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○■食べない、死なない、争わない (人生はすべて思いどおり--伝説の元裁判官の生きる知恵)■2016年05月15日 08:43

食べないから健康、死なないから幸福、争わないから平和


著者:稲葉耶季(いなば やすえ)
出版社: マキノ出版
2015年4月21日発行
186ページ

■商品の説明
内容紹介
食べないから健康、死なないから幸福、争わないから平和。
ベストセラー『食べない人たち』に登場する「不思議なI先生」こと稲葉耶季が遂にベールを脱いだ!
渋谷は公園通りの東京山手教会に生まれ、裁判所で判事を務めるかたわら、ヒマラヤで学校づくりに奔走し、現在は尼僧−−−−本能のままに行動して、すべてを実現させる生き方を余すところなく紹介した一冊。「いまを生きる16の知恵」を収載。

内容(「BOOK」データベースより)
ベストセラー『食べない人たち』の「不思議なI先生」が遂にベールを脱いだ!教会に生まれ、裁判所で判事を務めるかたわら、ヒマラヤで学校づくりに奔走し、現在は尼僧―「いまを生きる16の知恵」を収載。

著者について
稲葉耶季(いなば・やすえ)
1942年、東京都生まれ。67年、東京大学経済学部経済学科卒業。
69年、同大学同学部経営学科を卒業し、東京都庁に就職。
77年、司法研修所をへて静岡地方裁判所判事補となり、以後、名古屋、群馬などに勤務。
93年、那覇地方裁判所判事。97年、横浜地方裁判所判事。同年、インド北部に「ヒマラヤ稲葉学校」を設立。
99年、琉球大学法文学部教授。2006年、那覇簡易裁判所判事。09年、名護簡易裁判所判事。
12年、定年退官。13年11月、臨済宗の僧侶となる。14年1月、弁護士登録。
同年9月、インド・ラジギールで修行。15年1月よりインド・ナグプール仏教大学設立アドバイザーとして活動中。

■目次
はじめに ~悠々とした大河の流れのように生きる~ 1
第1章 食べない(5ヵ月の不食体験と現在)
食べないほうが幸せ――だけどときが満ちるのを待つ 16
体の準備ができたときにやめるきっかけに出会う 19
肉や魚をやめたらおなかをこわさなくなった 23
不食が結んだ秋山弁護士との縁 26
玄米ごはんほどおいしいものはほかにない 30
西洋医学をさけ食事とホメオパシーで健康を保つ 34
ウシを養う穀物で10倍の人が養える 38
不食のメカニズム①「腸内細菌」 41
化学物質は腸内バクテリアにダメージを与える 46
不食のメカニズム②「プラーナ」 49
瞑想中に虹色の光のプラーナが降りそそいだ 52
不食のメカニズム③「空気」 55
食べない人ほど眠らなくてすむ 58
不食で飢餓をなくせるか 60
呼吸さえしないで一定期間過ごせる人もいる 64
少食・不食の道は誰にでも歩める 68
近未来の食事のスタイル――食べても食べなくてもよい 71

第2章 死なない(死はふるさとに帰るうれしいイベント)
私が死を恐れなくなったわけ 76
このうえなく安らかなインドの死に方 78
日本など先進国の終末期医療は魂を苦しませる 82
「姥捨て山」は悲劇ではない 86
輪廻転生――人は何度でも生まれ変わる 90
生まれ変わりを信じてたくましく生きるインドの人たち 92
今生の学びは必ず生かされる 96
すべての人は旅の途中 99
チベット仏教の「死者の書」で学んだ転生 102
「ヘミシンク」でさらに深く理解 105
死は光のふるさとに帰ること 109
「無性にしたいこと」の原因は前世にある 112
犯罪の経験によっても本質は成長する 115
光の世界にうまく帰れない人もいる 118
逝くときを自分で選ぶという生き方 121

第3章 争わない(武器を満たないことこそ強い)
自分を、子供を、国を守るとは…… 126
暴虐で成り立った国は長続きしない 129
お手本はガンディーによる非暴力主義 133
花は花以外のものでできている 137
「すべては空」とはどういうことか 141
誰かが正しいことをいい続けるしかない 146
戦争の本当の原因は武器商人 148
全体が幸せに生き続けられるしくみを 152
自由に生き、かつ争わない 156

付章 いまを生きる16の知恵
生きることは楽しいこと、大きな意味のあることです。 162
いまを生きる16の知恵 163
瞑想の手引き 176

おわりに~食べること、死ぬこと、争うこと――やめました~ 179
参考文献 186

■「はじめに」の終わりの部分

川の水が、出っぱった岩に荒々しくぶつかるのではなく、スルリと迂回(うかい)して流れていくように、自分が好きなように生きながらも、他者とぶつからずに生きるのが理想です。 長く裁判官という職を務めてきましたが、人としては誰をもジャッジしないという姿勢を貫こうとしてきたつもりです。

本書のタイトル『食べない、死なない、争わない』は、字面だけを見ると、なんとなくものものしい雰囲気に感じられるかもしれませんが、「こうしてください」とか「こうあらねば」とかいう主張ではありません。 右にあげたようなさまざまな体験をするなかで、自分が自然に心地よく生きる知恵として学んだことを、三つの柱にまとめてみたものです。

「これは誰かの参考になるかもしれないからお伝えしたいな」と思うことをまとめただけなのですが、奇しくもいまの時代に、注目される三つのテーマに集約されました。 それぞれのことに興味がある人に、何かの形で参考にしていただけたら幸いです。


■書評
本が好き!

○■アナーキスト人類学のための断章■2016年05月06日 22:08

「グローバル ジャスティス運動」


デヴィッド グレーバー (著), 高祖 岩三郎 (翻訳)
単行本: 197ページ
出版社: 以文社 (2006/10/31)

■商品の説明 内容紹介
―変革はゆっくりと、だが着実に進んでいる―

ネグリ=ハート(『〈帝国〉』『マルチチュード』)以降の最重要人物がついにここにベールを脱ぐ。現在、10ヶ国語への翻訳が進行中の当書は、今後、思想の〈語り口〉を一変させるほどの力を持っている。この11月には初の来日を果たし、早くも各紙(誌)からの依頼が続々舞い込むグレーバーの盟友・高祖岩三郎による初邦訳。アナーキズム&人類学の結合から生み出される、どこまでもポジティヴな世界観。

アナーキズム、そして人類学の実践が明らかにするのは、近代以前の「未開社会」と呼ばれる世界が、実はより高度な社会的企画(プロジェクト)によって形成されているという事実である。真の民主主義的な世界の構築に向けて。

内容(「BOOK」データベースより)
アナーキズム&人類学、この魅惑的な結合から編み出される、よりよき世界を創るためのさまざまな術。真に変化しているものとは一体なにか?大いなる思考実験。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
グレーバー,デヴィッド
文化人類学者。活動家―DAN(Direct Action Network)、PGA(People’s Global Action)に参加

高祖/岩三郎
翻訳家、批評家。ニューヨーク在住。Autonomedia、『VOL』編集委員。1980年渡米、以後、画商、グラフィック・デザイナー、翻訳業を勤める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
まだ見ぬ日本の読者へ 自伝風序文 2

どうして学問世界(アカデミー)には、アナーキストがかくも少ないのか? 34
・だがそれはアナーキスト理論がありえないということを意味しない42
・・小マニフェスト 反政策
・・小マニフェスト 反ユートピア主義に反対する

グレーブズ、ブラウン、モース、ソレル 50

すでにほとんど存在しているアナーキスト人類学について 61
・想像的対抗力の理論に向けて 65
・・第一の事例 第二の事例 第三の事例

壁を爆破すること 83
・予想される諸批判 83
・・小マニフェスト 革命という概念について
・ひとつの思考実験、あるいは壁を爆破すること 94 ・・ひとつの事例
・これらの壁を倒すには何が必要なのか? 105

存在していない科学の諸協議 120
(1)国家論
(2)「国家ではない政体」についての理論
(3)またもや資本主義論
(4)「権力無知」か「権力馬鹿」か
(5)自主的連合のエコロジー
(6)政治的幸福の理論
(7)階層序列
(8)苦痛と快楽 欲望の私有化について
(9)ひとつのあるいはいくつかの疎外論

いくつかのまとまった考え方 137
1 グローバリゼーションと南北不平等の削除 138
2 仕事に対する闘争 140
・補足的ノート
3 民主主義 144
・ひとつの仮定

人類学 ここで作者は自らを養う手に躊躇(ためら)いがちに噛みつく 162
・ひとつの図解

グレーバー現象について 訳者あとがきにかえて ――高祖岩三郎 177
・人物 著作 活動

■扉の文
  以下に続くものは、思考の断片、可能な理論のための覚え書き、小マニフェスト集といったものである。 それらはすべて、現在存在していないが、将来いつか存在するだろうラディカルな理論的身体の概要を垣間見せるためのものである。
  アナーキスト人類学というものが実際に存在せねばならない理由が、確実に存在する。 だからなぜそれが――あるいはいっそ「アナーキスト社会学」が、「アナーキスト経済学」が、「アナーキスト文学理論」が、「アナーキスト政治学」が――存在していないのか? まずそこから考えはじめよう。

■書評
本が好き!

○■日本人を狂わせた洗脳工作─いまなお続く占領軍の心理作戦■2016年03月13日 13:03

War Guilt Information Program (WGIP) の証拠文書の発掘


著者:関野 通夫
出版社: 自由社
2015年3月3日発行
82ページ

■商品の説明
内容紹介
占領軍GHQの「日本人洗脳プログラム」の証拠書類を発掘! 「憲法九条を守れば日本は永遠に平和」「狂気の軍国主義にかられ、無謀な大戦に突入し、アジア諸国に侵略し暴虐をきわめた」など常識として定着している概念が、GHQの狙いどおりの成果だとしたら……。 日本はじめ、米中韓など世界の国々に広く流布した戦争犯罪国家のイメージが、GHQが仕組んだ洗脳工作の成果だとしたら……。
WGIP=War Guilt Information Program(戦争についての罪悪感を日本人の心に植え付けるための宣伝計画)の証拠文書は従来発見されておらず、真偽不明だった。日本をおおう暗い影を直感的に感じていた著者が、2万5千点のGHQ文書の中から、タイトルに「War Guilt Information Program」とある文書、及び関連文書を多数発掘。新聞、ラジオのマスコミ操作、数百万の郵便物の検閲、教育への露骨な介入、伝統文化の否定等々、GHQの舌をまくほど絶妙な心理戦略が、このブックレットによって、白日のもとにさらされる!
戦後70年にして、日本を米国に恒久的に隷属させる作戦の呪縛からようやく解き放たれる!

出版社からのコメント
「自由社ブックレット」創刊第1号は、歴史的な意義をもつ本書です。衝撃の真実、タイムリーなテーマ等を、簡潔に、分かりやすくまとめ、日本に広く発信してまいります。ご期待ください!

内容(「BOOK」データベースより)
狂気の軍国主義にかられ、無謀な大戦に突入し、米国やアジア諸国にひどい被害をもたらした―日本はじめ、米中韓など世界の国々に広く流布した犯罪国家のイメージが、実は占領軍の精密巧妙な洗脳工作の成果だとしたら…大手自動車メーカー関連会社米国法人社長を務めた著者が、GHQの2万5千点の文書から、幻だったWGIPの証拠文書を発掘した!

■著者について
昭和14年鎌倉市生まれ。昭和39年東京大学工学部航空学科卒業後、本田技研工業(株)入社。
工場勤務後、フランス5年半(技術部長)、イラン2年(合弁会社の本田代表者)、アメリカ9年(執行副社長、社長)駐在。その他、東アジア、ブラジルの海外生産活動の責任者。
平成13年退職、実務翻訳に従事。
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
序 外交評論家 加瀬英明 3
1 未だ気づかれていない洗脳工作 11
  日本人を狂わせた根源的なもの 11
  友人の作家の慨嘆 12
  工学部系実験屋の習性 15
  不可解な"国連人権委員会" 10
  ジュネーブの"4ナイ"反日人士 18

2 内部文書"WGIP"の発見 21
  約2万5千点の文書を絞り込む 21
  "WGIP"とは何か? 22
  WGIPを実施したCIE(民間情報教育局) 23

3 洗脳と検閲の両面作戦 26
  表の洗脳・裏の検閲と焚書 26
  日本政府を前面に出した二人羽織 28
  東京裁判というショーウィンドー 30
  国会はABC級戦犯の遺族に年金を与えた 33
  30項目の報道規制 35

4 発見文書から内容を読みとる 37
  文書<イ>【1945年12月21日付】 40
  広範で綿密な作戦 43
  いまなお続く刷り込みの効果 44
  CIEに与えられた役割 46
  WGIPが謀略である証拠 49

5 CIEと東京裁判の関係 51
  緊密な連携 51
  表紙原文 52
  メディア工作・文書<ト> 54
  民間情報検閲支隊 56

6 WGIPでCIE(民間情報教育局)が懸念したこと 58
  原爆投下と東条陳述への懸念 58
  CIEの対応策 59
  文書<ホ>【1948年2月8日付】 60
  CIEの手先にされた朝日新聞 63
  文書<ヘ>【1948年3月3日付】 64
  四大教育指令 66

7 東京裁判に対するアンチテーゼ 68
  無罪を主張した人々 68
  マッカーサーも意見を変えた 69

8 東京裁判における清瀬一郎弁護士の冒頭陳述 71
  格調高い戦犯無罪論 71
  ナチスと日本の相違 72
  リットン報告書 73
  盧溝橋事件の責任 74
  支那事変の勃発 75
  日米通商航海条約の破棄 76
  イギリスの認識 77
  真珠湾は奇襲か 78

あとがき 80

自由社について(サイトトップのあいさつ文)
自由社
「新しい歴史教科書をつくる会」の
中学歴史、公民教科書を刊行しています。
誇りをもって国を愛し、支える若者を育てるために
真実の歴史を伝える唯一の教科書です。

また、先祖の尊い犠牲の上に
歴史上、稀な平和と豊かさを享受する日本を
子、孫、ひ孫へ…と連綿と手渡していくために
広く読んでいただきたい書籍を刊行してまいります。

自由社は左翼系全般の出版界にあって
保守の砦となる所存です。

ご支援、ご声援を賜りますよう
衷心よりお願い申し上げます。

代表取締役社長 加瀬英明

■「序」より
GHQ(マッカサー総司令部)は日本を軍事的に征服したうえで、日本民族から記憶を奪い、精神を破壊して、占領を終了した後も、未来永劫にわたってアメリカの属国としてつくりかえるために、日本に対して全面的に歴史戦を開始した。WGIP(War Guilt Information Program戦争についての罪悪感を日本人の心に植えつけるための宣伝計画)は、日本をアメリカに隷属させる計画の柱だった。

■書評
本が好き!

○■インディアンの言葉 (コレクション「知慧の手帖」) ■2016年01月25日 08:50

紀伊国屋から自然の言葉、禅の言葉、イスラムの言葉、ユダヤの言葉などと合わせて出版された「知慧の手帳」シリーズの一冊。



ミッシェル ピクマル (編集), 中沢 新一 (翻訳), エドワード・S. カーティス(写真)
単行本: 46ページ
出版社: 紀伊國屋書店 (1996/09)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
樹々と語り合い大地に抱かれる崇高にして深遠なインディアンの哲学。

内容(「MARC」データベースより)
いのちとは何か。それは夜を照らす蛍のきらめき。凍てつく冬の空気に野牛の吐く吐息。草の上に落ち着かない姿を映しながら日没とともに消えていく、ちっぽけな影…。樹々と語り合い大地に抱かれるインディアンの哲学。

■訳者からの言葉(冒頭部分)
この本に収録されたインディアンの言葉は、どれも悲痛な響きをはらんでいる。19世紀の中頃、西欧の産業革命の発達の影響は、アメリカ大陸にも波及し、白人による「西部開拓」は、それまでの時代とはちがった、むごい暴力性を、おびはじめたのである。「開拓者」たちにとっては、土地はそれだけでもう投資の対象であり、大地はそこからエネルギーと資源を絞り出すための、ただの物質とみなされた。
しかし、その大地の上には、すでにこの大陸の先住者たるインディアンが数万年の歴史を、刻んでいたのである。インディアンにとっては、あらゆる自然が宇宙そのものであり、それはモノでも、対象でも、素材でもなかった。彼らにとっては、人間と自然をともども巻き込みながら、ダイナミックな全体運動を続けている、崇高な宇宙的力の実在を、日々の生活の中で感じ取っていられることが、人間にとって、一番大切な倫理の厳選だと、考えられていた。大地を売り買いすることなどもってのほかだったし、宇宙の全体運動の中にあるものの一部分を、それだけ切り離して、言葉や計算によって操作したり、支配したりする、西欧的なものの考え方を、どうしても認めることはできなかった。

■書評
別館

○■見えないアジアを歩く■2016年01月17日 10:58

7人の無頼がアジアの紛争地を歩き、真の姿、人々の暮らしを伝える


見えないアジアを歩く編集委員会編著 (著), 村井吉敬 (著), 山本宗補 (著), & 7 その他
単行本: 288ページ
出版社: 三一書房; A5変型版 (2008/4/1)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
バックパッカーもまだ見ぬ魅惑の世界の数々。国境とタブーを越える「紛争地」旅ガイド―立入禁止、退避勧告、自己責任…こんな言葉にめげずに、さあ、行こう。

著者について
●村井吉敬(むらいよしのり)
早稲田大学客員教授。インドネシアを中心に、東南アジアに30年以上つきあっている。テーマは日本企業のアジア進出、ODA(政府開発援助)、エビなど。
●山本宗補(やまもとむねすけ)
アジアをおもなフィールドとするフォトジャーナリスト。88年からビルマの少数民族問題、民主化闘争の取材を開始。98年のアウンサンスーチー氏のインタビュー直後に秘密警察に身柄を拘束され、国外追放となる。「ビルマ市民フォーラム」の運営委員。99年からは日本国内で「老い」のテーマと出会い、現在は「戦争の記憶」取材に力を入れている。 ●澁谷利雄(しぶやとしお)
和光大学現代人間学部教授。専攻は文化人類学と南アジア現代史。1980年頃から、スリランカを中心とした文化研究に携わる。テーマは、祭と民族紛争、ナショナリズムと大衆文化、民衆宗教、食文化など。95年からスリランカ研究フォーラムを主催。国際平和協力センター理事、スリランカにタコノキを植える会代表。スリランカ野鳥観察会の会員。
●佐伯奈津子(さえきなつこ)
インドネシア民主化支援ネットワーク/アジア人権基金。1996年からインドネシアの人権問題について調査をつづける。アチェに関わりはじめたのは1999年。
●南風島渉(はえじまわたる)
報道写真記者。通信社写真部勤務後、おもにアジアの紛争地や先住民族、人権問題などを取材。ナガランドは1997年以来、現地取材を続けている。ナガ・ピース・ネットワー ク世話人。
●林克明(はやしまさあき)
ノンフィクションライター。1960年生まれ。95年からチェチェンを取材している。
●下澤嶽(しもさわたかし)
1988年、(特活)シャプラニール=市民による海外協力の会の駐在としてバングラデシュへ。帰国後、同会事務局長。06年7月より(特活)国際協力NGOセンター事務局長。平和構築NGOジュマ・ネット代表。バングラデシュとの関係は20年、チッタゴン丘陵に深くかかわるようになって5年になる。
●佐藤真紀(さとうまき)
現在、JIM-NET事務局長、日本チェルノブイリ連帯基金理事。(株)ブリヂストンで研究員として勤務中、青年海外協力隊に参加、イエメン、シリアで活動。退職後、国連ボランティア、日本国際ボランティアセンター(JVC)でパレスチナ事務所代表。2002年よりイラクに関わり、04年、イラクの医療支援のためのネットワーク、JIM-NETを立ちあげる。

■目次(中項目まで)
プロローグ──見えないアジアを見る 3

カレン──豊かなはずの農村とひしめく難民キャンプを訪ねる旅(山本宗補) 15
・隣国タイからカレン州をめざす 18
・山地カレン村の豊かな暮らし 25
・豊かな農村の生活環境 32
・難民キャンプを訪ねる 42

スリランカ北東部──紛争と津波の現場を歩く旅(澁谷利雄)49
・最果ての仏教聖地 52
・北部州の玄関ワウニヤーへ 60
・東部州の津波被災地を訪ねて 68
・女神が護る村 78

アチェ──紛争のつめ跡と「平和」の幕開けを訪ねる旅(佐伯奈津子) 91
・紛争と津波のアチェへ 94
・平和を奏でるラパイ・パセ 99
・マラッカ海峡沿いの漁村を訪ねる 105
・アチェの精神 レンチョンを求めて 112
・暴力とカネのデート・スポット 117

ナガランド──国家・国境の意味を探る旅(南風島 渉) 125
・隠されし紛争地を求めて 128
・軍事制圧都市を歩く 134
・森に息づく精霊の文化 140
・泊まる、食べる、飲む 146
・向こう側のナガランド 152

チェチェン──地獄から未来を創造する旅(林 克明) 161
・チェチェン全土を世界文化遺産に登録せよ 164
・地獄へようこそ 169
・世界一危険な街 グローズヌイ 175
・四百年の抵抗の秘密を探る 183
・泊まる、食べる、飲む 190

チッタゴン丘陵──焼畑の少数民族を訪ねる旅(下澤 嶽) 199
・軍人の回廊を抜けて 202
・ランガマティ 沈黙の村へ 210
・山峡のバンドルボン 220

イラク ヨルダン シリア クウェート──悠久の歴史と戦争の現実を知る旅(佐藤真紀) 233
・イラク戦争前夜の入国と出国 236
・戦争の現場を歩く 244
・行ってはいけない行き地獄の現実 252
・ヨルダンからイラクを知る 258
・シリアとクウェートからイラクを知る 270

見えないアジアの歩き方
1 非日常の危険な日常(南風島 渉) 48
2 現地のパートナーとの付き合い方(林 克明) 90
3 女性が歩く紛争地(佐伯奈津子) 124
4 マラリアの基礎知識(山本宗補) 160
5 米兵とのかしこい付き合い方(佐藤真紀) 198
6 開発現場の見つめ方(村井芳敬) 232

※各地域を知るための資料 283
※各地域の関連団体 280
※関連各国の大使館・領事館・在外公館 279

■書評
本が好き!

×■土の文明史■2015年12月02日 08:09

ローマ帝国、マヤ文明、米国、中国、アイスランド、キューバなど、精力的にデータを揃えた力作。しかし、 農耕そのものが問題という視点がほとんどなく、説得力に欠ける。


デイビッド・モントゴメリー (著), 片岡夏実 (翻訳)
単行本: 368ページ
出版社: 築地書館 (2010/4/7)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
文明が衰退する原因は気候変動か、戦争か、疫病か?古代文明から20世紀のアメリカまで、土から歴史を見ることで社会に大変動を引き起こす土と人類の関係を解き明かす。

著者について
ワシントン大学地球宇宙科学科・地形学研究グループ教授。地形の発達、および地形学的プロセスが生態系と人間社会に与える影響を研究。本書で、2008年度ワシントン州図書賞(一般ノンフィクション部門)を受賞。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
モントゴメリー,デイビッド
ワシントン大学地球宇宙科学科・地形学研究グループ教授。地形の発達、および地形学的プロセスが生態系と人間社会に与える影響を主要な研究テーマとする。『土の文明史』で一般ノンフィクション部門2008年度ワシントン州図書賞を受賞

片岡/夏実
1964年神奈川県生まれ。さまざまなジャンルの翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
第一章 泥に書かれた歴史 1
第二章 地球の皮膚 10
第三章 生命の川 34
第四章 帝国の墓場 63
第五章 食い物にされる植民地 110
第六章 西へ向う鋤 154
第七章 砂塵の平原 196
第八章 ダーティ・ビジネス 243
第九章 成功した島・失敗した島 297
第十章 文明の寿命 319
引用・参考文献 6
索引 1

■書評
本が好き!

○●ラクダの文化誌―アラブ家畜文化考●2015年10月20日 09:33


堀内 勝 (著)
単行本: 464ページ
出版社: リブロポート (1986/03)

■商品の説明
受賞歴
第8回(1986年) サントリー学芸賞・社会・風俗部門受賞

内容(「BOOK」データベースより)
アラブ遊牧民のひとコブラクダに関する膨大な知識・伝説を全て網羅し、ラクダを基点にアラブ文化を解読する世界初の野心的試み。

著者について
堀内勝(ほりうち まさる、1942年6月- )は、アラブ文学者、中部大学教授。
山梨県生まれ。東京外国語大学アラビア語科卒業。カイロ・アメリカン大学大学院課程修了。中部大学国際関係学部教授。1986年『ラクダの文化誌』でサントリー学芸賞受賞。専門領域は言語人類学・民族誌。

■目次
はじめに
第1章 アラブのラクダ観 3
第2章 名高いラクダ 19
  ―アラブ種の名種、名産地―
第3章 ラクダを崇める 37
  ―サムード族伝説と神聖ラクダ―
第4章 ラクダを記す 56
  ―歴史に名高いラクダ―
第5章 ラクダを叙す 65
  ―ラクダの体の部位(1)―
第6章 ラクダのコブについて 85
  ―ラクダの体の部位(2)―
第7章 ラクダの蹄について 101
  ―ラクダの体の部位(3)―
第8章 ラクダが生きる 108
  ―成長段階―
第9章 ラクダが年とる 141
  ―ラクダの年齢階梯
第10章 ラクダが群らがる 171
  ―「群れ」考(1)―
第11章 ラクダを数える、頭数 189
  ―「群れ」考(2)―
第12章 ラクダが鳴く(1)
  ―アラブの擬声音文化考(1) 208
    ラクダ以外の動物のオトマトペイア―
第13章 ラクダが鳴く(2)
  ―アラブの擬声音文化考(2) 221
    ラクダ以外の動物のオトマトペイア―
第14章 ラクダが運ぶ 241
  ―駄用ラクダ―
第15章 ラクダが引っ張る 258
  ―牽引用ラクダ―
第16章 ラクダに乗る 274
  ―乗用ラクダ・旅用ラクダのこと―
第17章 ラクダが歩く 292
  ―距離単位、ラクダ日―
第18章 ラクダが踊る 308
  ―キャラバンソングについて―
第19章 ラクダに据える 345
  ―ラクダ鞍の考察―
第20章 ラクダに掛ける、吊るす 378
  ―運搬用荷具―
第21章 ラクダで身をあがなう 401
  ―血の代金とラクダ―
第22章 ラクダで(めと)る 418
  ―婚資について―
第23章 ラクダで税を払う 431
第24章 ラクダを信じる 442
  ―ラクダに関する俗信―

  引用・参考文献 456
  おわりに 461
装丁 加藤光太郎

■はじめに
  本書は定住民と遊牧民の重層する伝統的アラブ社会の中にあって、基層文化を保持した遊牧社会の基本的家畜であったラクダに視点をあてて追究したものである。 もちろん、「文化誌」としての領域にも、生態学的、生物学的観点は混入している。 本書でも随所に触れられているが、こうしたラクダの自然科学的側面、その発生から進化・生息分布等については、概説的に「動物」「家畜」関係の類書に触れられているし、和書では特に加茂儀一著『家畜文化誌』に詳しい。 考古学的知見、発生論、進化論はすべてその書に譲ろう。
  本書ではアラブのラクダ観を通して家畜文化、遊牧民文化、アラブ文化の個別文化としての特殊性と普遍性を追ってみた。 「ラクダ」という動物と最も深いかかわりを持ったアラブの、人間と動物との文化的対応と諸層を、アラブの内側からの視点で探ろうと心懸けた。 ラクダを通してのアラブ民族固有の価値観、認識の仕方の分析、思考の型の抽出に意を注いだ。 具体的にはアラビア語のコーパス(資料体)の言語分析を主に、現地人・西洋人の旅行記、さらに筆者の現地調査による聞き書きとをつき合わせて追究したものである。
  資料体は巻末に記したように数多くあるがそれでも、本書の利用に供したものは筆者の能力不足から、まだまだ少ない。 またアラビア半島の現地調査とはいっても二つの大きな制約があって思うにまかせないのが現状である。一つはサウジアラビアを初めとする湾岸諸国は調査を受け容れずビザをくれないこと。 特に遊牧民の調査となると不可能である。 他は車の普及にともなってラクダの価値が殆ど無きに等しくなり、ラクダ遊牧民が急速に解体してしまってきていることである。 従って本書に供した筆者の現地の知見は、アラビア半島の遊牧民といってもイエメン、シリア、ヨルダン、パレスチナ、ネゲブ、エジプトといった半島周辺の砂漠地帯の調査行に基づくものである。
  スーダン南部ヌエル族の牛と人間の深いかかわりは、エヴァンス・プリチャードの名著『ヌエル族』によってつとに名高い。 人間のあらゆる生活様式を牛の属性に喩え、また意味付ける発想は、牧畜生活を基盤におく文化領域ならある程度推察はつくであろうし、プリチャードのように長期に深く現地調査をすれば、その具体例から分析できよう。 アラブ遊牧民の場合は家畜の用途の中に、本書でも比重をおいた乗用、競争用の訓育が加わり、用途の一層の広がりのあることは特記せねばならない。 中央アジア、アナトリア、サハラ以内のアフリカにおけるラクダ遊牧民とはこの点が相違しよう。
  またもう一点、ラクダを中心として他の家畜との重層構造が多層的に展開できることも牧畜文化の深層を探る上では重要なポイントとなろう。 本書でもいくつかの章の中で、ラクダと他の家畜、動物についての比較を試みているのもこうした構造化を探り得るとみたからに他ならない。
  本書を一層理解していただくためには、筆者の前書『砂漠の文化』(教育社、歴史新書<東洋史>B2)を併読されたい。 アラブの基層文化としての理念的遊牧民像・遊牧民社会を追求したものであり、この中にもラクダ遊牧の伝統的姿とその価値観についてある程度言及しており、透かして読みとり得るはずである。 本書は前書の内容的基盤に立って、もっぱら家畜にスポットをあてたものなのである。

○■【定本】シオンの議定書■2015年09月30日 19:03

国家財政の破綻、通貨危機、資源戦争・・・
21世紀の歴史はこの書の通りに進行している!


四王天 延孝(原訳) (著), 天童 竺丸 (監修, 翻訳)
単行本: 192ページ
出版社: 成甲書房; 初版 (2012/2/29)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
国家財政の破綻、通貨危機、資源戦争―偽書と罵られようが何であろうが、21世紀の歴史は、この書の通りに進行している。

著者について
四王天 延孝
元・陸軍中将、衆議院議員。明治12年(1879)~昭和37年(1962)。 陸軍士官学校、陸軍大学卒の旧日本陸軍エリート将校。第一次世界大戦期に観戦武官として派遣されたフランスで、世界大戦を演出しているのは国際ユダヤであるとの説に接し、ユダヤ・フリーメーソン問題の資料を渉猟して研究を開始する。大戦末期、ロシアで共産革命政権が樹立されると日本軍はシベリアに出兵、北満州の陸軍諜報機関に派遣され、ロシア共産革命の実体がユダヤ革命であることを知り、軍内外に対してユダヤ陣営の危険を警告、警鐘を乱打する。国際連盟が発足して主要国による国連内軍事委員会が作られると委員としてジュネーブに在勤。ところが帰国するや軍首脳によって徹底的に迫害される。ついに昭和初年、上原勇作元帥から直々にユダヤ問題の研究発表を中止せよ、と要求される。これを拒否するとただちに軍中央によって陸軍から追放された。陸軍退役と同時に中将に昇進。その後1942年の翼賛選挙で衆議院議員に当選。戦後はA級戦犯として巣鴨拘置所に収監されるが不起訴、釈放。『国際聯盟の実状』(1933)『猶太思想及運動』(1941)『四王天延孝清話』(1942)『四王天延孝回顧録』(1964)他
多数の著書がある。
天童 竺丸
昭和24年(1949)岡山県生まれ。東京大学印度哲学科卒。文明地政学協会代表。世界戦略情報「みち」編集人。
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次(小項目は「目次」にないため本文から拾いました)
[解題] 天童 竺丸 2

シオンの議定書
[第一議定]
・緒言 11
・力は権利を生む 11
・自由主義はかえって真の自由の敵 12
・目的のためには手段を選ぶなかれ 13
・政治と道徳とは何の関係もない 14
・群衆は盲目なり 16
・独裁以外には政治の方式はない 17
・恐怖政治 19
・統治者は自由自在に任命する 21
[第二議定]
・経済戦争が国際政府を準備する 24
・ダーウィニズム、マルキシズムはユダヤ人の道具立てなり 25
・新聞は我らが手中にある 26
[第三議定]
・象徴の蛇 28
・世界制服の手段 29
・世界的な経済恐慌 32
・世界平和という撞着 34
[第四議定]
・フリーメーソン組織の働き 37
・宗教に対する闘争 38
・廃墟の上に金の子牛 38
[第五議定]
・ユダヤの専制政府 41
・多民族の利己主義 42
・世論は腐敗させて意のままに 45
・国際的支配力 46
[第六議定]
・ゴイムの破産 48
・ユダヤ人の富裕 49
・労働者階級を駄す方法 50
[第七議定]
・軍備拡張 52
・世界戦争の予言 53
[第八議定]
・ゴイム官僚を操縦する 55
・経済学者と実業家 56
[第九議定]
・反ユダヤ主義の必要性 58
・教育制度を支配する 59
・法は解釈によって自在になる 61
[第十議定]
・現行憲法の破壊 63
・天才的独裁者を利用する 65
・自由主義の害毒 67
・大統領はユダヤの代弁者 68
・ユダヤの世界王 70
[第十一議定]
・ユダヤ新憲法 73
・ゴイムは群羊、ユダヤは狼 75
[第十二議定]
・自由の定義 78
・新聞と出版社の将来 80
・雑誌と書物の検閲 81
・新体制 85
[第十三議定]
・民衆の心理を惑わす法 87
・進歩などは迷想 89
[第十四議定]
・非ユダヤ宗教の破壊 92
・ユダヤ教の秘密 92
・堕落文学の創設 94
[第十五議定]
・世界同時革命 96
・フリーメーソンは情報収集機関 98
・秘密結社の弾圧 101
・定年制の導入 104
・処罰の峻厳 106
・ユダヤ王は家長となる 107
[第十六議定]
・大学を支配する 110
・義務教育の無力化 110
・自由教育は撤廃する 111
・視覚による教育 113
[第十七議定]
・弁護士制度の改正 115
・宗教界の制覇 116
・密告の奨励 117
[第十八議定]
・警察権の強化 120
・陰謀家の監視 120
・ユダヤ王の護衛法 121
・政治犯の検挙 122
[第十九議定]
・下情上通 125
・暴動の鎮圧 125
・政治犯を侮辱せよ 126
[第ニ十議定]
・ユダヤ王は全財産の所有者 128
・税を自在に操る 129
・国家財政の破綻 132
・国債という吸血鬼のごときもの 134
・回顧録の有用性 137
[第ニ十一議定]
・内国債と新税の導入 140
・整理公債 141
・取引所の廃止 142
[第ニ十二議定]
・「金」の威力 145
・神さえ手出しできないユダヤの権威 146
[第ニ十三議定]
・小工場への回帰 149
・世界大動乱の予告 150
・神の選んだユダヤ王が動乱を鎮める 150
[第ニ十四議定]
・ユダヤ王の無窮性 153
・三人の顧問 154
・ユダヤ王の精神性 155

[解説]偽書論争に終止符を打つ 天童 竺丸 160
・ユダヤ教改革派=イルミナティの策謀 160
・『シオンの議定書』が登場する経緯 173
・『シオンの議定書』と現代世界 185
・『シオンの議定書』の大風呂敷に委縮するな 188

■一言
この出版社は半島系かもしれません。ただ、本書の内容は一度知っておいたほうがいいと感じます。

■書評
るびりん書林 別館

○●日本よ、森の環境国家たれ (中公叢書)●2015年09月24日 09:55

「森の民」の「植物文明」と「家畜の民」の「動物文明」という視点から、一神教と環境破壊の必然的なつながりを明かし、多神教文明の重要性を説いた刺戟的な本


安田 喜憲 (著)
単行本: 281ページ
出版社: 中央公論新社 (2002/03)

■著者について
安田喜憲(ヤスダヨシノリ)
1946年、三重県生まれ。東北大学大学院理学研究科博士課程退学。理学博士。国際日本文化研究センター名誉教授。東北大学大学院環境科学研究科教授
2007(平成19)年紫綬褒章受章。気候変動と人類の生活・歴史の関係を科学的に解明する「環境考古学」の確立者。著作に、『山は市場原理と闘っている』(東洋経済新報社、2009年)、『稲作漁撈文明』(雄山閣、2009年)『生命文明の世紀へ』(第三文明社、2008年)、『環境考古学事始』(洋泉社、2007年)、『一神教の闇』(筑摩書房、2006年)『気候変動の文明史』(NTT出版、2004年)など多数
(『一万年前』より)

■目次
第一章 人類文明史の二類型区分 3
一 森の民日本人の危機 4
二 長江文明もアンデス文明も森の文明 12
三 環太平洋植物文明圏 31
四 森の文明と家畜の文明 49
五 家畜の文明の原罪と森の文明の悲劇 69

第二章 森の環境国家日本の構築 87

第三章 森のこころの文明 113
一 「森のこころ」の新しい文明 114
二 森を守る女性のこころ 137

第四章 森を守る食生活 153
一 アメリカはパンで日本人の魂を変えた 154
二 森を守る食生活 162
三 日本人はなぜ肉食を止めたのか 170

第五章 日本桃源郷構想 181
一 畑作牧畜民のユートピア・稲作漁撈民の桃源郷 182
二 ユートピアから桃源郷へ 214

第六章 森の環境国家が地球と人類を救う 223
一 ドラゴン・プロジェクト 224
二 木造百年住宅の輝き 241
三 二十一世紀の地球温暖化を前にして 248

第七章 世界を変える森の環境国家 261
一 文明観を根底から見直そう 262
二 中高年よ森へ行こうではないか 270

あとがき 277
初出一覧 281

■「著者から読者へ」(本書のカバー裏表紙より)
人類文明史には「森の民」の「植物文明」と「家畜の民」の「動物文明」の二類型があるというのが、本書の最大の発見である。「森の民」の「稲作漁撈民」は桃源郷を、「家畜の民」の「畑作牧畜民」はユートピアを創造した。桃源郷こそ「森の民」の究極の生命維持装置だった。だが、人類文明史は、一面において後者の「動物文明」が前者の「植物文明」を駆逐する歴史であった。そうした中で「森の民」日本人は「家畜の民」に蹂躙されへこたれたことが一度もなかった。日本人が森にこだわり「森の環境国家の構築」に邁進するかぎり、日本の未来は安泰であるというのが。本書の提言である。

■「あとがき」より(中間の段落)
日本文化が「森の文化」であることをはじめて指摘した一九八〇年に比べて、今日(二〇〇二年)の日本は、経済不況と高い失業率にあえいでいる。 「家畜の民」の圧倒的なパワーの前に「森の民」が自信を失いかけている。しかし、二十一世紀は「森の文明」の時代であり、「森の民」の時代である。 地球温暖化に歯止めをかけることもなく、自然を搾取しつづけ、豊かさを追い求め、力づくで他の文明を圧倒しようとする「家畜の民」の文明が、あと二十年もつはずがない。 アメリカと中国の「家畜の民」の「自然=人間搾取系の文明システム」は、二十年以内にかならず行き詰まる。 その時に向けて、日本人は「森の環境国家の構築」に邁進しなければならないのである。 「今日の苦境は新たな発展の時代の到来の前兆なのである」。

■一言
「森の民」が「家畜の民」によって滅ぼされてきたという視点が刺戟的。この「家畜の民」を支配する者たちこそが世界統一政府の樹立を目論み、金融の仕組みを作り、石油、医療、食糧など、大きな利益を確実にあげることのできる産業を支配している人びとであろう。
彼らによって地球が破壊される前に、人類すべてがこのような視点を持って、自然および他者と共生する以外に生き残りの道がないことを自覚するとき、道は開けるのであろう。

△■アメリカの国家犯罪全書■2015年09月13日 09:50

アメリカによる多数の「国家犯罪」を元外務省職員がまとめた衝撃の一冊


ウィリアム・ブルム (著)
益岡 賢 (訳)
発行所: 作品社
2003年4月20日発行
417ページ

■内容の紹介(カバーのそでより)
アメリカ合衆国は、イラク・北朝鮮などを「ならず者国家」「悪の枢軸」と呼び、「正義」と「民主主義」の名のもとに断罪している。しかし、チョムスキーも指摘するように、本当の「ならず者国家」、世界最悪の「テロ国家」はアメリカ自身である。
本書は、アメリカ政府・米軍・CIAが世界の隅々で行っている、テロ支援、拷問や洗脳、暗殺、盗聴、選挙操作、麻薬製造、毒ガス・生物兵器使用、虐殺…等など、イラク・北朝鮮どころではない「国家犯罪」のすべてをまとめた衝撃の一冊である。

著者について(本書より)
ウィリアム・ブレム(William Blum)
一貫して米国の国家的犯罪・外交政策の暗部を分析・告発しつづけているジャーナリスト。1943年、ニューヨーク生まれ。米国国務省の外交担当部門に従事していたが、67年、ベトナム戦争に反対して辞任。辞任後、ワシントン初の「地下」新聞『ワシントン・フリープレス』を創刊するが、FBIの妨害で廃刊。69年、秘密のベールに包まれていたCIAの内部を暴く告発書を刊行。200名以上のCIA職員の名を公開して破門を呼ぶ。米国やヨーロッパ、南米などでフリー・ジャーナリストとして活躍。とくに72~73年にはチリに滞在し、アジェンデ政権の成立とCIAが計画した軍事クーデターによる崩壊を、現地からリポートしつづけ世界に真実を訴えた。70年代半ばには、元CIA職員フィリップ・アジェとともに、ロンドンでCIAの内実を暴く作業に従事。80年代後半には、映画監督オリバー・ストーンとともに、米国外交の真実についてのドキュメンタリー映画の制作に乗り出す。現在は再びワシントンに居住し、本書をはじめとした書籍や記事の執筆を行っている。なお98年に発表した、米国がイラクの生物兵器・化学兵器のための原料を提供していたという記事は、米国で「最も検閲を受けた上位10の事実」の一つに数えられ、「模範的ジャーナリスト賞」を授与されている。

訳者について(本書より)
益岡賢(ますおか けん)
1964年生まれ。メディア論・コミュニケーション論に関心を持つ。90年から東チモールへの連帯活動をはじめ、91年より東京東チモール協会所属。ニュースレター編集を担当。著書に『東チモール――奪われた独立・自由への闘い』(明石書店、1999年共著)、『東チモール2――住民投票後の状況と正義の行方』(明石書店、2000年、共著)、訳書に『アメリカが本当に望んでいること』(ノーム・チョムスキー著、現代企画室、2002年、共訳)などがある。また、チモール・ロロサエ情報ページ(http://www.asahi-net.or.jp/~gc9n-tkhs/)の手伝いをしている。個人ページは、http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/

■「訳者あとがき」より
本書の内容は、「悪の枢軸」を断罪し「正義」を振りかざすアメ リカ合州国の、不法な軍事介入や不当な外交政策、人道に対する罪 などの「国家犯罪」を、戦後から現在にいたるまで、驚くべき情報 収集力をもって網羅的にまとめたものである。アメリカの国家的な 犯罪行為を告発したものは多数あるが、本書ほど徹底的なものは例 がない。したがって、マスメディアが伝えないアメリカ国家の真実 の姿を考えようとする多くの人々にとって、本書は極めて重要な基 本書として定着している。

■「はじめに」の冒頭より
  本書を、『チェーンソーによる連続幼児殺人犯たちと、彼らを愛した女性たち』という書名にしようかとも考えた。
  この女性たちは、切断された手足や頭のない胴体を見せられても、愛する人がそんなことをするとは信じない。もし信じたとしても、愛する男が真に善意からしたのだと心底から考える。それは、おそ らくはとても不幸な事故であり、善意が起こしてしまった過失だと考える。また、それが人道的行為だと考えることすらありうる。

■目次(小項目は除く)
――新版へのまえがき
9・11事件とアフガニスタン爆撃、そしてイラク攻撃をめぐって 17
米国のイラク攻撃をめぐって――日本版への増補 38
はじめに 43

第I部 アメリカとテロリストとの愛憎関係 81
第1章 テロリストたちがアメリカをいじめる理由 82
第2章 アメリカから世界へのプレゼント
――アフガンのテロリスト養成所の卒業生たち 88
第3章 暗殺 95
第4章 米軍・CIAの訓練マニュアルより 103
第5章 拷問 111
第6章 芳しくない輩(アンサヴォリー・パーソン) 125
第7章 「芳しくない輩」の新規訓練 129
第8章 戦争犯罪者――「敵」側の、そしてわれわれ米国の 138
第9章 テロリストの安息地 151
第10章 ポル・ポト支援 161

第II部 米国による大量破壊兵器の使用 167
第11章 爆撃――無差別破壊 168
第12章 劣化ウラン兵器 174
第13章 クラスター爆弾 180
第14章 化学兵器・生物兵器の利用――米国国外 184
第15章 化学兵器・生物兵器の利用――米国国内 197
第16章 化学兵器・生物兵器利用の奨励 207

第III部 「ならず者国家アメリカ」vs世界 213
第17章 米国による介入の歴史―― 一九四五年~現在 214
第18章 選挙操作 274
第19章 「米国民主主義基金」(NED)
――CIAの下請けNGO 290
第20章 世界と対立するアメリカ――国連を舞台に 296
第21章 盗聴――地球上のあらゆる場所で 315
第22章 拉致と略奪 328
第23章 CIAがマンデラを二八年間も牢獄に閉じ込めた経緯 334
第24章 CIAと麻薬との関係――「何が悪い?」 337
第25章 地上唯一の超大国であるということは、
  決して謝罪する必要がないということである 350
第26章 自由企業のために、合衆国は、侵略し爆撃し殺害する。
  しかし、アメリカ人は本当にそれを信じているのだろうか 362
第27章 「自由の国」のある一日
  「新しき良き日々」のはじまりか 370

訳者あとがき 405
事項・人名索引 417

■一言
本当に危険な情報を伝えようとする人たちは、不慮の死を遂げている。最近独立した国家は、資源を持つ国ばかりであり、決して、住民自治を背景となどしていない。本書はページ数の多さも含め、評価を下げたい要素が多すぎます。

■書評
るびりん書林 別館