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○■顔の本―顔はさまざまなことを語ろうとしている■2016年09月30日 19:14

間取りの工夫が顔を作る


香原 志勢 (著)
単行本: 221ページ
出版社: 講談社 (1985/03)

■内容(「BOOK」データベースより)
動物の顔をひきつぐものとしての人間の顔、その機能と表情のもつ意味、人種間の相違、そしていい顔であることの条件などをわかりやすく解く。人類学の碩学による類書のない格好の読物。

著者について
香原志勢(こうはら・ゆきなり)
一九二八年、東京に生まれる。一九五一年、東京大学理学部卒業。信州大学助教授を経て現在、立教大学教授。専門は人類学で多岐にわたっており、表情、海女、混血児など人類の適応の問題を扱う一方、人体と文化の関係について研究を進めている。著書に『人類生物学入門』『人間という名の動物』『人体に秘められた動物』『手のうごきと脳のはたらき』『老いを考える』他多数。

■目次
一 なぜ顔が気になるのか 8
王様とお面/寓話にみる顔の問題点/顔か心か、心か顔か/美男美女はむしろ不幸

二 顔のたどった道 21
ミノムシの顔/顔とはなにか/脊椎動物ことはじめ/水から陸へ/両生類と爬虫類/鳥類―人間のあこがれ/哺乳類―人間と心の通うもの/霊長類―人間に似すぎたもの/動物ばなれした顔

三 顔の部品―目・鼻・口など 50
顔と頭のちがい/目―見る器官/黒目と白目/まつ毛と涙/さまざまな鼻/人間の鼻はなぜ高い/鼻にまつわるもの/下あご/赤い唇・ひげのある唇/刃物としての歯/咬合と歯ならび/耳/額/顔毛と頭髪と皮膚

四 表情のしくみを探る 95
仏像と心と姿/口を開ける筋肉・閉じる筋肉/動物の表情筋/目と口のまわりの表情筋/表情筋と心の動き/顔面神経と三叉神経/左右非対称な表情/表情と顔のしわ/顔の表情と全身の身ぶり/外向性、内向性/かわらざるものとしての表情

五 見られるものとしての顔 123
コンフィギュレーションとしての顔/福笑い/頭骨における間どりの問題/顔の中の主役/もう一人の主役/顔舞台にあらわれるその他の役者たち/顔における性差と年齢差/顔を生かすくびの動き/見られる顔への反省

六 顔と心 150
顔に投射される心の動き/心の動きと顔の筋肉と自律神経/顔かたちと心/テレビによる顔の観察/人相学批判と性格学/表情と人間の行動

七 日本人の顔と表情 167
仏像の顔/体表―肌・目・髪の毛/モンゴロイドの寒冷適応/歯槽性突顎/そのほかの顔のかたち/表情の人種差/日本人と周辺の人びとの顔の特徴

八 顔を装う 189
眼鏡・義歯などの実用品/いれずみ・文身瘢痕などの奇習/歯の美容/頭髪・ひげの美容/化粧/仮面―他者の顔へ変わること/形成外科と顔/顔の否定と展開

九 顔に託すもの―美・人柄 208
いい顔をした人/顔の美醜/人柄をあらわす顔/人間の顔のアイデンティティ

あとがき 221

■「あとがき」の中間部分から
  顔を考えるにあたって、人びとは対照的に内なるものを考える。それは、ふつう心を意味する。本書では、人間の顔は動物の顔をひきつぐものとして、まずは目・鼻・口などの外面的な臓器や骨・筋肉・皮膚などに目をむけ、よい顔である条件として、これらのものの堅実なあり方に力点をおき、その後に、ようやく顔のあらわす心に触れることにした。それだけに、いくらいい顔をつくろうとして笑顔をつくろっても、また、化粧に専念しても、それは半ば空しい努力にすぎない。顔面内蔵やその他身体諸器官の調和のとれた発達が加わらなくてはならない。(221ページ)

■書評
間取りの工夫が顔を作る

○■サルが木から落ちる 熱帯林の生態学■2016年08月20日 09:04

熱帯の動植物が見せる生きる姿

■書評
るびりん書林 別館

スーザン・E. クインラン (著), Susan E. Quinlan (原著), 藤田 千枝 (翻訳)
単行本: 175ページ
出版社: さえら書房 (2008/04)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
中央アメリカの熱帯林にすむホエザルがときどき木から落ちるのはどうしてだろう?同じトケイソウなのに生えている場所のちがいで葉の形がちがうのはなぜか?アリアカシアのトゲの中にすむアリとアカシアの関係は?熱帯林に暮らす生きものたちのさまざまな謎を解いていくうちに、彼らの生きたつながりが見えてくる…十二の物語。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
クインラン,スーザン・E.
野生動物学者。長年、野外生物を研究し、野外教育にも携わってきた。ガイドとして中央アメリカ、南アメリカの熱帯林の多くの探検に加わった。その仕事のあいだに、動植物のイラストを描くようになり、現在では彼女の作品はカードやポスターなどになり、教育に使われている。著書はいくつかの賞をうけている。アラスカのフェアバンクスに、夫と二人の娘と共に暮らしている

藤田/千枝
東京生まれ。お茶の水女子大学理学部卒。科学読物研究会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
はじめに 7
動物たちはどこにいるのだろう? 13
種の数は? 29
「サルが木から落ちる」事件 35
アリ植物の軍隊のなぞ 49
チョウをだますトケイソウ 61
カエルの猛毒をさぐる 79
寄生、それとも助け合い? 89
チョウの奇妙な追跡 101
翼のある果物どろぼう 113
サルの糞にひそむなぞ 125
姿なき花粉運び屋 137
森の大きさはどのくらい必要か? 151
熱帯のシンフォニー 170
訳者あとがき 174

■「動物たちはどこにいるのだろう?」より
  また、熱帯林の植物の多くは、大部分の動物にとっては消化しにくいか、まったく消化できないのだという科学者もいる。理由はどうあれ、熱帯の多くの鳥、ほ乳類、は虫類、両生類、昆虫が生きのびるためには非常に広い森が必要だし、そこで暮らしていける生きものはごく少ししかいない。

○■カンジ―言葉を持った天才ザル■2015年08月10日 11:37

発話能力と言語を理解する能力の違い、人間と他の動物に共通する認知システム


スー サベージ・ランボー (著), 加地 永都子 (翻訳)
単行本: 239ページ
出版社: 日本放送出版協会 (1993/03)

■内容(「BOOK」データベースより)
彼はボノボ(ピグミーチンパンジー)のカンジ。覚えた英単語は約1000語。日常生活にはほとんど不自由しません。本書は気鋭の女性科学者であるランボー博士が、カンジとの出会いから現在までの4500日を綴った驚異と感動の手記です。

スー・サベージ・ランボー
一九四六年、アメリカ、ミズーリ州生まれ。 オクラホマ大学で心理学を専攻し、博士号を取得。
現在、ジョージア州立大学言語研究センターにおいて、霊長類の言語能力と知覚についての研究を進めています。
夫君のデュエイン・ランボー博士は同言語研究センター所長でもあります。
この本は日本の読者のために、初めて書き下ろされました。
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
序にかえて ― 河合雅雄
日本の読者へ ― スー・サベージ・ランボー
第一章 ボノボは愛することが好きなサル 10
・私が言語研究センターでカンジと初めて出会ったとき、彼はまだ生後六カ月。 両親はザイールから連れてこられたが、彼はアメリカ生まれのアメリカ育ちだ。
第二章 境界を越えたサル、カンジ 20
・カンジは新たに二人の母親を得た。それは養母のマタタと、彼にすっかり()きつけられた私だった。 こうして三者の奇妙な生活が始まった。
第三章 ボノボは言葉を学べるか 29
・サルは言葉を学べるのか、サルとヒトはコミュニケーションできるのか。 私たちは、この困難な実験に「レキシグラム」という装置を使って挑戦することになった。
第四章 母と子の絆 47
・マタタの教育方針は自由放任主義。そんなマタタのもとでカンジは元気に育っていく。 しかし、ある日マタタが他の研究所へ送られることになる。
第五章 カンジは秘密をもっていた 59
・マタタの姿が消えた日、私たちの心配をよそに、カンジは驚くべき能力を示しはじめた。 そこには、私に向かって「話しかける」類人猿がいた。
第六章 森へ行く 70
・研究センターの隣の二〇ヘクタールに及ぶ原生林には、カンジのために小道が敷かれ簡単な小屋がいくつもつくられた。 そして、ここを散歩することが、私たちの最高のお楽しみとなった。
第七章 カンジの朝 81
・カンジの好奇心は、朝目覚めると同時にフル回転で発揮される。 ゲームに熱中し、外部からの来訪者を観察し、鏡に向かって百面相をして見せる。そんなカンジの一日。
第八章 チェイス 100
・カンジのもっともお気に入りのゲームの一つが「チェイス」(追いかけっこ)。 スローモーションにしてみたり、かくれんぼと組み合わせてみたり、楽しみ方はいろいろだ。
第九章 カンジが泣いた 124
・マタタがもどってきた!睡眠薬で眠らされ、小さな檻に押し込められて。 そのことを伝えられたカンジは、電気に触れたかのように私をみつめた。
第十章 カンジの夜 133
・ベッドルームに入ったカンジは、何枚もの毛布を使って寝床をこしらえる。 寝つくまでのひとときを、この中で大好きなビデオ鑑賞にあてるのが彼の夜の日課だ。
第十一章 カンジのひとり言 143
・昼寝の時間や一日の静かなとき、カンジは私たちから距離をおき、キーボードを使ってよく一人で話をしている。 ちらっとかいま見た、その内容は。
第十二章 セオリー・オブ・マインド 158
・成長するにつれて、カンジのコミュニケーションの内容はますます豊かで複雑なものになっていった。 そして、いつしか簡単な文法の能力も身につけていた。
第十三章 「ジャガイモを亀に投げられる?」 185
・言語学者は複雑な相互関係によって組み立てられる象徴的情報を処理できるのは人間だけだという。 だが、カンジはこうした分にもすばらしい反応を示した。
第十四章 サルはどこまでヒトになれるか 211
・カンジは、私たちと共通の祖先が共有していたにちがいない能力について、多くのことを教えてくれる、 ヒトとサルとのミッシングリンクなのだ。

「カンジ」の理解を深めるためのノート 229
ランボー博士と言語研究センター ― 新生玄哉 230
監修を終えて カンジに出会ってしまったヒト ― 古市剛史 233

■見返しの言葉
「サルはヒトの言葉を理解できない」
これが世界の科学者たちの見解でした。
ところが、英文法を理解し、
ヒトと対話するサルが出現したのです。

彼はボノボ(ピグミーチンパンジー)のカンジ。
覚えた英単語は約一000語。
日常生活にはほとんど不自由しません。
本書は気鋭の女性科学者であるランボー博士が、
カンジとの出会いから現在までの
四五〇〇日を綴った驚異と感動の手記です。

■扉の言葉
主人公のカンジはオスのピグミーチンパンジー。
ピグミーチンパンジーは私たちが動物園で見かけるふつうのチンパンジーとは違い、
アフリカのごくかぎられた密林で生きつづけ、
数十年前に発見されて「最後の類人猿」と称されました。
現在ではボノボと呼ばれることが多くなってきています。
両親はザイールから連れてこられましたが、カンジはアメリカのアトランタ生まれ。
生後6カ月の彼が女性研究者の
サベージ-ランボー博士と出会うところから、この手記は始まります。

■一言
外界を同じように知覚し、同じように処理する人と動物

■書評:
るびりん書林 別館

◎■グアヤキ年代記―遊動狩人アチェの世界 (インディアス群書)■2015年07月26日 22:51

後に「国家に抗する社会論」へと飛躍したピエール・クラストルの初仕事


ピエール クラストル (著), Pierre Clastres (原著), 毬藻 充 (翻訳)
単行本: 440ページ
出版社: 現代企画室 (2007/01)

■商品の紹介
内容
権威を根底から拒否し、権力の絶対的否定を表明する集団
南米パラグアイの熱帯森林に生きるグアヤキ(自称は「人間」を意味するアチェ)民族は、南米先住民の中では例外的なことに、遊動の狩人・採集民である。
フランスの民族学研究者ピエール・クラストルは一九六三年、グアヤキの宿営区に入り、一年間生活を共にする。
性愛、出産、狩猟、食、住居、用具などにまつわる日常生活の仔細な観察、微苦笑を誘わずにはいない子どもたちや若い女性たちとの交流に始まる叙述は、
次第にその神話世界、「征服」以降の歴史過程、食人習慣の分析へと展開する。
伝統的な「未開」社会観を根底から覆すだけの衝撃力を秘めた、クラストル初のこの仕事は、やがて「国家に抗する社会」論へと飛躍していく。
権力の拒否、無益な過剰の拒否など、グアヤキ社会の自律的な原理は、現代の私たちに何を語りかけるだろうか。

著者について

「訳者あとがき」に記された、原著の紹介文の翻訳より)
  「ピエール・クラストルは一九三四年に生まれ、パリで哲学を研究した後、民族学に向かった。
  数年間をパラグアイのさまざまなインディオの部族―グアヤキ、グアラニ、チャコのアシュルスレー―で過ごし、一時期サンパウロで教鞭をとった後、 アマゾンのベネズエラ領に居住するヤノマミのもとに滞在した。
  フランスに帰国して国立科学研究センター研究員、コレージュ・ド・フランス社会人類学研究所(クロード・レヴィ=ストロース主宰)の研究員になった。
  この著者にとっては、民族学者はみずからの研究の編纂者や未開社会文化の記録保管者ではなく、政治思想家である。
  グアヤキのもとに滞在した体験をもとに、彼は賞賛すべき著者『グアヤキ・インディオの年代記』を出版した。 この著作は本質的な証言であり、ここでクラストルはほんの些細なグアヤキたちの慣行や言葉や思考にも、限りない精密さで観察の眼を向け、それらについて詳述している。 著者はグアヤキたちの振る舞いや思想と文字通り相互浸透しながら、この部族と親密に交流したのである。
  ピエール・クラストルは一九七七年に事故で亡くなった。 彼はわれわれの時代の魅力的な研究者の一人でわり続けるだろう。 政治人類学という観点で、彼は民族学に専念し、それを表現したのである」

毬藻/充(まりも・みつる)
1950年生まれ。現在、同志社大学で哲学講義担当。龍谷大学ほかでヨーロッパ・フランス文化論系の講義を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
第一章 誕生 7
第二章 二つの平和条約について 53
第三章 逆方向に 89
第四章 大人 142
第五章 女性たち、蜜蜂、戦争 192
第六章 殺害 241
第七章 同性愛者の生と死 286
第八章 食人種 325
第九章 終末 369

議論と批評 375
訳者あとがき 408
挿絵一覧表 416
テーマ索引 i
名前と場所の索引 xx

■「議論と批評」より(本書に対する反響)
国家のない
  古典的人類学は、国家のない社会と国家によって統制された社会とを対立させる。 国家がなければ社会は欠如の状態にあり、歴史の周辺部に引きこもり、権力を知らないであろうし、 そうした社会は惨めな生存経済でくたくたになっているだろう、というわけである。 「未開」社会という名前はここに由来する。 それは生産の発展にもとづくわれわれの歴史的社会に対立して用いられているのである。 この貧弱な分析のなかに、ピエール・クラストルは一世代の研究者たちが抱いていたあらゆる政治的、哲学的偏見を読み取り、この分析に対して彼は、理論を正当化する代わりに 事実を研究することで決定的に反論するのである。 未開社会は権力について何でも知っているのであり、彼らの組織全体はこのような分析とは逆のことを示している。 その社会は最初の豊かな社会、余暇の社会であり、不平等、奴隷状態、社会の分化―ここから国家は生じる―をもたらす余剰の財を避けるために、 「熟慮して」労働を制限しているのである。 未開社会は国家に抗する社会である。
    グザウィエ・デルクール、『ル・モンド』、一九七七年八月五日

■一言:
わかりにくいが、極めて重要な事実を指摘した本

■書評:
るびりん書林 別館

○■人とサルの違いがわかる本 ―知力から体力,感情力,社会力まで全部比較しました■2015年06月19日 10:10

ヒトはスタスタと歩くサル

杉山幸丸 (著)
単行本(ソフトカバー): 240ページ
出版社: オーム社 (2010/2/19)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
サルを知ることは、人を知ることだ。なぜならサルたちは、私たち人類の直近の隣人だからだ。生物進化のなかでサルが人の親類だということは、一八五九年にチャールズ・ダーウィンが『種の起源』を公にして明らかにした。繰り返し検討し直されてきたことだが、混沌とした現代だからこそ、人類の未来を誤らないために再度見直してみよう。進化のなかで何がサルと人の道を分けたのか、人は本当にサルより優れていたのか、最新の研究成果を含めて見直すことにより、私たちは人類の未来を切り開くためのヒントを得たい。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
杉山/幸丸
1963年、京都大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士。1963‐1970年、京都大学理学部助手。1970‐1999年、京都大学霊長類研究所助教授、教授(96‐99、所長)。2000‐2006年、東海学園大学人文学部教授(00‐04、学部長)。現在、京都大学名誉教授、東海学園大学名誉教授。専門分野は人類学、生態学、行動学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次(大項目)
はじめに iii
第1章 人とサルの進化
1 ダーウィンが考えた人の由来 2
2 霊長類の誕生 5
3 人と類人猿の誕生 8
4 類人猿と初期の人類 11
5 人とサルの遺伝子 14

第2章 人とサルの身体の構造
6 体の骨組み 18
7 雌雄での体格差 21
8 手の構造と握力 23
9 指紋による個体の特定 26
10 足の構造 28
11 顔のつくり 30
12 消化管 32
13 喉の構造と声 35
14 体毛の生え方 37
15 血液型 39
16 五感の特徴 41
17 成長の速度 43

第3章 人とサルの食と住
18 好きな食べ物 46
19 必要なカロリーと必要栄養素 49
20 食物欠乏季のエネルギー摂取 52
21 メタボはあるか 54
22 雨や寒さのしのぎ方 56
23 大型類人猿の寝床 58
24 衛生意識 61

第4章 人とサルの病気と老化
25 一番多い死因 64
26 寿命の差 66
27 老化の症状 68
28 寄生虫 70
29 病気と薬の使用 72
30 エコ意識 75
31 エイズにかかる 75
32 障害を持つサルの存在 79
33 花粉症にかかる 81

第5章 人とサルの体力と運動能力
34 力の差 84
35 走行能力 86
36 走る速度と持久力 89
37 バランス感覚 91
38 距離感と空間知覚能力 93
39 小麦をつまめるか 96
40 ドライバーを回せるか 99

第6章 人とサルの親子関係
41 お産の仕方 102
42 父親の子育て参加 105
43 お婆さんの役割 107
44 他人の子どもの世話 109
45 血縁意識 111
46 生涯に持つ子の数 113
47 子どもの自立のため親がすること 116

第7章 人とサルの社会生活
48 ボスの選ばれ方 120
49 集団のサイズと構成 123
50 群れへの加入と離脱 126
51 集団を移籍する静 128
52 子どもは社会に組み込まれてゆく
    (1)サルの場合 131
53 子どもは社会に組み込まれてゆく
    (2)人の場合 134
54 挨拶―互いの緊張をほぐす方法 136
55 分配・贈与とお返し 139
56 共同作業 142
57 同盟・連合と政治 144< 58 男女の分業 146
59 群れと家族のかたち 148
60 子殺しの怪 150
61 殺し合いと戦争 152
62 人口密度の社会への影響 155
63 混群と混血の問題 157

第8章 人とサルの感情表現
64 性の季節 160
65 顔での感情表現 162
66 身ぶりや声での感情表現 165
67 恐怖の表現 167
68 火や水への恐怖 169

第9章 新しい行動と文化
69 新しい行動の始まり 172
70 動物の道具使用と政策 175
71 霊長類の道具使用と制作 178
72 反復利用と複合道具 181
73 利き手 184
74 文化―教育と新行動の伝播 186
75 言葉と数と画像 189

第10章 心と知能 192
76 脳の大きさとIQ 192
77 知能や心が発達した理由 194
78 記憶力の差 196
79 音楽や絵画を楽しむ 198
80 夢を見る 200
81 言葉を使う 202
82 数の概念 205
83 「騙し」と「嘘」 207
84 相手への気遣い 210
85 同情と共感 212

第11章 人とサルのこれまでとこれから 216
86 資源の違い 216
87 サルの実験使用 218
88 人だけが増えた理由 221
89 「猿の惑星」 223
90 生き残るのは人かサルか 225

あとがき 227
主な参考図書 228
索引 229

■あとがき
  人も生物進化の産物だという観点から本書を書き上げた。 文明に取り囲まれ、生物からかけ離れたかのような存在になっている現代人も、生物の基本原則という大黒柱を驚くほどしっかり背骨に持っていることをおわかりいただけたことと思う。 そして、現代人と現代社会の抱える問題の根元が見え、それらに対処する道筋も楽しみながら理解してもらえたはずだ。 今の世の中、社会全体で変えていかなければならない問題が多いが、個人でだって始められることもたくさんあるはずだ。
  本書は免許や資格が取りやすくなるハウ・ツウ本ではない。また、明日の生活を便利にするわけでもなく、物価を下げるような役割も果たさない。 しかし、あなたの心と生き方にほんの少しずつ軌道修正を迫るものだと確信している。 堅苦しい言い方をすれば、それこぞが哲学というものだろう。 ご自分の生き方の哲学を打ち立てる参考にして欲しいと願ってやまない。
  原稿執筆の過程で松原幹、中村克樹、大橋岳の各氏から資料の収集や原稿の補筆などでご支援いただいたことを記してお礼申し上げる。
        二〇一〇年梅の花咲く二月 犬山にて 編者 杉山 幸丸

■書評:
るびりん書林 別館

○■動物たちの自然健康法―野生の知恵に学ぶ■2015年06月03日 09:15

薬草を使い、死を恐れる動物たち。
多くのウイルスに感染しながら発症しない動物たち。


シンディ エンジェル (著), Cindy Engel (原著), 羽田 節子 (翻訳)
単行本: 366ページ
出版社: 紀伊國屋書店 (2003/10)

■内容紹介
内容(「BOOK」データベースより)
昔から、動物は病気になったら自分でなおすという話は知られており、ヘビやクマなどから教わった植物を薬にしたという伝説が世界各地にある。病気のチンパンジーがある植物を食べて病気がなおったというニュースが世界に流れたのは、1989年のこと。そのころから、科学者による本格的な探求が始まり、「動物薬学」あるいは「動物の自己治療」とよばれる分野が誕生した。本書は、この分野についての世界で初めての書籍。胃腸障害、怪我、虫下しからストレス、感染症、老化・死まで、動物が自然の恵みをじつにうまく使いながら健康管理する方法を描き、文明食生活にどっぷりとひたる人間にも警鐘をならす。
内容(「MARC」データベースより)
野生動物は自然の偉大な治癒力を知っていた。チンパンジーが食べていた葉に薬効を発見、ゾウが岩をかじるわけ、アザラシの「ひなたぼっこ」の意外な効果、酔っぱらうヒヒ…。動物の「自己治療」をめぐる本。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
エンジェル,シンディ
イースト・アングリア大学で動物行動の研究によってPh.D.取得。イギリスで野生ウサギの習性を、南メキシコのジャングルに住むジャガーの行動を調査研究する。現在、オープン大学環境科学部門で助講師をつとめる一方で、いくつもの有機農場のために動物行動のコンサルタントをしている。また、ラジオやテレビなどの科学番組の制作にフリーランスで協力し、「ナショナル・ジオグラフィック・チャンネル」の野生動物シリーズやBBCラジオの「医学の博物誌」シリーズに携わる。「ホリスティック・メディシン」の医師。指圧師。二人のこどもともに、サフォーク州の田舎で農業を営む

羽田/節子
東京農工大学卒業。昆虫生理学専攻。生物学関係の翻訳執筆にたずさわる。著書に『キャプテン・クックの動物たち』(科学読物賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次(大項目の抜粋)
はじめに 1

1部 野生の知恵
第1章 野生動物の健康 16
・野生動物は健康なのか 16
・ほんとうの自然はどこに? 21
・健康調査がはじまった 23
・動物たちの「自己治療」に注目! 27

第2章 自然界は薬の宝庫 29
・植物が身をまもるために 29
・まだまだある植物の知恵 32
・植物の「毒」を利用する 36
・生薬は植物以外にも 38

第3章 食物、薬、自己治療 40
・食物は薬? 40
・ベジタリアン・ゴリラとハンター・チンパンジー 42
・メニューを変える 44
・ミネラルを調達する動物たち 46
・ひなの頭骨や脚をもぎとった犯人は? 48
・塩をもとめて 51
・必要な栄養素を見つけるメカニズム 55
・毒物を摂りこむ昆虫 56
・栄養か自己治療か 59

第4章 生き残りのための情報 62
・動物たちの予知能力 62
・ウマの言葉を解する男、盲目のヘビ 65
・兵士の命を救ったウマの知恵 68
・チンパンジーの「自己治療」を観察する 70

2部 健康の脅威 75
第5章 毒物 76
・草食動物は植物毒を見分ける?! 76
・哺乳類のこどもは母親から毒を学ぶ 80
・毒性を下げるには 86
・土を食べて毒を消す 89
・危険をおかして洞穴を訪れるゾウ 92
・粘土に見つかった驚くべき薬効 93
・蟻塚の土は胃腸薬?! 97
・食べる土を選ぶ 103
・炭の毒消し効果 104
・人工的毒物を感知できる魚 107

第6章 目にみえない敵 110
・病気の原因は病原菌だけではない 110
・チンパンジーはきれい好き 113
・共食いを避けるわけ 115
・「ひなたぼっこ」のわけ 117
・腸内細菌と病原菌 119
・免疫を強化する植物化合物 123
・感染症を予防し治療する動物たち 125
・O一五七は抗生物質のつかいすぎが原因? 129

第7章 怪我と骨折 132
・驚異の回復力 132
・事故にそなえて 134
・動物も痛みを感じる 137
・治療のために身を隠す 141
・唾液に治療物質を確認 143
・傷のなおりをよくする薬草 146
・砂糖水、泥浴び、ギブス 149
・病気の仲間の世話をする 152
・ヘビ毒とヘビ恐怖症 154

第8章 刺す虫! 157
・「蠅叩き」と「水遁の術」 157
・相互グルーミングと掃除魚 161
・かゆみをおさえる塗り薬 164
・蟻浴、砂浴び、日光浴 170
・塩による手当てと尿洗い 174
・巣をまもる―燻蒸消毒と強力な匂い 175
・毒をたくわえて虫を撃退 182

第9章 渋る主と招かざる客 185
・野生動物には寄生虫が少ない 185
・虫下し植物 189
・タテガミオオカミの寄生虫対策 192
・薬を丸飲みにするチンパンジー 195
・冬眠や渡り前の虫下し作戦 201
・チンパンジーの「苦い薬」 204
・昆虫もまた…… 210
・土食いは寄生虫対策にも 212

第10章 ハイになる 215
・酔っぱらい動物 215
・動物がアルコールを好むわけ 219
・幻覚植物と興奮剤 223
・トリップか治療か 227
・動物も中毒になるか 233

第11章 精神病 236
・狂った行動にはわけがある 237
・あるチンパンジーの「狂気」 240
・ストレス状況下での対処法 242
・トラウマをはねのける 245
・飼育動物の神経症 248

第12章 家族計画 252
・ヒツジを不妊にするクローバー 252
・繁殖は食用植物に依存する 255
・「バイアグラ・キノコ」と妊娠中絶 257
・食物であかんぼうの性が変わる 259
・妊娠・出産・授乳期の食餌管理 262

第13章 死との遭遇 268
・老齢を生きる 268
・老化を遅らせるには 270
・年寄りへの敬意 273
・ゾウの墓場・ペンギンの墓場 275
・自殺 278
・死にゆく仲間へのゾウの反応 280
・死骸を埋める 282
・死への恐れと悲しみ 286

第14章 これまでにわかったこと 289
・作用範囲の広い戦術を組み合わせる 289
・予防は治療にまさる 293
・巨大な薬倉から適切な薬を選ぶ 294

3部 学ぶべき教訓 297
第15章 飼育下の動物 298
・動物園の動物たちの健康管理は十分か 298
・自然に帰す試みが成功しない理由 304
・ネコが鉢植えの植物を食べるわけ 305
・ブロイラーの当世健康事情 308
・ウシとヒツジの健康管理 312
・うつ状態の畜産動物 314

第16章 健康になろう 316
・現代人は「深刻な栄養失調」 316
・植物は「まるごと」食べることが肝心 321
・ヒヒの「カウチポテト」 323
・からだの要求に耳を傾ける 325

訳者あとがき 329
原注 358
動物名索引 363
植物名索引 366

■はじめに(冒頭部分)
発熱しているイヌは静かな隅っこで休むが、胃の具合の悪いときは
草を食べる。彼らはどの草を食べればいいか、だれにも教わらない
が、吐くのに役立つ草や気分がよくなる草を本能的に探しあてる。
     ―ヘンリー・シゲリスト アメリカ人医師 一九五一年

病気の動物は奥まった場所にひっこんで、回復するまで断食する。
断食中はわずかな水と薬草を摂るが、祖先から受け継いだ知恵で本
能的に薬草の探しかたがわかる。私は……たびたび自己治療を観察してきた。
  ―ジュリエット・ドゥ・ベラクリ・レヴィ ヨーロッパ人の伝統的薬草医 一九八四年

ゾウが病気になると、象使いはゾウを森につれていく。そこでゾウ
は必要な薬草や植物をつまむ。なぜか彼らは自分自身の薬を処方で
きるのだ。
  デネッシュ・チョードリー インド人の象猟師 二〇〇〇年

■訳者あとがき(第2、3段落のみ)
  二〇〇二年にイギリスで出版された本書(Wild Health - how animals keep themselves well and what we can learn from them, Weidenfeld & NIcolson)で、 著者のシンディ・エンジェルは、私たちはもっと野生動物の健康維持行動に学ぶべきだと主張する。私たちは二〇〇万年におよぶヒトの進化史からすればごくごく短いあいだに 生活をすっかり変えてしまったが、この肉体はほとんど狩猟採集時代にできあがったものなので、近代の食生活や医療に適応する時間がなかった。 一方、野生動物は何百万年にもわたる自然淘汰のすえ獲得した戦略を駆使して健康維持をはかっており、かなり健康な生活をおくっているらしい。 それなら動物たちの健康法を学ばない手はないではないか。
  本書は、原注からもうかがえるように膨大な文献を駆使して、動物の自己治療というつかみどころのないテーマをみごとにさばいて方向づけをしてくれた。 その方法に一貫しているのは著者のホリティックな観点である。

■一言:
多様な動植物に囲まれて野生に生きる動物たち。
動物たちにできることは私たちにもできるはず。

■書評:
るびりん書林 別館

◎■人類史のなかの定住革命 (講談社学術文庫)■2015年05月10日 18:53

生態人類学の立場から、栽培の結果定住化が発生したのではなく、定住化が栽培を生んだのではないかと分析


西田 正規 (著)
文庫: 272ページ
出版社: 講談社 (2007/3/9)

内容紹介
霊長類が長い進化史を通じて採用してきた遊動生活。不快なものには近寄らない、危険であれば逃げてゆくという基本戦略を、人類は約1万年前に放棄する。ヨーロッパ・西アジアや日本列島で、定住化・社会化はなぜ起きたのか。栽培の結果として定住生活を捉える通説はむしろ逆ではないのか。生態人類学の立場から人類史の「革命」の動機とプロセスを緻密に分析する。(講談社学術文庫)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
西田/正規
1944年、京都府生まれ。京都大学大学院博士課程退学(自然人類学)。理学博士。1994年から筑波大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
学術文庫版まえがき 3
まえがき(原本) 12

第一章 定住革命 15
1 遊動の意味
2 定住生活の条件
3 定住の動機
4 定住化の環境要因

第二章 遊動と定住の人類史 54
1 狩猟技術の発達
2 温帯森林の拡大と定住
3 定住民優越主義の誤り
4 移動する理由

第三章 狩猟民の人類史 69
1 人類サバンナ起源説の検討
2 熱帯の狩猟採集民
3 文明以前の人類史の枠組
4 中緯度に進出した人類の戦略

第四章 中緯度森林帯の定住民 83
1 農耕以前の定住者
2 生活様式の分類

第五章 歴史生態人類学の考え方―ヒトと植物の関係 101
1 焼物産業とアカマツ
2 行動と環境
3 農耕の出現

第六章 鳥浜村の四季 117
1 湖のほとりに村を作る
2 照葉樹の森の中に開けた空間
3 鳥浜村の生活カレンダー
4 男の仕事と女の仕事
5 自然のリズムと一体の生活
6 今日につながる縄文時代の食事文化

第七章 「ゴミ」が語る縄文の生活 134
1 先史時代は裏口から
2 縄文のイメージ
3 イメージから分析
4 生活の変化
5 人間と植物
6 採集から栽培へ
7 渡来から自生へ

第八章 縄文時代の人間-植物関係―食料生産の出現仮定 148
1 向笠における人間-植物関係
2 人間-植物関係の空間的構造
3 縄文時代のクリ、クルミ
4 人里植物の集中と経済的効果
5 豊かな環境における栽培の伝統
6 中部山地における「農耕化」
7 新石器時代の人間-植物関係

第九章 手型動物の頂点に立つ人類 187
1 手と口
2 脊椎動物の進化
3 視線の回転
4 霊長類の手型化
5 二足歩行と視線
6 ホミニゼーションの背景

第十章 家族・分配・言語の出現 223
1 危険な社会
2 争いのテーマ
3 分配と家族
4 言語

註 261
あとがき(原本) 267

■学術文庫版まえがき
この地球に人類が出現し、さまざまに変化しながら現在に至り、やがて宇宙から消滅してしまうまで、人類が存在した全ての時間を一望してみたい。「定住革命」を構想したことから生じた私のひそかな願いである。
定住社会とは何かという問いかけは、縄文時代の生活戦略を考察する中から生じた。秋の温帯林に豊かに実るクリやドングリ、クルミなどを大量に蓄えて冬を越す縄文時代の生活戦略は、定住を強く促したに違いなく、あるいは、定住生活を前提としてはじめて機能する生活戦略である。それは、年間を通じて獣を追い、狩を続ける旧石器時代の生活戦略とは大きく異なっている。
定住社会の本質に迫るには、その対極にある、頻繁なキャンプ移動をくりかえす遊動生活との比較研究がなによりも有効な手段になる。定住革命の視点とともに、人類の祖先が未だ類人猿であった時代から連綿と続いてきた遊動社会の進化史と、およそ一万年前の地球の温暖化とともに出現した定住社会の進化史との、双方をながめる視界が開けたのである。
それから二〇年あまりを経て、あの願いが実現したとは言えないものの、「定住革命」によって私に根づいた人類史への関心は、幸いにもたえず新鮮な問いかけに満たされてきた。「定住革命」は人類史への興味をたえず撹拌し、それを明瞭に映しだしてくれるプロジェクターとなった。私には大切な思考の道具である。
「定住革命」は一九八四年、講談社による『季刊人類学』に掲載され、一九八六年に新曜社から出版された『定住革命―遊動と定住の人類史』にも収められた。しかしそれも久しく絶版になり、社会的役割を終えたかと考えていたが、この度講談社学術文庫に入れたいとのお誘いがあった。「定住革命」にはまだ果たすべき役割があるとのこと、ありがたくお受けした。
お誘いと編集のお世話をして下さった講談社の林辺光慶氏に心より感謝を申し上げます。

二〇〇六年一一月一一日

■一言:
定住化の影響ともいえる、環境破壊や宗教の誕生などについて考える上で多くの刺激を与えてくれます。
人類の歴史や現代社会(宗教、政治、社会、経済、教育など)について考える上で重要な視点を提供。

■書評:
るびりん書林 別館

○■はだかの起原―不適者は生きのびる■2015年05月09日 15:11

人間が裸になったことと言語能力を得たことは、不都合であったかもしれないという視点をくれる本


内容(「MARC」データベースより)
寒暖、風雪、晴雨にかかわらず、常に体を守る完璧な衣類となる毛皮。なぜこんなに大切なものを、人間は失ったのだろうか? 人類の裸の起源を学術的視点から考察。『ソトコト』連載をもとに新しいデータを取り入れまとめる。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
島/泰三
1946年、山口県下関市生まれ。下関西高、東京大学理学部人類学教室卒業。房総自然博物館館長、雑誌『にほんざる』編集長、日本野生生物研究センター主任研究員、天然記念物ニホンザルの生息地保護管理調査団(高宕山、臥牛山)主任調査員、国際協力事業団マダガスカル国派遣専門家などを経て、現在、日本アイアイ・ファンド代表。理学博士。アイアイの保護活動への貢献によりマダガスカル国第5等勲位「シュバリエ」を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
はじめに ナリンダ湾、一九九九年夏 001

第一章 人の裸の皮膚は自然淘汰で生じたはずはない 015
□最適者とは何か?
□絶滅した動物は不適者か?
□リマ=デ=ファイアの『選択なしの進化』とウォレス
□ダーウィンは「自然淘汰」説を放棄した
□水中動物について
□熱帯の動物について
□人間の毛の位置について
□髪の問題は通りすぎる

第二章 ダーウィンは変だ 037
□ダーウィンはなぜ例外を説明しないのか?
□時代的背景
□増加の幾何比の幻想
□「増加の幾何比」は食物で崩壊する
□ダーウィンは数の増加を抑える要因を知っていて

第三章 ダーウィンは裸の起原を改名できない 055
□性淘汰とは何か?
□人間の裸の皮膚は性淘汰で説明されるか?
□人間の裸はなぜ起こったのか?―ダーウィンの説明!
□ダーウィン病からの脱却

第四章 裸の獣 075
□裸のけものたち
□裸の哺乳類の共通点
□大型哺乳類の物理学
□熱時定数
□大型哺乳類の例外と例外的哺乳類
□裸の子供たちはどうなる?
□ゾウの赤ちゃんの防衛態勢

第五章 特別な裸の獣たち 099 □コビトカバ―謎のトンネル―
□バビルーサ―古い謎と新しい謎―
□ハダカオヒキコウモリ―空飛ぶ謎―
□ハダカデバネズミ―謎の中の謎―

第六章 裸体化仮説 117
□胎児化仮説
□胎児の裸は成人の裸と関係ない
□自己家畜化仮説
□デズモンド・モリス―裸のサルの苦闘―
□耐久走仮説

第七章 人類海中起源説 133 □ライアル・ワトソンによる海中起源説の説明
□海中で直立二足歩行が始まるか?
□海中起源説への反論
□海中起原の痕跡?
□人間の発汗システムは海中で始まったか?
□汗腺の問題
□皮下脂肪と食物供給の問題
□海の惨劇

第八章 突然変異による裸の出現と不適者の生存 167
□ヌードマウス
□「不適者の生存」を実現する「重複する偶然」
□人類のただ一種だけに起こった偶然
□不適者の生存

第九章 火と家お着物と 183
□ヒト属と現代人の起原
□着物の起原
□家と火の起原
□北京原人は火を使ったか?
□灰の層は火を使った跡か?
□家の起原
□一八〇万年前の最古の家?

第十章 ネアンデルタールの家 211
□ネアンデルタールの家といわれる遺跡
□焚き火の跡とネアンデルタールの分布
□ネアンデルタールが絶滅したわけ

第十一章 裸の人類はどこで、いつ出現したのか? 227
□現代人と文化の起原―マクブリーティとブルックスの仮説から―
□遺伝学からみた現代人の起原

第十二章 重複する不適形質を逆転する鍵は? 239
□声を出す機構
□重複する不適形質
□ネアンデルタールは言葉を持たなかった
□アフリカの高原から氷河期とともに
□オーリニャック文化
□しかし、巨大前頭葉は……

おわりに アンタナナリブ、二〇〇三夏 261
あとがき 268
引用文献
資料

■「はじめに ナリンダ湾、一九九九年夏」の終わりの部分から(台風の日にニホンザルの群れを追跡して)
  よく見ようと思って木に登ると、船の上のように木が揺れる。 これほどの風と雨だから、いくらかはサルの活動も鈍っていいものだがと、隣の木を見ると、二、三歳のコザルたちが跳ね回って遊んでいる。
  愕然とした。これだけの風雨も、彼らには何の影響も及ぼしていなかった。 こちらは夕方になって冷え込んできて、濡れた体はもうこれ以上無理と言っている。 しかし、このサルの子供たちは、雨具もなく服もなく、ただ濡れるだけ濡れているはずなのに、普段と同じか、あるいはそれ以上に風に揺れる枝の動きを楽しんでいる。 たしかに毛皮も濡れてあいる。だが、ブルッとひとつ身震いすると、水滴は飛んでしまって、また快適な毛皮である。
  夕暮れの山道を、私は黙りこくって歩いた。この経験は壮烈だった。 毛皮はそれほどに完全で、強力なのだ。 私は雨の中でサルの群れを追いかけるたびに、あらゆる雨具の不完全さに憤っていた。 だが、そこに完璧な雨具があった。 寒暖、風雪、晴雨にかかわらず、常に体を守る衣類がそこにあった。 それがサルたちの毛皮だった。なぜ、こんなに大切なものを、人間は失ったのだろうか?
  この台風の日以来、この疑問は私の心の中にしっかり錨を下ろした。
■一言:
人類の本来の姿を知るために参考になりそう。

■書評:
るびりん書林 別館

女の由来―もう1つの人類進化論2015年04月23日 08:32


エレイン モーガン (著), Elaine Morgan (原著), 望月 弘子 (翻訳)
単行本: 366ページ
出版社: どうぶつ社 (1997/12)

商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
いま、女の側から人類進化論を考えなおすとき、定説では説明できないさまざまな矛盾や疑問が解決され、従来とはまったく異なる驚くべき進化の道すじが明らかにされる。
内容(「MARC」データベースより)
定説は言う。人類の特性はすべて「彼」が偉大な狩人になったときに生じたのだと。だが、そこには「彼女」の側の視点がない。人は海辺で進化したというアクア説を大胆かつ周到な論理で展開した1972年初版の最新版。
一言:『裸の起源』によれば、裸化は突然変異によるものであった。女性の側からみたときはどのような分析になるのだろうか。

利己的なサル、他人を思いやるサル―モラルはなぜ生まれたのか2015年02月17日 09:49


フランス ドゥ・ヴァール (著), Frans De Waal (原著), 西田 利貞 (翻訳), 藤井 留美 (翻訳)
単行本: 366ページ
出版社: 草思社 (1998/01)

内容(「BOOK」データベースより)
日本の地獄谷温泉に棲むニホンザルの老メス「モズ」は生まれつき両手両足の先がない奇形ザルだが、仲間のサルたちは独りで生きられない彼女を助け、モズは子どもや孫に囲まれた豊かな一生を過ごしている。一方、チンパンジーに一匹だけこっそりエサの隠し場所を教えると、チンパンジーは仲間たちに巧みにうそをついて食べ物を独り占めする。人間もまた、一見エゴイストにみえて献身的だったり、お人好しのようでわがままだ。いったい、この二面性はどこから生じるのか?利己的なはずの動物に、モラルはなぜ生まれたのか?『政治をするサル』で一躍世界の注目をあびた霊長類学者が、豊富なエピソードと卓抜した分析力を駆使して道徳性の起源を探る。
内容(「MARC」データベースより)
自分を犠牲にして他人のためにつくすという一見道徳的な行動も実は…。霊長類の行動、救済、援助、抗争、報復などを豊富なエピソードと卓越した分析力を駆使して解説、人間のモラルの起源を探る。

一言:最終章から読み始めるのが役に立つだろうとのこと