aroha.asablo.jp/内をGoogle.comで検索します

「Amazon.co.jpアソシエイト」
△●考える寄生体―戦略・進化・選択● ― 2016年05月21日 16:11
著者:マーリーン・ズック(Marlene Zuk)
翻訳:藤原 多伽夫(ふじわら・たかお)
出版社: 東洋書林
2009年8月28日発行
357ページ
■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
病気はどこにでも存在する。どんな生き物でも病気になるし、それから逃れられる生き物はいない。一方人間は病気をもたらすウイルスや細菌を撲滅しようと努めてきた。しかしちょっと待ってほしい。病気は重力と同じように、うまく共存できるようになる「力」だとしたらどうだろうか。本書では、進化生物学の視点から、ダーウィン医学の紹介に始まり、感染症と薬剤耐性、メスがオスを選ぶ条件、衝撃的な宿主の操作まで、機知に富んだ語り口で新たな寄生体像を議論する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ズック,マーリーン
カリフォルニア大学サンタバーバラ校で生物学を学ぶ。1986年、ミシガン大学でコオロギの行動と寄生者についての研究により博士号を取得(動物学)。求愛行動においてメスはオスの寄生体耐性を識別し選択するとした「ハミルトン=ズックのパラサイト仮説」(指導教官ウィリアム・ハミルトンとの共同研究)で知られる。現在、カリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)自然科学農学部教授。専門は行動生態学
藤原/多伽夫
1971年、三重県生まれ。1993年、静岡大学理学部卒業。実務翻訳会社勤務を経て現在翻訳家。自然科学、動物、環境、考古学など幅広い分野の翻訳と編集に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
01章 医者に進化論が必要な理由 26
腰痛は妥協の産物/熱は下げたほうがいい?/病気より悪いもの/石器時代ダイエットは有効か/遺伝病の意外な効用
02章 寄生虫は敵か味方か 54
アレルギー疾患の「衛生仮説」/T細胞の働き/寄生虫の効用を探る/根絶をあきらめたWHO/体内は豊かな熱帯雨林/清潔さと病気は紙一重
03章 感染症と進化 84
病原体は徐々に弱くなる?/大迷惑な「実験」/病気の重さはコントロールできる?/鳥インフルエンザは人間の脅威となるか/防御をすり抜ける病原体
04章 性をめぐる終わりなき戦い 106
なぜ「性」が必要なのか/進化のスピードと性の関係/健康暇なし/赤の女王仮説を検証する/性はただ、そこにある
05章 セックスでうつる病気 126
性感染症もいろいろ/動物の性の悩み/相手は多いほうがいい?/ナイトクラブと性感染症/性感染症の未来/微生物が与えてくれるかすかな希望
06章 男は病弱、女は長生き 154
オスであること自体が健康リスク/男女の差は何か/つらくて短いオスの一生/男が長生きする日は来るか
07章 メスに選ばれる条件 176
尾羽はきれいなだけじゃない/再び寄生虫の登場/メンドリの判断/人間に毛がない理由/美しければ健康なのか/男性ホルモンの真実/初心者(あるいは生態学者)のための免疫学入門/鳴き声と脾臓ととさかの関係/富めるものが勝つ/男性ホルモンとジャンクフードの共通点/昆虫のオスも同じ?/恋するってつらい
08章 心と美の関係 220
あざやかな色は健康の証し?/ハゲワシの「化粧」の秘密/男性ホルモンの呪縛は解けるか/美しさとはいったい何だろう/肌の歴史の過ち/健康は外見に表れる?/美しさだけがすべてじゃない
09章 健康を保つには 250
土を食べる理由/スパイスの抗菌作用/胃腸の気持ち/かぐわしき鳥の巣/グルーミングの功罪/みんなで病気を予防/自分の病気は自分で治す
10章 新興感染症の真実 286
過去の感染症/病気は忘れたころにやってくる/人にも動物にもうつる病気/生物多様性と病原体汚染/本当の新興感染症とは/心の病と感染症
11章 操られる宿主 320
遺伝子の「長い腕」/宿主を操る寄生虫/蚊やノミも被害者/ふつふつとわき上がる怒りの謎/操る者を操る/やっぱり操られていた/痛みと寄生者/交通事故とトキソプラズマの関係/寄生者の声に耳をすませよ
謝辞 350
訳者あとがき 352
索引 巻末001
参考文献 巻末018
■「はじめに」の中間部分より
仮に、肺を攻撃して人の命を奪うおそろしい細菌がいるとしよう。肺の壁の粘液がこの細菌にとって通り抜けにくいなど、細菌の侵入を妨げる肺をもつ人は、抵抗力がなくて死んでいく人よりも子どもを残す可能性が高く、この粘液の遺伝子を次世代に受け渡せる。一方で細菌には、こうした粘液の中で生き延びる変異型が登場し、やがてこの型の細菌が大勢を占めるようになる。そうなると今度は肺のほうも、かの対策をとって、たとえば細菌の成長を妨げる化学物質などを生産して、抵抗力を高めるだろう。やられたら、やりかえす。その繰り返しだ。私たちがどんな対策をとっても、細菌を完全に消すことはおそらくできない。だが、逆に言えば、細菌が人間のすべての防御を破ることもまた、できないはずだ。(19ページ)
■書評
別館
-○全脳革命-ヘミシンクで無限の可能性を広げ、人生や実生活に役立てよう○ ― 2016年05月14日 20:18
ロナルド ラッセル (著), 【監訳】坂本政道 (その他), 日向 やよい (翻訳)
単行本(ソフトカバー): 464ページ
出版社: ハート出版 (2011/3/23)
■商品の説明
内容紹介
データや実例が証明した究極の脳活技術
ヘミシンク有効活用法
「人生の目的が見つかった」
「学習障害を持つ子供の様子が安定した」
「不眠症が改善した」「外科手術の麻酔が 不要になった」
「学級崩壊から教室が立ち直った」……
ヘミシンクは精神世界だけのツールではありません。
さまざまな実生活の分野で応用され、成果を上げているのです。
ヘミシンクは多くの分野の専門家の興味をひきつけている。 こんにち、トレーナーやワークショップ開催者のいる国が20カ国ほどあり、ヘミシンクを用いたコースに参加する人々が、世界の50カ国からヴァージニアのモンロー研究所にやってくる。
さらに、特定の目的のために使用されるヘミシンクCDやテープは、 おびただしい数にのぼる。『全脳革命』は、あなたがこれまで可能だとは思いもしなかったような能力に満ちた、まったく新しい世界へとあなたをいざなう。
出版社からのコメント
へミシンクというアメリカ発のオーディオ・ガイダンス技術をご存じだろうか? 特殊な音をステレオヘッドフォンで聴くことで、左右の両脳が同期(シンクロ)した状態へと安全かつ効率的に導く技術である。右脳と左脳がバランスして活動する、いわば全脳状態が導かれる。集中して学習するのに適した状態へも導くことも可能で、これぞ、究極の脳活技術と言ってもよいかもしれない。
へミシンクはロバート・モンローにより1960年代から70年代に開発され、その後モンロー研究所によるさまざまな専門機関との40年以上にわたる共同研究により、その安全性、有効性が科学的、臨床的に証明されてきている。モンロー研究所が中心となって、医療機関や教育機関などとタイアップした実践的な研究が40年以上にわたってなされてきている。
本書はこういったへミシンクの実用面での応用に焦点を当てている。
医療、精神医学、教育、睡眠導入、介護現場などでの応用
具体的に言うと、医療での応用、精神医学と心理療法での応用、学習障害児や自閉症児に対する応用、介護施設での応用、睡眠障害における応用、教育における応用、ビジネスにおける応用などである。
本書では、こういった分野におけるへミシンクの驚くべき効果を数多くの実例を挙げて紹介している。紹介している人たちは、医療現場のドクターや精神科医、心理療法士、物理学者、教育者、カウンセラーなどであり、その報告は専門的な立場からの信頼性の高いものとなっている。厳密に科学的な手法を用いた、学術的にも意義の高い研究も含まれている。
本書で紹介される多くの実例の中から、ほんのいくつかを挙げよう。
(1)従来の手法ではなかなか効果が得られなかった何人もの学習困難児が、へミシンクにより集中できるようになった。
(2)手術中にへミシンクを聴いた患者は、手術中、対照群の4分の1の量の鎮痛薬しか必要としなかった。術後にも、鎮痛薬が少ししか必要なかった。
(3)どの学校からも追い出され、行き場のなかった若者たちが集まる教室で、授業中にヘミシンクを聴かせたところ、彼らの多くが授業を真面目に受けるようになった。
(4)癌を含む複数の合併症を持ってホスピスに入院した患者が、死への恐れを解消し安らかな気持ちで旅立っていくことができた。
(5)ヘミシンクを聴くことで集中力が上がり、そのおかげで仕事の能率が上がったり、適度にリラックスすることができて作業効率も上がった。
(6)痛みに伴う不眠や精神的な悩みに伴う不眠が解消され、夜ぐっすりと眠れるようになった。
(7)その他、多数の研究、報告あり。
実は、へミシンクというと、これまで、精神世界での深遠な体験やスピリチュアルな体験を手助けする方法という印象をもたれている方が多かったのではないだろうか。
本書の主眼はこういった精神世界の体験にはない。もっと日常的な、実用的な応用についてである。へミシンクには、そういうすばらしい面がある。
著者について
【編著者】ロナルド・ラッセル(Ronald Russell)
英国生まれ。英国空軍で軍務に就いたのち、オックスフォード大を卒業。その後教職に就き、いくつかの大学で試験官や講師を務める。
現在、グラスゴー大学で人間の意識に関する講座を担当。モンロー研究所の顧問委員会および専門委員会のメンバー。
著書や編著書は英国および米国で15冊ほど出版されている。1993年に本書の先行版である「Using the Whole Brain」を編集している。
【監訳者】坂本政道(さかもと まさみち)
モンロー研究所公認レジデンシャル・ファシリテーター
(株)アクアヴィジョン・アカデミー代表取締役
1954年生まれ。
1977年東京大学 理学部 物理学科卒。1981年カナダトロント大学電子工学科 修士課程終了。
1977年~87年、ソニー(株)にて半導体素子の開発に従事。
1987年~2000年、米国カリフォルニア州にある光通信用半導体素子メーカーSDL社にて半導体レーザーの開発に従事。
2000年5月、変性意識状態の研究に専心するために退社。
2005年2月、ヘミシンク普及のため(株)アクアヴィジョン・アカデミーを設立。
最新情報については著者のウェブサイト「体外離脱の世界」とアクアヴィジョン・アカデミーのウェブサイトに常時アップ。
【訳者】日向 やよい(ひむかい・やよい)
東北大学医学部薬学科卒業。主な訳書に「殺菌過剰!」(原書房)、「新型殺人感染症」(NHK出版)、
「ボディマインド・シンフォニー」(日本教文社)、「異常気象は家庭から始まる」(日本教文社)、
「類人猿を直立させた小さな骨」(東洋経済新報社)、などがある。
■目次
全能革命 もくじ
監訳者まえがき――本書の魅力とその役割 坂本 政道 4
刊行によせて ローリー・モンロー 12
ヘミシンクの道 ロバート・A・モンロー 14
はじめに ロナルド・ラッセル 18
フォーカス・レベル 25
第1章 ヘミシンクで自分の能力を啓く 35
勉強に、スポーツに、健康にもヘミシンク テレサ・ブラード 36
セミナーは人間成長の場 フェリシア・ポッター 45
ヘミシンクで友人の人生が変った ティモシー・K・アンブローズ(博士) 50
人生の転機に正しい選択を スザンヌ・ブルー 61
自身のトラウマを解消する ゲイル・M・ブランシェット 64
ヘミシンクとともに、自閉症に立ち向かう アン・カーペンター 70
刑務所におけるヘミシンクの実践 ロナルド・ラッセル 77
第2章 ヘミシンクと子供たち 81
子供たちの学習支援にメタミュージック スザンヌ・エヴァンズ・モリス(博士) 82
摂食障害のある子供とメタミュージック スザンヌ・エヴァンズ・モリス(博士) 93
ヘミシンクが自閉症児に学習の扉を開く ノラ・ローゼン、ベレニス・ルーケ 104
ヘミシンクを小児科診療に利用する試み ジャクリーヌ・マスト(理学・教育学修士) 116
第3章 教育現場におけるヘミシンクの活用 127
ADDに対するバイノ^ラル・ビートの効果 ロバート・O・ソーンソン 128
なぜメタミュージックが学習困難に効果的なのか バーバラ・ブラード(文学修士) 135
教育プログラムにおけるヘミシンク リセ・D・ドロング(博士)、レイモンド・O・ワルドゲッター(教育学博士) 147
荒れた教室をヘミシンクで立て直す ピーター・スピロ 153
第4章 ヘミシンクを医療に役立てる 169
医療にヘミシンクを用いて効果をあげる ブライアン・D・デイリー(医学博士) 170
入院生活でヘミシンクを有効利用 マーティー・ゲルケン 185
ヘミシンクでエネルギーヒーリングの効果を高める キャロル・セイピック 193
聴覚障害の患者がヘミシンクを使うためには ヘレン・N・ガットマン(博士) 201
第5章 ヘミシンクと精神医学 205
精神科診療にヘミシンクを導入する ジョナサン・H・ホルト(医学博士) 206
強化された直感的心理療法 ゲイリー・D・シェイキン(医学博士) 215
ヘミシンク=自己の癒し ゲイリー・D・シェイキン(医学博士) 228
ヘミシンクは内なるセラピスト ノラ・ローゼン 238
ヘミシンクでアルコール性鬱病を治療する ジョン・R・ミリガン(博士)、レイモンド・O・ワルドゲッター(教育学博士) 244
とある患者の体験より パトリシア・マーチン 250
第6章 ヘミシンクによる睡眠効果 255
痛みに伴う不眠を克服する スコット・M・テイラー(教育学博士) 256
不眠症とヘミシンク エドワード・B・オマリー(博士)、メアリー・B・オマリー(医学博士) 268
明晰夢 ブライアン・D・デイリー(医学博士) 277
第7章 介護施設におけるヘミシンクの活用 281
コミュニケーション・ギャップに橋を架ける デブラ・デービス(教育学修士) 282
長期入所者に対する補完治療法としてのヘミシンク リチャード・スタウト、ジュディー・マッキー 294
第8章 ビジネスに活かせるヘミシンク 303
ビジネス・セミナーでヘミシンクを使う リン・ロビンソン(博士) 304
ヘミシンクで仕事を効率化 ジェイムズ・エイケンヘッド(教育学博士) 311
第9章 世界に広がるヘミシンク 327
キプロスにおけるヘミシンク リンダ・ルブラン 328
ポーランドにおけるヘミシンク ポーウェル・ビック 339
スロヴェキアにおけるヘミシンク ペーター・シムコヴィチ 345
スコットランドにおけるヘミシンク ロナルド・ラッセル、ジル・ラッセル 356
メキシコにおけるヘミシンク ジーン・バステリス 362
第10章 ヘミシンクは動物にも効果があるのか 367
動物の苦痛をやわらげ安心感を与える スザンヌ・モリス他 368
第11章 ヘミシンクを科学的に検証する 383
バイノーラル・ビートの効果に関する研究 ジェイムズ・D・レーン(博士) 384
ヘミシンク中の脳と意識の働きを研究する F・ホームズ・アトウォーター 398
ヘミシンク中における脳波の状態を研究する ジョナサン・H・ホルト(医学博士) 409
"意識に関する"出版物におけるロバート・モンローの影響 スティーヴン・A・グラフ(博士) 416
第12章 ヘミシンクで広がる無限の可能性 425
影を取り戻すことによる癒し=リチャード・ヴェーリングの仕事 ロナルド・ラッセル 426
マジカル・ミックス キャロル・セイビック 431
シンクロニシティとソートボールの交差点 リン・B・ロビンソン(博士) 437
第13章 ヘミシンクを自発的に学ぼう 447
ヘミシンクCD(アルバム) 448
ヘミシンクCD(シングル) 453
モンロー研究所提供の滞在型プログラム 455
■第11章 「ヘミシンクを科学的に検証する」の扉より
『Using the Whole Brain』が1993年に出版されて以来、ヘミシンク・プロセスと、意識の状態に対するその影響に関する研究は着実に進んできた。F・H・「スキップ」アトウォーターが言うように、ヘミシンクが意識にどのように影響を及ぼすのかを正確に理解しようとするなら、「バイノーラル・ビート同調という限定的な概念」から一歩離れる必要がある。
ジェイムズ・レーン・スキップ・アトウォーター、ジョナサン・ホルトによる本章の3つの小論は、それぞれの分野の専門家によっていまどのようなタイプの研究が集中的に行われているのかを明らかにする。この音響技術が科学界により広く受け入れられるには、そしてその結果がさらに幅広く利用され、最高の効果を発揮するには、こうした研究が欠かせない。
それらと対象的ではあるが、やはり非常に関連性の高いのが、スティーヴィン・グラフの分析である。彼はロバート・モンローと研究所が意識にまつわる文献に与えた影響を分析している。彼の所見はきわめて明快であり、モンローの発見と著書の影響力の大きさを如実に示す証拠となっている。
■基礎データ
ページ数 | 464 |
目次数 | 67 |
目次の細かさ | 6.9 |
索引の数 | 0 |
参考文献一覧 | 29 |
印象 | 右脳と左脳で働きを分担することで成長に対応した新皮質は、再度統合されるのだろうか。しかし、危惧を感じることも事実である。 |
目次数はページ番号の付いた目次項目の数
目次の細かさは(ページ数/目次数)
目次の細かさが小さいほど、丁寧に目次が振られていることになります。
■関連書評
『脳の神話が崩れるとき』
『宇宙無限力の活用』
○■パンドラの種──農耕文明が開け放った災いの種■ ― 2016年05月01日 08:24
育てるという決断がもたらした影響の大きさ
著者:スペンサー・ウェルズ
翻訳:斉藤隆央
出版社: 化学同人
2012年1月31日発行
283ページ
■商品の説明
内容紹介
1万年前,それまで狩猟採集民だった人類は,農耕を始めた.この生活スタイルの変化は,繁栄する現代社会を形づくったと同時に,さまざまな負の側面をもたらした.肥満やうつ病などの肉体的・精神的な病,人口の過密や環境破壊,貧富の格差や民族間の争い.著者は,遺伝学と人類学の知識と経験を元に,われわれの来た道をたどり,パンドラの箱に残された希望を示す.人類史に興味のある人にはもちろん,現代生活の歪みを感じている人にも勧めたい.
出版社からのコメント
現代の狩猟採集民,タンザニア・ハザァベ族の「多くを望まない」という価値観は,震災を経験した日本人にとって,現代生活を省み,これからの生き方を考える参考になるはずです.
著者について
スペンサー・ウェルズ
ナショナル・ジオグラフィック協会の協会付き研究者で、コーネル大学においてフランク・H・T・ローズ'56クラス記念教授に選出されている。彼の率いるジェノグラフィック・プロジェクトは、世界中の人々から数十万に及ぶDNAサンプルを集めて分析し、われわれの祖先がどのように地球に住み着いていったのかを明らかにしようとしている。ウェルズはハーヴァード大学で博士号を取得し、スタンフォード大学とオックスフォード大学でポスドクの研究をおこなった。これまでに出した著書は、本書のほかに、『アダムの旅』(和泉裕子訳、英治出版)の2冊。ワシントンDCに、ドキュメンタリー映像製作者の妻と暮らしている。v
斉藤 隆央(さいとう たかお)
翻訳者。1967年生まれ。東京大学工学部工業化学科卒業。化学メーカー勤務を経て、現在は翻訳業に専念。訳書に、ニック・レーン『生命の跳躍』、『ミトコンドリアが進化を決めた』(以上みすず書房)、ミチオ・カク『サイエンス・インポッシブル』、『パラレルワールド』(以上 NHK出版)、ピーター・アトキンス『ガリレオの指』、オリヴァー・サックス『タングステンおじさん』(以上早川書房)、アンドルー・ノール『生命 最初の30億年』、マット・リドレー『やわらかな遺伝子』、『ゲノムが語る23の物語』(共訳、以上紀伊国屋書店)、ジョン・グリビン『ビジュアル版 科学の世界』(東洋書林)ほか多数。
■目次
まえがき vii
第1章 地図にひそむ謎 1
イリノイ州シカゴ/遺伝子のビーズ/変曲点/
副産物をふるいにかける/なぜそうしたのか?
第2章 新しい文化が育つ 31
ノルウェー、スタヴェンゲル/空っぽの罠/
決壊したダム/山と谷/重複の重要性/社会のガン
第3章 体の病 79
ドリウッド/倹約遺伝子型と贅沢な暮らし/三つの波/
ゲノムと環境/炭水化物と虫歯/テネシーの話へ戻ろう
第4章 心の病 119
オーストラリア、マリア・グギング/言語障害/
火山とマクロ突然変異/現代の暮らしの通奏低音/未来へ向けて
第5章 遺伝子テクノロジー 161
ダービシャー/加速する傾向/干し草にひそむ針/
望むのも慎重に/ウィルスと、アリと、嫌悪
第6章 熱い議論 199
ツバル/京都議定書問題の最前線/キャップを手にして/
熱い議論/夏のない年/必要は発明の母/海へ戻る
第7章 新しいミトスへ向かって 241
タンザニア、エヤシ湖/囚人、メタ倫理学、強欲/原理主義/
フェイスブックと狩猟採集/多くを望まない
謝辞 279
訳者あとがき 281
参考文献 13
索引 1
■「まえがき」の最後の部分
過去五万年の人類史で最大の革命と言えるのは、インターネットの登場ではなく、啓蒙運動の種から芽生えた産業革命の進行でもなく、現代の長距離移動手段の発達でもない。世界の何か所かに住む少数の人が、自然の設定した制約を甘受してその場の食料を手に入れるのをやめ、自分たちの食料を育てはじめたときが、そうなのだ。この育てるという決断が、われわれ人類になにより広範な影響を及ぼし、これから本書で検討する現象を生み出した。こうした変化の結果として伸ばした能力がある一方、われわれはある程度謙虚さも身に付けなければならない。少数のテロリストが諸国民の精神に恒久的なダメージを与えたり、単純そうに見える決断が遠い未来の世代の遺伝体質に影響したり、われわれの行為の結果、過去六〇〇〇万年のどの時点よりも多くの種が絶滅の危機に瀕していたりする今日の世界では、じっくり考えて、大きな欲求が大きな結果を生むことを理解する必要があるのだ。
■書評
○■火山と日本の神話■ ― 2016年03月25日 13:16
アレクサンドル・アレクセビッチ ワノフスキー (著), 鎌田 東二 (著), 野村 律夫 (著), & 2 その他
単行本(ソフトカバー): 269ページ
出版社: 桃山堂 (2016/2/10)
■商品の説明
内容紹介
日本の神話のいちばん深いところにあるのは、火山をめぐる記憶である──。戦後まもなく刊行された『火山と太陽 古事記神話の新解釈』は、古事記を火山神話として読み解いた論考として、一部で注目されたものの、長く忘れられていた。著者はロシアの革命家であり、日本への亡命者アレクサンドル・ワノフスキー。『火山と太陽』の復刻に加えて、専門家による解説、ワノフスキーの評伝などにより、亡命ロシア人の火山神話論を多角的に紹介し、日本列島の歴史と精神文化において、火山とはどのような存在であったのかを探る。
内容(「BOOK」データベースより)
ロシアの革命家で日本への亡命者ワノフスキーは、古事記の根幹に火山の記憶を発見した―。戦後まもなく出版された『火山と太陽』を復刻。同書を手がかりに日本列島の火山神話の謎に迫る。
著者について
ワノフスキー,アレクサンドル・アレクセビッチ
一八七四年、帝政時代のロシアに生まれる。ロシアの革命家で、ソ連共産党の前身・ロシア社会民主労働党の創設メンバー。日本亡命のあと、早稲田大学でロシア文学、ロシア語を講じる。一九六七年、東京都内の病院で死去。火山神話についての先駆的作品『火山と太陽──古事記神話の新解釈』は日本語のほか英語版も出版されている。
鎌田/東二
宗教哲学、日本思想史の研究者であり、神道の神主としても活動している。京都大学こころの未来研究センター教授。一九五一年、徳島県生まれ。『超訳 古事記』『ウズメとサルタヒコの神話学』『神道とは何か』などの著書で、火山と神話のつながりについて言及している。
野村/律夫
地質学者。島根大学教育学部教授。出雲神話と地質学をリンクさせる「くにびきジオパーク」のプロジェクト長。一九五二年、鳥取県生まれ。著書、訳書に『20世紀の異常海水準変動と沿岸生態系の動態解明のための層位・古生物学的手法の確立』『海洋堆積学の基礎』などがある。
保立/道久
歴史学者。東京大学史料編纂所教授、所長を経て、二〇一三年に退職。東京大学名誉教授。一九四八年、東京都生まれ。『物語の中世』『歴史のなかの大地動乱』『かぐや姫と王権神話』などの著書で、火山や地震の神話に考察している。
蒲池/明弘
編集者、ライター。桃山堂株式会社代表。一九六二年、福岡県生まれ。読売新聞東京本社に記者として勤務。編著書に『豊臣秀吉の系図学─近江、鉄、渡来人をめぐって』など。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ワノフスキー,アレクサンドル・アレクセビッチ 1874年、帝政時代のロシアに生まれる。ロシアの革命家で、ソ連共産党の前身・ロシア社会民主労働党の創設メンバー。日本亡命のあと、早稲田大学でロシア文学、ロシア語を講じる。1967年、東京都内の病院で死去
鎌田/東二
京都大学教授(こころの未来研究センター)。宗教哲学、日本思想史の研究者であり、神道の神主としても活動している。1951年、徳島県生まれ
野村/律夫
地質学者。島根大学教育学部教授。1952年、鳥取県生まれ
保立/道久
歴史学者。東京大学史料編纂所教授、所長を経て、2013年に退職。東京大学名誉教授。1948年、東京都生まれ
蒲池/明弘
編集者、ライター。桃山堂株式会社代表。1962年、福岡県生まれ。読売新聞東京本社に記者として勤務したあと、桃山堂を設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第一部 アレクサンドル・ワノフスキー『火山と太陽』ほか
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
火山と太陽――古事記神話の新解釈
◆火山の女神イザナミ
津田左右吉さの論考を検討する 16
諸外国の大地の女神との比較 21
日本列島を産んだ火山の女神 23
なぜ、イザナギ、イザナミは闘争したのか 26
◆スサノオの火山的性格
ヨミの国は火山の国か 30
スサノオを涙と火山の涙 33
火山と太陽 36
古事記と噴火現象を比較してみると 39
大地を鎮める祝詞 41
◆火山の神と天上の神
火山の神は善悪ふたつの顔をもつ 45
スクナビコナの化学反応 49
水の神話、火の神話 52
◆古事記神話の新解釈
創世神話と建国神話の類似構造 57
神武天皇を倒した「熊」は火山なのか 59
神話と国土の有機的統一 63
国譲り――大地を鎮めるタケミカヅチ 66
天孫降臨――サルタヒコを火山神話として読む 68
火山の叙事詩 71
◆火山列島の記憶
戦前期の異端史観――日本民族メソポタミア起源説 74
九州――火山神話の発祥地 77
運命の謎――古事記神話を研究した道程について
素晴らしい宇宙の祭典 82
火山島にて 91
幻影と大震災 115
古事記の迷宮 127
夢の自己分析 133
大きな運命を担う人――地下運動時代のレーニンを語る 136
浅間山の幻想 147
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第二部 『火山と太陽』を読む
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
火山と黙示録――鎌田東二 京都大学教授(宗教哲学、日本思想史)
日本列島の精神史 151
火山神話論の先駆者として 153
辺境と神秘主義 158
火山の神から太陽の神へ 162
地球の時間、人間の時間――野村律夫 島根大学教授(地質学)
地質学と叙事詩 165
火山がつくった出雲の大地 167
歴史の彼方の時間を見る 171
歴史学からみる火山神話――保立道久 東京大学名誉教授(歴史学)
すべてを火山から考える 174
天孫降臨についての独自の主張 176
ワノフスキー古事記論の限界と問題点 178
歴史学にとっていま必要なこと 181
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第三部 評伝ワノフスキー「火山と革命」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ロシアにて
歴史の舞台の登場人物として 184
ロシア革命の幼年期 186
風景のなかの聖なる気配 189
革命家ワノフスキー 190
レーニンへの批判と畏敬――欺瞞に満ちた現代のモーゼ 193
大正時代から戦前の日々
早稲田大学ロシア文学科 195
火山の神々――三原山、浅間山、富士山への旅 199
伊豆大島――プレートがつくった火山群島 201
夢と同じ物質から我々は作られている 202
関東大震災のあと、火山神話が語られはじめた 204
寺田寅彦の火山神話論 207
関東大震災を予言? 208
グレゴリーエフとの共同研究 210
浅間山のふもとにて――戦時下における強制移住 212
晩年の輝き
八十一歳のデビュー作 214
黙殺と賞賛 217
畏るべき九十三歳 220
挫折した革命家――北一輝とワノフスキー 223
大地の裂け目から出現する菩薩たち 225
世界の終わりと火山――「ヨハネ黙示録」 227
亡命ロシア人社会、最後の証言者 229
断絶の四半世紀 232
大いなる未知に囲まれて 233
火山神の巡礼者 237
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第四部 火山と神話の現場からの報告
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
日向神話と火山
九州南部で史上最大の噴火が起きた 240
「火山の冬」とアマテラス神話 243
天孫降臨――火山を鎮める王 245
高千穂峰は縄文時代に出現した 247
出雲神話と火山
出雲でも起きた超巨大噴火 250
国引き神話の舞台裏――実は火山が多い島根県 253
地震を鎮める鹿島の神 256
なぜ、日向と出雲が神話の舞台とされたのか 258
出雲から熊野火山へ 261
■書評
本が好き!
○■脳の神話が崩れる時■ ― 2016年02月21日 16:42
著者:マリオ・ボーリガード
翻訳:黒澤 修司
出版社: KADOKAWA/角川書店
2014年1月30日発行
256ページ
■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
科学が導く「心」の正体!自己治癒、催眠、超常現象、臨死体験、多くの実験で明らかになった精神が肉体を凌駕する証拠!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ボーリガード,マリオ
モントリオール大学の心理学科、放射線科、神経科学研究センターにて准研究教授を務める。『The Spiritual Brain』の共著をはじめ、神経科学、心理学、精神医学について、多くの文献を発表している。神経科学と意識についての研究が認められ、2000年にはWorld Media Netが選出する「21世紀のパイオニア100人」のひとりとして選出されている
黒澤/修司
1980年、埼玉県生まれ。ライター、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
はじめに 人は肉でできたコンピューターなのか? 7
──唯物論と心脳問題
第一章 思い込みが生死を分ける 25
──プラシーボ効果とノーシーボ効果
第二章 脳を心で操作する 53
──ニューロフィードバーック
第三章 心を変えること、それは脳を変えること 79
──神経可塑性
第四章 感情が病気を治す 105
──心と体の深い繋がり
第五章 心の奥にひそむ力 127
──催眠
第六章 時空を超える思い 153
──超常現象
第七章 肉体の境界を越えて 179
──心と脳、そして臨死体験
第八章 大いなる自己との出会い 207
──神秘体験
おわりに 新たなる意識 231
NOTES 250
訳者あとがき 251
■「はじめに」のラリー・ドッシー博士による言葉より
「熟練の科学者たちが子どもたちに決して教えようとしない、ささやかな秘密がある──それは、『科学の世界に足を踏み入れるのならば、自分の精神は棚に上げなければならない』ということだ。これは、いくら人々が精神の存在を感じていようと、現在の科学では存在していないことになっているからだ。意識、意思、感情、そして理論という言葉でさえ、科学においては、脳という言葉に置き換えられてしまうのだ。」
■書評
ニューロフィードバックがアルコール依存症の治療と再発の防止やてんかんの治療に役立ち、長年瞑想を続けた修行僧の脳には変化が生じ、催眠は痛みを消し、臨死体験者や宇宙飛行士は価値観を変える
?●石油と原子力に未来はあるか―資源物理の考えかた (1978年)● ― 2015年09月10日 10:09
槌田 敦 (著)
-: 231ページ
出版社: 亜紀書房 (1978/02)
■商品の説明
内容
現代の科学技術は石油の科学技術であり、資源の劣化と廃物の蓄積によって近く破綻することは確実である。原発核融合も結局は石油文明であって枯渇する石油の代替エネルギーたりえない。気鋭の物理学者が「生存の条件」の準備が緊急に必要であることを明快に解明する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
槌田/敦
1933年東京生まれ。東京都立大学理学部化学科卒業。東京大学大学院物理課程D2修了後、同大助手を経て理化学研究所研究員。定年退職後、94年から名城大学経済学部教授。06年定年退職。05年4月から09年3月まで高千穂大学非常勤講師(本データはこの新版が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
まえがき
第I部 脱石油文明の方向 1
核融合は未来の火ではない 3
脱石油文明の方向 21
「現代の博物誌・月火水木金土日」を読んで 59
第II部 核と人類は共存できない 69
原子力平和利用は故意の犯罪 71
核融合の夢と現実 91
原子力は石油の代替か
アンチプロジェクト 129
―原子力開発における歯止めについて
第III部 資源物理の考えかた 137
資源とは何か 139
1)物理価値
2)エントロピー
3)実用価値
4)低エントロピー資源
5)技術
6)消費の限界
定常開放系の世界 207
あとがき 227
■「まえがき」の終わりの部分
このように代替エネルギー開発はどれをとっても、詭弁や、欺瞞や嘘に満ちあふれている。 そのようなことになる理由は、エネルギー問題の根源が消費の構造にあり、代替エネルギーの開発では解決しないのに、無理にこじつけようとするからである。 また、仮に開発に成功したところで焼け石に水ということもある。 そのうえ、資源の多消費は廃物廃熱の捨て場所を失っている。 1960年代以後(とくに1977年)の異常気象と、資源多消費による廃物廃熱との相関は誰も否定できないだろう。
従って、資源から廃物廃熱への消費の構造を基本から考えなおすことが、今問われている。 これがこの本の主題であって、人間社会にとって資源とは何かをじっくり考えてみたい。
さて、順序が逆になったが、この本は最近2カ年間、いろいろな雑誌に書いたり、講演したりしたものの中から集めたものである。 重複する部分が多く、とても気になるが、これを整理すると、それぞれの論文の意図を損うので、削除・加筆は最小限にとどめた。 読み苦しい点を許していただければ幸いである。
1978年1月
○■新・人体の矛盾■ ― 2015年08月29日 09:29
井尻 正二 (著), 小寺 春人 (著)
単行本: 237ページ
出版社: 築地書館 (1994/02)
■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
本書では、人体のいくつかの器官をとりあげ、その起源の古いものから新しいものの順に、それぞれの器官がたどった進化の歴史をふりかえって見てゆくことにする。
内容(「MARC」データベースより)
一見、調和と統一を保っているように見える人体も、生命の起源以来35億年の歴史をもつ古い器官から現在もなお造られつつある器官まで、新旧様々の寄せ集め。そのいくつかを取り上げ、進化の跡を見る。
著者略歴
井尻 正二(いじり しょうじ)
一九一三年北海道小樽市生まれ
一九三六年東京大学理学部地質学科卒業、理学博士
著書は『井尻正二選集』全一〇巻(大月書店)、『漫画でよむ生物の進化』全四巻(新日本出版社)など一四〇余冊
小寺 春人(こでら はると)
一九四八年京都府生まれ
一九七二年日本大学農獣医学部農学科卒業、鶴見大学歯学部解剖学教室講師
比較解剖学専攻、歯学博士
著書に、『「種の起原」をどう読むか』共著(築地書館)、『硬組織の起原と進化』共訳(共立出版)など
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■帯(表紙側)の言葉
・系統発生(三十数億年まえ、一個の細胞の"いのち"が、ヒトにまで進化した道すじ)と、個体発生(一個の受精卵が海に似た羊水に浸りながらヒトとして生まれてくる道すじ)との関係が、これほどまでわかりやすく面白く書かれた科学書を私ははじめて読み、誰にでも知らせたい想いでいっぱいである。
・地球環境の破壊がすすみ、人類の滅亡さえ心配される今日、この書により、あの"パンドラのはこ"のごとく、この人体の矛盾こそわれわれ人間に希望をあたえてくれることを、この書で教えられた。
さくら・さくらんぼ保育研究所所長 斎藤公子
■帯(裏表紙側)の言葉
・天地創成の過程から多様性が、生物を、そしてヒトとその社会とを生むに至った。 だから人は、ヒトの身体によって地球進化の歴史を学ぶことができる。 そして著者らは、社会が創った大脳超新皮質に地球環境の管理を託し、人工子宮の中で発生する子孫を想い、宇宙旅行をする人類を夢みるのだ。
元東北大学教授|現神経病理研究所長 小暮久也
■表紙より
ヒトの病気といった現象の背景には、 人体の古い構造物と新しい構造物のあいだの不調和や矛盾にこそ真の原因がもとめられることがある。 人体の一つひとつの器官の形や働きは、機能的な合理性だけからなりたっているわけではない。 それは一つひとつの器官の起原と、人体がたどった多岐にわたる歴史の産物にほかならない。
■もくじ
1 血液と太古の海 10
コンピューターの進化 10/家庭と人体 11/血液と人体 15
・人体こぼれ話 人体解剖事はじめ 20
2 背骨を訪ねて 22
背骨をさぐる 22/脊椎動物の起原 26/背骨の新時代 29
3 歯の由来 34
ヒトの歯 34/顎骨と歯のはざま 41/鮫肌と歯 45
・人体こぼれ話 表情筋の下には爬虫類の顔が! 50
4 腎臓の進化 54
腎臓の構造とはたらき 54/ヒトの腎臓の発生 57/腎臓と尿の進化 62/腎臓の反復説 68
5 肺の起原 72
産声 72/オタマジャクシは語る 76/陸地の制覇 83/肺の進化 86
・人体こぼれ話 口の中に鼻がある? 91
6 手と足の由来 92
ゆれる足 92/ヒレから手足へ 95/五本指のなぞ 101
・人体こぼれ話 手の解剖がおもしろい
7 耳の歴史 110
耳の解剖 110/哺乳類の証 115/耳のはじまり 121
8 毛根をさぐる 128
9 胎盤の出現 146
胎盤は語る 146/卵の小宇宙 150/胎盤の未来 159
・人体こぼれ話 便器の進化とヒトの進化 164
10 大脳皮質は考える 168
重い脳 168/脳の地質学 176/脳に未来はあるか180
11 オトガイの謎 184
人間らしさとは 184/ヒトの系図 185/ヒトが失ったもの 194/ヒトが獲得したもの 198/ヒトらしさの謎 206
・人体こぼれ話 ノドチンコの謎 208
・人体こぼれ話 破壊は構築である 211
12 人体の矛盾 212
人体の矛盾 212/相関の法則 215/個体発生と系統発生 218/人間の社会 223/人体の未来 225
あとがき 230
付図―地質年代と動物群の変遷 232
さくいん 233
■書評:
るびりん書林 別館
◎■千島学説入門―生命発生からガン治療まで■ ― 2015年05月12日 17:19
→血液の浄化こそ健康の根本
忰山 紀一 (著)
単行本: 253ページ
出版社: 地湧社 (1983/09)
■目次
まえがき 1
プロローグ
科学史は迫害の歴史か 14
エネルギー保存の法則の発見者 15
三十五年間埋もれていたメンデルの法則 19
赤血球分化説の発見 23
審査を拒否された学位請求論文 28
第一章 生命の自然発生をめぐって
ギリシア時代の自然発生説 36
スパランツァニイ対ニーダムの論争 38
偉大なるパスツールの登場 39
オパーリンの新しい自然発生説の誕生 42
千島喜久男のバクテリア自然発生説 45
千島のパスツール実験追試 47
パスツールの実験のトリック 49
千島喜久男とオパーリンの出会い 53
オパーリン学説への千島批判 57
生命(Life)と生物(Organism)についての概念の混乱/生物進化の段階と
進化方向の波動と螺旋性/"猿から人間へ"のたとえ話/生命は管制している
いるから、今日はでもはや発生しないという考え方
第二章 細胞概念とその諸原理について
生物の基礎単位である細胞とは何か 66
細胞の起原をめぐって 69 シュライデンとシュワン/ヘッケルのモネラ説/細胞分裂説の登場/ウィル
ヒョウの学説
レペシンスカヤ学説の登場 77
誤解を受けた千島の細胞新生説 79
レペシンスカヤ説と千島説の違い 81
細胞新生説に対する批判 82
細胞の分裂像について 84
細胞分裂説の盲点 89
級数的細胞分裂について/脳細胞ば分裂しないという矛盾/卵細胞も分裂し
ない/骨髄は脂肪で充満されている/死は生の契機である/バクテリアが二
分法で増殖するのを見たものはいない/細胞分裂説は前成説に通ずる
細胞はAFD現象によって自然発生する 97
第三章 血球の起原とその運命について
赤い血潮は生命の本体 102
オリエント医学も血液が中心 104
血液を神聖視するキリスト教 105
アーユルヴェーダは生命の学問 107
全体を重視した古代中国の医学 109
見直すべき日本の漢方医学 111
東洋医学に学ぶべきもの 113
古代のギリシア医学と血液 116
医聖ヒポクラテスの医学 118
ハーヴェイの血液循環説 120
ハーヴェイ以後の血液学 122
現代の血液学への推移 125
再びレペシンスカヤの登場 127
もう一人の発見者 130
毛細管は開放型である 133
血液の行方とその運命 138
第四章 血球の可逆性と造血について
細胞分裂像とガン腫 142
血球の逆分化という新説 144
第一次造血場所の探求 148
骨髄造血説の盲点 151
矛盾に充ちた赤血球の成熟過程/骨髄造血説の不可解な実験/分裂しない赤
芽球/手足の長骨を失っても生きられる
第五章 遺伝学・進化論の盲点をめぐって
遺伝と環境について 158
ルイセンコの植物の育種についての学説 160
ルイセンコ学説論争の結末 163
現代遺伝学は片肺飛行 169
メンデルの法則はエンドウの法則 171
赤血球と遺伝質の関係 176
生殖細胞は血液から 178
それでも盲点のあるダーウィンの進化論 179
"共生"こそ進化の最大の要因 183
第六章 生命の波動と螺旋性について
未完に終わった生命弁証法 190
科学的方法論について 195
現代科学は万物流転を無視 201
量の蓄積による質的変換 202
部分と全体の問題とAFD現象 207
生物が保有している生物的半面と無生物的半面 210
エントロピーの法則に対する疑問 216
生命現象は波動と螺旋運動である 220
パリティー保存の法則の否定 224
千島進化論と共生思想 227
エピローグ
血液の浄化こそ健康の根本 232
ガンの血液由来説 236
ガンの自然治癒を臨床的に実証する加藤式療法 239
加藤式療法と千島学説 241
輸血禍の問題と血液代用液 243
レーリィ現象と伝染病の概念 244
東洋医学への回帰 248
千島学説は百年後の学説か 252
あとがき 254
■「まえがき」から
そして、どうやら人類は自らの手で自らを滅ぼす道に踏み出したように見えます。 何故そうなったのかといえば、それは私たちが精神分化を軽視して、経済を重んじる方向に走ったからです。 これは政治家が悪いからだとか、教育者が無能であるからだとか、誰かに責任を押しつける問題ではなく、 今日の人間の一般的傾向性のなかに潜んでいる問題です。 つまり、ネズミが集団で水に没したという事例が示したように、人類全体が水際に向かって走り出しはじめているのではないかということです。
私たちの生命を脅かしているさまざまな問題に対して、識者はいろんな提案を出しています。 正しい議論もあれば、単に代替的なものもあります。 人類がこの危機を乗り越えるには、現状の部分修正ではもはや間に合わないといえます。根本を変えるということです。 根本を変えるということは、私たちが今までの考えを捨て、新しい哲学をもつということです。
そのひとつの指針として、私は"千島学説"の採用を提案します。
千島喜久男教授は、世界的な生物学者であると共に、哲学者でもありました。科学する人であるとともに哲学する人だったのです。 千島学説は、現代生物学(科学)にことごとく反対しています。いわゆる部分修正の学説体系ではありません。
現代生物学、医学、農学の基礎は、
1、漸進的変異による進化の否定
2、獲得性遺伝の否定
3、生殖細胞の体細胞由来説の否定
4、生命自然発生説の否定
5、細胞新生説の否定
異常の五大否定論から成り立っていて、それが学界に君臨しています。
しかし、千島教授は否定の否定、すなわち五大否定論をことごとく否定する側にまわったのです。 これはどういうことはといいますと、現代科学は間違った基礎の上に立っている幻の楼閣だというのです。 教授は観念論で現代科学を批判したのではなく、その事実を証明して見せてくれています。
千島学説は、異端の説として学界ではタブーになっています。何故タブーになっているかといえば、 それを認めれば既成の生物学、医学は、教科書の第一ページから書き直さなければならなくなるからです。 そして、既成学者たちの現在の研究は、理論的根拠を失い大半が無に帰するからです。
異端の説として、知的好奇心からこの書を読まれる読者もおられることと思います。 それは著者としても異論はありません。千島学説は、考える科学という十九世紀的な愉しさがあり、 科学が決して専門化の独占物ではなく、私たちの身近かなものであると教えてくれているからです。
しかし、著者は本書を異端の書として書いたのでは決してありません。 千島学説には、現代が直面している危機に対して、私たちはどう対処すればよいか、その知恵が示されており、それを紹介したかったのです。
本書を上梓するのに七年余の歳月を費やしました。専門外である一無名作家の仕事として、いささか荷がかち過ぎたきらいはあります。 でも、ここに千島学説の最初の入門書が成ったことは、感慨無量なのです。
一九八三年六月十二日 高槻玉川橋団地の自室にて・著者
■一言:
食べたものが血となり肉となるという言葉を裏付ける腸造血と赤血球分化説。
■書評:
るびりん書林 別館
○■一万年前 気候大変動による食糧革命、そして文明誕生へ ― 2015年05月08日 22:06
安田喜憲 (著)
単行本: 280ページ
出版社: イースト・プレス (2014/1/22)
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
湖の底に静かに堆積し、長い年月をかけて美しい縞模様を刻んできた「年縞」、それは地球の記憶そのものだった。 過去の標準時計として、世界から認められた日本の年縞が、次々と新たな事実を明らかにしていく。危機の時代を生き抜いた生存戦略とは―「年縞環境史学」が解き明かす人類史の謎。
著者について
安田喜憲(ヤスダヨシノリ)
1946年、三重県生まれ。東北大学大学院理学研究科博士課程退学。理学博士。国際日本文化研究センター名誉教授。東北大学大学院環境科学研究科教授
2007(平成19)年紫綬褒章受章。気候変動と人類の生活・歴史の関係を科学的に解明する「環境考古学」の確立者。 著作に、『山は市場原理と闘っている』(東洋経済新報社、2009年)、『稲作漁撈文明』(雄山閣、2009年)『生命文明の世紀へ』(第三文明社、2008年)、 『環境考古学事始』(洋泉社、2007年)、『一神教の闇』(筑摩書房、2006年)『気候変動の文明史』(NTT出版、2004年)など多数
■目次
はじめに―一万年という尺度で地球を読み解く 4
第1章 「年縞」という画期的な年代測定法の発見 11
第2章 大洪水・高潮・暴風雨・豪雪・気候第変動の時代 55
第3章 土器と稲作がもたらした一万年という時間 129
第4章 麦作と牧畜から始まる破壊の歴史 161
第5章 縄文土器から生まれた心 187
第6章 危機を乗り越える縄文人の知恵 211
第7章 生命文明の時代へ 247
第8章 日本が立ち上がるために 261
おわりに―日本が世界から注目を集めるとき 269
年縞の研究を支えていくふたりの研究者より 北川浩之/中川毅 274
■「はじめに」の「これまでの歴史学の限界を超える」より
日本が近代西洋文明に肩を並べようとしていた明治ごろの歴史学は、近代以降を知っておけばことたりるものだった。それは川勝平太氏が『資本主義は海洋アジアから』 のなかで指摘したことである。歴史学者の内藤湖南氏は、「今日の日本を知るために日本の歴史を研究するには、古代の歴史を研究する必要は殆どありませぬ。応仁の乱 以後の歴史を知っておられたらそれでたくさん」と記していた。
明治以降、西洋から導入された歴史学が、なぜ、近代以降の研究に主眼をおいたのか。その理由は、先ほどの内藤湖南氏の一文を見れば明らかである。 日本の歴史学が近代西洋文明に追いつき、それを追い越すための一助たらんとする役割を担っていたからである。
ところが、二一世紀、近代西洋文明が生み出した金融資本主義の世界には、実質経済と乖離した金融中心の市場原理主義が横行し、格差社会が出現した。 未来を担う若者の生活は困窮し、おまけに、自然支配の文明は、地球環境を激しく破壊している。 近代西洋文明が生み出した「力と闘争の文明」は、多くの問題をかかえるようになった。 その延長戦上で起こったのが、東日本大震災と原子力発電所の事故だった。
この事故は、明治以降における歴史学の時間軸の限界をも、暴露することになった。
地震学者や電力会社の担当者が最初に口にした言葉は「想定外」だった。 近代以降を対象とする彼らの歴史の時間軸では、マグニチュード九の地震は存在しえなかった。 しかし、二〇一一年からさかのぼること一一四二年前、西暦八六九年には、同クラスの「貞観地震」がすでに起きていたのだ。
■一言:
せめて一万年の時間を考えなければ、現在人類が直面しているさまざまな問題は解決できない。
西洋文明は森林を破壊しては場所を移して存続してきたが、ついに地球上から森林がなくなろうとしている。
文明と森は共存できるのかどうかを考えてみたい。
■書評:
るびりん書林 別館
これからどうなる海と大地―海の放射能に立ち向かう ― 2015年04月22日 09:22
水口 憲哉 (著)
単行本: 195ページ
出版社: 七つ森書館 (2011/07)
詳細ページ
http://pen.co.jp/index.php?id=604
内容紹介
現在私たちに求められているのは、核とともに暮らすことの意味、まさに核文明の恐怖について感じ知ることである。共業の所産として立ち向かってゆかなければならない。
目次
はじめに
第1章 海へ放出された福島第一原発の放射能
1 海のチェルノブイリ
2 海への影響について知っておくべきこと
第2章 放射能がクラゲとやってくる
1 まず、再処理工場とはどんなものか説明しましょう
2 再処理工場は、放射能を空気中や海に捨てるのです
3 放射能は少ないと言っていますが……ゴマカシです
4 再処理工場があるイギリスで暮らした家族の話をしましょう
5 イギリスやノルウェーの海の放射能汚染の話をします
6 再処理工場は、放流管から海へ放射能を捨てるのです
7 これが、青森・岩手・宮城の海における放射能の流れです
8 風評被害が心配です
9 二人の方の新聞への投稿を考えてみましょう
10 「海に放射能を捨てないでください」と言うことが大事です
おわりに
第3章 これからどうなる海と大地
福島県のホッキガイからコバルト60が検出
みんながともに、どう食べ続けていくか
原発現地の人びとの厳しい選択
放射能測定をどのように公表するか
チェルノブイリ事故と輸入食品
原発が海と漁業に及ぼす影響
原発から出る放射能のゴミ捨て場
きちんと対応すれば、風評被害を恐れることはない
原発抜きの地域振興を
調査報告 福島第一原発周辺海洋生物の放射能汚染──放射能汚染調査グループ(福島・東京)
調査結果とそれのもつ意味
測定された数値と住民の生活
放射能汚染に対する漁業協同組合と原発設置者の対応
あとがき
最近のコメント