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○■覚醒する心体―こころの自然/からだの自然■2016年10月29日 17:44

気功を実践する臨床心理士が語る「覚醒」を通じて「どうにもならない」自分を主体的に生きる意味を探る。


濱野 清志 (著)
単行本: 204ページ
出版社: 新曜社 (2008/11/4)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
ほどよく「気」がくばられた場でのダイアローグから“こころ/からだ”が目覚め…自然な循環がはじまる。臨床の知が発信する「個」の変容ダイナミズム。人と人の「界面(インターフェイス)」を活性化させる“生きた環境”の創造をめざして。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
濱野/清志
1956年、神戸市生まれ。京都大学法学部卒業、京都大学教育学部卒業。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了(臨床心理学)。京都大学教育学部助手、九州大学教養部助教授などを経て、京都文教大学臨床心理学部臨床心理学科教授、京都文教大学心理臨床センター所長。臨床心理士、京都大学博士(教育学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
まえがき 1
序章 身体の二重性 15
響き合ういのち 16
気の体験的理解 18
右手で考える 21
夢体験のもたらすリアリティ 28
右手のアイデンティティ 30
気のアイデンティティ 38

第一章 黒い身体の発見 43
身体の一回性 44
気についての考えかた 48
身体性のイメージとは 53
黒い身体を求めて 56

第二章 気功と身体 61
身体性イメージの形成 62
気功におけるイメージ 67
立つことを感じる 70
他者の意義 74

第三章 主観的身体 79
私の身体に生じる反応 80
めまいの感覚 82
身体の諸相 87
触れることについて 101
主観的身体の意義 104

第四章 聴く身体 111
身体で耳を傾ける 112
全人的に気を受けとる 114
場所をつくり整える 116
気感を養い共有する 119
イメージの現実性にふれる 123
人間関係を二重に見る 126
柱として中心に立つ 130

第五章 主体の生成 133
崖から落ちる 134
気に抱かれる 138
澄んだ鏡のような目で見る 142
仙と俗を生きる 150
王として大地に立つ 155
土とつながる 159

終章 個人と環境の再生 165
「生きた環境」の生成 166
場所への/からの「気くばり」 169
「気くばり」の構造 173
「聞く」ことがもつ力 179
生理的早産と「生きた環境」 185
個々の「生きた環境」を大切に 187
聞く力のために必要な「語る」力 190

初出一覧/引用・参考文献 193
あとがき 201

装丁 上野かおる

■「あとがき」の冒頭部分
  筆者は、心理臨床の諸問題を考える手がかりとして、"気"に注目して、いろいろな角度から考えつづけてきた。その始まりは、学生の頃の卒業論文からである。その頃は、性格表現として使われる「気」に関心をもって、その使われかたの分析をしようとしていた。心理療法はどうしても言葉を使わざるをえないわけで、そうすると、どんな海外の優れた論文を読んでも、それを日本語を使う筆者とクライエントとのあいだで生かすには、日本語のもつ特性から心をとらえなおす必要がある。そんな思いから、「気」という表現を通してみた人間のありようを理解しようとしたのだった。
  その頃は、気功などやってみようとはまったく思っていない自分がいた。「心理療法は心の問題だから、体を使うことは関係がない」と素朴にそう思っていたのだ。素朴に心身二元論を生きていたのだと思う。もちろんその頃から身体論のたぐいを読んでもいたし、市川浩の『精神としての身体』は結構、興味をもって読んでいた。また、高校生の頃から、義兄がしている合気道を教えてもらったりしていて、そういう点での「気」には関心をもっていた。にもかかわらず、心理臨床の実践とそれをめぐる思考のなかに、身体を通じて体験領域に上がってくる"気"はつながってはいなかったのだ。
  これはとても興味深いことだと思う。身体の問題は、それを考えることと、それを生きることではまったく異なる。身体を生き始めると、身体は心でもあり、心は身体でもあることが強く感じられるようになる。そうしていまでは「心理臨床を実践する者は、自分の身体との付き合いをもっと深めていくべきだ」と考えている。そういう点で、日本でオリジナルに生み出された「動作療法」という心理臨床活動が展開してきているのも、非常に重要なことだろうと思う。また、フォーカシングやプロセス指向心理学の展開も注目に値する。

■書評
気功を実践する臨床心理士が語る「覚醒」を通じて「どうにもならない」自分を主体的に生きる意味を探る。

○□この世に命を授かりもうして□2016年10月16日 20:33

千日回峰行を2度満行した87歳の酒井阿闍梨の言葉


天台宗大阿闍梨 酒井 雄哉 (著)
単行本: 180ページ
出版社: 幻冬舎 (2016/8/25)

■商品の説明
内容紹介
千日回峰行を二度満行、「奇跡の行者」が遺した最後のメッセージ。

「『苦』という字を全部『楽』に変えてしまえば、生きることが楽しくなる」
「自分の人生に自信を持ち、『縁』を大切に、自分が信じる『道』を歩きなさい」
「死」とは何か、「命」とは何なのか。記録が残る比叡山440年の歴史の中で、千日回峰行を二度満行したのは酒井雄哉大阿闍梨を含め3人しかいない。2013年9月23日に逝去した師が伝えたかった、「生きること」の本当の意味。大病を得てたどりついた大悟の境地に、人間の「生」「老」「病」「死」を語り尽くす。
なぜ我々は、自分や近親者の死を恐れ、悼むのでしょうか。それは命の本当の意味を理解していないから。連綿と続く生命38億年の歴史の中で、私たちが生きる時間はわずか数万日です。人生は、生まれてから死ぬまで論文を書く時間。悲しみや苦しみにふさぎこむことなく、仏さまから一人ひとりに課された宿題に一生懸命取り組むことが、「生きること」そのものなのです。
二度の千日回峰行満行後も国内外各地を歩き続けた師が語る、足の裏で地面を踏みしめて「歩く」ことの大切さ。通り過ぎてしまう大事な「縁」を引き寄せる実践力。一人残らず役割を持って授かった「命」の尊さ――。
なぜ生きるのか、どう生きればいいのか。「奇跡の行者」が自らの命と向き合って感得した人生の知恵。

著者について
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
酒井/雄哉
1926年大阪府生まれ。太平洋戦争時、予科練へ志願し、特攻隊基地・鹿屋にて終戦。戦後、職を転々とするがうまくいかず、比叡山へ上がり、40歳で得度。約7年かけて4万キロを歩く荒行「千日回峰行」を80年、87年の二度満行。その後も国内外各地への巡礼を行った。98年より比叡山飯室谷不動堂長寿院住職。2013年9月23日死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
一、ガンを知る、おのれの不始末を知る 16
米寿を迎えて思うこと
病気が命のありがたみを気づかせてくれた
ガンの兆し
病気を甘く見すぎていた
「なんでこんなになるまで放っておいたんですか!」
「生かされている」ことへの感謝を忘れてはいけないね

二、病と向き合う 30
焦らない、迷わない、あきらめない
こうと決めちゃったらいいんだよ
勝手に歩いて看護婦さんに怒られちゃった
再発
悪いこともいいことも、みんな自然の中にある

三、死は怖いものではない 46
ガンよ、死ぬときは一緒に死にましょう
命は「無始無終」
治る自信がないなら、無駄な抵抗はやめなさい
気持ちを切り替えてごらん
人生はなるようにしかならない
生き延びてるのには「生き残されてる」理由がある

四、結縁 66
自分でも気づかぬところに「因縁」がある
人は何歳からでも生まれ変われる
嫁さんのこと
お山への道
お不動さんの祠の夢
目を見開かせてくれたお師匠さんたち
めぐり合わせが「ご縁」なんだよ
縁を「結ぶ」かどうかはその人次第

五、歩くことが生きること 90
歩くことがわが原点
歩けば楽しみが見つかる
いつもの道も毎日違う
「峰」と「峯」
歩くことがヘタだと生きる資格がない
「行き道は いずこの里の 土まんじゅう」
地球を足の裏に感じて歩く
便利さばかり求めていると大事なことを見失う
呼吸のリズムで歩く
コツはそれぞれが自分でつかむもの
歩くとは現実を変える行動力だ

六、「苦」を「楽」にする知恵 118
苦しいことの中に「楽」を見出す
工夫して、失敗して、納得する
箱崎老師の教え
仏さまとの約束と思えば破れない
閻魔さまの審判と人生の卒業論文
極楽行きの条件
ひとりの時間、自分の視点を持つ

七、いま、この瞬間を大切に 136
一期一会は不意打ちで来る
あとから気づく普通の日常のありがたさ
「いま」の大切さ
大局的に見る

八、夢と現実の狭間で見たもの 146
手術後、病院での体験
ドームのような巨大トンネル、ここはどこ?
人とちょっと違う能力を暗示されていた
千日回峰行のときの不可思議な体験
阿弥陀さまの光に包まれて感得

九、愛別離苦 156
情を捨てちゃえ!
別れは必ず訪れる
大事なのは弔い行事をすることじゃない
特別なことしないで、毎日手を合わせればいい

十、この世に命を授かりもうして 168
命の長さよりもどう生きたかが大事
命は預かりもの
「この世に何しに来たの?」
「いま」をきれいに、誠実に生きる
自信が生きる力を支える
生きていることを楽しみなさい!

■扉の次のページに計算されている文章
  比叡山延暦寺(ひえいざんえんりゃくじ)に伝わる天台宗独特の荒行「千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)」。 地球一周に相当する約四万キロを七年かけて歩くこの難行を生涯に二回満行し、「現代の生き仏」と(たた)えられた仏行者、酒井雄哉(ゆうさい)大阿闍梨(だいあじゃり)が、二〇一三年九月二十三日に他界されました。
  九月二十七日に営まれた比叡山一山葬で喪主を務めた酒井大阿闍梨の弟子、藤波源信師は、出棺前の挨拶で、「お亡くなりになった日に、庭に出ると季節はずれの多数の白いチョウチョが飛んでいた。 飛ぶように山を歩いた酒井大阿闍梨の姿に思えた」と(しの)びました。
  本書は、九月上旬、比叡山延暦寺一山長寿院にて二度にわたって行われた酒井大阿闍梨の最後のインタビューをまとめたものです。 大病を患われて静養中にもかかわらず、酒井師は終始穏やかな口調で、にこやかにかつ淡々と「命」とは何か、「生きる」とは何かを語られました。 自らの余命と向き合っていた酒井師の言葉には、まごうことなき言霊(ことだま)が宿っていました。 その魂のメッセージを、今日一日を精いっぱい生きるための糧として、深く()みしめていただきたいと思います。
  謹んで酒井師のご冥福(めいふく)をお祈りいたします。合唱

◎■家庭でできる自然療法■2016年10月10日 22:00

「もっと早く知りたかった」という声の多い、自然療法のバイブル的ロングセラー


東城百合子 (著)
出版社: あなたと健康社 (1978/1/1)

■商品の説明
平成22年に第920版出版という驚異的な増版を重ねる本書は、著者が若い頃に擢患した結核を玄米菜食と、自然の手当て法によって克服した休験を元に編み出されました。

著者について
東城百合子
大正14年岩手県に生れる。
昭和17年、当時日本の栄養学の草分けだった佐伯矩博士に師事、栄養士となる。
昭和24年重症の肺結核となり、玄米自然食によって白らの病気を克服する。以来自然食を主とした健康運動に力をそそぎ終戦後の混乱のさめやらぬ沖縄にわたり、沖縄全島に健康改革の灯をともし、沖縄の健康運動に力をそそぐ。
世界的な大豆博士といわれ、当時国際栄養研究所所長、国連保健機構理事、W・H・ミラー博士に師事。いよいよ健康改革運動に情熱をもつ。
昭和39年沖縄より帰京、東京に居をすえて、出版活動、自然食料理教室、栄養教室、講演活動と自分を育てるために啓蒙運動に力をそそぐ。
昭和48年5月、月刊誌「あなたと健康」を出版し、以来出版活動を中心に運動を進め今日に至る。
(http://www.binchoutan.com/toujou.html?gclid=CLHz0dym0M8CFReUvQodqrgPsgより)

■目次(大項目)
はじめに 1
一、自然が教える栄養学 13
二、治療のための自然食と自然療法 27
(1)病人のための食養生の実際 28
(2)家庭でできる手当て法 70
(3)健康づくりと体操 134
三、家庭でできる自然療法 147
四、自然良能力のすばらしさと体験談 371
索引 430

■「はじめに」より
健康に生きたいのは、誰もの願いですが、願いのようでなく、心のように成るのも、自然の成行き。自然のいのちを大切に、身近な日々の食物、植物、薬草などをはじめ、海の幸、山の幸で早めに無理なく、生命力を高めることそこ大事な事と私は自分の体験を通して思うのです。健康に生きたいのは、誰もの願いですが、願いのようでなく、心のように成るのも、自然の成行き。自然のいのちを大切に、身近な日々の食物、植物、薬草などをはじめ、海の幸、山の幸で早めに無理なく、生命力を高めることそこ大事な事と私は自分の体験を通して思うのです。

■書評
「もっと早く知りたかった」という声の多い、自然療法のバイブル的ロングセラー

○■老いはこうしてつくられる こころとからだの加齢変化■2016年09月24日 14:58

「こうれいしゃ」と書くよりも「高齢者」と書く方がさっと理解でき、「ずきずき」や「がんがん」と表現することが難しいという不思議


正高 信男 (著)
新書: 191ページ
出版社: 中央公論新社 (2000/02)

商品の説明 内容(「BOOK」データベースより) またげると思ったバーが越えられない。痛みを表現する適当なことばが見つからない。このようなとき、人は老いを自覚する。しかし同じ年齢でも気力の充実した人もいれば、見るからに老いを感じさせる人もいる。このような個人差はなぜ出てくるのだろうか。本書は、からだの老化がいかにしてこころの老いを導くのかを独創的発想による実験で具体的に考察しながら、人々がからだの老化を受容し、こころの老いを防ぐ方法を展望する。

著者について
正高 信男(まさたか・のぶお)
1954年(昭和29年)、大阪に生まれる。
1978年、大阪大学人間科学部卒業。83年、
同大学院人間科学科博士課程修了。学術博士。
アメリカ国立衛生研究所(NIH)客員研究員、
ドイツ・マックスプランク精神医学研究所研究員、
京都大学霊長類研究所助手、
東京大学理学部人類学教室助手を経て、
現在、京都大学霊長類研究所助教授。
専攻、比較行動学。
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
はじめに 寝たきり老人の調査から 1
秘められた知能/こころの加齢変化の見直し/「老い」の意識はどうつくられるのか/こころの加齢変化の再認識をめざして

第一章 脚の衰えとアフォーダンスの知覚 8
からだの衰えは脚からはじまる/「バーをくぐるかまたぐか」の実験/マジックナンバー「一・〇七」/高齢者の特徴/脚の衰えに伴う二通りの変化/身体(ボディ)イメージと環境の知覚/環境の「生態学的値」/アフォーダンスの知覚と加齢変化/からだの衰えの知覚へのとり込み/主観的幸福感の質問紙調査から/「わたし」というからだの二面性/世界と自分の間の薄膜

第三章 痛みをどう表現するか 40
「年甲斐もない」振舞いの結末/痛みの表現語彙調査/高齢者の痛みの表現の特色/言語表現としての身体性/擬音語・擬態語表現と自発的ジェスチャーとしての発声運動/痛みの表現を支える身体運動の本質/加齢による痛み表現の変化/アフォーダンスの知覚としての痛みの言語表現/言語音に対するアフォーダンスの知覚/ひらがなはむずかしい/漢字黙読の効用

第三章 高齢者は感情に乏しいか? 71
情と知の区分/ビデオ視聴実験/筋電図による笑いの定量化/高齢者の表情は誤解されている/顔のゆがみと感情表出の加齢変化/表情に対するアフォーダンスの知覚/表情表出のアフォーダンスの知覚の生得性/アフォーダンスの知覚と、加齢による自らの表出のズレ/感情の信頼できる指標としての「体動」/表情に「とらわれない」ことのむずかしさ/翁童文化という解決策/自己モニターによる行動変化の可能性

第四章 年寄り扱いのはじまり 104
伝統社会における高齢者の地位/産業構造の変化と高齢者の地位の低下/虚構としての血縁/育児語の効用/育児語の高齢者への転用/育児語使用への反応/「老い」へのあきらめ/意識化されない「やりとり」/「保護するようなコミュニケーション」の流布/「老い」の自己受容の契機/環境によって決定される自己像/年寄り扱いすることで「年寄り」は生まれる

第五章 将来への悲観がはじまるとき 135
他者からのレッテルによって「老い」の意識が生まれる/将来への不安の増大/金銭の時間割引率の調査/時間割引率は加齢とともに変化する/将来への不確実性の程度は、今まで生きてきた年月に逆比例する/三者三様の言い分/時間知覚の加齢変化/主観的一秒の個人差の決定因子/タッピング実験/行為の速度が時間感覚を規定する/年齢への意識の位相変化/三つのライフコース/周囲からの年寄り扱いの影響/目標を持って生きることの重要性

第六章 高齢者心理は誤解されている 167
高齢者の潜在知覚/「検出」と「認知」過程の相互独立/意識への過度の思い入れ/老化すなわち幼児返りという誤解/いかにして自己実現を成就させるか/他者との関係で自己は規定される/高齢者に何を期待するのか

あとがき 185
参考文献 191

■「はじめに」の「こころの加齢変化の再認識をめざして」の冒頭部分
  この本は、こういう従来の「こころの衰えた老人」観を、とらえなおす目的で書かれています。むしろ周囲が、加齢変化に過度に否定的な意味づけをしてしまうことで、高齢者を必要以上に老けこませてしまう状況に追いこんでいくのだという過程を、時間を追って記載してあります。
  私たちはややもすると、からだの衰えとともにこころも衰えるのは不可避と、とらえがちですが、年を重ねるから老いるのではんかう、年寄りとして扱われることで、老けこんでしまうのだという側面を見すごすと、たいへんな誤りを犯すことになってしまいます。

■書評
「こうれいしゃ」と書くよりも「高齢者」と書く方がさっと理解でき、「ずきずき」や「がんがん」と表現することが難しいという不思議

○■医療人類学■2016年09月10日 11:52

生業や環境、しきたりなどが健康に及ぼす影響を扱う包括的な医療人類学


アン マッケロイ (著), パトリシア タウンゼント (著)
丸井 英二 (監訳)
杉田 聡 (訳), 近藤 正英 (訳), 春日 常 (訳)

■商品の説明 内容(「BOOK」データベースより)
グローバルな視野でしかも生物学的・社会文化的・政治経済的に書かれた、包括的な医療人類学の入門書。さまざまな文化的背景をもつ人々の生活を考えた国際保健医療が注目されている今日、今後の国際保健医療を探っていく…まさに必読の書。

著者について
Ann McElroy
ニューヨーク州立大学バッファロー校の准教授(人類学)

Patricia Townsend
パプアニューギニアの応用社会経済学研究所の上級研究員を経て、現在、ニューヨークのホートンカレッジの補助准教授(人類学)

丸井 英二(まるい えいじ)
1948年生まれ、千葉県出身
東京大学医学部保健学科卒業
保健学博士
現在、東京大学教授
専門分野は疫学、医学史、国際保健。

杉田 聡(すぎた さとる)
1960年生まれ、大分県出身
東京大学医学部保健学科卒業
保健学博士
現在、大分医科大学助教授
専門分野は、保健社会学、医療倫理

春日 常(かすが つね)
1962年生まれ、東京都出身
東京大学医学部保健学科卒業
保健婦、看護婦
現在(株)テス代表取締役社長
専門分野は健康管理、国際保健

近藤 正英(こんどう まさひで)
1966年生まれ、愛知県出身
東京大学医学部保健学科卒業
医師
現在、東京都立駒込病院外科
専門分野は、国際保健、疫学、保健社会学
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次(中項目まで)
本書について/まえがき/訳者まえがき
序文 3

1章 健康と病気の生態学 9
はじめに 9
医療生態学の実例としてのヤノマモ族研究 10
環境、文化、健康:医療人類学の視点から 14
生態系と健康のモデル 21
コラム:北極における適応 24 参考資料 36

2章 健康問題の学際的研究 39
はじめに 40
共同研究 41
生物環境のデータ 43
コラム:食人する会葬者 49
臨床のデータ 54
疫学のデータ 56
コラム:高血圧の疫学 58
社会・文化のデータ 62
コラム:精神遅滞の人々の日常生活 68
医療人類学:成熟しつつある領域 74
まとめ 75
参考資料 77

3章 適応の意味 79
はじめに 80
生物学的進化における適応 84
コラム:マラリアと農業 92
生理的・発達的適応 101
サモア人の適応と「健康」 106
文化的適応 107
適応不良と文化的パターン 112
直接的な医療コントロール 117
コラム:鎌状赤血球症に対する個人と文化の適応 120
情緒的・社会的なメカニズム 126
適応の限界 127
まとめ 129
参考資料 131

4章 出生・疾病・死亡構造の変化 133
はじめに 134
環境としての文化 135
人口均衡 138
コラム:パプアニューギニア社会での幼児の生存 143
狩猟採集民の野営地での生と死 151
農村での生と死 154
前産業都市での生と死 157
コラム:黒死病 158
産業社会における生と死 163
疾病構造の進化の研究法 171
まとめ 175
参考資料 177

5章 栄養の生態学と経済学 179
はじめに 180
人間の食生活と栄養学的な必要性 180
狩猟採集生活 183
コラム:クン・サン族(!Kungsan)の自給生態学 185
農耕生活 191
食習慣の人類学 200
口のなかに入るものすべてが食品ではない 203
コラム:アンデス高地におけるコカ噛みと健康状態 206
飢えた世界 210
アメリカにおける飢餓 213
栄養過多と他の豊かさの問題 215
まとめ 218
参考資料 219

6章 ライフサイクルと栄養 221
はじめに 222
出生前の栄養 222
乳児期の栄養 225
離乳期と小児期初期の栄養 229
小児期後期と思春期の栄養 235
成人期の栄養 237
コラム:サヘルの干ばつと飢饉 250
栄養不良の社会的コスト 255
まとめ 259
参考資料 260

7章 ストレスと病気 261
はじめに 262
ストレスの概念 263
ストレスのモデル 264
ストレス耐性の個体および文化による多様性 267
ストレスの生理学的理解 268
コラム:魔法による死 273
一般適応症候群 277
ストレスと癒し 282
社会文化的環境でのストレッサー 287
コラム:ストレス・ソーシャルサポート・妊娠 292
ストレスとメンタルヘルス 298
文化結合症候群 300
コラム:北極ヒステリー 305
まとめ 309
参考資料 311

8章 異文化接触による健康への影響 313
はじめに 314
イシの生涯 315
異文化接触というストレッサー 317
異文化接触のかたち 318
文化の変化とアルコール摂取 322
コラム:文化の変化とイヌイットの健康 326
異文化接触に関する研究のモデル 336
疫学的変化:カリフォルニアにおけるマラリア 338
人口学的変化:ニューギニアにおけるアスマット族 342
栄養と保健医療の変化 346
移住におけるストレス 351
コラム:東南アジアからの難民とアメリカの保健医療 356
参考資料 365

9章 近代化における保健医療コスト 367
はじめに 368
新しい道と古い病気 369
近代化の意味するもの 371
近代化と医療多元論 372
経済の開発と低開発 374
農業開発による健康影響の評価 377
コラム:灌漑と住血吸虫症 380
ヘルスケア発展のための戦略 387
開発途上地域での人類学者 395
先進国における少数民族の健康 400
コラム:アメリカ工業都市におけるアラブ人と黒人 406
まとめ 413
参考資料 415

付録:医療人類学プロジェクト 417
引用文献 419
さくいん 467

■「本書について」
  多大なる絶賛を受けた本書は、この10年ほどの間の医療人類学の研究の発展と、現代の健康問題に対する生物文化的なアプローチを反映するために改訂されたものである。生態学的な枠組みを維持しながらも、民族医学、文化精神医学、健康に対して批判的な人類学にも注意をはらっている。本書には、ソーシャルサポートや妊娠、マレーシアの母子栄養、難民の健康問題に関するコラムが加えられている。そのほか、ケーススタディは、クールー、鎌状赤血球症、住血吸虫症、高血圧症、北極ヒステリーに関する新しい研究に変更されている。参考文献の拡充、出典リストの改訂、最新の記録フィルムの概要紹介などによって、本書は教科書としてだけではなく、事典としても十分活用できるだろう。

■書評
生業や環境、しきたりなどが健康に及ぼす影響を扱う包括的な医療人類学

○■ドクダミ健康法―効用と治療■2016年08月12日 19:29

古くから薬草として珍重されてきたドクダミのさまざまな効用を解説。「ドクダミワイン」も紹介

■書評
本が好き!

松尾通 (監修)
成美堂出版 (1990/8)
158ページ

■商品の紹介
内容
古くから薬草として珍重されてきたドクダミのさまざまな効用を解説し、また、最近その効果が注目されている“ドクダミワイン”の体験談も多数紹介しました。また、煎じ薬、塗り薬としてばかりでなく、入浴剤としての効能、料理法なども紹介しています。

著者について
松尾通(まつお・とおる)
昭和13年生まれ。日本歯科大学、東京医科歯科大学専攻科卒業。日本歯科東洋医学学会専務理事。歯学博士。松尾歯科医院院長。

■目次(中項目まで)
1 ドクダミに秘められた薬効 ドクダミが効くこんな病気
1 皮膚疾患に威力を発揮 22
2 成人病に著しい効果 44
3 ガンコな便秘にも効果 48
4 諦めていた痔疾に特効 54
5 利尿を促進し体を洗濯 60
6 更年期障害を克服する 64
7 女性特有の症状に効果 68
8 むくみをとり腎機能を向上 78
9 体の中から老化を防止 82
10 怖い胃ガンの予防にも効果 86
11 目の疲れをスッキリとる 90
12 肉体疲労をとり若返り 92
13 髪を黒くしハゲを防ぐ 94
14 胎毒・おりものを正常に 98
15 前立せん肥大に効きめ 102
16 鼻のトラブルも解消 104
<体験談>24例

2 ドクダミのプロフィール ドクダミの薬理効果を知ろう
ドクダミはこんな薬草 110
代表的民間薬・ドクダミ 114
ドクダミを分析してみる 118
ドクダミの薬効を生かす 128

3 ドクダミを生活に取り入れる ドクダミを有効活用するために
ドクダミ茶 140
ドクダミ・ワイン 142
ドクダミ入浴 150
ドクダミ料理 152
粉末ドクダミ 158

カラーページ
・ドクダミの花
・ドクダミの青汁
・ビン詰めされるドクダミ・ワイン

■「まえがきにかえて」より中間部分
公式に認められているドクダミの効用
  このように強い生命力を持つドクダミは、昔から排膿・駆毒の民間薬として幅広く用いられてきました。
  しかし近年になり、その抗菌性や抗毒性、利尿性、皮膚表面の修復力などが、医学・薬学的に研究され多くの論文が発表されました。ドクダミは単なる民間薬という扱いを越えたものとされるようになったのです。
  現在では、厚生省認可のもと、日本薬局方に収載されて、「じゅうやく」の名で薬局で販売しています。
ちなみに、「じゅうやく」という呼び名の由来は、貝原益軒が宝永六年(一七〇九)頃に著した「大和本草」が参考となります。

○■睡眠文化を学ぶ人のために■2016年07月16日 09:47

食が文化であるように睡眠も文化である。


高田 公理 (著, 編集), 重田 眞義 (編集), 堀 忠雄 (編集)
単行本(ソフトカバー): 267ページ
出版社: 世界思想社 (2008/4/20)

■商品の説明
内容紹介
豊かで楽しい眠りの世界へ! 夢のコントロール技法、諸民族の夢理論、就眠儀礼、シエスタ文化、眠具、狸寝入り......。文系/理系の枠を超えたアプローチで、眠りの文化の全貌を明らかにし、新しい研究へと誘う。テーマ別文献リストつき。

出版社からのコメント
睡眠文化研究の集大成

内容(「BOOK」データベースより)
夢のコントロール技法、諸民族の夢理論、就眠儀礼、シエスタ文化、眠具、狸寝入り…文系/理系の枠を超えたアプローチで眠りの文化の全貌を明らかにし、新しい研究へと誘う。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
高田/公理
1944年、京都生まれ。佛教大学教授(社会学・文明学・観光学)。学術博士。京都大学理学部卒業後、酒場経営、武庫川女子大学教授などを経て現職

堀/忠雄
1944年、北海道生まれ。広島大学名誉教授(睡眠科学・睡眠心理学)。医学博士。早稲田大学院博士課程(心理学専攻)中退後、金沢大学医学部研究生、福井大学保健管理センター講師(カウンセラー)、広島大学教授などを経て現職。現在、財団法人福山通運渋谷長寿健康財団睡眠研究所所長

重田/眞義
1956年、京都生まれ。京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科准教授(アフリカ地域研究、人類学、民族植物学)。農学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
序章 睡眠文化とは何か 高田公理 i
第I部 夢と睡眠行動部 1章 フロイトの夢分析と脳科学 北浜邦夫 24
2章 夢の民族誌 豊田由貴夫 39
3章 眠り<プレイ>モデルと寝室地図 藤本憲一 58
4章 相互浸透する眠りと覚醒 掘忠雄 76

第II部 眠りの時空間
5章 眠りの時間と寝る空間―歴史的考察 高田公理・鍛冶 恵 94
6章 眠りを誘う音・光・香り 鳥居鎮夫 111
7章 眠具―眠りにまつわるモノの世界 松浦倫子 124

第III部 睡眠文化学の未来へ
8章 人類学からのアプローチ 豊田由貴夫 146
9章 社会学からのアプローチ 重田眞義 164
10章 心理学・行動科学からのアプローチ 掘 忠雄 179
11章 睡眠諸科学の基礎づけ―哲学的考察 藤本憲一 192
12章 睡眠文化を学ぶ人へ 重田眞義 212

終章 人はなぜ眠るのか 座談会(高田公理・掘 忠雄・重田眞義・鳥居鎮夫・豊田由貴夫・藤本憲一) 225

ひと眠りコラム
1 宇宙での眠り 水野 康 56
2 居眠りと狸寝入り ブリギッテ・シテーガ 90
3 『源氏物語』の眠りと光 小山恵美 122
4 枕の世界地図 鍛冶 恵 142
5 眠りの進化論 山際寿一 162
6 眠り姫になれなくて 鷲田清一 210

引用文献 246

睡眠文化を学ぶための文献リスト(テーマ別) 261

睡眠文化を学ぶためのキーワード解説 253

あとがき 243

■序章「睡眠文化とは何か」より
  睡眠、すなわち「眠る」という生理的な行為それ自体は、遺伝的に組み込まれた先天的な資質に由来する。それは人間だけでなく、広く動物一般に普遍的にあてはまる。しかし「人間の寝方や眠り方」は、地域や時代ごとに、さまざまなバリエーションを示す。こうした多様性は、それぞれの環境条件のもとで、歴史的に形成されてきた。それを人びとは後天的に見につける。それは「睡眠文化」と呼ぶほかないのだ。
  という意味で「眠り」は「食」に似ている。動物も人間も必ず何かを食べる。そうでないと生きていけない。「食べる」という行為は「眠る」という行為に似て、人間を含む動物一般に普遍的、かつ先天的な生理的行動である。
  しかし「食べる」ための食物を生産し、料理し、仲間と共食する動物は人間だけだ。しかも、食べ物、料理法、食事マナーなどは、地域や時代ごとにおびただしい多様性を示す。それは、さまざまな「人間の寝方や眠り方」お同様「文化」の一領域を形づくっている。そして、それを対象とする食文化研究は今日すでにおこなわれている。
  ならば、人間の睡眠や眠りを、地域や時代ごとに比較し、人間の睡眠について考える研究領域が開拓されてもいい。そこで、われわれ睡眠文化研究会は「睡眠文化研究」の第一歩を踏み出した。その成果のひとつに『眠りの文化論』(吉田編 二〇〇一)がある。

■書評
るびりん書林 別館

○●難病を99%治す技術●2016年07月08日 17:25

糖質制限食の危険性に対する誤解と偏見を一刀両断


西脇 俊二 (著)
単行本(ソフトカバー): 208ページ
出版社: 実務教育出版 (2016/6/29)

商品の説明
内容紹介
「医者に治らないと宣告された すべての人に、本書を手にとってもらいたい」(西脇俊二)

糖尿病、高血圧ならほぼ完治。
ア レ ル ギ ー 性 疾 患 、ア ト ピ ー 、リ ウ マ チ 、 潰瘍性大腸炎にも驚きの治療効果 !

糖質制限食の危険性に対する誤解と偏見を一刀両断。医者からも治らないと言われた難病を完治させる「絶糖+免疫置換療法」という新たな治療法を、本書で公開。治療方法、具体的な実例を交えながら徹底解説する。

著者について
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
西脇/俊二
ハタイクリニック院長、弘前大学医学部卒業。1991~1996国立国際医療センター精神科。1996~2007国立秩父学園医務課医長。1992~2007国立精神・神経センター精神保健研究所研究員。2007~大石記念病院(東京都足立区);2008~皆藤病院(栃木県宇都宮市)。金沢大学薬学部非常勤講師。2009~ハタイクリニック院長(東京都目黒区)。2010~European University Viadrina非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
はじめに 1
序章 なぜ糖質を完全にオフにすると難病でも治るのか 11
・糖は人間にとって「害悪」なもの 12
・絶糖をすることで受けられるさまざまな恩恵 15
・糖を知って、糖を抜く 19
・食べてほしくない食品、食べてもいい食品 22
・絶糖とビタミンC点滴でガンも治る 28
・糖を絶つための思考法 32

1章 免疫置換療法でアトピーが完治する 37
・「アトピー性皮膚炎は治らない」という常識が覆る 38
・体を守る免疫システムの役割 40
・アレルギー反応のしくみ 43
・アトピー性皮膚炎のさまざまな原因 46
・寄生虫にヒントを得た治療法 49
・難病指定されている自己免疫疾患とは? 52
・ごくごく簡単な免疫置換療法のやり方とそのパワー 54
・みるみる治っていった患者さんたち 58

2章 必ず治す生活習慣病
~絶糖で糖尿病、高血圧、痛風も完治 61
・糖尿病は絶糖だけですぐに完治 62
・高血圧も100%治る 78
・痛風も治る 93

3章 自己免疫疾患に絶大な効果をもたらす新治療 107
・リウマチ性疾患 108
・甲状腺疾患 120
・潰瘍性疾患 133

4章 うつ・パニック障害がウソのように消えた 145
・心の病気にも絶糖が効く 146
・自閉症児療育の専門家として経験が教えてくれたこと 150
・自閉症スペクトラム障害とは 152
・アスペルガー症候群と診断されたら 155
・アスペルガー症候群の人が苦手とすること 158
・アスペルガーやうつにも絶糖が効く 164
・アスペルガー症候群の人は社会的な成功をおさめられる 168

5章 難病を根治するスーパーメソッド
~絶糖は万病を遠ざける 171
・絶糖は万病を遠ざける 173
・スーパー治療薬・超高濃度ビタミンCはなぜ効くのか 178
・免疫置換療法で免疫力を劇的に高める 182
・適度な運動なくして病気は治らない 187
・消化力を鍛えれば病気にかかりにくくなる 192
・西洋医学の限界とアーユルヴェーダ・漢方という希望 197

おわりに 202

■書評
本が好き!

◎■図説 東洋医学<基礎編>■2016年07月07日 13:18

こじんまりとした便利な入門書として企画・構成され、長く売れている良書


山田光胤 (著), 代田文彦 (著)
はやし浩司 (企画・構成)

■商品の説明
内容
漢方の勉強をしたいが何か適当な本はないかと問われたとき、入門書といわれるこじんまりとした便利な本がなかなか見当たらないという状況があった。本書は、これに応えようとしたものである。東洋医学の起源から説き起こし、その発展の経緯をまず紹介し、基礎理論である陰陽五行、臓腑、営衛気血、経絡経穴を解説し、更に東洋的な診断から治療に至るメカニズムを余すところなく述べている。なかでも特徴となる点は、色刷による漫画的な図説によって、興味を感じつつ楽しく理解できるように工夫されていることである。面倒な理屈をぬきにして、漢方全体の見方、考え方を知ろうとされる方にお勧め。

著者について
山田光胤(本名照胤)
1924年東京に生まれる。1951年東京医科大学卒業。1958年電撃療法の生化学的研究で医学博士の学位をうける。漢方医学を大塚敬節先生に師事して研究。現在漢方診療専門医として、医療法人中将湯ビル診療所、及び北里研究所附属東洋医科研究所勤務。財団法人日本漢方医学研究所常務理事。社団法人日本東洋医学会会長。およな著書に、漢方処方―応用の実際―(南山堂)、漢方の科学(日刊工業新聞社)、漢方療法の本(大塚敬節共著・読売新聞社)、薬草小辞典(長塩容伸共著)などがある。

代田文彦
1939年長野県に生まれる。1965年信州大学医学部医学科卒業。1966年東京大学医学部物療内科入局(現医局員)。1969年財団法人日産厚生会玉川病院に出張。日本東洋医学会評議員。日本針灸治療学会理事。東京女子医科大学講師。

はやし浩司
1947年岐阜県に生まれる。金沢大学法学部法学科卒業。メルボルン大学法学部へ留学。現在静岡県浜松市在住。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次(中項目まで)

口絵
漢方のメカニズム 27
五運行大論の図 28
五行の相性と相剋 29
五臓の色体表 30
漢方の起源と発達 32
人体の部位名 34

この本を読まれるかたへ 3
緒言 9
漢方医学の歴史 9
漢方医学と西洋医学 19
陰陽五行説について 23
第1章 臓腑の整理と病理 35
人体の構成と相互関係 36
五臓 44
六腑 54
奇恒の腑 64
営・衛・気・血 67
精・神・津液 77
第2章 経絡と経穴 83
経絡 84
経穴 103
第3章 病因 141
外因 142
内因 148
不内外因 151
第4章 診法 155
四診 156
・望診 158
・聞診 178
・問診 182
・切診 194
第五章 八綱と証候分類法 205
八綱 206
・陰陽 207
・表裏 208
・寒熱 211
・虚実 213
証候分類法 219
・六経(三陰三陽) 219
・衛気営血と三焦の病証 224
第6章 予防と治療の法則 227
病気の予防 228
治療の法則 232
・八法 232
・正治と反治 235
・標本 236
・付・方剤の原則 238
・<出典> 242
●用語の解説 243
●索引 253

■「この本を読まれるかたへ」(代田文彦氏)より
  針灸や湯液の漢方医学を勉強するにあたって大切なことは、経穴の名前や処方の名前を覚えることではなく、漢方特有の基礎概念の理解・把握である。それは、漢方のものの考え方や、一つの現象を説明するにあたっての約束事が多く含まれているからである。
  基礎概念の理解が充分であれば、病人に対坐して動じないし、また常に全体視観をもって、治療の法則を見失うことなく、臨床にあたることができる。
(中略)
  ここに一人の勇敢な青年がいた。はやし浩司君である。
  彼はこつこつと漢方医学を勉強する過程で、その持ち前の絵の才能を駆使して、この難解な漢方基礎の内容を図で説明するという形で料理しにかかった。この作業は彼が漢方医学を趣味として勉強している恵まれた環境にあったからこそ踏み切れた快挙である。職業として漢方医学にたずさわる専門家ならおじけづいて最初から手をつけられないでいるからである。泥くさい臨床とのギャップを埋めるために山田光胤先生には当初の企画から詳細に御校閲たまわり、重要な部分をご執筆いただいた。
  不思議なもので絵になったものを見ると一目瞭然、百聞は一見に如かずの譬のとおり理解が早いものである。また今回絵にあらわしてみて漢方医学の概念がいかに漠然としたものであり、今までなんと自分の理解がありまいであったかを恥入った次第である。

■書評
るびりん書林 別館

○■催眠法の実際■2016年06月28日 13:46

精神的健康の回復やセルフコントロールに有効な催眠法の実際


斎藤稔正 (著)
単行本: 281ページ
出版社: 創元社; 新版 (2009/9/8)

■商品の説明
内容紹介
本書は、決してテレビ番組や通俗書に時折見られるような安易な「催眠術」の本ではない。そのような誤解や偏見を解きつつ、催眠を広い視野から研究したり、臨床的に応用したりするために書かれた学生や専門家向けの充実した入門書である。とくに標準的な手続きによる誘導法の実際を平易に具体的に述べたものとして大きな意義がある。「催眠」を科学的に学びたいすべての人に。

内容(「BOOK」データベースより)
「催眠」を科学的に扱った入門書の決定版。催眠法の歴史的経緯から実際の臨床までを網羅。科学的理論と具体例に裏打ちされた催眠法の基礎を学ぶためのロングセラー。読みやすく全面を組み替え、現代の催眠事情にも言及した待望の新版。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
斎藤/稔正
1940年生まれ。京都大学教育学部卒業。その後、スタンフォード大学大学院へ留学、京都大学大学院博士課程を修了。追手門学院大学講師、ミュンヘン大学客員教授、立命館大学教授、日本催眠医学心理学会理事長、イタリア自律療法学会名誉会員などを歴任。立命館大学名誉教授。教育学博士。専攻 人格心理学、異常心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
まえがき vi
第1章 催眠法を学ぶにあたって 001
1. 催眠への態度 002
2. 催眠の豊穣性と歴史的背景 005

第2章 催眠とは何か 17
1. 催眠状態の特徴 018
2. 類催眠現象と催眠との関係 046

第3章 催眠の深度と催眠感受性の分布 051
1. 催眠の深度 052
2. 催眠深度の測定法 056
3. 催眠感受性の分布 061

第4章 暗示と被暗示性、催眠感受性 067
1. 暗示の意義 068
2. 暗示の種類 071
3. 暗示とその反応 076
4. 催眠尺度で利用される暗示項目 079
5. 被暗示性 087
6. 個人差の規定要因 090

第5章 催眠誘導法 099
1. 他者催眠法と自己催眠法 100
2. 催眠誘導の準備 101
3. 催眠への準備段階 106
4. 催眠の誘導過程 113

第6章 催眠誘導法の要点 131
1. 催眠遊動に際しての心得 132
2. 催眠遊動過程での失敗 159

第7章 催眠の応用 171
1. 精神的健康 172
2. セルフコントロール 175
3. 性に関する諸問題 178
4. 教育における催眠の利用 182
5. スポーツ 200
6. 創造性の開発 205
7. 医学的利用 210
8. 歯科への利用 217

第8章 催眠誘導上の注意と倫理 221

第9章 催眠誘導尺度 239
1. 準備 240
2. ラポールの形成 241
3. 暗示テスト 246

第10章 補遺 271
参考文献

■書評
るびりん書林 別館