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■カラ族の文字でめざせ!世紀の大発見■2018年08月15日 22:28

今から2800年前まで、地球の全土を平和的に治めてきた原日本人<カラ族>がいた。世界各地に残された古代文字がそれを裏付けている。



日本探検協会 (著)
高橋 良典 (監修)
単行本: 300ページ
出版社: ヒカルランド (2012/6/6

商品の説明


<h3>内容(「BOOK」データベースより)
世界中の歴史遺産に刻まれた謎の文字群がなぜ日本の神代文字と言霊で意味を成すのか。Welcome To Ryohten’s KARA World。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

高橋/良典
日本探検協会会長、地球文化研究所所長、地球マネジメント学会理事。東京大学経済学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

目次(大項目のみ抜粋)


第1の扉 神代文字の基礎知識 28
第2の扉 古代日本の神代文字 64
第3の扉 中国大陸の神代文字 124
第4の扉 古代インドの神代文字 158
第5の扉 古代地中海地域の神代文字 190
第6の扉 アメリカ大陸の神代文字 224
第7の扉 環太平洋地域の神代文字 260

書評

今から2800年前まで、地球の全土を平和的に治めてきた原日本人<カラ族>がいた。世界各地に残された古代文字がそれを裏付けている。

○■食の考古学■2017年11月13日 08:57

分かりやすく面白い考古学を提唱した佐原真さんによる、我々の生活に密接している「食」を扱った考古学専門書



佐原 真 (著)
ペーパーバック: 252ページ
出版社: 東京大学出版会 (1996/10)

商品の説明


内容(「BOOK」データベースより)


食物はどのようにして手に入れ、どんな道具で、どう調理していたのか。それは、体の仕組みや健康とどう関わっていたのか。縄紋時代から8世紀頃までの「食」の実態を考古学的立場から迫り、現代の食文化との関連を探る。

著者略歴


1932年 大阪に生まれる。
大阪外国語大学でドイツ語を学び、京都大学大学院で考古学を専攻、博士課程を修了。奈良国立文化財研究所埋蔵文化財センター長を経て、 1993年 国立歴史民俗博物館副館長。
主要著書
『日本人の誕生』(小学館ライブラリー、1992年)
『考古学千夜一夜』(小学館、1993年)
『考古学の散歩道』(岩波新書、田中琢と共著、1993年)
『遺跡が語る日本人のくらし』(岩波ジュニア新書、1994年)
『祭りのカネ銅鐸』(歴史発掘、講談社、1996年)

目次


まえがき
序章 日本の食 1
1 現在・過去・将来 1
2 「料理」の起源 14

第1章 豚・鶏・茸・野菜 18
1 ブタ 18
2 ニワトリ 26
3 キノコ 35
4 漬物・ウリ・カブ 47

第2章 米と塩 59
1 コメ―揺れに揺れる古代米 59
2 藻塩と塩田 72

第3章 煮るか蒸すか 82
1 縄紋・弥生時代の煮炊き 82
2 鍋と蒸器 92

第4章 肉食と生食
1 食物と心臓 104
2 生の肉 108
3 老齢と肉食 127

第5章 箸と茶碗 131
1 箸の起源 131
2 食器を三つに分ける―共用器・銘々器・属人器 143
第6章 食とからだ 157
1 栄養と健康 157
2 腸の長さ 171

第7章 犬・氷・ごみ 177
1 犬・鼠 177
2 氷 182
3 ごみ 190

第8章 最後の始末 196
1 古代・中世のトイレ 196
2 藤原京のトイレ 212
3 トイレからの発想 219

終章 米と日本人 227

参考文献 234
図表一覧
初出一覧

書評


分かりやすく面白い考古学を提唱した佐原真さんによる、我々の生活に密接している「食」を扱った考古学専門書

○■ヒトと文明:狩猟採集民から現代を見る■2017年08月22日 10:32

83歳の人類学者はゴーギャンの絵を引いて、人類学は「我々はどこへ行くのか」を探求するという。彼が狩猟採集民を持ちだす意味を知って欲しい。



尾本 恵市 (著)
新書: 296ページ
出版社: 筑摩書房 (2016/12/6)

商品の説明


内容紹介


「日本人はどこから来て、どこに行くのか?
尾本人類学の集大成! 」
福岡伸一氏(『生物と無生物のあいだ』著者)大推薦。

二〇世紀後半から、生物学としての人類学「ヒト学」は大きく変貌した。著者の専門である分子人類学は、タンパクの遺伝マーカーの研究で始まったが、現在ではゲノム全体の情報を用い、アジアの古層民族集団の起源および系統進化を明らかにしつつある。さらに、日本で長い歴史をもつ人類学は、文理合同の学際研究を通じて、ヒトの特異性と多様性および起源の総合的な解明をめざす。本書は筆者の研究史を追いながら、「DNAから人権まで」をモットーに「文明とは何か」「先住民族の人権」「人類学者の社会的責任」などの問題を解き明かしてゆく。
内容(「BOOK」データベースより)
二〇世紀後半から、生物学としての人類学「ヒト学」は大きく変貌した。著者の専門である分子人類学は、タンパクの遺伝マーカーの研究で始まったが、現在ではゲノム全体の情報を用い、アジアの古層民族集団の起源および系統進化を明らかにしつつある。さらに、日本で長い歴史をもつ人類学は、文理合同の学際研究を通じて、ヒトの特異性と多様性および起源の総合的な解明をめざす。本書は筆者の研究史を追いながら、「DNAから人権まで」をモットーに「文明とは何か」「先住民族の人権」「人類学者の社会的責任」などの問題を解き明かしてゆく。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)


尾本/恵市
1933年、東京生まれ。1963年東京大学大学院理学系研究科博士課程中退。Ph.D.(ミュンヘン大学)、理学博士(東京大学)。東京大学理学部教授、国際日本文化研究センター教授、桃山学院大学文学部教授を歴任。人類学・人類遺伝学専攻。日本人、アイヌ、フィリピンのネグリト等の遺伝的起源に関する研究を実施(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

目次

はじめに 009
第一章 人類学との出会い 017
1 昆虫少年からの出発 017
2 人類学とは何か 026
第二章 ユニークな動物・ヒト 039
1 人間に関する用語―人間・人類・ヒト 039
2 ヒトの特徴と進化 043
3 脳と心 050
4 ヒトの成長と生活史 060
第三章 日本人の起源 067
1 さまざまな日本人起源論 067
2 分子人類学の登場 071
第四章 ヒトの地理的多様性 095
1 出アフリカと拡散 095
2 地理的多様性はなぜ生じたか 106
第五章 ヒトにとって文明とは何か 119
1 文明の成り立ち 119
2 狩猟採集民と農耕民 134
第六章 現代文明とヒト 157
1 地球史の中のヒトと文明 157
2 文明は「もろ刃の剣」 173
第七章 先住民族の人権 195
1 いまなぜ先住民族か 195
2 狩猟採集民こそ真の先住民族 209
終章 残された問題 227
1 植民地主義――最大の人権問題 227
2 自己規制する発展は可能か 250
おわりに 277
参考文献 291

「おわりに」より


  人間は微生物やウイルスを絶対に根絶できないだろう。日本の大学医学部から「寄生虫学教室」をなくしたことは、浅はかな大学行政の誤算だった(杉晴夫)。今、東大の「人類学教室」が消えようとしている。生物科学という総合的ではあるが学問の文化・特異性を無視する体制にひとからげに組み込まれるのは賛成できない。仮に、ネットで基礎学問に関する人気投票をしてみればよい。人類学は必ず上位に入るだろう。

書評

83歳の人類学者はゴーギャンの絵を引いて、人類学は「我々はどこへ行くのか」を探求するという。彼が狩猟採集民を持ちだす意味を知って欲しい。

○■謎の絶滅動物たち■2017年03月09日 20:29

アフリカから北米大陸にまで広がったゾウの仲間、1億2000万年前に孤立した南米大陸で独自に進化した大型の哺乳類たち、肉食ウォンバットなどホモサピエンスの登場によって姿を消した大型動物たち



北村 雄一 (著)
単行本(ソフトカバー): 224ページ
出版社: 大和書房 (2014/5/15)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
マンモスさえも狩った肉食獣スミロドン・ファタリス、かつて「ペンギン」と呼ばれていた鳥オオウミガラスetc…45種類の絶滅動物たちが登場!人類が遭遇した驚異の動物を迫力のイラストでたどる5万年の生物史。

著者について
10mに迫る地上生のナマケモノ、1mもあった歩くフクロウ、現生人類が滅ぼした人類など、際立つ存在感を放つ絶滅動物たちを紹介!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
北村/雄一
1969年、長野県生まれ。日本大学農獣医学部卒業。フリージャーナリスト兼イラストレーター。深海生物から恐竜、進化まで、幅広い分野で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次(実際には各動物の概要も示してあります)
まえがき 3

PART1 ユーラシアの絶滅動物たち
絶滅の始まりはユーラシアへの人類進出から 12
ネアンデルタール人 14
ケナガマンモス 18
ケサイ 22
ユラスモテリウム 26
オオツノジカ 30
ホラアナライオン 34
ホモテリウム・ラティデンス 38
ホラアナグマ 42
ホラアナハイエナ 46

PART2 北米の絶滅動物たち
1万3000年前に起きた北米の電撃戦 52
コロンビアマンモス 54
アメリカマストドン 58
バイソン・ラティフロンス 62
キャメロプス・ヘステルヌス 66
グロッソテリウム・ハーラニ 70
アメリカンライオン 74
ホモテリウム・セルム 78
スミロドン・ファタリス 82
ミラキノニクス・トリーマン 86
ダイアオオカミ 90
アルクトダス・シムス 94
テラトルニス・メリアミ 98

PART3 南米の絶滅動物たち
1億年の孤独が育んだ南米の独特な世界 104
トクソドン・プラテンシス 106
マクラウケニア・パタコニカ 110
ドエティクルス・クラヴィカウダツス 114
メガテリウム・アメリカヌム 118
キュビエロニウス・ヒオドン 122
ステゴマストドン・ワリンギ 126
ヒッピディオン 130
プロトキオン・トクロディテス 134

PART4 オーストラリアの絶滅動物たち
有袋類の王国となったオーストラリア 140
ディプロトドン・オプタツム 142
プロコプトドン・ゴリア 148
ディラコレオ・カルニフェクス 150
プロプレオプス・オシキランス 154
フクロオオカミ 158
メガラニア・プリスカ 182
メイオラニア 166
ゲニオルニス・ニュートニ 170

PART5 島と近代の絶滅動物たち
船と銃器により世界の隅々で加速する絶滅 176
オルニガロニクス・オテロイ 178
ジャイアントモア 182
モーリシャス・ドードー 186
フォークランドオオカミ 190
ニホンオオカミ 194
オオウミガラス 198
クアッガ 202
リョコウバト 206

あとがき 210
参考文献 212

■「あとがき」の終りの部分
  人類はほかの生物を食べて滅ぼすか、あるいは食べるための家畜とした。そうして数を増やしてきた。つまり、私たちがやっていることは、ほかの生物を食いつぶして滅ぼし、我々自身へと変換する作業なのだ。
  1万年以上前に始まったこの電撃戦は、あと200年あまりで終わりを迎えるはずである。すべての動物の抹殺が完了し、彼らの肉体を構成していた有機物は、すべて人体につくり替えられる。そして、地球は人間だけの星になるのだ。

■書評
アフリカから北米大陸にまで広がったゾウの仲間、1億2000万年前に孤立した南米大陸で独自に進化した大型の哺乳類たち、肉食ウォンバットなどホモサピエンスの登場によって姿を消した大型動物たち

○■医療人類学■2016年09月10日 11:52

生業や環境、しきたりなどが健康に及ぼす影響を扱う包括的な医療人類学


アン マッケロイ (著), パトリシア タウンゼント (著)
丸井 英二 (監訳)
杉田 聡 (訳), 近藤 正英 (訳), 春日 常 (訳)

■商品の説明 内容(「BOOK」データベースより)
グローバルな視野でしかも生物学的・社会文化的・政治経済的に書かれた、包括的な医療人類学の入門書。さまざまな文化的背景をもつ人々の生活を考えた国際保健医療が注目されている今日、今後の国際保健医療を探っていく…まさに必読の書。

著者について
Ann McElroy
ニューヨーク州立大学バッファロー校の准教授(人類学)

Patricia Townsend
パプアニューギニアの応用社会経済学研究所の上級研究員を経て、現在、ニューヨークのホートンカレッジの補助准教授(人類学)

丸井 英二(まるい えいじ)
1948年生まれ、千葉県出身
東京大学医学部保健学科卒業
保健学博士
現在、東京大学教授
専門分野は疫学、医学史、国際保健。

杉田 聡(すぎた さとる)
1960年生まれ、大分県出身
東京大学医学部保健学科卒業
保健学博士
現在、大分医科大学助教授
専門分野は、保健社会学、医療倫理

春日 常(かすが つね)
1962年生まれ、東京都出身
東京大学医学部保健学科卒業
保健婦、看護婦
現在(株)テス代表取締役社長
専門分野は健康管理、国際保健

近藤 正英(こんどう まさひで)
1966年生まれ、愛知県出身
東京大学医学部保健学科卒業
医師
現在、東京都立駒込病院外科
専門分野は、国際保健、疫学、保健社会学
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次(中項目まで)
本書について/まえがき/訳者まえがき
序文 3

1章 健康と病気の生態学 9
はじめに 9
医療生態学の実例としてのヤノマモ族研究 10
環境、文化、健康:医療人類学の視点から 14
生態系と健康のモデル 21
コラム:北極における適応 24 参考資料 36

2章 健康問題の学際的研究 39
はじめに 40
共同研究 41
生物環境のデータ 43
コラム:食人する会葬者 49
臨床のデータ 54
疫学のデータ 56
コラム:高血圧の疫学 58
社会・文化のデータ 62
コラム:精神遅滞の人々の日常生活 68
医療人類学:成熟しつつある領域 74
まとめ 75
参考資料 77

3章 適応の意味 79
はじめに 80
生物学的進化における適応 84
コラム:マラリアと農業 92
生理的・発達的適応 101
サモア人の適応と「健康」 106
文化的適応 107
適応不良と文化的パターン 112
直接的な医療コントロール 117
コラム:鎌状赤血球症に対する個人と文化の適応 120
情緒的・社会的なメカニズム 126
適応の限界 127
まとめ 129
参考資料 131

4章 出生・疾病・死亡構造の変化 133
はじめに 134
環境としての文化 135
人口均衡 138
コラム:パプアニューギニア社会での幼児の生存 143
狩猟採集民の野営地での生と死 151
農村での生と死 154
前産業都市での生と死 157
コラム:黒死病 158
産業社会における生と死 163
疾病構造の進化の研究法 171
まとめ 175
参考資料 177

5章 栄養の生態学と経済学 179
はじめに 180
人間の食生活と栄養学的な必要性 180
狩猟採集生活 183
コラム:クン・サン族(!Kungsan)の自給生態学 185
農耕生活 191
食習慣の人類学 200
口のなかに入るものすべてが食品ではない 203
コラム:アンデス高地におけるコカ噛みと健康状態 206
飢えた世界 210
アメリカにおける飢餓 213
栄養過多と他の豊かさの問題 215
まとめ 218
参考資料 219

6章 ライフサイクルと栄養 221
はじめに 222
出生前の栄養 222
乳児期の栄養 225
離乳期と小児期初期の栄養 229
小児期後期と思春期の栄養 235
成人期の栄養 237
コラム:サヘルの干ばつと飢饉 250
栄養不良の社会的コスト 255
まとめ 259
参考資料 260

7章 ストレスと病気 261
はじめに 262
ストレスの概念 263
ストレスのモデル 264
ストレス耐性の個体および文化による多様性 267
ストレスの生理学的理解 268
コラム:魔法による死 273
一般適応症候群 277
ストレスと癒し 282
社会文化的環境でのストレッサー 287
コラム:ストレス・ソーシャルサポート・妊娠 292
ストレスとメンタルヘルス 298
文化結合症候群 300
コラム:北極ヒステリー 305
まとめ 309
参考資料 311

8章 異文化接触による健康への影響 313
はじめに 314
イシの生涯 315
異文化接触というストレッサー 317
異文化接触のかたち 318
文化の変化とアルコール摂取 322
コラム:文化の変化とイヌイットの健康 326
異文化接触に関する研究のモデル 336
疫学的変化:カリフォルニアにおけるマラリア 338
人口学的変化:ニューギニアにおけるアスマット族 342
栄養と保健医療の変化 346
移住におけるストレス 351
コラム:東南アジアからの難民とアメリカの保健医療 356
参考資料 365

9章 近代化における保健医療コスト 367
はじめに 368
新しい道と古い病気 369
近代化の意味するもの 371
近代化と医療多元論 372
経済の開発と低開発 374
農業開発による健康影響の評価 377
コラム:灌漑と住血吸虫症 380
ヘルスケア発展のための戦略 387
開発途上地域での人類学者 395
先進国における少数民族の健康 400
コラム:アメリカ工業都市におけるアラブ人と黒人 406
まとめ 413
参考資料 415

付録:医療人類学プロジェクト 417
引用文献 419
さくいん 467

■「本書について」
  多大なる絶賛を受けた本書は、この10年ほどの間の医療人類学の研究の発展と、現代の健康問題に対する生物文化的なアプローチを反映するために改訂されたものである。生態学的な枠組みを維持しながらも、民族医学、文化精神医学、健康に対して批判的な人類学にも注意をはらっている。本書には、ソーシャルサポートや妊娠、マレーシアの母子栄養、難民の健康問題に関するコラムが加えられている。そのほか、ケーススタディは、クールー、鎌状赤血球症、住血吸虫症、高血圧症、北極ヒステリーに関する新しい研究に変更されている。参考文献の拡充、出典リストの改訂、最新の記録フィルムの概要紹介などによって、本書は教科書としてだけではなく、事典としても十分活用できるだろう。

■書評
生業や環境、しきたりなどが健康に及ぼす影響を扱う包括的な医療人類学

○■日本のペトログラフ――古代岩刻文字入門■2016年04月23日 20:01

岩に刻まれた古代文字は世界共通語?



著者:吉田 信啓 出版社: ロッコウ ブックス 平成3年10月1日発行
275ページ

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
先史時代の謎を解く有力資料として、いま、世界の学会がこぞって探索・究明している〈原初文字〉が日本列島にもあった。ハーバード大学、スタンフォード大学をはじめと欧米の著名研究機関と国際協力、ここに初めて明らかにされる古代岩刻文字の秘密。

著者について
吉田信啓(よしだ・のぶひろ)
昭和十一年、福岡県行橋市生まれ。昭和三十五年、広島大学文学部言語学専攻卒。同大学英語学英文研究生をへて高校教諭となり、広島県庄原格致高校、福岡県立小倉高校、修猷館高校、若松高校などを歴任。また、西日本新聞の社外スタッフとして、文化・学芸欄を中心に二十三年間にわたり考古学、美術、民芸、陶芸などのコラムを担当。文部省科学研究では、「九州の民窯の総合調査」、「西日本の格子天井絵馬の総合調査」、「環太平洋ペトログラフの文化社会学的研究」などを実施。東南アジヤ、欧米など海外の研究調査も十数回におよび、欧米の学術機関・研究所との共同研究・学会活動を展開、「行動する国際研究者として評価が高い。
英語関係の著書として『入門基礎英文法』、『英訳・九州の民話』など多数がある。

■目次
第一章 ペトログラフとは何か
〔一〕岩に刻まれた「文字」以前の文字・ペトログラフ 10
〔二〕ペトログラフ(ペトログラフ学)とは何か 28
〔三〕世界的に研究されているペトログラフ 32

第二章 日本のペトログラフ
〔一〕山口県のペトログラフ――下関市、豊浦郡、阿武郡、山口市 85
〔二〕福岡県のペトログラフ
――北九州市、豊前市、太宰府市、宇美町、田川郡 137
〔三〕大分県のペトログラフ――宇佐郡安心院町、院内町 153
〔四〕熊本県のペトログラフ――阿蘇郡南小国町、西原村 161
〔五〕佐賀県のペトログラフ――神埼郡三田川町、江北町 176
〔六〕宮崎県のペトログラフ――日向市、美々津町 185
〔七〕鹿児島県のペトログラフ――坊津町 191
〔八〕長崎県のペトログラフ――五島列島の福江島 195
〔九〕島根県のペトログラフ――邇摩郡、出雲 199
〔十〕鳥取県のペトログラフ――東伯郡東伯町、浦安 203
〔十一〕沖縄県のペトログラフ 208

第三章 日本のペトログラフ学が書き換える歴史
〔一〕紀元前二〇〇〇年代に、アラビヤ~米大陸~日本の文化連鎖が あった 210
〔二〕先史時代の古代世界は一つの言語(文字)、哲学(宗教)で結ばれていた 220
〔三〕環状列石(ストーンサークル)や磐座との関連 223
〔四〕あなたも出来るペトログラフ探索と国際研究 232
〔五〕日本列島に展開するペトログラフの意味と背景 247
〔六〕ペトログラフ学――今後の課題と展開 259

日本のペトログラフ分布図 271
あとがき 273
ペトログラフ一覧表(カバー裏)

■カバーそでより
古代人が岩石に刻んだ文字や文様――ペトログラフの研究は、いま、世界に広がっている。日本でも発見例八十ヵ所・四五〇個を超え、六五〇〇万年前には文字を使う人びとがこの列島にもいたことが、厳然たる事実として受け入れられようとしている。
本書は、ペトログラフ学の第一人者が、文部省科学研究などにより、これまで日本の各地で発見した豊富な調査例と、長年の研究成果を分かりやすく紹介、さらに「見つけ方」の注意・手引きをも付けた初の入門書。

■書評
別館

○■縄文人の入墨─古代の習俗を探る■2016年04月03日 09:32

社会生活において必要とされる伝統的入墨の風俗を広く探る


著者:高山 純
出版社: 講談社
昭和44年9月24日発行
306ページ

■著者について
昭和十三年(一九三八)、神奈川県生まれ。昭和三十八年、慶応大学文学部史学科(東洋史専攻)大学院修了。同四十二年から四十三年にかけて、東京教育大学国分直一教授に師事し、「南島の古代文化」にちて学んだ。同四十三年九月から四十四年四月まで、ホノルルのビショップ博物館に招かれ、オアフ島マカハの住居地発掘に従事した。日本考古学協会・日本民族学会・日本人類学会会員。専門は太平洋の考古学・民族学。(本書より発行当時の情報)

■カバーそでの紹介文
  三世紀末の日本にも、こんにち、未開民族のあいだにみられる入墨習俗があったらしいことは、中国の記録によってほぼ疑いがない。考古学者の研究によると、この習俗はわが国の新石器時代である縄文時代にも認められるという。もしそうであるとするなら、この入墨習俗はいったいどのような特徴をもったものなのか、また、日本の中において生まれたものなのか、あるいは、外部から伝播してきたものなのか、もし後者であるとするならば、どこの地域から伝播してきたものなのか?
  私は、今日、民族学者が未開民族の調査に出掛けるように、縄文時代に民族学者が日本に上陸し、当時の住民である「縄文人」についていろいろな民族学的調査をするというところまで、日本の考古学をもっていきたいと、いつも考えている。つまり、考古学を従来の遺跡・遺物のみを対象とした学問から、人間を相手にした学問にしたいと思っているわけである。本書はこの私の理想に近づこうとした最初の試みである。

■目次
まえがき
はじめに 8
第一章 縄文人の顔面入墨 13
  諸先学の研究 14
  縄文人のこのんだ入墨文様 24

第二章 入墨をあらわす古代の日本語 33
  「入墨」をあらわす言葉 34
  南方地域の入墨をあらわす言葉 40
  北方地域の入墨をあらわす言葉 50
  入墨をあらわす言葉からながめると、どのようなことがいえるか 51

第三章 受術者、施術者および助手 55
  受術者 56
  施術者 72
  助手 76

第四章 入墨のなされる部位 79
  部位と気候との関係 80
  東アジア、オセアニアにみられる入墨の部位 82
  部位の比較から系統問題が解明できるか 105

第五章 重要な文様とその意義 107
  十字形文様 108
  ヤスコの起源を探る 116
  装身具をモチーフとする入墨文様 122
  魔除けのための入墨 126
  百足文様 135
  倭人の入墨文様とその意義 143
  古代中国南部の入墨文様とその意義 150

第六章 入墨と成年式との関係 155
  豊穣と入墨 156
  首狩りと入墨 166
  男子の成年式としての入墨 178
  成女式としての入墨 183

第七章 通過儀礼としての入墨 203
  縄文人の男子の入墨される資格 204
  成女式の入墨 204

第八章 入墨の工具と顔料 217
  入墨の仕方 218
  顔料 222

第九章 特別の習慣ないし儀式 225
  施術の季節および日取り 226
  施術の場所 227
  祖先あるいは神への祈祷や供物 228
  受術者を励ますための唄 231

第十章 禁忌について 235
  日本の「不浄」を連想させるものへの禁忌 236
  過度の出血を防ぐための禁忌 237
  食物にともなう禁忌 239
  施術時および施術後の禁忌の及ぶ範囲 242
  季節による禁忌 244

第十一章 来世への入場権としての入墨 245
  たいていの入墨習俗にみられる信仰 246
  二つのタイプ 248

第十二章 今後の問題 265
  ハンブリーの仮説の紹介 266
  入墨の伝播・起源に関する私見 272
  今後の課題 281

第十三章 縄文人の入墨習俗の特徴 289
参考文献 298
あとがき 305

装丁 稲垣 行一郎
図版 加藤 新

■書評
別館

×■土の文明史■2015年12月02日 08:09

ローマ帝国、マヤ文明、米国、中国、アイスランド、キューバなど、精力的にデータを揃えた力作。しかし、 農耕そのものが問題という視点がほとんどなく、説得力に欠ける。


デイビッド・モントゴメリー (著), 片岡夏実 (翻訳)
単行本: 368ページ
出版社: 築地書館 (2010/4/7)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
文明が衰退する原因は気候変動か、戦争か、疫病か?古代文明から20世紀のアメリカまで、土から歴史を見ることで社会に大変動を引き起こす土と人類の関係を解き明かす。

著者について
ワシントン大学地球宇宙科学科・地形学研究グループ教授。地形の発達、および地形学的プロセスが生態系と人間社会に与える影響を研究。本書で、2008年度ワシントン州図書賞(一般ノンフィクション部門)を受賞。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
モントゴメリー,デイビッド
ワシントン大学地球宇宙科学科・地形学研究グループ教授。地形の発達、および地形学的プロセスが生態系と人間社会に与える影響を主要な研究テーマとする。『土の文明史』で一般ノンフィクション部門2008年度ワシントン州図書賞を受賞

片岡/夏実
1964年神奈川県生まれ。さまざまなジャンルの翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
第一章 泥に書かれた歴史 1
第二章 地球の皮膚 10
第三章 生命の川 34
第四章 帝国の墓場 63
第五章 食い物にされる植民地 110
第六章 西へ向う鋤 154
第七章 砂塵の平原 196
第八章 ダーティ・ビジネス 243
第九章 成功した島・失敗した島 297
第十章 文明の寿命 319
引用・参考文献 6
索引 1

■書評
本が好き!

◎■人類史のなかの定住革命 (講談社学術文庫)■2015年05月10日 18:53

生態人類学の立場から、栽培の結果定住化が発生したのではなく、定住化が栽培を生んだのではないかと分析


西田 正規 (著)
文庫: 272ページ
出版社: 講談社 (2007/3/9)

内容紹介
霊長類が長い進化史を通じて採用してきた遊動生活。不快なものには近寄らない、危険であれば逃げてゆくという基本戦略を、人類は約1万年前に放棄する。ヨーロッパ・西アジアや日本列島で、定住化・社会化はなぜ起きたのか。栽培の結果として定住生活を捉える通説はむしろ逆ではないのか。生態人類学の立場から人類史の「革命」の動機とプロセスを緻密に分析する。(講談社学術文庫)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
西田/正規
1944年、京都府生まれ。京都大学大学院博士課程退学(自然人類学)。理学博士。1994年から筑波大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
学術文庫版まえがき 3
まえがき(原本) 12

第一章 定住革命 15
1 遊動の意味
2 定住生活の条件
3 定住の動機
4 定住化の環境要因

第二章 遊動と定住の人類史 54
1 狩猟技術の発達
2 温帯森林の拡大と定住
3 定住民優越主義の誤り
4 移動する理由

第三章 狩猟民の人類史 69
1 人類サバンナ起源説の検討
2 熱帯の狩猟採集民
3 文明以前の人類史の枠組
4 中緯度に進出した人類の戦略

第四章 中緯度森林帯の定住民 83
1 農耕以前の定住者
2 生活様式の分類

第五章 歴史生態人類学の考え方―ヒトと植物の関係 101
1 焼物産業とアカマツ
2 行動と環境
3 農耕の出現

第六章 鳥浜村の四季 117
1 湖のほとりに村を作る
2 照葉樹の森の中に開けた空間
3 鳥浜村の生活カレンダー
4 男の仕事と女の仕事
5 自然のリズムと一体の生活
6 今日につながる縄文時代の食事文化

第七章 「ゴミ」が語る縄文の生活 134
1 先史時代は裏口から
2 縄文のイメージ
3 イメージから分析
4 生活の変化
5 人間と植物
6 採集から栽培へ
7 渡来から自生へ

第八章 縄文時代の人間-植物関係―食料生産の出現仮定 148
1 向笠における人間-植物関係
2 人間-植物関係の空間的構造
3 縄文時代のクリ、クルミ
4 人里植物の集中と経済的効果
5 豊かな環境における栽培の伝統
6 中部山地における「農耕化」
7 新石器時代の人間-植物関係

第九章 手型動物の頂点に立つ人類 187
1 手と口
2 脊椎動物の進化
3 視線の回転
4 霊長類の手型化
5 二足歩行と視線
6 ホミニゼーションの背景

第十章 家族・分配・言語の出現 223
1 危険な社会
2 争いのテーマ
3 分配と家族
4 言語

註 261
あとがき(原本) 267

■学術文庫版まえがき
この地球に人類が出現し、さまざまに変化しながら現在に至り、やがて宇宙から消滅してしまうまで、人類が存在した全ての時間を一望してみたい。「定住革命」を構想したことから生じた私のひそかな願いである。
定住社会とは何かという問いかけは、縄文時代の生活戦略を考察する中から生じた。秋の温帯林に豊かに実るクリやドングリ、クルミなどを大量に蓄えて冬を越す縄文時代の生活戦略は、定住を強く促したに違いなく、あるいは、定住生活を前提としてはじめて機能する生活戦略である。それは、年間を通じて獣を追い、狩を続ける旧石器時代の生活戦略とは大きく異なっている。
定住社会の本質に迫るには、その対極にある、頻繁なキャンプ移動をくりかえす遊動生活との比較研究がなによりも有効な手段になる。定住革命の視点とともに、人類の祖先が未だ類人猿であった時代から連綿と続いてきた遊動社会の進化史と、およそ一万年前の地球の温暖化とともに出現した定住社会の進化史との、双方をながめる視界が開けたのである。
それから二〇年あまりを経て、あの願いが実現したとは言えないものの、「定住革命」によって私に根づいた人類史への関心は、幸いにもたえず新鮮な問いかけに満たされてきた。「定住革命」は人類史への興味をたえず撹拌し、それを明瞭に映しだしてくれるプロジェクターとなった。私には大切な思考の道具である。
「定住革命」は一九八四年、講談社による『季刊人類学』に掲載され、一九八六年に新曜社から出版された『定住革命―遊動と定住の人類史』にも収められた。しかしそれも久しく絶版になり、社会的役割を終えたかと考えていたが、この度講談社学術文庫に入れたいとのお誘いがあった。「定住革命」にはまだ果たすべき役割があるとのこと、ありがたくお受けした。
お誘いと編集のお世話をして下さった講談社の林辺光慶氏に心より感謝を申し上げます。

二〇〇六年一一月一一日

■一言:
定住化の影響ともいえる、環境破壊や宗教の誕生などについて考える上で多くの刺激を与えてくれます。
人類の歴史や現代社会(宗教、政治、社会、経済、教育など)について考える上で重要な視点を提供。

■書評:
るびりん書林 別館

古代人はどう暮らしていたか―実験考古学入門 (自然誌選書)2015年04月24日 09:09


ジョン・M. コールズ (著), 河合 信和 (翻訳)
単行本: 420ページ
出版社: どうぶつ社; 〔新装版〕版 (1987/11)

内容(「BOOK」データベースより)
本書は、原始人・古代人の海洋移動、食料生産と道具や武器の製作、家屋と墓、さらには美術と音楽までを復元し、理解するために、「実験考古学」を提唱する。それは過去への通信、過去からの応答という、すばらしいドラマである。過去を「実験」するため著者の条件はきびしく、そのため、失敗例・成功例を19世紀の先人の仕事にさかのぼって説明する。著者は、効果的におこなわれた「実験」の絶大な効力を評価する一方、その限界をきびしく自覚する。

一言:『実験考古学」
現存する狩猟採集生活と比較しながら読むと面白そう。