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■その手を見せて■2018年09月01日 20:11

職人、職人の妻、農家の嫁、薬売り、工場経営者の妻、漁村の女…として、働く北陸の女たち



井上雪 (著)
単行本: 238ページ
出版社: 冬樹社 (1985/10)

商品の説明


内容(「はじめに」より)


 おんなの手は、ほっそりと、やさしい。しなやかで、白い。でも、私がこれから訪ねる人たちの手は、そうした通念にはほど遠い、たくましさに満ちた手である。
 ここに登場するおんなたちは、みな、北国に暮らす。炉をかこみ、仕事場に座りこみ、土間に立ちつくす。里に、山に、町に、海に、北国の風土と一体になって、黙々と休むことなく手を動かしつづけ、何かを生み出してきた人たちである。
 ふかく皺が刻まれた手、節くれだった指の手、タコのできた手、大きく分厚い手、強い手、ちみつな手、赤らんだ手……。大切に、しかし酷使して歳月を重ねてきたその手には、指輪もマニュキアも縁がない。それは、確かな暮らしを語る手である。
 縫い、振り、漉き、織る、その手を見せて、と願った私に、おんなたちのさまざまな手は、何を物語ってくれるだろうか。

著者略歴

井上雪(いのうえ・ゆき)
一九三一年金沢に生まれる。金沢女専(現・金沢女子短期大学)文科に学び、北陸に暮らす女性の立場から、ノンフィクション、随筆、句集などに幅広く筆をふるう。主な著書に「おととの海」(冬樹社)、「廓のおんな」 (朝日新聞社・第十二回大宅壮一ノンフィクション賞候補作)、「北陸に生きる女」「北陸の古寺」(北国出版社)、句集「素顔」「白絣」(牧羊社)等がある。(本書に掲載の略歴です)

目次


はじめに 9
里につくる 10
・福岡の菅笠 12
・志雄町の五三郎飴 27
・志賀町のころ柿 34
・若狭の和紙 44
・黒部のすいか 54
・小浜の鳳足硯 66
山につくる 76
・勝山の羽二重 78
・五箇山のとうふ 88
・大門のそうめん 98
・白山麓の出づくリ 108
・能登のアテ山 120
・大野の朝市 130
町につくる 138
・井波の木彫 140
・金沢の津田流水引 150
・武生のうちわ 160
・七尾の和ろうそく 172
・富山の薬売り 180
・山中の漆器 188
海につくる 196
・能登の網工 198
・氷見の細工かまぼこ 210
・若狭の真珠 220
・氷見の干イワシ 228

おわりに 236

「おわりに」より

 本書にたずさわっていた二年半は、私にとって実にしあわせな日々だった。人間の手が生み出す無限の力は、何によってもたらされているのかと考えるほど、驚きの連続だったからだ。気力、意志、健康、それらに支えられたおんなたちの生きるたくましさに、絶えず私は教えられ、勇気づけられた。
 彼女たちはまた、ほとんど例外なく、静かなたたずまいとやわらかな表情で私を迎えてくれた。祖々代々受け継いだ手づくりの技が、彼女たちの挙措を美しいものにしていた。本の題名が『その手を見せて』に決まった今、私はつくづくと自分の手をながめてみる。この手で私は、半生、何をしてきたのか……。

書評

職人、職人の妻、農家の嫁、薬売り、工場経営者の妻、漁村の女…として、働く北陸の女たち

○■山と河が僕の仕事場 頼りない職業猟師+西洋毛鉤釣り職人ができるまでとこれから■2017年10月18日 21:45

インターネット時代に山と河の恵みに生きる方法



牧 浩之 (著)
単行本: 189ページ
出版社: フライの雑誌社 (2015/12/15)

商品の説明


内容紹介


山と河と人が繋がる暮らしは、
こんなにも幸せだ。

「猟師って、暮らせるの?」「生活できるのかよ。」
僕の両親は心配そうだった。そりゃそうだ。
(本文より)

●結婚と同時に、神話の里・宮崎県高原町へIターン移住。河と湖で好きなフライフィッシングを追求していたら、いつのまにか[釣りと狩りを仕事にする人]になっていた。・・・

●驚きと喜び、涙と笑いに満ちた21世紀の「釣りと狩りの暮らし」を、底抜けに明るい筆致で綴ります。日々いのちと向き合う職業猟師ならではの、現代社会への鋭い問いかけにも注目です。

●NHK全国ネット・テレビ宮崎・宮崎放送他に登場。泣き虫のフライフィッシング猟師の書き下ろし!

狩りした獲物の肉は、我が家の大切な食料です。毛皮と鳥の羽根は毛鉤の材料に加工して、自分で巻いた完成品の毛鉤とともに、インターネットで販売します。毛鉤の仕上がりを確認するために、毎日のように川や湖で釣りをします。決して、遊んでいるわけではありません。
…「あんた、宮崎へ何しに来たの?」

…家族、地域の人々、山と河、自然。すべてが自分と繋がっている。その繋がりからいただく恵みで、僕は生活している。

…自然からもらう恵みを形にしていく生活は、自分でも知らないうちに、どんどん深い世界へと歩みを進めている。正直、ぜいたくできるほど生活は安定していない。けれど、心の底から楽しいと胸を張れる。
(本文より)

●美しいグラビア、かんたんで美味しい野生肉料理、役立つ山と河のコラムも満載!

内容(「BOOK」データベースより)
川崎生まれの都会っ子が宮崎県高原町へIターン移住。いつのまにか「釣りと狩りを仕事にする人」になっていた。

著者について


1977年神奈川県川崎市生まれ。幼い頃からの釣り好き。2011年 妻の実家の宮崎県西諸県郡高原町へ移住。罠猟と銃猟でカモ類、キジ、キュウシュウシカ、イノシシなどを捕獲し、毛鉤の材料に加工する職業猟師+毛鉤職人。ヘビメタ猟師。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
牧/浩之
1977年神奈川県川崎市生まれ。2011年妻の実家の宮崎県西諸県郡高原町へ移住。罠猟と銃猟でカモ類、キジ、キュウシュウシカ、イノシシなどを捕獲し、毛鉤の材料に加工する職業猟師+毛鉤職人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

目次


はじめに 006

第1章 川崎生まれ、東京湾育ち 010
子どもの頃から釣り好きだった 012
コラム:フライフィッシングとフライタイイング 024
嫁も魚も。宮崎に惚れた 026
移住するなら早いほうが 038

第2章 神話の里の釣りと狩り 048
「今日は釣れるかい?」 052
コラム:不審人物です 059
コラム:毛鈎材料としてのシカの毛 060
狩猟を知る 062
移住1年 070
コラム:山神様伝説 083
コラム:猟師と銃 084

第3章 いつのまにか職業猟師 090
初猟の日 092
コラム:獲物を解体する 099
山へ河へ。田舎生活は忙しい 100
コラム:命の線引き 107
コラム:鳥獣被害の現実 108
2年目のイノシシ 112
コラム:毛鈎材料としての鳥の羽根 118
どんどん広がる山と河 120
コラム:山の恵みをおいしくいただく 124
コラム:「猟師って儲かるの?」 126
命をいただきます 128
ついに猟銃を 142
コラム:猟銃を使い分ける 146
山を忍んでシカを撃つ 148
コラム:狩りと経験 153
ニンジン畑でキジを撃つ 154
河と湖でカモを撃つ 158
コラム:猟師のヤマビル対策、ダニとスズメバチ 164
猟師が作る竹の竿 165

第4章 山と河と人が繋がる暮らし 172
珍しいおっちゃん 174
スタートライン 180

あとがき 189

「はじめに」の終わりの部分


  年間を通じて生活時間のほとんどを自然の中で過ごしていますが、決して遊んでいるわけではありません。
  狩った獲物の肉は我が家の大切な食料です。毛皮と鳥の羽根は自分で毛鈎の材料に加工して、インターネットで販売しています。
  その材料を使って自分で製作した毛鈎も大切な商品です。毛鈎の仕上がりを試したり、新しいアイデアを実地で確認するために、川や湖で釣りをします。
  いま、我が家の生活の糧は、狩りと釣りから得ています。僕にとってここ南宮崎の山と河は、大切な仕事場で、最高の遊び場です。人との触れ合いと自然の恵みに感謝して過ごす日々です。
  楽しいことばかりではありませんが、山と河を駆け巡る暮らしには、人生を満喫するスパイスがあふれています。

書評


インターネット時代に山と河の恵みに生きる方法

○■山の仕事、山の暮らし■2017年07月28日 20:45

山の仕事は多様だ。山岳救助隊、山小屋経営、登山ガイド、ユリの栽培、天然氷の製造。ぜんまいとり、狩猟、サンショウウオとり。養蜂、峠の茶屋、ウルシカキ、炭焼き。山は厳しく、山は自由だ。



高桑 信一 (著)
単行本: 446ページ
出版社: つり人社 (2002/12)

■商品の説明
内容紹介
失われつつある山の民の姿を活写し、単行本刊行時各紙誌で絶賛された高桑信一氏の代表作が、ヤマケイ文庫に!
書名どおり、日本各地で、山で生きる市井の人々の姿を活写した名作です。
もとは「渓流」(つり人社)に連載され、取材期間は10年にも及ぶものでした。
2002年、つり人社から単行本が刊行されると、各紙誌で絶賛されました。
著者の高桑信一氏は、登山を通して独自の視点で「山」を表現してきましたが、本書ではそこで暮らす人の姿が主題となっており、登山の域を超えた作家となる端緒となった作品です。
狩猟をはじめ、山での暮らしが注目される今、本書は新たな価値を帯びています。
高桑信一 1949年、秋田県生まれ。電電公社からNTT勤務を経て02年退社。
「ろうまん山房」を設立してフリーランスに。主に取材カメラマン、ライター、渓流ガイドとして活動する。
著書に「一期一会の渓」「山の仕事、山の暮らし」「希望の里暮らし」(つり人社)「道なき渓への招待」「古道巡礼」(東京新聞出版局)「渓をわたる風」(平凡社)「森と水の恵み」(編著・みすず書房)などがある。 --このテキストは、文庫版に関連付けられています。

著者からのコメント
著者 高桑信一 , 2003/03/07
滅びつつも、逞しく生きる山びとの譜
「山の仕事、山の暮らし」は、「渓流」という雑誌に十年間連載されたものをまとめました。「渓流」は年に二冊の発行ですので、二十人になるはずですが、それが十九人で終わってしまったのは、それだけ山に糧を求めて生きているひとが少なくなったからです。つまりこの本は、滅びゆく山びとたちを綴った本なのです。けれどそこには悲しみがありません。晴朗とした日本の山河と、山に生きるひとびとの、おおらかな生き様があるばかりです。
 446ページという厚い本になってしまったのは、多くの写真を使ったからです。全体の半分近くをモノクロの写真が占めていますので、文だけではなく、目でも楽しんで戴けると思います。多くの方々に読んでいただけたらうれしいことです。
内容(「BOOK」データベースより)
穏やかな時間の流れに支配される、山の暮らし。ゼンマイ採り、炭焼き、サンショウウオ採り、ウルシ掻き…。厳しく、美しい日本の山を仕事の場と選び、そこに暮らす19の物語り。

内容(「MARC」データベースより)
日本の山から姿を消そうとしている山棲みの民たちの暮らしを10年に渡って追い続けた、美しいルポルタージュ。月刊つり人別冊『渓流』で「山に生きる」のタイトルで連載されたものに訂正、加筆する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
高桑/信一
1949年、秋田県男鹿市生まれ。十代から登山をはじめ、海外の高峰にも足を延ばすが、いつしか日本の風土に還る。奥利根越後沢尾根冬季初登、剱沢大滝完登などの山歴を持つが、この国の原風景に出会う山旅をこよなく愛する。夏は沢登り、冬は雪稜登高を好み、奥利根や会越国境、下田・川内など、原始の姿をとどめる山域に精通する。古道や消えゆく山里の暮らしを追ったルポを、山岳関係の雑誌などに執筆する。2002年から「ろうまん山房」を設立し、フリーランスのライター、カメラマン、山岳ガイドを本業とする。浦和浪漫山岳会会員。埼玉県杉戸町在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
1只見のゼンマイ取り 菅家喜与一 12
2南会津の峠の茶屋 中村源治 34
3川内の山中、たったひとりの町内会長 渡邊慶作 54
4檜枝岐の山椒魚採り 星寛 72
5足尾・奈良のシカ撃ち 井上盛次 94
6只見奥山、夫婦径 佐藤恒作 116
7奥利根の山守り 高柳盛芳 136
8会津奥山の蜂飼い 松本雄鳳 158
9仙人池ヒュッテの女主人 志鷹静代 182
10檜枝岐の雪が極めたワカン作り 平野茂 206
11越後山中に白炭を焼く暮らし 大津勝雄 226
12谷川岳・遭難救助に捧げた半生 馬場保男 252
13尾瀬・冬物語 谷川洋一 276
14森のひとの、夢を育むヒメサユリの花 月田礼次郎 296
15岩手・浄法寺町の漆掻き 佐藤春雄 318
16朝日・飯豊の山々とともに生きる 関英俊 342
17西上州、猟ひと筋の人生 二階堂九蔵 366
18さすらいの果てに黒部に環る 志水哲也 392
19秩父の天然水に魅せられた半生 阿佐美哲男 416

■「はじめに」の冒頭部分
  滝をひとつ越え、瀬音を楽しむようにして流れを遡ると広い台地に出た。渓の奥に残雪を戴いた県境の尾根が横たわり、燃えあがる緑の森の向こうでカッコウの声が谺していた。青い空から、春の光がまっすぐに降っていた。
  「まるで桃源郷のようだね」
  私は思わず仲間たちに呟いた。
  流れにほど近い広場の隅にゼンマイ小屋があった。小屋の前に大きなビニールシートが何枚も敷かれ、褐色に縮んだ、おびただしいゼンマイが干されていた。そのビニールシートの上で、ひとりの女性が一心にゼンマイを揉んでいた。絣のモンペに絣の作業着を着て手甲を付け、日よけの菅笠をかぶっていた。それはまるで一枚の絵であった。森と流れとそのひとが、ひとつの風景を醸しだしていた。
  私たちに気づいた彼女は、作業の手を休めてふり返った。
  「どこからきやった。お茶でも呑んだらいいべ」
  そう声をかけてくれたのである。

■書評
山の仕事は多様だ。山岳救助隊、山小屋経営、登山ガイド、ユリの栽培、天然氷の製造。ぜんまいとり、狩猟、サンショウウオとり。養蜂、峠の茶屋、ウルシカキ、炭焼き。山は厳しく、山は自由だ。

○■イヤな仕事はやらないで済ませられる■2017年03月23日 10:17

イヤな仕事をやらないで進みたい方面の仕事で生きていく具体的方法



ウイリアム・J・ライリー(著)
福原誠一(訳)
-: 182ページ
出版社: 白揚社 (1956)

■商品の紹介
内容
『イヤな仕事はやらないで済ませられる』
――仕事がイヤでイヤでたまらない人に捧ぐ――

あなたは・・・現在の仕事にあきている!!
あなたは・・・仕事にすべて満足していない!!
あなたは・・・仕事を面白くやる事ができない!!
――もし、この様な状態に該当するのでしたらあなたにとって、そ れは危険である。一刻も早くそんな状態から抜け出しなさい。本書 には、
1. 仕事を面白くうまくやる法
2. 欲しいだけのお金を容易にうる法
3. あなたの将来を、これから楽しく作りだすにはどうすればよい か、等が科学的に示されている。
仕事を楽しみながら生活できたらどんなに幸福であろう。イヤな仕 事を捨てて楽しい仕事に移る方法を、実例を挙げてすぐ役立つよう 示している。高校・大学生から、60才の定年すぎた人にいたるま で、年代別に好きな仕事をしながら金を得て、将来の楽しい生活に 移る方法を教えている。

■著者について
W・J・ライリー
米国の権威ある人事相談所の最高顧問であり、哲学博士である。一九三二年ストレイト・スィンキング協会を設立し、その会長となり、経営と職業の問題の指導に従事している。

福原誠一(ふくはら・せいいち)
昭和十五年東京商大卒業。現在某有名会社総務部長付、経営研究会委員、日本事務管理専門委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
☆仕事とは何だろうか?
☆イヤな仕事はやらないで済ませられる
      何を職業とするかについて選ぶときは
☆何故、あなたはやりたいことをやらないか
☆第一歩を踏み出す       前途の障害にイジけないこと ☆自分のすきな道に入り込んでゆくこと
      現在の仕事からすきな道に移る原則
☆あなたは対人関係をしっかりつかむこと
      自分の上役をとびこえないこと
      約束したことはきっと守ること
      どうして頑固な人の気持ちをやわらげるか
☆もし貴方が三十五才になっていなかったら
      どうやって自分の考えを人に売り込むか
      昔の上役、旧友を大切にすること
      自分の進路を図にかいておくこと
☆貴方が三十五才から五十五才の間だったら
      消極的な考えにおちこまないように
      五十五才以降の計画について
☆もしもあなたが五十五才をこえていたら

■帯より
あなたの毎日の仕事は楽しいですか、辛いですか、まだ見込みがありますか・・・もしイヤでイヤでたまらないなら一刻も早くそこから抜け出さなければいけません。本書は、”仕事を楽しくうまくやる法””欲しいだけのお金を短期間に得るアイデア””あなたの将来をこれから有効に作り出すにはどうすればよいか”等を科学的に教えます。

■書評
イヤな仕事をやらないで進みたい方面の仕事で生きていく具体的方法

○■トンガの文化と社会■2016年09月06日 19:55

南太平洋の小さな島国は、トンガ帝国とも呼ばれる海洋国家を作り、強大な権力を持つ王がいた


青柳 まちこ (著)
ハードカバー: 260ページ
出版社: 三一書房 (1991/11)

■商品の紹介
内容
長年にわたるオセアニア研究の初期に書かれた論文を中心にして編まれた書であり、全体としてトンガのイメージが読者に違和感なく伝わるように構成されている。
本書の特徴は以下の五点。
(1)土地制度と海外移住の因果関係
(2)キリスト教の受容にともなう西洋化
(3)家族、親族、そして社会組織と非単系的集団に関する社会人類学的研究
(4)余暇感
(5)子育て論
「余暇」と「子育て」という著者独自の視点が本書を出発点としていることは注目に値する。

著者について
青柳まちこ
東京女子大学文学部卒業、東京都立大学大学院修了(文化人類学専攻)
清泉女子大学助教授をへて、
現在、立教大学文学部教授、文学博士。
主な著書
『遊びの文化人類学』(講談社・現代新書)
『女の楽園トンガ』(三修者)
『モテクゲイ――ミクロネシア・パラオの新宗教』(新泉社)
『子育ての人類学』(河出書房新社)など
(データは本の出版時点です)

■目次(大項目のみ)
第I章 トンガ王朝の歴史 9
第II章 トンガの伝統的社会組織 23
第III章 トンガにおける土地制度 45
第IV章 現代トンガ村落における家族と親族 79
第V章 親族の行動 109
第VI章 トンガにおける共同作業集団 135
第VII章 トンガの衣食住 143
第VIII章 余暇観 187
第IX章 子どもの成長と社会化 203
第X章 故郷をあとにする人々 219
あとがき 250

○■フリーター労組の生存ハンドブック―つながる、変える、世界をつくる■2016年06月30日 09:24

一人でも加入できる労組で命を守る


清水 直子 (著), 園 良太 (著)
単行本: 212ページ
出版社: 大月書店 (2009/07)

商品の説明
内容紹介
「自由と生存のメーデー」「麻生邸拝見ツアー」など、斬新な発想とスタイルで話題を呼んできた「フリーター全般労組」に集う多彩な面々が、大恐慌下を生きのびるための知恵を結集!身近な労働/生活問題を乗り切る知恵から、助け合うための仲間づくり、そして社会を変えるための行動まで、コンパクトかつ実用的な全34項目。

著者からのコメント
労働で困ったとき、一人では生きていけなくなったとき、つながりたい・何かやりたいと思うとき、さらに先の行動や考えをめざすとき。人が生きるなかでぶち当たるさまざまなシーンに力を与えられるものをめざした。(中略)どうか本書をバッグの中に入れて、いつでも使いこなしてほしい。(「あとがき」より)

内容(「BOOK」データベースより)
労働がキツイ、生活がヤバイ、孤立がツライ、世の中オカシイ。クビ切り・生活保護からサウンドデモまで。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
清水/直子
1973年東京都生まれ。フリーライター。フリーター全般労働組合執行委員長(2008年度~)

園/良太
1981年東京都生まれ。フリーター全般労働組合組合員。大学で社会学を学びながらイラク反戦デモなどに参加。卒業後フリーターを経て編集プロダクション「ワーカーズコープアスラン」に就職→解散。現在、求職中。「反戦と抵抗のフェスタ」「麻生を倒せ!ないかくだとう」「憲法カフェ」でも活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■帯より
諦める前に、支援者と出会うために クビ切り・生活保護からサウンドデモまで
死ぬな、読め!
労働がキツイ……⇒01~10
生活がヤバイ……⇒11~18
孤立がツライ……⇒19~28
世の中オカシイ…⇒29~34

目次
はじめに 3
1章 働く
01 いきなりクビ!と言われたら 10
02 「売り上げが落ちたから解雇」ってアリ? 15
03 そんな条件、聞いていません! 18
04 働いているのに、給料が出ない…… 22
05 ピンハネに泣き寝入りしない 26
06 過労死・過労自殺から逃げろ! 30
07 セクハラ・パワハラに負けない 34
08 使わなきゃ損!働く人の権利を守る制度 38
09 まともな仕事につきたい! 42
10 「働く」ための相談窓口 46

2章 生きのびる
11 生活を立てなおす その1 50
12 生活を立てなおす その2 56
13 生きのびるために使ってみよう 64
14 ギリギリの命を支えあう場がある 70
15 屋根の下に住まわせろ! 74
16 衣も食も、お金がなくてもクリエイティブに! 79
17 もし、「生きていたい」とすら思えなくなったら 86
18 「生きのびる」ための相談窓口 94

3章 仲間とつながる
19 労働組合という武器の使い方 98
20 立ちあがれば勝てる! 107
21 街へ出てアピールしよう 115
22 ゼロからはじめるデモづくり 121
23 デモで表現しよう 127
24 デモを広める・続けるために 134
25 私たちによる、私たちのための情報発信 143
26 女性どうしでつながる 148
27 地方はつらいよ 154
28 地域・運動を越えてつながる 160

4章 ステップアップ
29 万国の労働者、休め! 170
30 共同妄想で分断を越える 176
31 社長はいらない! 182
32 プレカリアートは増殖する 188
33 民主主義を想像/創造する 194
34 戦争と貧困のスパイラルから降りる 201

あとがき 209

「はじめに」の中ほどの部分から
この本では、フリーター全般労組の具体的な活動や労組界隈の仲間が経験したことを通して、この時代に生きる多くの人、とりわけ若者にとっての共通課題である労働・生活と精神的な不安定さに立ち向かうための実用的な知識をまとめた。
まずは、この社会で働きサバイバルをしていく上で最低限知っておきたいこととして、1章、2章では、解雇、残業代の割り増し、社会保険、生活保護などについての知識を盛り込んだ。でも、知識だけでは足りない、おかしいと頭ではわかっていても、自分一人では「自分のせいだ」「仕方ない」とあきらめてしまいがちだ。理不尽なことに立ち向っていくためには、誰かが支えてくれているという実感、そして、自分たちを取り巻く現実を変えられるという実感が欠かせない。だから、3章で仲間とつながって変えていくというステップを踏んで。4章では、新しい世界をつくっていくいくつかの方法を提案した。
それぞれ項目ごとに独立した内容になっているので、ニーズに合わせて興味や関心のあるところからページをめくってほしい。

書評
本が好き!

?●私のフォト・ジャーナリズム―戦争から人間へ(平凡社新書)●2015年07月10日 10:14

30年間にわたるフォト・ジャーナリストとしての活動を支える思想と苦悩・喜び


長倉 洋海 (著)
新書: 288ページ
出版社: 平凡社 (2010/11/16)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
人に出会い、撮り、伝えることとは何か―。パレスチナ、エル・サルバドル、アフガニスタン、フィリピン、山谷、南アフリカ、アマゾン、コソボ、シルクロード…紛争地、辺境に生きる人を撮り続け、たどり着いた写真/報道の可能性。人種や宗教に分断された現代世界と、そこに生きる人々の希望を写し出す。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
長倉/洋海
1952年北海道釧路市生まれ。時事通信社を経て、80年よりフリーランスのフォト・ジャーナリスト。『マスード―愛しの大地アフガン』(宝島社)で第12回土門拳賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■「序」より
本書は、30年間にわたって、世界各地の現場で、私が何にカメラを向け、どう撮ってきたのかを、フォト・ジャーナリストとしての視点から、書き起こしたものである。時には、撮影に迷ったことも、自己嫌悪に陥ったことも、機材を投げ出して帰りたくなったこともある。そんな自分の苦悩や喜びを、そのまま書き記した。

■目次(大項目)
序 激動の世界の目撃者から、人間の存在を写し込む記録者へ
  フォト・ジャーナリストを目指す若者へ

第一部 戦場を目指して
ローデシアへ 14
  白人の支配する国/黒人たちの熱狂/ほろ苦い写真家デビュー/元ゲリラ戦士ザンベとの出会い
フリーランスへの旅立ち 25
  探検部でカメラに出会う/戦場カメラマンを目指す/通信社カメラマンに/辞表を出し、フリーランスに
激動の瞬間を求めて 35
  最後の白人帝国、南アフリカ共和国へ/ソマリアへ/中東の火薬庫パレスチナへ/アフガニスタンへ/傷心の帰国
第二部 戦争から人間へ
内戦下のエル・サルバドルへ 58
  難民キャンプのやさしき人々/死を記録するカメラマン、ペドロ/ゲリラと政府軍の戦闘/生と死を通して見えてきたこと/「自分の写真」への一歩
虐殺の地、ベイルート 76
  二度目のパレスチナ/大虐殺/カメラを持つ者として
アフガニスタンの戦士、マスードとの百日 82
  同じ若者として/過酷な船旅/マスードとの出会い/若き指導者、マスード/イスラム戦士たちとの生活/「戦争」を伝える
イスラム革命下のイラン 104
  ホメイニ氏の革命/完全な失敗
フィリピン、民衆による革命 106
  革命前夜/スラムの生活/軍の暴力/決定的瞬間の「前夜」
エル・サルバドル再び 121
  二度目のエル・サルバドル/戦場で生死を分けるもの/終わらぬ内戦/「戦争」の背景を撮る/戦争から人間へ/出会った子どもたち/撮り続けて見えてくること
日本へ 140
  寿町のフィリピン人/日雇い労働者の街、山谷/ふるさと釧路へ
南アフリカの大地で 162
  アパルトヘイトの終焉/金鉱労働者ソロモンとのクリスマス/南アフリカの大地に生きる
熱帯の密林、アマゾンへ 175
  緑の魔境へ/クリカチ族の村へ/ヤノマミ族の村へ/森の哲人アユトンの言葉/人間の根っこを撮る
コソボのザビット一家 190
  破壊された大地/ザビット夫婦と七人の子どもたち/未来を考えた報道を/再生に向けて
私のフォト・ジャーナリズムの原点、アフガニスタンとエル・サルバドル 202
  その後のマスードと戦士たち/マスードの夢を追って/マスードの死/出会いの意味を考える/エルサルバドルの少女スース/内戦を生き抜いて/私のフォト・ジャーナリズムの原点

第三部 新しい世界地図
アフガニスタン、山の学校の子どもたち 238
  取材の恩返しを/子どもたちの夢と笑顔
人が出会い交わる道、シルクロード 244
  新しい挑戦/タクラマカン砂漠ヘ/カシュガルからパミールへ/西域の市場を撮る/サマルカンドへ/アジアを吹き抜ける風/海のシルクロード/東西の交わるトルコで
私のフォト・ジャーナリズム 269
  世界を見て伝えること/フォト・ジャーナリズムと報道写真/人間を撮る/写真の持つ力/私のフォト・ジャーナリズム

写真説明 286

■一言:
ピダハンのいう直接経験の原則から外れるジャーナリズム。やはり限界がありそうです。

○●僕は動物カメラマン●2015年06月21日 09:39

偶然カメラと出会って一生の職業に。


宮崎学 (著)
発行所: どうぶつ社
1983年9月1日発行
163ページ

商品の内容
ガキ大将だった少年が自己に目ざめプロ・カメラマンとして活躍するまでの青春記。話題作を発表しつづける著者の撮影技術も公開。

著者略歴 (「ツキノワグマ」の「BOOK著者紹介情報」より)
宮崎/学
1949年、長野県に生まれる。精密機械会社勤務を経て、1972年、独学でプロ写真家として独立。『けもの道』『鷲と鷹』で動物写真の世界に新風を巻き起こす。現在、「自然と人間」をテーマに社会的視点に立った「自然界の報道写真家」として日本全国を舞台に活躍中。1978年『ふくろう』で第1回絵本にっぽん大賞。1982年『鷲と鷹』で日本写真協会新人賞。1990年『フクロウ』で第9回土門拳賞。1995年『死』で日本写真協会年度賞、『アニマル黙示録』で講談社出版文化賞。2002年「アニマルアイズ(全5巻)」シリーズで学校図書館出版賞(本データはこの書籍(ツキノワグマ)が刊行された当時に掲載されていたものです)

目次
立身出世青春編
アルプスの見える村にて 8
"悪ガキ"時代 12
ある事件 19
高校なんかへ行くものか 23
覚悟の買い物 27
楽しかった毎日 32
青春の力だめし 38
雪山の興奮 44
3人の人 64
結婚したい女の子 73
ある自信 75
けもの道 79
ワシとタカ 85
野生の感覚 94

作品編
イヌワシ 17
ハチクマノヒナ 18
カモシカ 35
ツキノワグマ 36
フクロウ 53
モモンガ 54
ヒメネズミ 71
ツミ 72
ハチクマ 89
カンムリワシ 90
イヌワシ・ハヤブサ・ミサゴ 91
オオタカ・ハイタカ 92
ノウサギ 125
ヒメネズミ・テン 126
キツネ・イタチ・タヌキ 127
カモシカ 128

自分流写真術
2つのシステム 102
どんなカメラを使っているか 106
使いやすいレンズ 110
フィルムとフィルターについて 112
撮影の前の準備 114
ニッサン・キャラバン 116
スズキ・ジムニー 119
トライアルバイク 120
観察のための主力武器 122
身をかくすための知恵 131
登山道具 133
メカの開発 136
赤外線感知装置 138
レンズの改造 140
無人管理 145
カメラ・ケース 148
相手を知るための独自な工夫 151
撮影本番、ああ苦痛! 154
動物写真は芸術か? 157
こんなカメラを使ってみたい 160
(作品編はまとまったページではなく、
それぞれの作品が掲載されたページを示しています)。

■あとがきにあたる部分
●私の青春時代は、とにかく無我夢中だったような気がする。 プロに、なれたらなるのではなくて、絶対になるんだといった気持で、日夜、がんばっていたようだった。 ●それだけに、いま思い返してみれば、苦しみ悩んだ"ハングリー"な時代がなつかしくもある。そして、気がついたらプロになっていて、このような本を書かされるはめになってしまった。 ●プロにあこがれ、なれたと思ったら、また別な苦しみのあることに気づいた。 私は、撮影のあい間、それも夜中にこれを書きながら、あらためてプロとは何かを考えさせられた。 ●プロとは、どうやら"生きざま"のすべてをさらけ出さなければならないらしい。 まるでヘビににらまれたカエルのごとく、私はこの仕事を引きうけてしまった。 ●だが、それも"どうぶつ社"という暖かみのある社名に原因があったような気がする。 久木亮一氏には、原稿のすべてにわたってお世話になった。 紙上をかりてお礼申し上げます。●

■一言
生涯の職業と出会った人物の青春期を読みたい。

図説 日本の職人 (ふくろうの本)2015年06月15日 08:22

日本が誇る職人たちの神の手技、ここに極まる。現代の名工30人の物づくりにかける情熱とその逸品を写真と文章で紹介。(「BOOKデータベースより)


神山 典士 (著), 杉全 泰 (写真)
単行本: 143ページ
出版社: 河出書房新社 (2007/10)

■商品の説明
出版社からのコメント
寄木細工、唐紙、鼈甲、半纏、印伝......など、日本が誇る職人たちの神の手技、ここに極まる! 本書は、日本の職人30人からなる手技を通して、忘れられた日本の美意識、生活様式を探訪します。
この国に生まれた喜びを、全国の職人の生き方とその技でかみしめ、贅沢な時間を味わうことができるとともに、「死ぬまで現役」という現代の名工の物づくりにかける情熱とその逸品を写真と文章で紹介していきます。
その職人技をとくとその目で確かめてみてはいかがでしょうか。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
神山/典士
ノンフィクション作家。1960年埼玉県生まれ。信州大学卒業。異文化、アウトロー、地域文化、表現者等をテーマに、さまざまなジャンルの主人公を探し続ける

杉全/泰
1945年福島県生まれ。成蹊大学卒業。写真家石黒健治に師事し75年独立。人物写真、北欧やアジアの信仰に関する写真を新聞雑誌、単行本、写真展などに発表している。泰工房主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■一言:
ものづくりの情熱に後押しされた無休生活

△●日本一の変人経営者―CoCo壱番屋を全国チェーン店に育てた男の逆境力●2015年05月30日 11:20

「行き当たりばったり」という言葉の裏にある信念


宗次 徳二 (著)
単行本: 214ページ
出版社: ダイヤモンド社 (2009/11/13)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
常識の逆をやれば上手くいく。オンリーワン、ナンバーワンへのこだわり。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
宗次/徳二
1948年、石川県生まれ。愛知県立小牧高等学校卒業後、八洲開発株式会社を経て、1970年、大和ハウス工業株式会社入社。1973年に独立し、岩倉沿線土地を開業する。1974年、喫茶店「バッカス」開業。1978年、「カレーハウスCoCo壱番屋」を創業する。1982年に株式会社壱番屋を設立し、代表取締役社長に就任。1998年、同社代表取締役会長に、2002年には引退し創業者特別顧問となる。2003年、NPOイエロー・エンジェルを設立し、理事長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
まえがき 3
プロローグ
・日本一の標語「お客様 笑顔で迎え 心で拍手」 16
・「ニコ、キビ、ハキ」が壱番屋のモットー 18

第一章 逆境に生まれ育ち、生涯の天職に出会う
・「人生を決定づけた日本一のパートナーとの出会い」 26
・「スーツを捨て客商売に天職を見出す」 38
・「モノのサービスより真心のサービス」 43
・「低迷続く不振店を救った口コミの威力」 48
・「拡大余地ある出前サービスに挑戦」 53
・「こだわりの味より普通の家庭的な味がいい」 58
・「天涯孤独に生まれ極貧の少年期を過ごす」 63
・「貧しい家計を支えた早起きのアルバイト」 67
・「逆境が楽天的で前向きな性格を培った」 74

第二章 無我夢中で働き、日本一幸せな経営者に
・「開店記念の二日間は大盛況だったが」 82
・「失敗は無駄ではない、必ず後で生かされる」 86
・「カレー専門店にすべてを賭け、喫茶店を売却」 90
・「ライスの量と辛さはお好みで、が大ヒット」 96
・「FC加盟の当初条件は夫婦二人、専業で取り組むこと」 102
・「殺到する応募の断りの口実で悩む」 107
・「社員の独立を促すブルーシステム発進」 110
・「なぜBSで独立すると成功の確率が高いのか」 113
・「実験的なファミリー向け店舗が超繁盛店に」 117
・「店舗数増より失敗店を出さないことを優先」 123
・「全国各地で新規出店を加速、株式公開を果たす」 127
・「信頼できる日本一の後継者に恵まれ53歳で引退」 132

第三章 早起きと掃除、そして真心の接客が成功の秘訣
・「夫婦の絶妙なコンビで創業期を乗り切る」 140
・「創業経営者は現場第一主義を率先垂範で示せ」 143
・「クレームも、励ましも、経営上の貴重な財産」 150
・「モーレツ社長は日本一の働き者」 153
・「経営者は社交的でないほうがいい」 158
・「人生、経営の成功は早起きから始まる」 161
・「目標設定は小さいほうが絶対よい」 165
・「売上不振の店は掃除で蘇る」 167
・「心の接客サービスにゴールはない」 176

第四章 公明正大な経営姿勢が健全で強い企業をつくる
・「人材は経営者の背中を見て勝手に育つ」 182
・「ガラス張りの経営体質が強い会社をつくる」 186
・「社会貢献や慈善活動は経営者の義務」 189
・「夢や目標を持つ人たちを支援したい」 193
・「クラシック音楽は人をやさしくすると実感」 197
・「もっとクラシックファンを増やしたい」 202
・「お客様の視点に立った日本一の音楽ホールに」 208

あとがき 210

■「モノのサービスより真心のサービス」から抜粋
(最初に始めた喫茶店について)
  「バッカス」では、開店以来、モーニングサービスを一切行わず、ピーナッツ一皿に30円の値段をつけて販売した。(第2段落)

  銀行の融資担当者や焙煎業者にも「モーニングサービスは絶対にやらなければダメ」とアドバイスされたが、私たちの店づくりの本質じゃないと突っぱねた。 私も妻の直美も、こうした「モノや安売りのサービス」には抵抗があった。(第4段落)

  また、このころの喫茶店といえば、ヒマなときは店の従業員がお客様の席に座って食事をしたり、 マスターがタバコを吸いながら競馬新聞を読んでいたりする、ちょっと常識に欠けた場所だった。 さらに常連客だけが居心地のいいような店も多かった。 私たちはそうしたことを一切せず、初めて訪れる一見さんにも常連さんにも公平な態度で接し、 お客様本位のサービスと店づくりに徹しようと心がけた。(第6段落)

  中でも、トーストやサンドイッチの人気は群を抜いていた。他店ならモーニングサービスでコーヒーに付いてくるトーストを当たり前のように次から次へと注文してくれるのだ。 その人気のパンは、保証人を引き受けてくれた義兄が勤めていた製パン会社の評判の逸品だった。(第10段落)

■一言:
客単価の高さ、よさそうな労働環境、一般的な味など、独自性を感じる経営
安売りをせず、安定した品質と、利用のしやすさを提供して、一定の利用者を維持。