魔術団 183
黄金の夜明け団 それでも脈々と生きつづける結社 193
神智学協会 「心霊学者のスター」が設立 207
第5章 政治結社・宗教結社の正体を探る 221
・政治結社
円卓会議 「一大帝国連邦」を夢見て 223
CFR 世界政府設立をめざす 226
ビルダーバーガー 世界のトップで形成されたシンクタンク 232
・宗教結社
グノーシス派 信仰よりも知識を重んじる男女同権の宗派 235
カタリ派 栄華ゆえに疎まれ、迫害された悲劇の宗派 241
エッセネ派 裏切り、反目、捏造、恐怖支配…… 249
第6章 秘密結社をめぐる迷宮入り事件 263
ロベルト・カルビ変死事件 裏舞台でも暗躍した男の結末とは 265
モーツァルト変死事件 暗号化した音楽に秘められた秘密 282
9・11事件 前代未聞の大事件の背景に隠された驚くべき真相 291
主要参考文献 301
子孫を残してつながることによってのみ意味を持つ存在が「命」である以上、ヒトだけが例外であるはずはない。ならば、このような本を通じた知識は、ぜひとも要求なのだ。
桐生 操 (著)
新書: 305ページ
出版社: 中央公論新社 (2007/9/1)
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
世界史を動かし、現代でも政治、経済からテロリズム、宗教、犯罪にまで、ただならぬ闇の力を及ぼし続ける秘密結社。代表的な団体の全貌を俯瞰し、関わった事件の数々を一冊にまとめた力作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
桐生/操
パリ大学(ソルボンヌ大学)、リヨン大学に留学し、主にフランス文学や歴史を専攻する。帰国後、執筆活動を開始。ルネサンス期を中心とした西洋の歴史人物の評伝をはじめ、歴史の知られざるエピソードを次々と発表し、好評を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
目次
序章 秘密結社とは何か 17
第1章 世界を動かす秘密結社の全貌 23
フリーメーソン 世界統一をめざす 25
イルミナティ 世界を動かす13血流とは 63
三百人委員会 10億人を支配下におく巨大な権力の実態とは 82
第2章 『ダ・ヴィンチ・コード』で注目された秘密結社の真実 93
テンプル騎士団 正義のヒーローが、なぜ犯罪集団に変容したのか 95
シオン修道会 名を連ねる数多くの有名人 114
第3章 神秘結社の謎に迫る 127
トゥーレ協会/ヴリル協会 ヒトラーに影響を与えたオカルト集団 127
薔薇十字団 職人たちの組合が密かに錬金術を伝承 140
地獄の火クラブ 不良貴公子たちの社交クラブが織りなす幻の性の祭典 151
第4章 魔術結社の実態を知る 159
薔薇十字カバラ会 宗教家を呪い殺すほどの力が本当にあったのか 161
悪魔協会 マリリン・モンローとの意外なつながりとは 171
東方聖堂騎士団 現代にひっそりと生きる性魔術団 183
黄金の夜明け団 それでも脈々と生きつづける結社 193
神智学協会 「心霊学者のスター」が設立 207
第5章 政治結社・宗教結社の正体を探る 221
・政治結社
円卓会議 「一大帝国連邦」を夢見て 223
CFR 世界政府設立をめざす 226
ビルダーバーガー 世界のトップで形成されたシンクタンク 232
・宗教結社
グノーシス派 信仰よりも知識を重んじる男女同権の宗派 235
カタリ派 栄華ゆえに疎まれ、迫害された悲劇の宗派 241
エッセネ派 裏切り、反目、捏造、恐怖支配…… 249
第6章 秘密結社をめぐる迷宮入り事件 263
ロベルト・カルビ変死事件 裏舞台でも暗躍した男の結末とは 265
モーツァルト変死事件 暗号化した音楽に秘められた秘密 282
9・11事件 前代未聞の大事件の背景に隠された驚くべき真相 291
主要参考文献 301
書評
子孫を残してつながることによってのみ意味を持つ存在が「命」である以上、ヒトだけが例外であるはずはない。ならば、このような本を通じた知識は、ぜひとも要求なのだ。
◎■東京にカワウソがいたころ■ ― 2017年10月02日 15:29
ほとんど怒ったことがないというカメばあちゃんの怒りに耳を傾けたい
大川 悦生 (著), 宮本 忠夫 (イラスト)
単行本: 127ページ
出版社: 国土社 (1987/07)
江戸の地図に点をうったる佃島
と、川柳にうたわれ、銀座からもごく近いのに、すこし前まで、渡し船でいききをした、東京にあって、「別世界みたい」といわれたつくだ島。 かつて、水も光もすみきったつくだ島を、元気に走りまわっていたカツばあさんたち。気っぷのよい、つくだ島の人たちの暮らしを生き生きと語ります。
大川悦生(おおかわえつせい)
1930年長野県に生まれる。早大文学部卒。全国を歩いて民話をっ採集し、戦争や被爆体験を聞き集め、子どもに伝える作品を書きつづけている。『おかあさんの木』『日本の民話1~7』『星からきたカード』『ながさきの子うま』『木は生きかえった』など作品多数。民話を語る会・母を記録する会・東京都原爆被害者団体協議会後援会世話人。
宮本忠夫(みやもとただお)
1947年東京都に生まれる。中央美術学園卒業。『えんとつにのぼったふうちゃん』で第一回絵本にっぽん賞受賞、絵本に『さよならムッちゃん』『ゆきがくる?』『もしもしゆうびんです』、さし絵に『子ども古典落語』『木は生きかえった』など作品多数。人形劇団「極楽座」主宰。
1 島のあまっちょ 5
2 ヤソの学校 15
3 ふじの花とつくだに屋 26
4 「おわまりこい!」 35
5 つくだ祭り 46
6 カワウソの小僧 61
7 あのころの銀座・浅草 70
8 つくだっ子たちの冬 81
9 奉公にでたカツ 93
10 大震災と、せんそうと 106
11 島が島でなくなった日 116
あとがき 126
ほとんど怒ったことがないというカメばあちゃんの怒りに耳を傾けたい
大川 悦生 (著), 宮本 忠夫 (イラスト)
単行本: 127ページ
出版社: 国土社 (1987/07)
商品の説明
内容
江戸の地図に点をうったる佃島
と、川柳にうたわれ、銀座からもごく近いのに、すこし前まで、渡し船でいききをした、東京にあって、「別世界みたい」といわれたつくだ島。 かつて、水も光もすみきったつくだ島を、元気に走りまわっていたカツばあさんたち。気っぷのよい、つくだ島の人たちの暮らしを生き生きと語ります。
著者について
大川悦生(おおかわえつせい)
1930年長野県に生まれる。早大文学部卒。全国を歩いて民話をっ採集し、戦争や被爆体験を聞き集め、子どもに伝える作品を書きつづけている。『おかあさんの木』『日本の民話1~7』『星からきたカード』『ながさきの子うま』『木は生きかえった』など作品多数。民話を語る会・母を記録する会・東京都原爆被害者団体協議会後援会世話人。
宮本忠夫(みやもとただお)
1947年東京都に生まれる。中央美術学園卒業。『えんとつにのぼったふうちゃん』で第一回絵本にっぽん賞受賞、絵本に『さよならムッちゃん』『ゆきがくる?』『もしもしゆうびんです』、さし絵に『子ども古典落語』『木は生きかえった』など作品多数。人形劇団「極楽座」主宰。
もくじ
1 島のあまっちょ 5
2 ヤソの学校 15
3 ふじの花とつくだに屋 26
4 「おわまりこい!」 35
5 つくだ祭り 46
6 カワウソの小僧 61
7 あのころの銀座・浅草 70
8 つくだっ子たちの冬 81
9 奉公にでたカツ 93
10 大震災と、せんそうと 106
11 島が島でなくなった日 116
あとがき 126
書評
ほとんど怒ったことがないというカメばあちゃんの怒りに耳を傾けたい
○■ブッシュマン、永遠に。―変容を迫られるアフリカの狩猟採集民■ ― 2017年09月15日 09:25
700万年間続いた人類の生活は、こんなにも充実した楽しい生活であったのかと思わせる描写から始まって「近代化」による変容を描くことに重点を置いた本書は、日本のブッシュマン研究者たちの紹介にもなっている
田中 二郎 (著)
単行本: 225ページ
出版社: 昭和堂; 初版 (2008/10/1)
歴史の生き証人が語る“地球最後の狩猟採集民”の過去・現在・未来。四〇年間にわたるブッシュマン研究の一端を記し、生態人類学研究から地域研究への転進を模索した。
田中/二郎
1941年京都生まれ。京都大学理学部卒業。東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。理学博士。京都大学霊長類研究所助教授、弘前大学人文学部教授、京都大学アフリカ地域研究センター、アジア・アフリカ地域研究研究科教授を歴任。京都大学名誉教授。専門は人類学、アフリカ地域研究。狩猟採集民ブッシュマン、ムブティ・ピグミー、遊牧民レンディーレ、ポコットなどを対象とした生態人類学的研究をおこなってきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
はじめに i
第1章 コイサン人―ブッシュマンとコイコイ―の起源と歴史 1
コイサン人との出会い 2
コイサン人の名称 4
ブッシュマンの起源 9
牧畜民コイコイの分岐と拡散 11
コイサン人の衰退 16
第2章 狩猟採集の生活、文化と社会 21
カラハリの自然 22
セントラル・カラハリとカデ地域の人びと 27
日々の暮らし 31
狩猟 37
植物採集 44
生活を支える植物採集VS.狩猟の進化史的意義 48
移動生活と住居 54
平等主義と集団の流動性 61
第3章 ブッシュマン社会の変貌 65
ふたたびカデの地へ 66
調査の再開 71
変貌するカデ 76
馬を用いた集団狩猟 80
平等主義崩壊の兆し 84
第4章 定住地の整備 89
カデ小学校の開校 90
近代医療の導入 93
居住様式の変化 95
国政選挙への参加 100
コープ方式の売店ができた 105
飲酒と暴力 108
喧嘩と裁判 112
定住化がもたらす問題点 115
一九八七年の定住集落 117
調査項目の設定と各自の分担 122
第5章 長期共同調査の体制を整える 125
通年調査が可能となった 126
四人の新来者を迎え入れる 129
カラハリ族へのアプローチ 132
女性の視点によるブッシュマン研究 137
セントラル・リザーブの昨今 141
ナミビア側のブッシュマン開発計画 147
第6章 定住化と開発 153
定住化にともなう問題点再考 154
開発計画を考える 159
女性人類学断章 163
多岐にわたる昆虫の利用 168
ライオンに出くわしたコンケネ 173
第7章 故郷を追われる人びと 177
ついにそのときがきた――再移住 178
乳幼児の発達と育児 184
生態人類学から地域研究へ 187
ブッシュ生活への回帰 191
二つの死 197
最後の訪問 204
定住化社会の将来 210
あとがき 217
参考文献 221
エランド・ダンス。初潮を迎えた少女は小屋のなかに寝かされ、そのまわりを数日間にわたって女たちが踊り、成人を祝う。アンテロープのなかでもお尻が丸々と大きくもっとも脂肪ののったエランドは、多産と豊穣のシンボルだとしてこの名前が付けられている(1971年10月)。
700万年間続いた人類の生活は、こんなにも充実した楽しい生活であったのかと思わせる描写から始まって「近代化」による変容を描くことに重点を置いた本書は、日本のブッシュマン研究者たちの紹介にもなっている
田中 二郎 (著)
単行本: 225ページ
出版社: 昭和堂; 初版 (2008/10/1)
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
歴史の生き証人が語る“地球最後の狩猟採集民”の過去・現在・未来。四〇年間にわたるブッシュマン研究の一端を記し、生態人類学研究から地域研究への転進を模索した。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
田中/二郎
1941年京都生まれ。京都大学理学部卒業。東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。理学博士。京都大学霊長類研究所助教授、弘前大学人文学部教授、京都大学アフリカ地域研究センター、アジア・アフリカ地域研究研究科教授を歴任。京都大学名誉教授。専門は人類学、アフリカ地域研究。狩猟採集民ブッシュマン、ムブティ・ピグミー、遊牧民レンディーレ、ポコットなどを対象とした生態人類学的研究をおこなってきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
目次
はじめに i
第1章 コイサン人―ブッシュマンとコイコイ―の起源と歴史 1
コイサン人との出会い 2
コイサン人の名称 4
ブッシュマンの起源 9
牧畜民コイコイの分岐と拡散 11
コイサン人の衰退 16
第2章 狩猟採集の生活、文化と社会 21
カラハリの自然 22
セントラル・カラハリとカデ地域の人びと 27
日々の暮らし 31
狩猟 37
植物採集 44
生活を支える植物採集VS.狩猟の進化史的意義 48
移動生活と住居 54
平等主義と集団の流動性 61
第3章 ブッシュマン社会の変貌 65
ふたたびカデの地へ 66
調査の再開 71
変貌するカデ 76
馬を用いた集団狩猟 80
平等主義崩壊の兆し 84
第4章 定住地の整備 89
カデ小学校の開校 90
近代医療の導入 93
居住様式の変化 95
国政選挙への参加 100
コープ方式の売店ができた 105
飲酒と暴力 108
喧嘩と裁判 112
定住化がもたらす問題点 115
一九八七年の定住集落 117
調査項目の設定と各自の分担 122
第5章 長期共同調査の体制を整える 125
通年調査が可能となった 126
四人の新来者を迎え入れる 129
カラハリ族へのアプローチ 132
女性の視点によるブッシュマン研究 137
セントラル・リザーブの昨今 141
ナミビア側のブッシュマン開発計画 147
第6章 定住化と開発 153
定住化にともなう問題点再考 154
開発計画を考える 159
女性人類学断章 163
多岐にわたる昆虫の利用 168
ライオンに出くわしたコンケネ 173
第7章 故郷を追われる人びと 177
ついにそのときがきた――再移住 178
乳幼児の発達と育児 184
生態人類学から地域研究へ 187
ブッシュ生活への回帰 191
二つの死 197
最後の訪問 204
定住化社会の将来 210
あとがき 217
参考文献 221
160ページに収録された写真40の説明文
エランド・ダンス。初潮を迎えた少女は小屋のなかに寝かされ、そのまわりを数日間にわたって女たちが踊り、成人を祝う。アンテロープのなかでもお尻が丸々と大きくもっとも脂肪ののったエランドは、多産と豊穣のシンボルだとしてこの名前が付けられている(1971年10月)。
書評
700万年間続いた人類の生活は、こんなにも充実した楽しい生活であったのかと思わせる描写から始まって「近代化」による変容を描くことに重点を置いた本書は、日本のブッシュマン研究者たちの紹介にもなっている
○■ヒトと文明:狩猟採集民から現代を見る■ ― 2017年08月22日 10:32
83歳の人類学者はゴーギャンの絵を引いて、人類学は「我々はどこへ行くのか」を探求するという。彼が狩猟採集民を持ちだす意味を知って欲しい。
尾本 恵市 (著)
新書: 296ページ
出版社: 筑摩書房 (2016/12/6)
「日本人はどこから来て、どこに行くのか?
尾本人類学の集大成! 」
福岡伸一氏(『生物と無生物のあいだ』著者)大推薦。
二〇世紀後半から、生物学としての人類学「ヒト学」は大きく変貌した。著者の専門である分子人類学は、タンパクの遺伝マーカーの研究で始まったが、現在ではゲノム全体の情報を用い、アジアの古層民族集団の起源および系統進化を明らかにしつつある。さらに、日本で長い歴史をもつ人類学は、文理合同の学際研究を通じて、ヒトの特異性と多様性および起源の総合的な解明をめざす。本書は筆者の研究史を追いながら、「DNAから人権まで」をモットーに「文明とは何か」「先住民族の人権」「人類学者の社会的責任」などの問題を解き明かしてゆく。
内容(「BOOK」データベースより)
二〇世紀後半から、生物学としての人類学「ヒト学」は大きく変貌した。著者の専門である分子人類学は、タンパクの遺伝マーカーの研究で始まったが、現在ではゲノム全体の情報を用い、アジアの古層民族集団の起源および系統進化を明らかにしつつある。さらに、日本で長い歴史をもつ人類学は、文理合同の学際研究を通じて、ヒトの特異性と多様性および起源の総合的な解明をめざす。本書は筆者の研究史を追いながら、「DNAから人権まで」をモットーに「文明とは何か」「先住民族の人権」「人類学者の社会的責任」などの問題を解き明かしてゆく。
尾本/恵市
1933年、東京生まれ。1963年東京大学大学院理学系研究科博士課程中退。Ph.D.(ミュンヘン大学)、理学博士(東京大学)。東京大学理学部教授、国際日本文化研究センター教授、桃山学院大学文学部教授を歴任。人類学・人類遺伝学専攻。日本人、アイヌ、フィリピンのネグリト等の遺伝的起源に関する研究を実施(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
第一章 人類学との出会い 017
1 昆虫少年からの出発 017
2 人類学とは何か 026
第二章 ユニークな動物・ヒト 039
1 人間に関する用語―人間・人類・ヒト 039
2 ヒトの特徴と進化 043
3 脳と心 050
4 ヒトの成長と生活史 060
第三章 日本人の起源 067
1 さまざまな日本人起源論 067
2 分子人類学の登場 071
第四章 ヒトの地理的多様性 095
1 出アフリカと拡散 095
2 地理的多様性はなぜ生じたか 106
第五章 ヒトにとって文明とは何か 119
1 文明の成り立ち 119
2 狩猟採集民と農耕民 134
第六章 現代文明とヒト 157
1 地球史の中のヒトと文明 157
2 文明は「もろ刃の剣」 173
第七章 先住民族の人権 195
1 いまなぜ先住民族か 195
2 狩猟採集民こそ真の先住民族 209
終章 残された問題 227
1 植民地主義――最大の人権問題 227
2 自己規制する発展は可能か 250
おわりに 277
参考文献 291
人間は微生物やウイルスを絶対に根絶できないだろう。日本の大学医学部から「寄生虫学教室」をなくしたことは、浅はかな大学行政の誤算だった(杉晴夫)。今、東大の「人類学教室」が消えようとしている。生物科学という総合的ではあるが学問の文化・特異性を無視する体制にひとからげに組み込まれるのは賛成できない。仮に、ネットで基礎学問に関する人気投票をしてみればよい。人類学は必ず上位に入るだろう。
尾本 恵市 (著)
新書: 296ページ
出版社: 筑摩書房 (2016/12/6)
商品の説明
内容紹介
「日本人はどこから来て、どこに行くのか?
尾本人類学の集大成! 」
福岡伸一氏(『生物と無生物のあいだ』著者)大推薦。
二〇世紀後半から、生物学としての人類学「ヒト学」は大きく変貌した。著者の専門である分子人類学は、タンパクの遺伝マーカーの研究で始まったが、現在ではゲノム全体の情報を用い、アジアの古層民族集団の起源および系統進化を明らかにしつつある。さらに、日本で長い歴史をもつ人類学は、文理合同の学際研究を通じて、ヒトの特異性と多様性および起源の総合的な解明をめざす。本書は筆者の研究史を追いながら、「DNAから人権まで」をモットーに「文明とは何か」「先住民族の人権」「人類学者の社会的責任」などの問題を解き明かしてゆく。
内容(「BOOK」データベースより)
二〇世紀後半から、生物学としての人類学「ヒト学」は大きく変貌した。著者の専門である分子人類学は、タンパクの遺伝マーカーの研究で始まったが、現在ではゲノム全体の情報を用い、アジアの古層民族集団の起源および系統進化を明らかにしつつある。さらに、日本で長い歴史をもつ人類学は、文理合同の学際研究を通じて、ヒトの特異性と多様性および起源の総合的な解明をめざす。本書は筆者の研究史を追いながら、「DNAから人権まで」をモットーに「文明とは何か」「先住民族の人権」「人類学者の社会的責任」などの問題を解き明かしてゆく。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
尾本/恵市
1933年、東京生まれ。1963年東京大学大学院理学系研究科博士課程中退。Ph.D.(ミュンヘン大学)、理学博士(東京大学)。東京大学理学部教授、国際日本文化研究センター教授、桃山学院大学文学部教授を歴任。人類学・人類遺伝学専攻。日本人、アイヌ、フィリピンのネグリト等の遺伝的起源に関する研究を実施(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
目次
はじめに 009第一章 人類学との出会い 017
1 昆虫少年からの出発 017
2 人類学とは何か 026
第二章 ユニークな動物・ヒト 039
1 人間に関する用語―人間・人類・ヒト 039
2 ヒトの特徴と進化 043
3 脳と心 050
4 ヒトの成長と生活史 060
第三章 日本人の起源 067
1 さまざまな日本人起源論 067
2 分子人類学の登場 071
第四章 ヒトの地理的多様性 095
1 出アフリカと拡散 095
2 地理的多様性はなぜ生じたか 106
第五章 ヒトにとって文明とは何か 119
1 文明の成り立ち 119
2 狩猟採集民と農耕民 134
第六章 現代文明とヒト 157
1 地球史の中のヒトと文明 157
2 文明は「もろ刃の剣」 173
第七章 先住民族の人権 195
1 いまなぜ先住民族か 195
2 狩猟採集民こそ真の先住民族 209
終章 残された問題 227
1 植民地主義――最大の人権問題 227
2 自己規制する発展は可能か 250
おわりに 277
参考文献 291
「おわりに」より
人間は微生物やウイルスを絶対に根絶できないだろう。日本の大学医学部から「寄生虫学教室」をなくしたことは、浅はかな大学行政の誤算だった(杉晴夫)。今、東大の「人類学教室」が消えようとしている。生物科学という総合的ではあるが学問の文化・特異性を無視する体制にひとからげに組み込まれるのは賛成できない。仮に、ネットで基礎学問に関する人気投票をしてみればよい。人類学は必ず上位に入るだろう。
書評
83歳の人類学者はゴーギャンの絵を引いて、人類学は「我々はどこへ行くのか」を探求するという。彼が狩猟採集民を持ちだす意味を知って欲しい。○■世界システム論講義―ヨーロッパと近代世界■ ― 2017年03月19日 14:21
世界を有機体的なシステムととらえ、国や大陸の枠組みを超えた理解を可能とする点で必読書とも言える本だが、金融の圧倒的な影響力や、世界システムを支える制度の構築に触れない点に不満
川北 稔 (著)
文庫: 262ページ
出版社: 筑摩書房 (2016/1/7)
■商品の説明
内容紹介
近代の世界史を有機的な展開過程として捉える見方、それが〈世界システム論〉に他ならない。第一人者が豊富なトピックと共にこの理論を解説する。
内容(「BOOK」データベースより)
“近代世界を一つの巨大な生き物のように考え、近代の世界史をそうした有機体の展開過程としてとらえる見方”、それが「世界システム論」にほかならない。この見方によって、現代世界がどのような構造をもって成立したかが浮き彫りとなる。すなわち、大航海時代から始まるヨーロッパの中核性、南北問題、ヘゲモニー国家の変遷など、近代のさまざまな特徴は、世界システム内の相互影響を分析することで、はじめてその実相を露わにするのだ。同時にそれは、歴史を「国」単位で見ることからわれわれを解放する。第一人者が豊富なトピックとともに説く、知的興趣あふれる講義。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
川北/稔
1940年大阪市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程中退。文学博士。大阪大学名誉教授。専門は、イギリス近世・近代史、世界システム論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
まえがき 003
第1章 世界システムという考え方 019
はじめに 020
1 「先進国」と「後進国」という表現は何を意味するか 021
2 世界システム論の立場 025
3 「近代世界システム」の展開 028
第2章 アジアにあこがれたヨーロッパ人
―大航海時代へ 031
1 近代以前の世界 032
2 封建制度のもとでの発展 033
3 危機の到来 035
4 国家機構とインターステイト・システム 037
5 なぜ「ヨーロッパ」世界システムになったのか 040
第3章 キリスト教徒と香料を求めて 045
1 「キリスト教徒と香料」――ポルトガルの目的 046
2 香料諸島をめざして 049
3 アジア内広域貿易圏への「寄生」 050
4 東アジアのポルトガル人 056
5 世界システムのなかのポルトガル 057
第4章 スペイン帝国の成立と世界システムの確立 061
1 スペイン帝国の形成 062
2 エンコミエンダと先住民 063
3 メキシコとペルーの征服と「開発」 066
4 ブラジルの砂糖 068
5 世界帝国への野望と挫折 069
6 世界システムのなかのスペイン 072
第5章 「十七世紀の危機」 073
1 「危機」は存在したか 074
2 世界システムの「ヘゲモニー国家」 079
3 「ヘゲモニー国家」オランダ 080
4 「螺旋形の成長」――造船とバルト海貿易 082
5 「ヘゲモニー国家」のイデオロギー、リベラリズム 085
第6章 環大西洋経済圏の成立 087
1 イギリスにおける「危機」 088
2 三つの「危機」脱出法 092
3 「イギリス商業革命」 093
4 商人文化の成立 097
5 「イギリス商業革命」の意味 098
第7章 ヨーロッパの生活革命 101
1 イギリス風ライフスタイルの成立 102
2 コーヒー・ハウスと近代文化 107
3 情報センターとしてのコーヒー・ハウス 108
4 文学・政治とコーヒー・ハウス 111
5 輸入代替としての産業革命 112
第8章 砂糖王とタバコ貴族 115
1 アメリカ東海岸の過去と現在 116
2 「無用な」植民地 118
3 「砂糖王」と「タバコ貴族」 121
4 再輸出の可能性 125
5 脱イギリス化と独立運動 127
6 三つの地域 129
第9章 奴隷貿易の展開 131
1 ウィリアムズ・テーゼ 132
2 大西洋奴隷貿易 134
3 ヨーロッパの工業化と奴隷貿易 136
4 アフリカ・カリブ海にとっての奴隷貿易の意味
――低開発化への道 141
第10章 だれがアメリカをつくったのか 145
1 社会問題の処理場としての植民地 146
2 自由移民と年季奉公人 147
3 貧民説から中流説へ 148
4 貧民社会の縮図 150
5 近世イギリス社会における「サーヴァント」 154
6 天然の刑務所 156
7 孤児も植民地へ 158
第11章 「二重革命」の時代 161
1 なぜイギリスは最初の工業国家となったのか? 162
2 フランス革命の意味 168
3 なぜフランス革命なのか 170
4 大西洋革命論 172
第12章 奴隷解放と産業革命 175
1 産業革命期の「食革命」 176
2 「イギリス風朝食」の成立 178
3 「朝食を無税に」――過保護のイギリス産砂糖と穀物 183
4 奴隷解放以後 186
第13章 ポテト飢饉と「移民の世紀」 189
1 ポテトとポテト飢饉 190
2 「移民の世紀」 196
3 周辺労働力の再編成 198
4 「世界の吹き溜まり」の成立 201
第14章 パクス・ブリタニカの表裏
――帝国の誇示と儀礼 203
1 「パクス・ブリタニカ」の象徴としての水晶宮 204
2 科学技術の祭典としてのロンドン万国博 208
3 インド帝国式典(一八七七年) 213
第15章 ヘゲモニー国家の変遷
――世界大戦への道 221
1 「世界の工場」から「世界の銀行」へ
――イギリスのヘゲモニーの衰退 223
2 新しいヘゲモニー国家を目指して――ドイツ・アメリカ 228
3 帝国主義と反システム運動 230
結びにかけて――近代世界システムとは何であったのか 235
1 アメリカのヘゲモニーの盛衰 235
2 世界システムの変質 238
ちくま学芸文庫版へのあとがき 243
参考文献 247
索引 262
■「まえがき」の終りの部分より
(ヨーロッパ中心史観も、古代アジアの諸帝国の価値観を復活しているかのように言われるアジア主義も否定しながら)
したがって、われわれのとるべき道は一つしかない。少なくとも十六世紀以降の世界は、ヨーロッパと非ヨーロッパ世界が一体となって、相互に複雑に影響し合いながら展開してきた、とみることがそれである。それこそ、ここでいう、「(近代)世界システム」論の立場なのである。(2000年10月1日)
■書評
世界を有機体的なシステムととらえ、国や大陸の枠組みを超えた理解を可能とする点で必読書とも言える本だが、金融の圧倒的な影響力や、世界システムを支える制度の構築に触れない点に不満
川北 稔 (著)
文庫: 262ページ
出版社: 筑摩書房 (2016/1/7)
■商品の説明
内容紹介
近代の世界史を有機的な展開過程として捉える見方、それが〈世界システム論〉に他ならない。第一人者が豊富なトピックと共にこの理論を解説する。
内容(「BOOK」データベースより)
“近代世界を一つの巨大な生き物のように考え、近代の世界史をそうした有機体の展開過程としてとらえる見方”、それが「世界システム論」にほかならない。この見方によって、現代世界がどのような構造をもって成立したかが浮き彫りとなる。すなわち、大航海時代から始まるヨーロッパの中核性、南北問題、ヘゲモニー国家の変遷など、近代のさまざまな特徴は、世界システム内の相互影響を分析することで、はじめてその実相を露わにするのだ。同時にそれは、歴史を「国」単位で見ることからわれわれを解放する。第一人者が豊富なトピックとともに説く、知的興趣あふれる講義。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
川北/稔
1940年大阪市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程中退。文学博士。大阪大学名誉教授。専門は、イギリス近世・近代史、世界システム論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
まえがき 003
第1章 世界システムという考え方 019
はじめに 020
1 「先進国」と「後進国」という表現は何を意味するか 021
2 世界システム論の立場 025
3 「近代世界システム」の展開 028
第2章 アジアにあこがれたヨーロッパ人
―大航海時代へ 031
1 近代以前の世界 032
2 封建制度のもとでの発展 033
3 危機の到来 035
4 国家機構とインターステイト・システム 037
5 なぜ「ヨーロッパ」世界システムになったのか 040
第3章 キリスト教徒と香料を求めて 045
1 「キリスト教徒と香料」――ポルトガルの目的 046
2 香料諸島をめざして 049
3 アジア内広域貿易圏への「寄生」 050
4 東アジアのポルトガル人 056
5 世界システムのなかのポルトガル 057
第4章 スペイン帝国の成立と世界システムの確立 061
1 スペイン帝国の形成 062
2 エンコミエンダと先住民 063
3 メキシコとペルーの征服と「開発」 066
4 ブラジルの砂糖 068
5 世界帝国への野望と挫折 069
6 世界システムのなかのスペイン 072
第5章 「十七世紀の危機」 073
1 「危機」は存在したか 074
2 世界システムの「ヘゲモニー国家」 079
3 「ヘゲモニー国家」オランダ 080
4 「螺旋形の成長」――造船とバルト海貿易 082
5 「ヘゲモニー国家」のイデオロギー、リベラリズム 085
第6章 環大西洋経済圏の成立 087
1 イギリスにおける「危機」 088
2 三つの「危機」脱出法 092
3 「イギリス商業革命」 093
4 商人文化の成立 097
5 「イギリス商業革命」の意味 098
第7章 ヨーロッパの生活革命 101
1 イギリス風ライフスタイルの成立 102
2 コーヒー・ハウスと近代文化 107
3 情報センターとしてのコーヒー・ハウス 108
4 文学・政治とコーヒー・ハウス 111
5 輸入代替としての産業革命 112
第8章 砂糖王とタバコ貴族 115
1 アメリカ東海岸の過去と現在 116
2 「無用な」植民地 118
3 「砂糖王」と「タバコ貴族」 121
4 再輸出の可能性 125
5 脱イギリス化と独立運動 127
6 三つの地域 129
第9章 奴隷貿易の展開 131
1 ウィリアムズ・テーゼ 132
2 大西洋奴隷貿易 134
3 ヨーロッパの工業化と奴隷貿易 136
4 アフリカ・カリブ海にとっての奴隷貿易の意味
――低開発化への道 141
第10章 だれがアメリカをつくったのか 145
1 社会問題の処理場としての植民地 146
2 自由移民と年季奉公人 147
3 貧民説から中流説へ 148
4 貧民社会の縮図 150
5 近世イギリス社会における「サーヴァント」 154
6 天然の刑務所 156
7 孤児も植民地へ 158
第11章 「二重革命」の時代 161
1 なぜイギリスは最初の工業国家となったのか? 162
2 フランス革命の意味 168
3 なぜフランス革命なのか 170
4 大西洋革命論 172
第12章 奴隷解放と産業革命 175
1 産業革命期の「食革命」 176
2 「イギリス風朝食」の成立 178
3 「朝食を無税に」――過保護のイギリス産砂糖と穀物 183
4 奴隷解放以後 186
第13章 ポテト飢饉と「移民の世紀」 189
1 ポテトとポテト飢饉 190
2 「移民の世紀」 196
3 周辺労働力の再編成 198
4 「世界の吹き溜まり」の成立 201
第14章 パクス・ブリタニカの表裏
――帝国の誇示と儀礼 203
1 「パクス・ブリタニカ」の象徴としての水晶宮 204
2 科学技術の祭典としてのロンドン万国博 208
3 インド帝国式典(一八七七年) 213
第15章 ヘゲモニー国家の変遷
――世界大戦への道 221
1 「世界の工場」から「世界の銀行」へ
――イギリスのヘゲモニーの衰退 223
2 新しいヘゲモニー国家を目指して――ドイツ・アメリカ 228
3 帝国主義と反システム運動 230
結びにかけて――近代世界システムとは何であったのか 235
1 アメリカのヘゲモニーの盛衰 235
2 世界システムの変質 238
ちくま学芸文庫版へのあとがき 243
参考文献 247
索引 262
■「まえがき」の終りの部分より
(ヨーロッパ中心史観も、古代アジアの諸帝国の価値観を復活しているかのように言われるアジア主義も否定しながら)
したがって、われわれのとるべき道は一つしかない。少なくとも十六世紀以降の世界は、ヨーロッパと非ヨーロッパ世界が一体となって、相互に複雑に影響し合いながら展開してきた、とみることがそれである。それこそ、ここでいう、「(近代)世界システム」論の立場なのである。(2000年10月1日)
■書評
世界を有機体的なシステムととらえ、国や大陸の枠組みを超えた理解を可能とする点で必読書とも言える本だが、金融の圧倒的な影響力や、世界システムを支える制度の構築に触れない点に不満
○■赤紙と徴兵――105歳 最後の兵事係の証言から■ ― 2017年03月02日 20:45
村役場で兵事係を務め、敗戦後命令に背いて資料を保管していた105歳老人の体験を中心に、国が戦争を行うとは国民にとってどのような体験なのかを伝える
吉田 敏浩 (著)
単行本: 318ページ
出版社: 彩流社 (2011/8/1)
■商品の説明
内容紹介
兵事書類について沈黙を通しながら、独り戦没者名簿を綴った元兵事係、西邑仁平さんの戦後は、死者たちとともにあった―全国でも大変めずらしい貴重な資料を読み解き、現在への教訓を大宅賞作家が伝える。渾身の力作。
村人に毎日のように赤紙(召集令状)を届けつづけた兵事係、西邑仁平さん(105歳で亡くなった、滋賀県大郷村〈現・長浜市〉)は、敗戦時、軍から24時間以内の焼却命令が出ていたのに背き、命がけで大量の兵事書類を残した。「 焼却命令には合点がいきませんでした。村からは多くの戦没者が出ています。これを処分してしまったら、戦争に征かれた人の労苦や功績が無になってしまう、遺族の方にも申し訳ない、と思ったんです」 警察や進駐軍による家宅捜索への不安の毎日。妻にさえ打ち明けることができなかった。100歳を超え、ようやく公開に踏み切った。赤紙は軍が綿密な計画のもとで発行し、人々を戦地に赴かせていた。兵事係は、その赤紙を配るだけでなく、戦死公報の伝達や戦死者の葬儀なども担っていた。
内容(「BOOK」データベースより)
命がけで残した兵事書類について沈黙を通し、独り戦没者名簿を綴った元兵事係の戦後は、死者たちとともにあった―。なぜ、国家は戦争ができたのか、なぜ、かくも精密な徴兵制度が稼働したのか、戦争遂行は上からの力だけではなかった。村の日常から戦場への道のりを追った力作。
著者について
1957年生まれ。1985~88年にビルマ(ミャンマー)北部のカチン人など諸民族の村々を訪ね、少数民族の自治権を求める戦い、山の森と共に生きる人々の生活・文化などを取材した。その記録『森の回廊』(NHK出版)で、第27回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。近年は現代日本社会における生と死の有り様、戦争のできる国に変わるおそれのある日本の現状を取材している。著書に『宇宙樹の森』、『北ビルマ、いのちの根をたずねて』、『生と死をめぐる旅へ』、『ルポ 戦争協力拒否』、『反空爆の思想』、『密約』など。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
吉田/敏浩
1957年、大分県臼杵市生まれ。ジャーナリスト。アジアプレス所属。ビルマ北部のカチン人など少数民族の自治権を求める戦いと生活と文化を長期取材した記録、『森の回廊』(NHK出版)で’96年に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
第一章 密かに残した兵事書類 3
焼却命令に背いて/徴兵適齢期とは/戦争を知るための証として/徴兵検査への道/「皇国民タルノ自覚」/徹底した選別/所在不明者を捜せ/徴兵忌避と失踪/巨大な鉄の箍(たが)/現役兵、入営す
第二章 ある現役兵の戦場体験 33
昭和十七年の現役兵に告ぐ/出征の日/中国大陸の戦地で/現地で食糧を奪いながら/住民を捕まえて「苦力」に/命だけあったらいいと
第三章 赤紙を配る、赤紙が来る 49
兵隊に取られる/召集と動員/召集の仕組み/真夜中に来る赤紙/動員の克明な記録/赤紙を配る使者/上海事変での召集/「召集令状受領証」に残された文字/ある少尉の自刃/捕虜になった身を自ら責めて/美化された軍人の自決/一枚の赤紙が運命を左右した
第四章 出征した兄弟たちの戦記 87
来るべきものが来た/「事変備忘録」の言葉/大曠野の行軍/「南京大虐殺はありました」/戦争そして帰還/弟たちの出征/フィリピン戦線へ/上陸作戦中に戦死す/生と死の狭間/バタアン半島の死闘/マラリアに倒れて
第五章 誰をどのように召集したのか 121
「赤紙が来たんかねー」/出征する兄を見送って/兄が戦地から帰って来た日/「村内巡視心得書」/赤紙が届いた家に目を光らせる/秘密だった召集の仕組み/在郷軍人の個人情報を収集/「在郷軍人所在不明者」の捜索/「在郷軍人身上申告票」/在郷軍人の職業・特有技能を把握/兵士の「身材」/各兵種に必要な特有技能/動員のための膨大な準備/戦時召集猶予者/国家総動員体制
第六章 兵事係と銃後 171
国防献金/銃後の護り/非常時の協力一致/出動部隊の歓送/地域ぐるみの行事/武運長久祈願祭/「満蒙ハ我ガ国防ノ生命線」/国民の戦争支持の熱意/戦地と銃後を結ぶ慰問袋/軍事援護事業/銃後奉公会と挙国一致/派遣軍人の家庭状況調査/傍聴というスパイ対策/「スパイは汽車に井戸端に」/戦没者の村葬と戦死の現実/慰霊祭と靖国神社合祀/草の根の戦争支持
第七章 海軍志願兵 223
「海軍は君等を待っている」/志願兵募集に力を注ぐ/志願者数の割当/いかに志願兵を増やすか/割当員数を確保せよ/つくられた海軍志願兵/海軍と志願兵への憧れ/志願兵合格の日/時世の歌を書いて/軍艦「長良」乗組員に/太平洋上の戦闘/「お母さーん、お母さーん」という声が/「巡洋艦長良交戦記録」/偽りの「大本営発表」/生き延びたことへの引け目/戦死した同級生たち
第八章 死者たちとともに 265
戦死の告知/「また仁平さんが来はった!」/兄弟それぞれの道/次々と赤紙が/「国民兵役編入者職業健康程度調査」/兵力の膨張/戦死の知らせ/赤紙配達の青年も戦場へ/戦地からの手紙/故郷と家族への思い/兄の戦死を信じられない/村の戦没者名簿
あとがきに代えて―白骨街道と赤紙 303
主要参考資料 314
■「あとがきに代えて」の途中の部分から
なぜ、かくも多くの日本の男たちが、家族と共にいる生活の場から引き離されて、広大なアジア・太平洋の異国の戦場にまで赴かねばならなかったのだろうか。
元々、個人的には何の対立関係もなかったはずの他国の男たちと、なぜ敵同士になって殺し合わなければならなかったのだろう。
なぜ、戦闘や飢えや病で命を落とさなければならなかったのか。どうして、「白骨街道」のような惨状になてしまったのか。
私はビルマで、何度も考えされられた。
■書評
村役場で兵事係を務め、敗戦後命令に背いて資料を保管していた105歳老人の体験を中心に、国が戦争を行うとは国民にとってどのような体験なのかを伝える
吉田 敏浩 (著)
単行本: 318ページ
出版社: 彩流社 (2011/8/1)
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内容紹介
兵事書類について沈黙を通しながら、独り戦没者名簿を綴った元兵事係、西邑仁平さんの戦後は、死者たちとともにあった―全国でも大変めずらしい貴重な資料を読み解き、現在への教訓を大宅賞作家が伝える。渾身の力作。
村人に毎日のように赤紙(召集令状)を届けつづけた兵事係、西邑仁平さん(105歳で亡くなった、滋賀県大郷村〈現・長浜市〉)は、敗戦時、軍から24時間以内の焼却命令が出ていたのに背き、命がけで大量の兵事書類を残した。「 焼却命令には合点がいきませんでした。村からは多くの戦没者が出ています。これを処分してしまったら、戦争に征かれた人の労苦や功績が無になってしまう、遺族の方にも申し訳ない、と思ったんです」 警察や進駐軍による家宅捜索への不安の毎日。妻にさえ打ち明けることができなかった。100歳を超え、ようやく公開に踏み切った。赤紙は軍が綿密な計画のもとで発行し、人々を戦地に赴かせていた。兵事係は、その赤紙を配るだけでなく、戦死公報の伝達や戦死者の葬儀なども担っていた。
内容(「BOOK」データベースより)
命がけで残した兵事書類について沈黙を通し、独り戦没者名簿を綴った元兵事係の戦後は、死者たちとともにあった―。なぜ、国家は戦争ができたのか、なぜ、かくも精密な徴兵制度が稼働したのか、戦争遂行は上からの力だけではなかった。村の日常から戦場への道のりを追った力作。
著者について
1957年生まれ。1985~88年にビルマ(ミャンマー)北部のカチン人など諸民族の村々を訪ね、少数民族の自治権を求める戦い、山の森と共に生きる人々の生活・文化などを取材した。その記録『森の回廊』(NHK出版)で、第27回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。近年は現代日本社会における生と死の有り様、戦争のできる国に変わるおそれのある日本の現状を取材している。著書に『宇宙樹の森』、『北ビルマ、いのちの根をたずねて』、『生と死をめぐる旅へ』、『ルポ 戦争協力拒否』、『反空爆の思想』、『密約』など。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
吉田/敏浩
1957年、大分県臼杵市生まれ。ジャーナリスト。アジアプレス所属。ビルマ北部のカチン人など少数民族の自治権を求める戦いと生活と文化を長期取材した記録、『森の回廊』(NHK出版)で’96年に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
第一章 密かに残した兵事書類 3
焼却命令に背いて/徴兵適齢期とは/戦争を知るための証として/徴兵検査への道/「皇国民タルノ自覚」/徹底した選別/所在不明者を捜せ/徴兵忌避と失踪/巨大な鉄の箍(たが)/現役兵、入営す
第二章 ある現役兵の戦場体験 33
昭和十七年の現役兵に告ぐ/出征の日/中国大陸の戦地で/現地で食糧を奪いながら/住民を捕まえて「苦力」に/命だけあったらいいと
第三章 赤紙を配る、赤紙が来る 49
兵隊に取られる/召集と動員/召集の仕組み/真夜中に来る赤紙/動員の克明な記録/赤紙を配る使者/上海事変での召集/「召集令状受領証」に残された文字/ある少尉の自刃/捕虜になった身を自ら責めて/美化された軍人の自決/一枚の赤紙が運命を左右した
第四章 出征した兄弟たちの戦記 87
来るべきものが来た/「事変備忘録」の言葉/大曠野の行軍/「南京大虐殺はありました」/戦争そして帰還/弟たちの出征/フィリピン戦線へ/上陸作戦中に戦死す/生と死の狭間/バタアン半島の死闘/マラリアに倒れて
第五章 誰をどのように召集したのか 121
「赤紙が来たんかねー」/出征する兄を見送って/兄が戦地から帰って来た日/「村内巡視心得書」/赤紙が届いた家に目を光らせる/秘密だった召集の仕組み/在郷軍人の個人情報を収集/「在郷軍人所在不明者」の捜索/「在郷軍人身上申告票」/在郷軍人の職業・特有技能を把握/兵士の「身材」/各兵種に必要な特有技能/動員のための膨大な準備/戦時召集猶予者/国家総動員体制
第六章 兵事係と銃後 171
国防献金/銃後の護り/非常時の協力一致/出動部隊の歓送/地域ぐるみの行事/武運長久祈願祭/「満蒙ハ我ガ国防ノ生命線」/国民の戦争支持の熱意/戦地と銃後を結ぶ慰問袋/軍事援護事業/銃後奉公会と挙国一致/派遣軍人の家庭状況調査/傍聴というスパイ対策/「スパイは汽車に井戸端に」/戦没者の村葬と戦死の現実/慰霊祭と靖国神社合祀/草の根の戦争支持
第七章 海軍志願兵 223
「海軍は君等を待っている」/志願兵募集に力を注ぐ/志願者数の割当/いかに志願兵を増やすか/割当員数を確保せよ/つくられた海軍志願兵/海軍と志願兵への憧れ/志願兵合格の日/時世の歌を書いて/軍艦「長良」乗組員に/太平洋上の戦闘/「お母さーん、お母さーん」という声が/「巡洋艦長良交戦記録」/偽りの「大本営発表」/生き延びたことへの引け目/戦死した同級生たち
第八章 死者たちとともに 265
戦死の告知/「また仁平さんが来はった!」/兄弟それぞれの道/次々と赤紙が/「国民兵役編入者職業健康程度調査」/兵力の膨張/戦死の知らせ/赤紙配達の青年も戦場へ/戦地からの手紙/故郷と家族への思い/兄の戦死を信じられない/村の戦没者名簿
あとがきに代えて―白骨街道と赤紙 303
主要参考資料 314
■「あとがきに代えて」の途中の部分から
なぜ、かくも多くの日本の男たちが、家族と共にいる生活の場から引き離されて、広大なアジア・太平洋の異国の戦場にまで赴かねばならなかったのだろうか。
元々、個人的には何の対立関係もなかったはずの他国の男たちと、なぜ敵同士になって殺し合わなければならなかったのだろう。
なぜ、戦闘や飢えや病で命を落とさなければならなかったのか。どうして、「白骨街道」のような惨状になてしまったのか。
私はビルマで、何度も考えされられた。
■書評
村役場で兵事係を務め、敗戦後命令に背いて資料を保管していた105歳老人の体験を中心に、国が戦争を行うとは国民にとってどのような体験なのかを伝える
○■サンカと説教強盗〔増補版〕■ ― 2017年01月15日 14:18
大正15年から昭和4年にかけて60件を超える窃盗・強盗事件を起こして帝都を騒がせた、サンカ出身とも言われる説教強盗。その逮捕までの経緯を推理する前半部分は面白い。
礫川 全次 (著)
単行本: 255ページ
出版社: 批評社; 増補版 (1994/12)
■商品の説明
内容紹介
昭和初期、帝都西北部の新興住宅地をねらう強盗が跋扈した。説教強盗妻木松吉。その兇悪な手口から捜査当局は説教サンカ説を流す。後のサンカ小説家三角寛らも関わった事件の真相を追う。
内容(「BOOK」データベースより)
昭和初期、東京に「説教強盗」が現れた。その名は妻木松吉。その兇悪な手口から、警察は犯人サンカ説を流した。捜査当局に対抗し犯人を追う、後のサンカ小説家、新聞記者三角寛。大戦を前にして物情騒然たる帝都の、富裕な新興住宅地西北地区にねらいを定めた一世説教強盗の、謎に包まれた出自と捕まるまでの犯行経路を追う。
内容(「MARC」データベースより)
大正末期から昭和初期に「帝都」を震憾させた説教強盗。事件の背後に見え隠れするサンカ。事件の全貌を克明に調べ上げ、実像と虚像が同居し、現像までが交錯するサンカと説教強盗の真相に肉迫する。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
礫川/全次
1949年生まれ、在野史家。フィールドは、近現代史、犯罪・特殊民俗学。歴史民俗学研究会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
はじめに 3
第一章 説教強盗とは 13
泣く子も黙る説教強盗 14
前代未聞六五件の強盗 17
用意周到な犯行計画 24
強要・暴行・説教 25
どんな犬でもひとにらみ 30
意表をついた逃走経路 31
第二章 説教強盗事件の地理 35
事件の地理的背景 36
旧東京から大東京へ 37
関東大震災の影響 40
城西・城北への人口移動 42
説教強盗の出没範囲 44
西巣鴨町字向原 47
説教強盗の地理感覚 52
第三章 翻弄された捜査陣 53
小沼米店における失態 54
高田署前における失態 56
旧態依然の捜査体制 58
魔の時代、昭和初年 60
捜査体制の一新 62
小沼米店の指紋をめぐって 63
鮮明な四指の指紋 65
第四章 説教強盗捕縛さる 67
前科一犯妻木松吉 68
不自然な経緯 71
捜査当局の秘密 73
左官「屋久米吉」 75
空前の大ニュース 76
第五章 新聞記者三角寛の挑戦 83
超人的な取材活動 84
新聞と警察 86
十二月三〇日記事 88
三角寛、犯人をキャッチ 91
追いつめられた捜査当局 93
第六章 説教強盗「山窩」説 99
俗説の発生源 100
黒装束五人組 103
特殊な侵入盗 105
薄弱な根拠 107
不幸な生い立ち 108
義父と松吉 111
第七章 「山窩」の虚像と実像 113
近代「山窩」像について 114
警察用語としての「山窩」 116
特殊な侵入盗と忍者 117
凶悪犯グループと忍者 119
サンカ集団と忍者 122
忍者・山窩・警察 123
虚像としての「山窩」 125
第八章 「サンカ」とは何か 127
サンカの定義 128
サンカをめぐる難問 130
サンカの語源 131
サンカの源流 134
サンカと下層生活者 136
組織性と犯罪性 140
第九章 サンカの漂泊性と被差別性 145
宮本常一のサンカ観 146
サンカと山中の住民 148
サンカの被差別性 150
番非人とサンカ 152
番非人とサンカの共通性 156
第十章 三角サンカ学の意味 159
新聞記者から小説家へ 160
山窩小説の意味 162
サンカ学研究の動機 164
三角サンカ学の特徴 165
最後のサンカ集団 167
説教・口説き・物乞い 169
補章 サンカ再論 173
資料編①~⑧ 189
あとがき 254
■「はじめに」
サンカとは何か。
ある時は古代からの伝承を伝える一群の人々であり、ある時は山野を疾駆する超人的パワーの持ち主である。またある時は警察を出し抜く特殊な犯罪集団である。
しかし、結局の所、これらサンカ像は、現実に押しつぶされた現代人がサンカに仮託した「虚像」に過ぎないのではないか。
人々は自らの渇望に基づいて、勝手なサンカ像を創り出しているに過ぎないのではないか。サンカが既に過去の存在であることを十分知りながら。
従来のサンカ論にあきたらなかった私は、三角寛がサンカと関わることになった説教強盗事件について詳しく調べなおしてみようと思いたった。この事件がなければ、三角のサンカ小説もなかっただろうし、サンカの存在が広く知られることもなかっただろうからである。
ところが、この説教強盗事件というのは実に妙な事件であり、調べれば調べるほど不可解な点が出てきた(謀略事件としか思えない一面がある)。しかも、犯人がサンカ出身というのも単なる「ウワサ」に過ぎず、確たる証拠は何もなかったのである。
本書は、サンカ論を目指したものではあったが、この不可解な事件にややページを割きすぎたかもしれない。しかし、この事件を詳しく追ってみたことによって、従来のサンカ像とは違う「現実的」なサンカ像が見えてきた気がする。もっとも本書で示し得たサンカ像はまだ極めて未成熟なものであり、今後さらに「現実」に追っていかなくてはならないと感じている者である。
読賢の御批判を期待したい。
〔付記〕本増補版は、初版に補章及び資料編を加えたものである。初版にあった誤字等は訂正し、数か所で表現を改めたが、内容の改訂はおこなわなかった。「まえがき」、「あとがき」も元のままである。右付記する(一九九四・八・二七)。
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サンカと説教強盗―闇と漂泊の民俗史
■書評
大正15年から昭和4年にかけて60件を超える窃盗・強盗事件を起こして帝都を騒がせた、サンカ出身とも言われる説教強盗。その逮捕までの経緯を推理する前半部分は面白い。
礫川 全次 (著)
単行本: 255ページ
出版社: 批評社; 増補版 (1994/12)
■商品の説明
内容紹介
昭和初期、帝都西北部の新興住宅地をねらう強盗が跋扈した。説教強盗妻木松吉。その兇悪な手口から捜査当局は説教サンカ説を流す。後のサンカ小説家三角寛らも関わった事件の真相を追う。
内容(「BOOK」データベースより)
昭和初期、東京に「説教強盗」が現れた。その名は妻木松吉。その兇悪な手口から、警察は犯人サンカ説を流した。捜査当局に対抗し犯人を追う、後のサンカ小説家、新聞記者三角寛。大戦を前にして物情騒然たる帝都の、富裕な新興住宅地西北地区にねらいを定めた一世説教強盗の、謎に包まれた出自と捕まるまでの犯行経路を追う。
内容(「MARC」データベースより)
大正末期から昭和初期に「帝都」を震憾させた説教強盗。事件の背後に見え隠れするサンカ。事件の全貌を克明に調べ上げ、実像と虚像が同居し、現像までが交錯するサンカと説教強盗の真相に肉迫する。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
礫川/全次
1949年生まれ、在野史家。フィールドは、近現代史、犯罪・特殊民俗学。歴史民俗学研究会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
はじめに 3
第一章 説教強盗とは 13
泣く子も黙る説教強盗 14
前代未聞六五件の強盗 17
用意周到な犯行計画 24
強要・暴行・説教 25
どんな犬でもひとにらみ 30
意表をついた逃走経路 31
第二章 説教強盗事件の地理 35
事件の地理的背景 36
旧東京から大東京へ 37
関東大震災の影響 40
城西・城北への人口移動 42
説教強盗の出没範囲 44
西巣鴨町字向原 47
説教強盗の地理感覚 52
第三章 翻弄された捜査陣 53
小沼米店における失態 54
高田署前における失態 56
旧態依然の捜査体制 58
魔の時代、昭和初年 60
捜査体制の一新 62
小沼米店の指紋をめぐって 63
鮮明な四指の指紋 65
第四章 説教強盗捕縛さる 67
前科一犯妻木松吉 68
不自然な経緯 71
捜査当局の秘密 73
左官「屋久米吉」 75
空前の大ニュース 76
第五章 新聞記者三角寛の挑戦 83
超人的な取材活動 84
新聞と警察 86
十二月三〇日記事 88
三角寛、犯人をキャッチ 91
追いつめられた捜査当局 93
第六章 説教強盗「山窩」説 99
俗説の発生源 100
黒装束五人組 103
特殊な侵入盗 105
薄弱な根拠 107
不幸な生い立ち 108
義父と松吉 111
第七章 「山窩」の虚像と実像 113
近代「山窩」像について 114
警察用語としての「山窩」 116
特殊な侵入盗と忍者 117
凶悪犯グループと忍者 119
サンカ集団と忍者 122
忍者・山窩・警察 123
虚像としての「山窩」 125
第八章 「サンカ」とは何か 127
サンカの定義 128
サンカをめぐる難問 130
サンカの語源 131
サンカの源流 134
サンカと下層生活者 136
組織性と犯罪性 140
第九章 サンカの漂泊性と被差別性 145
宮本常一のサンカ観 146
サンカと山中の住民 148
サンカの被差別性 150
番非人とサンカ 152
番非人とサンカの共通性 156
第十章 三角サンカ学の意味 159
新聞記者から小説家へ 160
山窩小説の意味 162
サンカ学研究の動機 164
三角サンカ学の特徴 165
最後のサンカ集団 167
説教・口説き・物乞い 169
補章 サンカ再論 173
資料編①~⑧ 189
あとがき 254
■「はじめに」
サンカとは何か。
ある時は古代からの伝承を伝える一群の人々であり、ある時は山野を疾駆する超人的パワーの持ち主である。またある時は警察を出し抜く特殊な犯罪集団である。
しかし、結局の所、これらサンカ像は、現実に押しつぶされた現代人がサンカに仮託した「虚像」に過ぎないのではないか。
人々は自らの渇望に基づいて、勝手なサンカ像を創り出しているに過ぎないのではないか。サンカが既に過去の存在であることを十分知りながら。
従来のサンカ論にあきたらなかった私は、三角寛がサンカと関わることになった説教強盗事件について詳しく調べなおしてみようと思いたった。この事件がなければ、三角のサンカ小説もなかっただろうし、サンカの存在が広く知られることもなかっただろうからである。
ところが、この説教強盗事件というのは実に妙な事件であり、調べれば調べるほど不可解な点が出てきた(謀略事件としか思えない一面がある)。しかも、犯人がサンカ出身というのも単なる「ウワサ」に過ぎず、確たる証拠は何もなかったのである。
本書は、サンカ論を目指したものではあったが、この不可解な事件にややページを割きすぎたかもしれない。しかし、この事件を詳しく追ってみたことによって、従来のサンカ像とは違う「現実的」なサンカ像が見えてきた気がする。もっとも本書で示し得たサンカ像はまだ極めて未成熟なものであり、今後さらに「現実」に追っていかなくてはならないと感じている者である。
読賢の御批判を期待したい。
〔付記〕本増補版は、初版に補章及び資料編を加えたものである。初版にあった誤字等は訂正し、数か所で表現を改めたが、内容の改訂はおこなわなかった。「まえがき」、「あとがき」も元のままである。右付記する(一九九四・八・二七)。
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サンカと説教強盗―闇と漂泊の民俗史
■書評
大正15年から昭和4年にかけて60件を超える窃盗・強盗事件を起こして帝都を騒がせた、サンカ出身とも言われる説教強盗。その逮捕までの経緯を推理する前半部分は面白い。
○■精霊たちのメッセージ―現代アボリジニの神話世界 (角川選書)■ ― 2017年01月05日 22:20
神話世界には祖先たちの生き方も示されており、この土地に住む意味を伝える。おそらく、それは日本神話も基本的に同じである。
松山 利夫 (著)
単行本: 251ページ
出版社: 角川書店 (1996/11)
■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
オーストラリアの先住民であるアボリジニの人びとは、白人の入植前から大陸全域に暮らし、数多くの神話を語りついできた。その神話には容易に理解しがたい部分もあるが、彼らはうたい、おどり、儀礼をおこないながら、現代も精霊とともに生きている。本書では、これまでも人類学者たちがさまざまに解釈してきた神話を、日常の世界からはじめて人の誕生、火の獲得、大地と天空の構造におよび、ふたたび日常にもどるように構成。さらに、できるだけ語られるままに紹介し、神話の宇宙と、神話を語りつぐ現代的意義を考察する。
内容(「MARC」データベースより)
オーストラリアの先住民族であるアボリジニたちの間では、今も精霊信仰が生き続けている。文明社会が失ってしまった哲学を彼らの神話、伝説から導き出す。神話の宇宙と神話を語りつぐ現代的意義を考察。
著者について
松山利夫(まつやま としお)
一九四四年、福井県に生まれる。立命館大学文学部地理学科卒業。一九七六年、同大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。現在、国立民族学博物館第三研究部教授。専攻は文化人類学。著書は『山村の文化地理学的研究』(古今書院)、『木の実の文化誌』(共編、朝日新聞社)、『ユーカリの森に生きる―アボリジニの生活と神話から』(日本放送出版協会)ほか。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
はじめに 8
第一章 不思議なできごと――神話世界への入り口―― 13
一、ガマディむらの体験 14
(一)ガマディむら 14
(二)星と雨、風の話 15
(三)ヤシの木と大穴 18
(四)精霊にまつわる話 19
二、神話世界への入り口 22
(一)わたりのドリーミング 24
(二)「棒の手紙」に刻まれた物語 26
第二章 暮らしの中の精霊 31
一、死霊のモコイ 32
二、狩りと精霊 35
(一)精霊との会話 35
(二)精霊ミミ 41
(三)豊穣の願いと精霊たち 53
(四)雨の精霊 62
第三章 虹ヘビ物語 71
一、虹ヘビの神話 72
(一)旅する大ヘビ 72
(二)姉妹を飲みこんだニシキヘビ 76
(三)泣く子と虹ヘビ 83
二、偉大な虹ヘビたち 88
(一)虹ヘビと成人儀礼 88
(二)創造主、虹ヘビ 93
第四章 人の誕生と火の獲得 99
一、人の誕生 100
(一)最初の人 104
(二)女性の誕生 108
(三)精霊から生まれた人 116
(四)土や炎から生まれた人 143
(五)ヘビやトカゲから生まれた人 150
二、火の獲得 153
(一)火をもつクジラとネコ男 154
(二)火おこし棒の火 156
第五章 大地の創造と天空の構造 163
一、大地の創造 164
(一)創世の神話 164
(二)魂のたどる道 167
二、天空の構造 171
(一)月の神話 171
(二)太陽と天の川 176
(三)昴と明けの明星 181
第六章 神話を語ることの現代的意義 195
一、神話がもつメッセージ 196
(一)人びとの歴史 196
(二)故地と人の魂のむすびつき 198
二、アボリジニの土地権と神話 201
(一)アボリジニ土地権法 202
(二)タナミ砂漠の神話と歴史 206
附編 さまざまな起源神話 212
あとがき 243
参考文献 251
■カバーそでより
オーストラリアの先住民であるアボリジニの人びとは、白人の入植前から大陸全域に暮らし、数多くの神話を語りついできた。その神話には容易に理解しがたい部分もあるが、彼らはうたい、おどり、儀礼をおこないながら、現代も精霊とともに生きている。本書では、これまでも人類学者たちがさまざまに解釈してきた神話を、日常の世界からはじめて人の誕生、火の獲得、大地と天空の構造におよび、ふたたび日常にもどるように構成。さらに、できるだけ語られるままに紹介し、神話の宇宙と、神話を語りつぐ現代的意義を考察する。
■書評
神話世界には祖先たちの生き方も示されており、この土地に住む意味を伝える。おそらく、それは日本神話も基本的に同じである。
松山 利夫 (著)
単行本: 251ページ
出版社: 角川書店 (1996/11)
■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
オーストラリアの先住民であるアボリジニの人びとは、白人の入植前から大陸全域に暮らし、数多くの神話を語りついできた。その神話には容易に理解しがたい部分もあるが、彼らはうたい、おどり、儀礼をおこないながら、現代も精霊とともに生きている。本書では、これまでも人類学者たちがさまざまに解釈してきた神話を、日常の世界からはじめて人の誕生、火の獲得、大地と天空の構造におよび、ふたたび日常にもどるように構成。さらに、できるだけ語られるままに紹介し、神話の宇宙と、神話を語りつぐ現代的意義を考察する。
内容(「MARC」データベースより)
オーストラリアの先住民族であるアボリジニたちの間では、今も精霊信仰が生き続けている。文明社会が失ってしまった哲学を彼らの神話、伝説から導き出す。神話の宇宙と神話を語りつぐ現代的意義を考察。
著者について
松山利夫(まつやま としお)
一九四四年、福井県に生まれる。立命館大学文学部地理学科卒業。一九七六年、同大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。現在、国立民族学博物館第三研究部教授。専攻は文化人類学。著書は『山村の文化地理学的研究』(古今書院)、『木の実の文化誌』(共編、朝日新聞社)、『ユーカリの森に生きる―アボリジニの生活と神話から』(日本放送出版協会)ほか。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
はじめに 8
第一章 不思議なできごと――神話世界への入り口―― 13
一、ガマディむらの体験 14
(一)ガマディむら 14
(二)星と雨、風の話 15
(三)ヤシの木と大穴 18
(四)精霊にまつわる話 19
二、神話世界への入り口 22
(一)わたりのドリーミング 24
(二)「棒の手紙」に刻まれた物語 26
第二章 暮らしの中の精霊 31
一、死霊のモコイ 32
二、狩りと精霊 35
(一)精霊との会話 35
(二)精霊ミミ 41
(三)豊穣の願いと精霊たち 53
(四)雨の精霊 62
第三章 虹ヘビ物語 71
一、虹ヘビの神話 72
(一)旅する大ヘビ 72
(二)姉妹を飲みこんだニシキヘビ 76
(三)泣く子と虹ヘビ 83
二、偉大な虹ヘビたち 88
(一)虹ヘビと成人儀礼 88
(二)創造主、虹ヘビ 93
第四章 人の誕生と火の獲得 99
一、人の誕生 100
(一)最初の人 104
(二)女性の誕生 108
(三)精霊から生まれた人 116
(四)土や炎から生まれた人 143
(五)ヘビやトカゲから生まれた人 150
二、火の獲得 153
(一)火をもつクジラとネコ男 154
(二)火おこし棒の火 156
第五章 大地の創造と天空の構造 163
一、大地の創造 164
(一)創世の神話 164
(二)魂のたどる道 167
二、天空の構造 171
(一)月の神話 171
(二)太陽と天の川 176
(三)昴と明けの明星 181
第六章 神話を語ることの現代的意義 195
一、神話がもつメッセージ 196
(一)人びとの歴史 196
(二)故地と人の魂のむすびつき 198
二、アボリジニの土地権と神話 201
(一)アボリジニ土地権法 202
(二)タナミ砂漠の神話と歴史 206
附編 さまざまな起源神話 212
あとがき 243
参考文献 251
■カバーそでより
オーストラリアの先住民であるアボリジニの人びとは、白人の入植前から大陸全域に暮らし、数多くの神話を語りついできた。その神話には容易に理解しがたい部分もあるが、彼らはうたい、おどり、儀礼をおこないながら、現代も精霊とともに生きている。本書では、これまでも人類学者たちがさまざまに解釈してきた神話を、日常の世界からはじめて人の誕生、火の獲得、大地と天空の構造におよび、ふたたび日常にもどるように構成。さらに、できるだけ語られるままに紹介し、神話の宇宙と、神話を語りつぐ現代的意義を考察する。
■書評
神話世界には祖先たちの生き方も示されており、この土地に住む意味を伝える。おそらく、それは日本神話も基本的に同じである。
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