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○■パンドラの種──農耕文明が開け放った災いの種■2016年05月01日 08:24

育てるという決断がもたらした影響の大きさ


著者:スペンサー・ウェルズ
翻訳:斉藤隆央
出版社: 化学同人
2012年1月31日発行
283ページ

■商品の説明
内容紹介
1万年前,それまで狩猟採集民だった人類は,農耕を始めた.この生活スタイルの変化は,繁栄する現代社会を形づくったと同時に,さまざまな負の側面をもたらした.肥満やうつ病などの肉体的・精神的な病,人口の過密や環境破壊,貧富の格差や民族間の争い.著者は,遺伝学と人類学の知識と経験を元に,われわれの来た道をたどり,パンドラの箱に残された希望を示す.人類史に興味のある人にはもちろん,現代生活の歪みを感じている人にも勧めたい.

出版社からのコメント
現代の狩猟採集民,タンザニア・ハザァベ族の「多くを望まない」という価値観は,震災を経験した日本人にとって,現代生活を省み,これからの生き方を考える参考になるはずです.

著者について
スペンサー・ウェルズ
ナショナル・ジオグラフィック協会の協会付き研究者で、コーネル大学においてフランク・H・T・ローズ'56クラス記念教授に選出されている。彼の率いるジェノグラフィック・プロジェクトは、世界中の人々から数十万に及ぶDNAサンプルを集めて分析し、われわれの祖先がどのように地球に住み着いていったのかを明らかにしようとしている。ウェルズはハーヴァード大学で博士号を取得し、スタンフォード大学とオックスフォード大学でポスドクの研究をおこなった。これまでに出した著書は、本書のほかに、『アダムの旅』(和泉裕子訳、英治出版)の2冊。ワシントンDCに、ドキュメンタリー映像製作者の妻と暮らしている。v

斉藤 隆央(さいとう たかお)
翻訳者。1967年生まれ。東京大学工学部工業化学科卒業。化学メーカー勤務を経て、現在は翻訳業に専念。訳書に、ニック・レーン『生命の跳躍』、『ミトコンドリアが進化を決めた』(以上みすず書房)、ミチオ・カク『サイエンス・インポッシブル』、『パラレルワールド』(以上 NHK出版)、ピーター・アトキンス『ガリレオの指』、オリヴァー・サックス『タングステンおじさん』(以上早川書房)、アンドルー・ノール『生命 最初の30億年』、マット・リドレー『やわらかな遺伝子』、『ゲノムが語る23の物語』(共訳、以上紀伊国屋書店)、ジョン・グリビン『ビジュアル版 科学の世界』(東洋書林)ほか多数。

■目次
まえがき vii
第1章 地図にひそむ謎 1
イリノイ州シカゴ/遺伝子のビーズ/変曲点/
副産物をふるいにかける/なぜそうしたのか?

第2章 新しい文化が育つ 31
ノルウェー、スタヴェンゲル/空っぽの罠/
決壊したダム/山と谷/重複の重要性/社会のガン

第3章 体の病 79
ドリウッド/倹約遺伝子型と贅沢な暮らし/三つの波/
ゲノムと環境/炭水化物と虫歯/テネシーの話へ戻ろう

第4章 心の病 119
オーストラリア、マリア・グギング/言語障害/
火山とマクロ突然変異/現代の暮らしの通奏低音/未来へ向けて

第5章 遺伝子テクノロジー 161
ダービシャー/加速する傾向/干し草にひそむ針/
望むのも慎重に/ウィルスと、アリと、嫌悪

第6章 熱い議論 199
ツバル/京都議定書問題の最前線/キャップを手にして/
熱い議論/夏のない年/必要は発明の母/海へ戻る

第7章 新しいミトスへ向かって 241
タンザニア、エヤシ湖/囚人、メタ倫理学、強欲/原理主義/
フェイスブックと狩猟採集/多くを望まない

謝辞 279
訳者あとがき 281
参考文献 13
索引 1

■「まえがき」の最後の部分
過去五万年の人類史で最大の革命と言えるのは、インターネットの登場ではなく、啓蒙運動の種から芽生えた産業革命の進行でもなく、現代の長距離移動手段の発達でもない。世界の何か所かに住む少数の人が、自然の設定した制約を甘受してその場の食料を手に入れるのをやめ、自分たちの食料を育てはじめたときが、そうなのだ。この育てるという決断が、われわれ人類になにより広範な影響を及ぼし、これから本書で検討する現象を生み出した。こうした変化の結果として伸ばした能力がある一方、われわれはある程度謙虚さも身に付けなければならない。少数のテロリストが諸国民の精神に恒久的なダメージを与えたり、単純そうに見える決断が遠い未来の世代の遺伝体質に影響したり、われわれの行為の結果、過去六〇〇〇万年のどの時点よりも多くの種が絶滅の危機に瀕していたりする今日の世界では、じっくり考えて、大きな欲求が大きな結果を生むことを理解する必要があるのだ。


■書評

別館

◎■虫はごちそう■2016年04月15日 17:32

虫は高級品として扱われる「ごちそう」。ラオスで、カラハリで、虫を食べる人々の暮らしは温かい。


野中 健一 (著)
単行本: 183ページ
出版社: 小峰書店 (2009/11)

■商品の説明
出版社からのコメント
  イナゴ、コオロギ、イモムシ、スズメバチ......。たくさんの虫が世界で、そして日本で食べられている。
  肉よりも値段が高く、コクのある味が外国人観光客にも人気のコオロギ(ラオス)。蒸し焼きにすると、ほくほくした食感がおいしいイモムシ(アフリカ・カラハリ砂漠)。愛好家のおじさんたちが魚や肉や砂糖水を与え、いとおしんで育てる「はちの子」(日本)......。
  食べ物を口にすることは、自然を身体に取り込むこと。虫の生態や周囲の環境を知り、技を駆使してつかまえ、こだわって料理し、おいしさを分かち合う。自然と人とのつながり、そして人と人とのつながりの深さが、食べ物を「ごちそう」という豊かなものにする。
  20カ国以上をまわり、現地の人々と暮らしをともにしてきた野中健一・立教大学教授が、子どもたちに向けた初めての書き下ろし。「世界には、さまざまな虫を食べる人がいるんだ、という驚きや感動が、世界の人々の暮らしや価値観、環境へと関心を広げていく」。一匹の虫から、食べることの本質や、世界各地の人々がそれぞれ大切にしてきた文化へと、思いは広がります。
  イラストを描かれたのは、『一清&千沙姫シリーズ』『とりかえ風花伝』(いずれも白泉社)などで知られる少女漫画家・柳原望先生。楽しさと資料性に富んだ図解、なんと実物大の虫の線画、そしてパラパラ漫画まで、読んでも眺めてもお楽しみいただけます。
  この一冊をきっかけに、子どもたちの世界や他者に向けるまなざしがより開かれることを願ってやみません。(小峰書店編集部)

内容(「BOOK」データベースより)
イナゴ、コオロギ、イモムシ、スズメバチ…。たくさんの虫が世界で、そして日本で食べられている。虫を知り、採る技をみがき、こだわって料理し、おいしさにほほ笑む。さあ、虫と、それを食べる人々の暮らしをみにいこう。

著者について 著者 野中健一(のなか・けんいち) 1964年,愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科史学地理学専攻中退。博士(理学)。現在,立教大学文学部教授。専攻は地理学,生態人類学,民族生物学。
祖父がハチ採りの名人だったことや,大学時代に林業の仕事で山に入った際にはちの子を口にしたことが,昆虫食の研究につながった。これまでに20を超える国々を訪れ,昆虫食を通して,自然と人間との関わりについて考察を進めている。学術書に『民族昆虫学-昆虫食の自然誌』(東京大学出版会),『ヴィエンチャン平野の暮らし-天水田村の多様な環境利用』(編著,めこん),『環境地理学の視座-<自然と人間>関係学をめざして』(共著,昭和堂),『野生のナヴィゲーション-民族誌から空間認知の科学へ』(編著,古今書院)など。一般向けの本に,2008年に人文地理学会賞を受賞した『虫食む人々の暮らし』(NHKブックス),『昆虫食先進国ニッポン』(亜紀書房)がある。

イラスト 柳原 望(やなはら・のぞみ)
漫画家,イラストレーター。愛知県生まれ。少女漫画誌を中心に活躍する。代表作に『一清&千沙姫シリーズ』『とりかえ風花伝』(いずれも白泉社)など。家庭用ロボットを描いたSF『まるいち的風景』(同)は,『TIME』誌アジア版のロボット特集にも掲載された。いっぽう,野中氏のフィールドワークに同行,取材し,『虫食む人々の暮らし』や『昆虫食先進国ニッポン』のイラストを担当。自然と人間との複合的な関わりを楽しく,分かりやすく表現している。現在,若手の地理学者を主人公に,食と家族の絆を描くコメディ『高杉さん家のおべんとう』(メディアファクトリー)を執筆。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
野中/健一
1964年、愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科史学地理学専攻中退。博士(理学)。現在、立教大学文学部教授。専攻は地理学、生態人類学、民族生物学。祖父がハチ採りの名人だったことや、大学時代に林業の仕事で山に入った際にはちの子を口にしたことが、昆虫食の研究につながった。これまでに20を超える国々を訪れ、昆虫食を通して、自然と人間との関わりについて考察を進めている。『虫食む人々の暮らし』で2008年に人文地理学会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■もくじ
初めに 6
・虫のチョコレート!? 6
・虫も食べ物 8
・昆虫食を探ってみよう 11

第一章 お弁当にバッタ!?――イナゴと日本人―― 14
・イナゴ採りの思い出 14
・学校はイナゴ基地 15
・母のイナゴ採り 18
・イナゴを料理する 21
・はじめて食べてみると 26
・ほかのバッタはどうだろう 28

第二章 コオロギは町のごちそう
――ラオスの暮らしと自然への信頼― 30
・秋の市場 30
・イナゴ採りに励む 35
・ラオスの村に住む 38
・田んぼと暮らし 44
(雨の夏の日/実りの秋に)
・コオロギ採りの日々 56
(コオロギ少年/川の中の道/出作り小屋)
・冬はカメムシ 72
(男の子の活躍/フンコロガシ/お母さんはツムギアリ採り)
・チュオを作ってみよう 86
(ラオスの食事/虫のグルメ/虫チェオ)
・町の市場――虫は高級食―― 91
(虫の売り方いろいろ/市場で売ること) 93

第三章 砂漠に生きる ――イモムシのおやつ―― 100
・カラハリ砂漠と狩猟採集民 100
・イモムシが出てくる 107
(はじめてのイモムシ採り/子どものおやつ/サソリを作るのか?)
・シロアリが飛んだ 117
(夕立ちがくる/虹の後から)
・タマムシの季節 125
(おいしく料理する)
・アフリカのイモムシ食 130
(自然の中の想像力)

第四章 大人は はちの子 ――スズメバチに挑む―― 136
・スズメバチは危ない? 136
(獰猛なハンター/森では気をつけよう)
・スズメバチを採る 139
(掘り出す)
・はちの子を料理してみよう 144
(はちの子ご飯)
・クロスズメバチを育てる 149
(みんなで育てる文化/7キロの巣/2000本の五平餅)

第五章 「ごちそう」は「親しむ」ことから 166
・「おしいさ」の意味は? 169

あとがき 177

□コラム「野中先生の虫よりな話」
①ラオスのたこ焼きはアリのコで 85
②カブトムシの「絆」―タイ北部のカブトムシ相撲 97
③カラハリ砂漠の虫遊び 134
④幻のカミキリムシを求めて 158
⑤虫料理を作ってみよう 164
⑥学校で試食 173

○昆虫食に親しむためのガイド 183
イラスト・口絵 柳原 望み
装幀 こやまたかこ
企画編集協力 戸谷龍明

■「あとがき」より(中間部分)
  科学というと、新しいことを発見したり、公式を作ったりすることだと思う人もいるだろう。もちろん、それは大切だ。人の暮らしにも公式といえるものがあるかもしれない。 けれども、その公式からどれほど外れられるのか、公式にあてはまらないことも現実にあるんだって知ることは、まだまだ人間はできることがあるんじゃないかと気づくきっかけになるだろう。 ぼくの研究の立ち位置はそんなところになる。

■書評
別館

○■ヘンプ読本─麻でエコ生活のススメ■2016年03月27日 08:25

ヘンプ(大麻)のさまざまな使い方・使われ方を解説


著者:赤星 栄志
出版社: 築地書店
2006年8月1日発行
268ページ

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
ヘンプとは、麻の英語名でアサ科の一年生植物。大麻草のこと。世界各地で栽培され、3カ月で3メートル以上に成長し、農薬や化学肥料がほとんどいらないという特徴をもつ。スローライフやLOHASなどのキーワードとともに、これからの社会に不可欠なアイテムとして紹介されるヘンプ。衣料、食品、化粧品、紙、住宅建材、プラスチック、エネルギー…ヘンプのさまざまな使い方・使われ方を解説。

著者について
1974年、滋賀県生まれ。
日本大学農獣医学部卒業。
現在、Hemp Revo, Inc. 代表。
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク理事、
NPO法人ヘンプ製品普及協会理事。
学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、
農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て、
バイオマス(生物資源)の研究開発を行なうHemp Revo, Inc.を設立。
麻の実料理教室、麻の農業体験教室「麻畑サポート」などを行なっている。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
赤星/栄志
1974年、滋賀県生まれ。日本大学農獣医学部卒業。現在、Hemp Revo,Inc.代表。NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク理事、NPO法人ヘンプ製品普及協会理事。学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て、バイオマス(生物資源)の研究開発を行なうHemp Revo,Inc.を設立。麻の実料理教室、麻の農業体験教室「麻畑サポート」などを行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
はじめに 3
1 ヘンプの基礎知識
縄文時代から使われてきたヘンプ 13
  ヘンプの品種は大きく分けて3つ 15
  いろいろな麻とヘンプの違い 17
  法律上の位置づけ 21
  海外では栽培が次々に解禁 26
  なぜヘンプは規制されたのか? 27
  大麻の「麻」と麻薬の「麻」 29
  ヘンプが注目されている理由 31
  地球環境問題とヘンプ 35

2 ヘンプとはどんな植物か
  繊維用の品種の種類 39
  気候と土壌条件 41
  栽培方法 42
  レッテング(精練)と運搬 47
  加工方法 49
  収量と経済性 54
  【コラム】昔の麻畑の感覚 57

3 日本文化と麻
  正月は麻の鈴縄を振ってお参りする 58
  麻の神様を祀る大麻比古神社と忌部神社 59
  麻と『古事記』『日本書記』 60
  麻と『古語拾遺』 62
  木綿=大麻繊維=依り代はなぜ? 63
  化学繊維を使った神社では願いごとはかなわない!? 65
  麻の葉文様 66
  お盆と麻 68
  弓弦と麻 70
  凧の糸は、麻の糸 71
  横綱の化粧回し、結納品、書道、灯油油などにも麻 72
  【コラム】日本の文化財を支える麻 75
  【コラム】麻が使われている日本の文化財 76

4 ヘンプを着る
  麻を身に着けてきたご先祖さま 77
  日本の守るべき伝統技術「麻織物」 79
  コットンの服を着ているだけで環境破壊に貢献 82
  ヘンプはすべてオーガニック 83
  高温多湿な日本にはヘンプの服がいい 86
  ヘンプ繊維の特性 88
  ヘンプアクセサリーが手芸分野の一角に! 91
  ヘンプ・ブランド 92

5 麻の実を食べる
  古くて新しい麻の実 95
  日本人は飽食なのに栄養失調? 98
  麻の実タンパクで元気になる 101
  麻の実の食物繊維でお腹すっきり 102
  ヘンプオイルは必須脂肪酸バランスがよい 104
  ミネラルとビタミンをバランスよく含む 104
  麻の実料理と加工食品107
  毎日の簡単な麻の実料理レシピ 110
  【コラム】"ヘンプ・レストラン麻"の挑戦 112

6 ヘンプオイルで美しくなる!
  化粧用オイルと食用オイルを併用しよう! 113
  ヘンプオイルで血液サラサラ・肌をきれいに 114
  ヘンプオイルは低温圧搾法でしぼる 118
  ダイエットにはヘンプオイルが最適 118
  脳の機能の維持にも役立つ 120
  健康と美容のために1日スプーン1杯を! 121
  スキンケアには、ヘンプオイル 122
  ヘンプオイルでマッサージ 125
  ヘアケアにヘンプオイル 127

7 ヘンプでつくる癒しの空間
  麻の蚊帳 128
  麻の寝具 131
  麻と畳 132
  麻炭を部屋のインテリアに 134
  アロマテラピーとヘンプ 137
  ヒーリングとヘンプ 139
  ヘンプと動物 142
  【コラム】麻で育った野菜と有機卵 144

8 ヘンプハウスに住みたい
  ヘンプが住宅の建材に! 145
  茅葺屋根の材料 147
  漆喰壁には麻スサ 149
  塗料としてのヘンプオイルフィニッシュ 150
  ドイツで開発されたヘンプ断熱材 151
  ヘンプ内装材で呼吸する壁に 153
  ヘンプ布クロス(壁紙)とヘンプ和紙壁紙 154
  ヘンプ建材でリフォームを体験 155
  ヘンプクリートで家を建てる 161

9 ヘンプ紙で森を守る
  麻紙は、世界最古の紙 164
  野州麻紙工房で紙漉き体験 166
  非木材紙のヘンプ紙 168
  日本で市販されているヘンプ紙 171
  世界で使われているヘンプ紙 173
  無薬品パルプ化装置でつくるヘンプ紙 175
  ヘンプ紙は、やはり麻布ぼろでつくる? 177

10 ヘンプでプラスチックをつくる試み
  植物由来プラスチックとは? 179
  バイオマス・プラスチックの特徴 180
  バイオマス・プラスチックの可能性 181
  ヘンリー・フォードのヘンプカー 183
  ベンツに使われているヘンプ 184
  プラスチック材料に使う試み 186
  ヘンプからプラスチック樹脂をつくるには? 188
  ヘンプ・ナノテクノロジーで楽器をつくる 191

11 ヘンプエネルギーで車が走る
  ヘンプカー、北海道から沖縄まで走る 195
  ヘンプオイルをバイオディーゼル燃料にする 199
  ガソリン車にはエタノールを添加しよう! 202
  バイオマス・エネルギー社会が来るのか? 205
  【コラム】ヘンプ潤滑油で自転車を走らせる 209

12 ヘンプから医薬品をつくる
  脳内マリファナの発見 211
  脳内マリファナの役割は? 213
  毒性作用研究から創薬研究への転換か? 214
  カンナビノイドがさまざまな症状を緩和する 216
  イギリスGW製薬の挑戦 218
  これからの医療大麻 220
  【コラム】マリファナ効果のあるTHC量とは? 222

13 ヘンプの可能性に挑戦する
  ヘンプ商品開発の現場より 223
  黄金の繊維に魅せられて 226
  長野県の美麻の挑戦 229
  北海道から国産化プロジェクト 232
  【コラム】栽培免許をとるには? 235

14 ヘンプ生活24の方法
  無料でできること、すぐできること 237
  ヘンプのある暮らしをしてみる 239
  ヘンプを体験する 243
  ヘンプでセレブな気分になる 247
  企業、行政、大学にできること 249

おわりに 254
参考文献 260
ヘンプのメーカー、ショップ、団体リスト 258

■「はじめに」の終わりの部分
  本書では、ヘンプという植物をまったく知らない人のために、文化、衣料、食品、化粧品、癒し、住宅建材、紙、プラスチック、エネルギー、医薬品、法律という分野別にその特徴を解説し、使い方を紹介している。各章を読むことによって、万能植物ヘンプの多様性と可能性を知ることができる。興味のある章どこからでもお読みいただけるようになっている。
  さらに、地域活性化のテーマ、研究のテーマ、新しいビジネスを探している方にも役立つよう、現在わかっているデータはなるべく掲載した。
  本書の巻末には、さらにくわしく知りたい人のために、参考文献やヘンプ商品を販売しているメーカーやお店を多数紹介している。本書をきっかけに、多くの人が暮らしにヘンプをとり入れていただければ幸いだ。

■書評
本が好き!
関心空間
別館

◎■家畜になった日本人――ネパールに学ぶ健康な生活■2016年02月07日 09:28

早世した研究者が指摘する、ジョギングや砂糖の危険性、歩くことの素晴らしさ…


著者:今野 道勝 (こんの・みちかつ) 発行所: 山と渓谷社 1982年6月1日発行 217ページ
■商品の説明
内容
産業革命以降の経済発展の代償として「大切な何か」を失った日本人。欧米だけに目が向きがちななか、以前からの暮らしの残るネパールに目を向けることで、自己変革を余儀なくされるほどのショックをうけるとともに、工業先進国の今日的な健康問題を考える場合の新たな視点が定まった。
著者について
今野道勝(こんの・みちかつ)
昭和20年生まれ。東京都出身
昭和45年 東京教育大学大学院修士課程修了(健康教育学専攻)
昭和45年 九州大学教養部助手、同講師、助教授を経て、昭和57年まで九州大学健康科学センター助教授
昭和58年 病没
専門 生理人類学
著書として、『現代生活と体育』(学術図書)<共著>および『栄養と運動と健康――健康の生理人類学』(朝倉書店)がある。

■目次
[プロローグ]
なぜネパールなのか 9
I 歩けなくなった日本人
美しかった彼らの歩行姿勢 16
距離の単位「スタジオン」 23
山岳民族に見る優れた歩行能力 30
なぜ歩くことにこだわるのか 36
ヒトは長距離型の動物だった 42
足は靴のためにあるわけではない 48
カトマンズの散歩道で考えたこと 54
日本の子どもたちは大丈夫か 60
山村の人に多い善玉コレステロール 66
健康の町・久山町の街づくり 72

II 虚弱になった日本人
握力が強ければ体力もあるのか 80
ネパール人の酸素摂取能力 86
虚弱化はすでに若者たちから 93
知っておきたい「適度な運動」の意味 100
繁殖用の豚は運動をしていた 106
日本人の血圧はなぜ高いのか 112
まるで違っていた彼らの耐寒力 119
なぜか薬がよく効く人たち 125
低下している日本人の視力と聴力 130
「文化と子育ては反比例する」 135
鶏と卵と人間と 141

III 錯覚してきた日本人
生物学的な不潔と物理化学的な不潔 148
青い山脈があるということ 153
肉体のバランス機能を測定して 158
「見る祭り」に欠けているもの 164
日本人の大型化がもつもう一面 170
質素な食事と豊かな食事の差 176
問題が多い砂糖の多量消費 182
動物性食品をうまく利用しているか 188
虫歯がない人たちに出会って 195
自給自足の村・コテンの住人 200

[エピローグ]
ヒトの定点観測所 207

参考文献 213
あとがき 214

カバー・扉イラスト 下谷二助
口絵写真 山と渓谷社
本文写真 健康科学研究会・山と渓谷社
ブックデザイン 小泉 弘

■書評と内容の紹介
別館

◎●食生活と身体の退化―未開人の食事と近代食その影響の比較研究●2016年02月04日 17:34

1930年代、近代人における虫歯の広まりと身体の退化を食い止めようと、未開人社会を調査したW.A.プライス博士


W.A.プライス (著), 片山 恒夫 (翻訳)
-: 509ページ
出版社: 豊歯会刊行部 (1978/12)

■内容(「BOOK」データベースより)
現代文明と接触し食生活が「近代化」しはじめたとたん、先住民族の口腔や顎の構造がどんなに打撃を受け、劣化しはじめるか。―1930年代に世界各地で10数年にわたるフィールドワークをつみ重ね、その事実を明らかにして現代人の食生活に警鐘を鳴らしたウェストン・プライス博士の記念碑的「古典的名著」が、いま、読みやすい形で日本人に提供される。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
片山/恒夫
1910‐2006。大阪歯科医専卒(現・大阪歯科大学)、豊中保健所、大阪府歯科衛生士養成所長、大阪府衛生部、市立豊中病院歯科部長を経て片山歯科研究所を主宰した。元日本歯周病学会理事、元口腔衛生学評議員、医学博士、F.L.C.D.(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
翻訳出版によせて 木所正直 vii
序文 梅棹忠夫 viii
序にかえて 丸山博 ix
推薦のことば 橋本正巳 x
図一覧 xiii
序 [ウェストン・A・プライス] xxi
序文 [アーネスト・A・フートン] xxiii
ヘリティジ版[決定上製版]への序 [グランビル・F・ナイト] xxv
序論 1
1 なぜ未開種族から学ぶのか 5
2 衰退の一途を辿る近代文明 9
3 スイス:―孤立した住民と近代化した住民― 23
4 ゲール族:―孤立した住民と近代化した住民― 43
5 エスキモー:―孤立した住民と近代化した住民― 57
6 北米インディアン:―孤立した住民と近代化した住民― 72
7 メラネシア人:―孤立した住民と近代化した住民― 101
8 ポリネシア人:―孤立した住民と近代化した住民― 113
9 アフリカ諸種族:―孤立した住民と近代化した住民― 126
10 オーストラリア原住民:―孤立した住民と近代化した住民― 158
11 トレス海峡諸島:―孤立した住民と近代化した住民― 180
12 ニュージーランド・マオリ族:―孤立した住民と近代化した住民― 193
13 ペルーの古代文明人 206
14 ペルー・インディアン:―孤立した住民と近代化した住民― 230
15 近代食と未開食の特徴 246
16 未開人の虫歯予防法 271
17 身体的変形の原因 290
18 胎児の栄養的欠陥とその病種 314
19 肉体, 精神と道徳の退廃 340
20 土壌の消耗と動植物の退化 367
21 原住民の知恵の実際的応用 378
増補目次
増補への序文 [ウェストン・A・プライス] 409
増補によせて [Wm・A・アルブレヒト] 412
22 ビタミンに類似した新賦活剤 414
23 食物は土壌の肥沃さに支えられる [Wm・A・アルブレヒト] 437
24 動植物の生育とフッ素 447
25 母なる自然はいかにして我々を造り給うたか 452
26 近代における退化の諸段階 463
27 人類の復興をはかる食事計画 473
28 教育による社会改革 494
結び 我々のもつ対立する二つの大問題は解決されるだろうか 500
訳者あとがき 507


ウェストン・A. プライス (著), Weston A. Price (原著), 片山 恒夫 (翻訳), 恒志会 (翻訳)
単行本: 469ページ
出版社: 恒志会; 増補・改訂版 (2010/10)

○■笑顔で花を咲かせましょう 歌って踊るオバァたちが紡いだ「命の知恵」■2016年02月02日 09:33

旧暦で暮らし、布を織り、着物を作る、今の小浜島


KBG84(小浜島ばあちゃん合唱団) (著)
単行本: 205ページ
出版社: 幻冬舎 (2015/12/17)

■商品の説明
内容紹介
たくさん泣いたから、笑顔が輝く。沖縄の離島に住む、史上最高齢のアイドルユニットのオバァたちが明かす、長寿と健康と笑顔の秘訣。

80歳から97歳まで――史上最高齢のダンス&ヴォーカルユニットユニット・KBG84。「小浜島・ばあちゃん・合唱団・平均年齢84歳」の略。
沖縄の離島に住むオバァちゃんたちが明かす、長寿と健康と笑顔の秘訣とは?

○「つらかったこと」を自慢しても、幸せにはなれません。
○いっぱい笑うと、いっぱいお腹が空く。
○泣いていると、人が来ない。
○長生きは、人生のご褒美。
○信じるものには、効果がある!
○神様にいつでも感謝できるように、毎日を丁寧に暮らす。
○来年のために、今年の仕事をする。
○踊ることを覚えたら、楽しみが増えた。
○勝っても負けても、楽しい。
○昼寝はしないのが、元気の秘訣。
○何歳になっても、恋の話は、生きる力になる。
○「不便」と「自由」は隣り合わせ。
○自分に感謝し、自分を褒める。
○相手のいいところを見つければ、怒らずにすむ。
○隠しごとはしない。我慢はしない。
○年上を敬うのはあたりまえ。
○人を褒めると、自分も嬉しくなる。
○一日の始まりはお化粧から。

この島のオバァは、よく働き、よく笑い、よく食べ、よく感謝する。
そして、神様を大切にし、行事を大切にし、自然を大切にし、仲間を大切にする。

内容(「BOOK」データベースより)
80歳から97歳まで―史上最高齢のアイドルユニット・KBG84。沖縄の離島に住むオバァちゃんたちが明かす、長寿と健康と笑顔の秘訣。

著者について
「KBG84」は、「小浜島・ばあちゃん・合唱団・平均年齢84歳」の略。史上最高齢のダンス&ヴォーカルユニットだ。
もとは、二十数年以上も前に高齢者をケアするボランティア組織「うふだき会」のもとに島のオバァたちが集まって始まった合唱団だが、次第にその活動が注目され、2013年にサントリー地域文化賞受賞、2014年には厚生労働大臣から表彰を受けた。2015年には東京と大阪でのライブが大成功。名称を「KBG84」と改め、“天国に一番近いアイドル"としてテイチクレコードよりメジャーデビューも果たす。JapanTimes、AFP、BBC、CCTVなど海外のメディアでも紹介される。
KBG84の入団規則は、80歳以上。80歳未満のオバァは研究生となる。現在、団員は三十人、研究生が十人。

■目次(大項目のみ)
まえがき―人の心に花を咲かせるのは「笑顔」です 3
第一章 笑顔で花を咲かせましょう 目仲トミ(92歳)
第二章 願いをつないで生きる 山城ハル(97歳)
第三章 思う。動く。そうすれば叶う 花城キミ(90歳)
第四章 人を笑顔にするのが「知恵」 白保夏子(84歳)
第五章 私たちの生きる道―オバァたちの座談会
あとがきにかえて―つちだきくお 200
(注:第五章の参加者は、四章までの方々とは別のそれぞれ3名ずつ3回、合計9名です)

■「あとがきにかえて」から(終わり近くの一節)
この本で語られたオバァたちの半生からは、メディアで見せる華やかさとは違う、ひとりの女性としての姿が伝わってきて、僕も知らなかったことが多いです。笑って楽しく生きている彼女たちの背景には、現代の生活に慣れた人にはわかりえない多くの苦難があったことも知り、頭が下がります。
(中略)
もうひとつ最後に――。ばあちゃん合唱団は、花城キミさん(今は名誉会長)の「どうにかしたい」という想いが始まりでした。それを隣に住む白保夏子さんがたぐいまれなジンブン(アイデア)でサポートし、周りの女性たちも巻き込んで、できあがりました。そして今や、世界中にその笑顔が発信され、メジャーデビューまで辿り着き、大輪の花を咲かせました。これを八重山では「ピトゥールピキ ムールピキ(ひとり引き 群れを引き)」と言います。「ひとりを引くと、いつしか群れをも引く」という意味。 まずは「ひとりの一歩から」という意味の諺です。まさにそれが実現したものだと思います。

■書評
別館

○■たかが菜っぱの話から■2015年12月06日 13:55

昭和54年発行の現代食べもの文化考


白根節子 (著)
発行所: ダイヤモンド社
昭和54年11月8日発行
208ページ

■商品の内容
内容
現代食べ物文化考え
・たかが虫喰い菜っぱや曲がったキュウリの話し。だけど、まさしくたかがそれしきのことが、今の時代の狂った様相を映し出している。――
・練馬村はもう崩れてしまった。畑の中に立つ小さな天神さまに村人が集まり酒を酌みかわした祭りの日々も今はない――
・『森さんのおばさんはどうしてルームランナーを使っているのかしら。外へ出て走ればいいのに、あれだって"走る"ことのまがいものよ。"にせ走り"だわ』――。

著者について
白根節子(しらねせつこ)
1938年大阪府堺市に生れる。
住民活動を経て、1973年地域組織として"牛乳友の会"を結成。後に"所沢生活村"と改名。
現在"所沢生活村"代表。"有機農業研究会"幹事。"土を活かし、石油タンパクを拒否する会"運営員。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

はじめに
I 画一化
一章 村は変わった 4
・私が練馬に移り住んだ頃 4
・大家のおばあさん 7
二章 管理された食品 11
・理絵の発見 11
・近代栄養学は人間の飼料を作る 14
三章 出番待つ石油タンパク 17
・僕だって食いたくない 17
・飢える前に考えること 22
・文明ってなに 25
・「安全食品」ってなに 28
四章 トラックにロマンを乗せて 32
・友だちの農家に泊った朝 32
・ロングライフミルクのこと 35
・さまにならなかった近代化 38
五章 食べものの国際分業ってなに 45
・「百姓」がいなくなる 45
・自動車やテレビを売る代償 46
・輸入農産物のこと 49
六章 酔いしれた文明 54
・産声を上げたら化学合成品の中 54
・化学調味料とショウユのこと 60
・学校給食はこのままでいいか 65
・ルームランナーで"ニセ走り" 73
・ぜいたくな食べものについて 76
II 病める生きもの 一章 植物も病んでいる 82
・メロン製造工場 82
・何のための"育種" 86
・害虫も生物界の大事な仲間 91
・真っ青になったお米たち 95
二章 「庭を歩かせて!お願いだから」 101
・鶏たちは暗闇の中で 101
・鶏の足はアメリカの地に 111
三章 肉はたくさんいりますか 121
・スマートな大型豚はお弱いのです 121
・黒豚は風土の産物 124
・即席豚肉はおいしいか 128
四章 牛は草を食む動物です 133
・イミテーションミルク 133
・北海道の対話集会は失敗した 137
・石油合成飼料を飲んでいる 147
五章 陸に上がった塩と魚 154
・衛生的、あくまでも衛生的 154
・水を殺す人はだれ? 158
III 生活革命 一章 土に根ざして 164
・生活を変えた 164
・たかが、ナッパの話 167
・今、始まったばかり 179
二章 まず「食」の自立を 182
・"所沢生活村だより"を印刷する日 182
・土と心を耕す女 189
三章 食べ方は生き方 191
・生命ある農業 191
・ある自給自足集団 192
・能動的に食べる 194
・自然の環の中で生きる 198
あとがき 206

装丁 川畑 博昭
本文イラスト 東 秀朗

(「はじめに」は実際には書かれていません)

■書評
るびりん書林 別館

○■ホームレス農園: 命をつなぐ「農」を作る! 若き女性起業家の挑戦■2015年11月19日 17:42

神奈川県藤沢市で農に関係する3つの事業を運営する女性起業家

小島 希世子 (著)
単行本: 214ページ
出版社: 河出書房新社 (2014/10/24)
言語: 日本語

■商品の説明
内容紹介
働く場所を求める人々と農業を結びつけ、人と農の両方の再生を目指して走り続ける女性企業家の“きれいごとなし”の奮闘記!

内容(「BOOK」データベースより)
“ホームレスをファーマーに!”を合い言葉に、貧困問題の解決と農業の再生を目指す!体当たりで「食」と「職」の未来を変えるチャレンジの軌跡。

著者について
1978年熊本生まれ。慶應義塾大学卒。株式会社えと菜園代表取締役、NPO法人農スクール代表理事。生活保護受給者などの就農支援プログラムで「横浜ビジネスグランプリ2011ソーシャル部門最優秀賞」受賞。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
小島/希世子
『株式会社えと菜園』代表取締役。1978年熊本県生まれ。慶應義塾大学卒業。野菜の産地直送の会社に勤務した後、熊本県の無肥料・農薬不使用栽培・オーガニック栽培に取り組む農家の奥さんたちと農家直送のネットショップ(現オンラインショップ「えと菜園」)を立ち上げ、2009年に『株式会社えと菜園』として法人化。農家直送の通販を行うほか、2011年には消費者の方に農業を身近に感じてもらうための『体験農園コトモファーム』を開催。求職者と農業界を結びつけるプランで、「横浜ビジネスグランプリ2011ソーシャル部門」最優秀賞を、「内閣府地域社会雇用創造事業第1回社会起業プラン・コンテスト」でも最優秀賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
はじめに 2
第1章 藤沢市にはホームレスが輝く農園がある
私の仕事は農。呼吸するように畑に出て野菜を作る 16
目指す農のテーマは「食べる・作る・学ぶ」 18
畑にくることで自分を変えつつある元ホームレスの男性 24
「食」と「職」を叶える「農」 30

第2章 私が「農」を始めたワケ
どうしてうちだけ農家じゃないの? 44
飢えで死ぬ子どもたちの映像が私の決意を強くした 48
剣道と柔道といじめ撲滅運動 51
農学部の受験に失敗、農から離れていく…… 53
これからは農業と関係のないアルバイトはしない! 57
こだわって作るほど儲からない、農家の現実 62
資金0円で始めた農家直送のオンラインショップ 64
1件の注文がネットショップの流れを変えた! 68

第3章 農業界とホームレスをつなげる
初めてホームレスをアルバイトに雇う 74
「ホームレスからファーマーへ」大作戦 79
ホームレスはなぜホームレスになってしまうのか 84
脱ホームレスに必要なものとは? 88
「就農」がホームレスを変える可能性 93
元ネットカフェ難民だった吉田さん(仮名)の実話 95
農作業で気づきを得る人たち 102
ホームレスの「越冬」問題に直面する 103
「無謀な妄想」から「社会に役立ちそうなプラン」へ 104
ビジネスコンテストでの優勝が追い風に 110

第4章 生活保護のほうが"マシ"? 農業研修に新たな壁
生活保護受給者を初めて受け入れる 118
ホームレスと生活保護受給者、何が違う? 120
増え続ける生活保護受給者とその対策 123
自分自身を大切にしないことへの怒り 130
私はあなたのお母さんになれない 133
真面目すぎて生きることが難しくなってしまう二ートたち 136
自分の居場所を確保するための争い 139
大事なのは、言葉ではなく行動を見ること 142
人を選択しないという選択。幸せの図式を実現したい! 144
みんなで前進するためのルールとゴール 147
自分の長所に気づける「ワークノート」 153
グループワークを通して自分や他人の役割を知る 159
難しいことを考えるより、まず畑に出て作業する 162

第5章 就農第1号が誕生! そして見えてきた次の課題
元ホームレス初のファーマーが熊本へ旅立つ日 166
ケンちゃんの挫折から見えてきた問題点 169
生活困窮者への就農支援プログラム、新規参加から卒業まで 171
卒業者たちの進路。農との出会いで可能性が広がるか 172
ニートの星"かずくん(仮名)"に続け! 175
女性が活躍する舞台としての農業 180
作り手としてのこだわりに軸を置いてビジネスを考える 184
「ホームレス農園」の飛躍のために解決すべきふたつの課題 189

第6章 「ホームレス農園」は今、さらなるステージへ
就農支援プログラムから「NPO法人農スクール」へ 192
まずは私の中にある"コツ"をマニュアル化する 195
「自分のやりたいこと」と「しなくてはいけないこと」 199
就農先農家との連携が不可欠 201
『農スクール』の卒業生を『農スクール』の講師に 202
オンラインショップと体験農園と『農スクール』の自立と共存 204
私の役目はパズルのピースとピースを組み合わせること 206

おわりに 211

■書評
本が好き!

○■日本の長寿村・短命村―緑黄野菜・海藻・大豆の食習慣が決める■2015年11月01日 09:11

日本全国を歩き続けてまとめられた1972年初版の名著。新装版。


近藤正二(著)
荻原弘道(付帯報告と解説)
発行所: サンロード出版
1991年4月1日新版発行
179ページ

■商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
長寿者の多い村と少ない村との衛生学的比較調査研究の為に、日本全国くまなく、990カ町村以上を歩き続け、現地探訪の記録をもとに話されたものを編訳。生命の尊さと、食物の重大さをあらためて考え直す。

■目次
序 丸山博 14
本書の発刊を喜んで ゲイロード・ハウザー 16
新版にあたって 萩原弘道 18

日本の長寿村・短命村 近藤正二
1 平均寿命ではわからない 26
・誰もしていなかった長生きの研究 26
・必ずしも英雄的な長寿はいらない 29
・三十六年、九九〇カ町村を歩いて 30
・重労働で可哀想な村は短命か 31
・一升めしを伝統とする村は短命村 35
・畑をもたず魚ばかり食べる漁村 36
・大豆製品を毎日かかさないこと 40
・果物は野菜のかわりをしない 44
・少量でも毎日食べる習慣をつけよう 46

2 志摩の海女が長生きなわけ 48
・働き者の島の海女 49
・男を働かせない海女の神さま 50
・食べたいお菓子をなぜ食べぬ 53
・嫌いな人参を食べる理由 55

3 塩焼きを生業とした平家部落 57
・魚をとらない約束で住みつく 58
・落ちぶれても礼儀正しく 59
・野菜畑をもたない漁民部落 61

4 岡山県公文村の謎をとく 65
・女がつくってくれたものを、残せません 65
・婚礼の日から野良に出ようとした婿さん 68
・女に教養をつけさせた開拓武士団 69
・中学校より古かった高等女学校 71

5 男(女)を大切にする土地 73
・男が野菜を食べると笑われる 73
・娘の好ききらいにきびしい 75
・北海道のニシン御殿 76
・女を働かせない――野菜不足の村 78

6 米作りの部落をのぞいて長寿 80
・全体が九%という沖永良部島の和泊町 80

7 八重山の長寿村・竹富島 85
・八重山群島の食生活をみる 85
・大豆をすすめた前我名釜多 87
・野草「長生き草」を摘んで常食 90

8 米どころで長寿村の理由 93
・先生の説はひっくり返った 93
・配達証明つきの小包 97
・藍産地だった米どころの長命村 98
・南部海岸からくる海藻、干魚の行商 101
・長生きしない藍の豪商たち 101

9 労働する女たちから 104
・一寸二分の米を食べる輪島の海女 104
・手をとり合って泣いた江差沖の女 106
・豆腐だけで長生きする有芸村 110

10 大豆、にんじん、かぼちゃ 113
・海幸と交換する西山大豆 113
・鳴沢村で飲む六杯のみそ汁 114
・かぼちゃを食べない西米良村の例 116
・人参を食べる村食べない村 118

11 崖の上に畑を作る漁村 121
・山陰地方のある平家部落 121
・北海道・歌棄も同じ条件 124

12 これからの日本人は長生きか 126
・若死にするハワイの日系二世、三世 126

13 私の生い立ちと考え方 130
・虚弱児童だった少年時代の願い 130
・ゆっくり邦楽を楽しみながら 133
・私の健康十則とは 134
・船に強い理由をきかれて 136

14 結語 140

付帯調査と解説 萩原弘道
15 沖永良部島・屋子母と与論島 147
・近藤先生へのご報告 147
・屋子母部落中山清元氏の一家 148
・野菜がわりの野草のたぐい 151
・この長寿部落の泣きどころは高血圧 156
・塩分のとりすぎと漬けもの 158
・観光の島、与論島の姿 159
・糸満漁夫に売られた人たち 161

[解説]長寿村は幻想ではない 164
・乱暴だった松崎学説 164
・算定方式について 165
・知名町・屋子母の調査 168
・松崎方式は全国〇・九二 172
・やはり大宜味村は日本一の長寿郷 173
・カギはカルシウムにもある 177

■「新版にあたって」冒頭部分
  初版以来、この本は十数版を重ねたロングセラーでありました。 近藤先生はそれまで、研究の内容を一切印刷物にすることがなく、当時はブリジストンの石橋正二郎氏が先生の話を聞いて、数頁の小冊子をつくり人々に配布していた程度でした。
  私は近藤先生のライフワークを記録にとるため、講演会を主催したり、仙台の名誉教授室にかよって、一章ずつ口述してもらう作業をつづけるとともに、先生の地図上に記入された長寿者率を白地図に写し、その地方の長寿村、短命村の色分け地図をつくり上げました。
  こうして「日本の長寿村・短命村」はでき上がりましたが、先生独特の口ぐせもそのままにしましたので、先生を存じあげている方々は、先生が話されているとおりだと、たいへん喜んでいただきました。
  そして、先生のお人柄がにじみでていることもあって、ロングセラーをつづけたと思っています。

■一言
食事の影響の大きさを指摘したロングセラー。当時の暮らしぶりもよくわかる。

■書評
るびりん書林 別館

◎■親が知らないから、子供がアトピーになる■2015年08月22日 13:00

普通に生活していては知ることのできない情報が満載


康願 健一 (著)
単行本: 192ページ
出版社: セルバ出版 (2015/7/24)

■商品の説明
本書の内容
(カバーのそでに記された慶応義塾大学 先端生命科学研究所 特任准教授 杉本昌弘 博士(学術・歯学)による紹介文より)
アトピーの原因は腸内細菌といわれますが、日常生活で何をすればどのような効果が得られるかまで説いたような本は少ないです。 この本は、食事、育児、風邪薬、温泉など、日常生活で何をすればアトピーが抑えられるのか、幅広く、様々な科学的なエビデンスを基にわかりやすく紹介してくれています。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
康願/健一
富山県出身。パシフィック大学院東洋医学学校医学科(The pacific college of oriental medicine(San Diego校))にて学ぶ。現在、未病研究所主任研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
はじめに
序章 なぜ、アトピーという病気が発症したのか≪発症の原因≫
1 パリ・オリンピックのボート競技の金メダリストが起こした失態 10
2 1970年、日本でアトピー元年をつくり出す 14
3 小腸の穴がアトピーになるかのカギ 18
4 箸が喘息とアトピーを防いでくれる 21

第1章 大腸の菌が痒みのカギとなる≪原因編1≫
1 大腸の菌が皮膚のビタミンをつくる 24
2 アトピーと喘息は同じ原因の病気 33
3 風邪薬がきっかけで痒みが生まれる 38
4 植物油が悪玉菌の餌になる 43
5 亜鉛と砂糖が痒みのカギ 47
6 生の果物ジュースは危険 51
7 過剰タンパク質が悪玉菌の餌になる 53
8 ストレスは痒みの菌とヒスタミンの両方で悪化 56

第2章 大人のアトピーの原因は≪原因編2≫
1 植物油がこんなに悪いとは、なぜ誰も教えてくれなかったのか 66
2 外食でどうしてアトピーが悪化するの 74
3 チョコレートがまさかの原因 77
4 お風呂と温泉どっちが悪い 82
5 虫歯が原因でアトピーが起こるとは 88
6 ゴム手袋とアボガド、バナナでアレルギー 94
7 アトピーの人だけの痒み 98

第3章 アトピーに人が避けるべきもの≪禁忌1≫
1 卵、牛乳の何が悪いのか 104
2 使う鍋を間違えるとアトピー 113
3 玄米食でアトピーが悪化 116
4 よく噛んで食べると皮膚病もよくなる 119
5 健康食品で喘息が悪化 123
6 洗濯機とエビ、ダニの関係 125
7 「チーン」と温めたら痒くなる 131
8 目薬、点鼻薬で喘息が引き起こされる 134
9 白ワイン、フルーツケーキ、ジャムを食べるとひどくなる 136

第4章 冷えは、痒み、喘息の元凶≪禁忌2≫
1 夜更かしで体温が低下すると痒みが悪化 140
2 ペット飲料で痒みが悪化 144
3 コーヒーを飲んだら悪化 148
4 睡眠不足で悪化 149
5 小麦アレルギーはどこから 152

第5章 痒みを根本から薬草と断食で簡単にやっつける≪治癒編≫
1 お風呂で石鹸は使ってはならない 156
2 朝と夕にはハーブのお粥で改善 161
3 断食で身体をリセット 164
4 腸内細菌を替えれば意外と簡単に消えるかも 166
5 皮膚を外から変えると薬と油等 168

第6章 人生を諦める必要なし≪根本治療≫
1 多くの患者が言う寛解(かんかい)とは違う 174
2 皮膚が綺麗になって人生が変わった 176
3 ものの見方、とらえ方を皮膚以外の角度から 180
4 対処療法ではなく根本治療の自然治癒で 182
5 ハーブ、薬草は神がつくったもの 184

あとがき:アトピーで外出できず、恋も諦め、結婚できないでいる多くの女性へ 188
References(参考文献) 190

■はじめに
  全部で序章を含めて7章の構成になっています。序章では、アトピーのきっかけをつくった人物と日本での事情。 1章は、腸内のことを中心とした原因。 2章では、いつまでも治らない、また大人になってからの原因。 3章、4章では、避けるべきものについて述べています。 5章は、治癒方法の核心を公開しています。 6章は、実際に治った人の証言などを入れています。
  もし、あなたがアトピーで、直ぐに治したいと思うなら、そして面倒なことをやりたくないのであれば、前のすべての章を飛ばして5章から読んでください。
  それまでの章を読んで、「やっていけないこと」の多さにやる気が出なくなるかもしれません。 ですから、5章だけでも読んで、普通の人がいう「よくなった」状態になってください。
  しかし、もしあなたが未婚の女性で、将来結婚して子供が欲しいと考えているのなら、本書を最初からじっくり読んでください。 あなたの食べた物がそのまま子供の身体に影響を与えるからです。
  アトピーの子供にしないための決まりを本書から学んでください。 健康な子供に育ってほしいと、すべての親は願っています。 本書は、それを叶えるための必読書です。
  また、すでにアトピーになってしまった人にも、対処療法ではなく、根本治療の方法を、簡単に説明しています。
  今まで知られていなかった具体的なパターンを紹介し、アトピーにならないための基本原則を、本書が詳しく説明しています。 役に立たない栄養学の教科書と違い、今まで誰も書いたことのない、実践に役に立つ、栄養と皮膚についての知識を身につけてください。

  世の中から、多くのアトピー患者が消えることを願っています。 決して諦めないでください。 あなたには道があります。 ただ、本書に書いてあるとおりに実行していただくだけで、幸福への扉が開かれるのです。

2015年6月 康願 健一

■書評
るびりん書林 別館