aroha.asablo.jp/内をGoogle.comで検索します

「Amazon.co.jpアソシエイト」
-○わたし、解体はじめました ─狩猟女子の暮らしづくり─○【そこにある「命」と向き合い、悩み苦しみながら成長を続ける解体・狩猟女子の奮闘記】 ― 2016年05月17日 19:33
畠山千春 (著)
単行本(ソフトカバー): 192ページ
出版社: 木楽舎 (2014/3/31)
■商品の説明
内容紹介
そこにある「命」と向き合い、
悩み苦しみながらも成長を続ける
解体・狩猟女子の奮闘記
都会に住む、平凡な20代女子の著者は「自分の暮らしを自分で作る」べく、解体そして狩猟に挑戦し、現在では解体ワークショップを通して、大人から子どもまで命と向き合う場を提供しています。
本書では、平凡な女の子が新米猟師になるまでの過程や自給自足の狩猟ライフ、シェアハウスでの暮らしなどを綴りながら、動物別の解体方法や狩猟・解体をはじめたい人のためのガイドなど、イラストや写真を交えてわかりやすく紹介しています。
いのちが食べものになり、私たちの食卓に並ぶとはどういうことか、その問いに対する著者の真摯なメッセージが込められた一冊です。 「解体や狩猟をはじめたい人の入門ガイド」も収録。
内容(「BOOK」データベースより)
都会の女の子が田舎暮らしの猟師に!?そこにある「命」と向き合い、悩み苦しみながらも成長を続ける解体・狩猟女子の奮闘記。「解体・狩猟を始める入門ガイド」収録!
著者について
畠山千春(はたけやま・ちはる)
新米猟師/ライター
1986年生まれ。3.11をきっかけに、大量生産大量消費の暮らしに危機感を感じ、自分の暮らしを自分で作るべく活動中。
2011年から動物の解体を学び、今は鳥を絞めて食べるワークショップを開催している。
2013年狩猟免許取得、皮なめし修行中。
現在は食べもの、エネルギー、仕事を自分たちで作る糸島シェアハウスを運営。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■もくじ
はじめに 4
第1章 平凡な女子が新米猟師へ 7
私が解体と狩猟を始めたわけ 8
生まれて初めて、鶏を締めた日 14
体験をシェアしていこう 23
第2章 解体 命を締めていただく 29
解体ワークショップ、実施しています 30
うさぎ編 初めてのうさぎ狩り見学! 46
テン(!?)編 知り合いの農家からテンがやってきた 54
アナグマ編 シェアメイトがアナグマを拾ってくる 59
烏骨鶏編 「育てて食べる」を実践する! 64
PHOTO 初めの一頭 81
第3章 狩猟 生きものとのやりとり 97
狩猟を始める! 98
タヌキ編 初めての「止めさし」 101
イノシシ編 ついに、狩猟をしに山へ 107
シティガール、山へ入る 117
初めての獲物 129
第4章 山と街 お肉の事情 149
山のお肉のおはなし 150
街のお肉のおはなし 154
認めて、感謝して、食べていく 165
第5章 解体・狩猟を始める入門ガイド 169
狩猟免許の取得方法/鶏の解体/
イノシシの解体と皮なめし/
皮なめし 詳細バージョン/イノシシを使い切る/
野生肉の料理/解体&狩猟の現場を味わう!
おわりに 188
■はじめに
この約3年間、仕事を辞めてシェアハウスを始めたり、農作業をしたり、太陽光パネル発電機などを作ってエネルギーの自給を試みたり、「自分の暮らしを自分でつくる」べく、さまざまなことにチャレンジしてきました。
食べものの自給について考えた結果、始めたのが解体と狩猟です。
本書は、解体について何も知らなかった私がその活動を始め、少しずつ狩猟へと進んでいく道のりを書き留めたものです。
現在、私は動物の解体が3年目、狩猟は1年目の新人です。 勉強中の身であり、未熟な点も多いと思いますが、経験値ゼロからスタートし、失敗したり、ビビったりしながらも、多くの方と出会い、歩んできた過程の記録になっています。
活動を通じて、強く感じたことがありました。
たとえば、スーパーで売られているパック詰めのお肉、衣料品店にずらりと並ぶダウンジャケット、長年愛用している革財布。
暮らしの中で見かけるそれらの先にはすべて、動物の命があるという当たり前のことです。
本書では、私が動物の解体や狩猟をした体験を中心に、食肉や卵などがどのように生産されているかなど、さまざまな「ものの過程」を紹介しています。
また、「狩猟に興味はあるけれど、どこから始めたら良いのか分からない」 「食肉センターを見学してみたい」という方のために、狩猟免許取得方法、見学可能な食肉センター、解体免許取得方法、見学可能な食肉センター、解体ワークショップや狩猟体験ツアーを実施している団体の紹介など、次の一歩を踏み出すための実用的な情報も、第五章「解体・狩猟を始める入門ガイド」として掲載しています。
命は、その現場に立ち会わなければ感じ取れないことがたくさんあります。
その場にいなかった方に、自分が感じたことを文章で伝える行為は、私にはとても難しいことでした。 このテーマが、これまであまり明るみに出ていなかった類のものだったことも深く関係しています。
私なりにテーマと向き合い、なんとか紡ぎ出した言葉が一冊の本となりました。 つたない部分が多いのですが、何かを感じとっていただければ幸いです。
本書との出会いが、新しい体験の始まりになりますように。
■おわりに
解体や狩猟を通じて学んだことは、数えきれないほどあります。 一方で、それと同じくらい悩むことも増えました。 動物たちの命のこと、それに支えられて私たちが生きていくこと……。 でも、こうしてずっと考え続けることが、命と向き合うことなのだと感じるようになりました。
本書の発行が決まってから、執筆しながら何が正しいことなのか分からなくなったり、誰かを傷つけていないかと考え込んでしまったりすることが多々ありました。 それでもなんとかこの本を完成させることができたのは、ここまで支えてくださった方々のおかげです。
特に、狩猟について多くのことを教えてくださった津留健児さん、江口政継さん、ありがとうございました。
答えのないテーマだからこそ、私やこの本に関わること自体に覚悟だったと思います。 そんななか、一緒になって命の現場に立ち会い、考え、共に学んでくださった関係者の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。 深い愛情で私を応援してくれた一番の理解者、編集の小久保よしのさん。 自分のことのように親身になってアドバイスをくださったデザイナーの中村未里さん、全身全霊でこのテーマと向き合ってくれた写真家の亀山ののこさん。 そして鮮やかなイラストで表紙を飾ってくださったMurgraphこと下平晃道さん、動物の口絵や解体などのイラストを美しく描いてくださった岸本敬子さん、ていねいな構成をしてくださった由木高士さん。
優しく見守ってくださった『ソトコト』編集長の指出一正さんをはじめ、木楽舎の野口修嗣さん、早野隼さんにも何度も背中を押していただきました。 素晴らしいメンバーと一緒にこの本が作れたことを、心からうれしく思います。 みなさま、ありがとうございました。
また、初めての解体からずっと一緒に命のことを考えてくれた浩一さん、付き進む私を温かく支えてくれたシェアメイトのあいちゃん、まいちゃん、あかねちゃん、まっちゃん、さだくん、ありがとう。 みんななしでは、この本は書けませんでした。
そして、私に生きること、食べることをこれまで以上に考えさせてくれたスヤとモグ、山のイノシシたちも、本当にありがとう。
私はまだ、スタート地点に立ったばかり。 これからも実践を重ね、考え続けたいと思っています。
本書を通じて、暮らしを自分たちでつくっていく仲間が増えれば、何よりうれしいです。
2014年3月
-○語る身体の民族誌―ブッシュマンの生活世界〈1〉 (ブッシュマンの生活世界 (1)) 【原野に生きる人々の猥雑な会話の中にヒトの文化と社会の成り立ちを見る】○ ― 2016年05月17日 16:39
菅原 和孝 (著)
単行本: 360ページ
出版社: 京都大学学術出版会 (1998/05)
■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
原野に生きる人々の猥雑な会話の中にヒトの文化と社会の成り立ちを見る。奔放な「恋人関係」の噂、「糞」や「肛門」の話が飛び交うののしり、動物や食べものについての不思議な語り―ブッシュマンの、愉快で生き生きとした会話には、原野に生きる人々の精神世界と社会構造とが鮮やかに織り込まれている。精緻な会話記録という新しい民族誌の方法を示し、人類学の可能性を探る会心作。
内容(「MARC」データベースより)
奔放な「恋人関係」の噂、「糞」や「肛門」の語が飛び交うののしり、動物や食べものについての不思議な語り-ブッシュマンの、愉快で生き生きとした会話に、原野に生きる人々の精神世界と社会構造とを探る。
著者に付いて
菅原 和孝(すがわら・かずよし)
1949年 東京生まれ
1973年 京都大学理学部卒
1980年 京都大学大学院理学部研究科博士課程単位取得退学。北海道大学文学部助手、京都大学教養部助教授、京都大学総合人間学部助教授を経て、現在 京都大学総合人間学部教授。
■目次
草の家より iii
読者のために xix
原語の発音と表記/会話資料の表記法/おもな登場人物
序章 会話の民族誌へむけて 1
「民族誌を書くこと」への懐疑 2
民族誌と会話分析 5
会話分析を始めよう 11
ブッシュマンの生態人類学 15
変容 18
会話分析に至るまで 21
グイ語の概略 25
第一章 ことばのなかの身体 37
民族解剖学――さまざまな筋肉 40
内蔵間隔――心臓、肝臓など 48
ライフサイクルのなかの身体 51
語る身体 65
罵りの修辞学 70
想像力の基底としての身体 82
第二章 老いた恋人たち――婚外性関係の個人史 87
たくさんの女をめとった男 88
たくさんの恋人をもった女 91
噂の二人 92
対決 102
批判の包囲 113
冷静な夫 132
結末 138
第三章 感情の回路――婚外性関係の論理 143
年上の女――キヨーホとカウピリ 144
贈り物を抱えてくる男――ギナシ 149
若い娘をめとった青年――カローハ 160
第三夫人になった女――ギューカ 171
回顧されるザーク 181
夫婦交換 185
感情の回路 191
第四章 人間のカテゴリー化――「民族」間の境界 207
カテゴリー化装置 208
グイにとっての人間のカテゴリー 211
<テベ>への不信と依存 212
ガナへの否定的特質づけ 223
クアとしてのわれわれ 234
第五章 物語の愉悦――民話はいかに語られるか 239
フォークロアと生態 240
姉と妹のかけあい 244
老人に語り聞かせる娘 260
民話と昔話 274
第六章 日常会話の背後へ――背景知と信念の活性化 281
狂う人 282
若者たちの食物忌避 299
終章 <語る身体>、自然、そして権力――途上での総括 317
注 334
引用文献 341
木の家にて 347
索引 352
事例一覧 【1】~【38】
■「読者のために」より
この本は、南部アフリカにひろがるカラハリ砂漠に住む狩猟採集民ブッシュマン(自称名グイ)が生きている世界を、かれらの日常会話を分析することを通じて明らかにしようとする試みである。
一九八〇年代以降にさかんになった「民族誌批判」に応えて多くの実験的民族誌が書かれた。 しかし、会話こそは人間の社会生活の根幹をなすもっとも中心的な現象であるにもかかわらず、会話を一次資料として民族誌を書くという試みは今までほとんどなされていない。 そのような未踏の領域に挑戦するという意味で、本書もまたひとつの実験である。 ただ、かぎられたページ数のなかに、かれらの会話世界の全体像を盛りこむことは不可能であった。 そこで、本書では、グイの人々が自らの<身体性>をどのように経験しているのかを、日常会話のなかから浮かびあがらせることを中心的なテーマに据えた。 会話という相互行為の構造、言語行為やコミュニケーションの理論といった、より抽象的な問題に関心のあるかたは、姉妹編である『会話の人類学(ブッシュマンの生活世界第2巻)』をあわせてお読みいただきたい。 ただし、本書はあくまでも第2巻とは独立に読めるようになっており、日本から遠く離れた異文化の人々がいったいどんなことをどんなふうにしゃべっているのかに好奇心をもち、その世界の深みまで旅をしようとする一般の読者をめざして書かれている。
日本語の「おしゃべり」でさえ、それを文字に転写するとなんの話かさっぱりわからないことがしばしばある。 グイの人々のおしゃべりを読者にとって理解可能なものとするために、本書では会話資料の逐語訳とそれをさらにかみくだいた説明とを並列させた。 この手法は、同じ話を二度聞かされる煩わしさを読者に押しつけるかもしれないが、民族誌家の構成したリアリティを絶対視することを避け、読者の想像力が解釈に参加する道を確保するためにも、ぜひとも必要であった。
異文化の人々の語りにみなぎる力と輝きは、ときには「冗漫」、「支離滅裂」といった否定的な印象の背後から徐々に立ち現われてくるかもしれない。 それゆえ、余計は理屈や概念を介在させずに、人々の「語りくち」の風味それ自体と出会うことをめざす読者は、会話資料の部分だけをまず通読するのがよいかもしれない。 しかし、もっとも重要なことは、会話資料と、それに並列された説明や分析の部分とを読み比べることによって、読者は、分析者の解釈の不十分さや過剰さを批評することができるということである。
すべての会話資料には【1】、【2】などと通し番号をつけたうえに、あとで言及するときにその内容が想起しやすいように簡単なタイトルを付した。
なお前著(『身体の人類学』河出書房新社、一九九三年)と同様、共同調査を続けている師や同僚の皆さんをはじめとして、本文中に登場するすべての人名からは敬称を省かせていただいた。 しるしてお詫びもうしあげたい。
■「人称代名詞と接尾辞」の冒頭部分(p26)
グイ語は非常に精密な人称代名詞の体系をもっている。 まず、一人称、二人称、三人称のすべてについて、単数、双数、複数の区別がある。 双数とは、二人(二個体)だけを表す代名詞である。 だからここで複数と言っているのは、三人(三個体)以上を表す代名詞のことである。 一人称単数には性別はないが、双数と複数は、一人称、二人称、三人称のすべてについて、性が区別される。 たとえば、日本人が単に「私たち」とか「われわれ」と言ってすませるところで、グイは、その「私たち」が男二人だけか、男と女のペアか、女二人だけか、あるいは男のみ三人以上か、男女三人以上か、女のみ三人以上かを、たちどころに表現するのである。 しかも、一人称の双数と複数には包含と排除の区別がある。 すなわち話者と聞き手をともに含む「われわれ」と、聞き手を排除する「われわれ」とを区別するのである。
■「罵りの修辞学」の「糞」から(p77)
一九八四年一二月一九日、私はキヨーホたちと車で水汲みに行き、そこで彼が<甥>にあたるカローと喧嘩をおっぱじめるのを目撃した。 キヨーホはカローを殴りつけ、カローは鼻血を出し、嗚咽しながらちょうどもっていたパチンコで石をとばしたが、これはあやういところでキヨーホからはずれた。 キヨーホはさらにカローを殴り、ちょうどここへ来あわせたキヨーホの母に制止された。 カローも同年配のガナの青年に取り押さえられた。 私たちが水場をひきあげるときまで、カローは涙声で罵り声をあげ続けていた。 キヨーホは車の屋根の上に乗ったので、私は助手席にいたグオグー(田中に詰め寄ったガナの男)に「なぜ彼らはアーク(喧嘩)したのか?」と訊いてみた。 「カローは若く、キヨーホは年長なのに、彼がキヨーホを<侮辱>(アオ)したからだ」との答えであった。 あとでキヨーホと二人だけになったとき同じ質問をすると同様の答えが返ってきた。 「カローはなんて言っておまえを侮辱したんだ?」と尋ねると「ツァ・チューと言ったんだ」と答えた。
この侮辱のことば「ツァ・チュー」はさきに述べた「おまえに糞をさせる」(ツァ・チューカホ)の省略形か、あるいは単に「おまえの糞」という意味かもしれない。 いずれにしても、和訳するならば「クソッたれ」がぴったりであろう。 これだけ激しい喧嘩の起爆剤になるにしてはあまりにあっけないことばである。 このエピソードからは重要な教訓が得られる。 つまり隣接世代の年長者に対して「言ってはならないこと」が明確に規定されており、そのタブーを破る者にはそれなりの制裁がくわえられるのである。 (日ごろはキヨーホに対してけっこう批判的なダオグーがこの事件ではカローに一片の同情も示さなかったことも注目に値する。) そして<糞>こそはその「言ってはならないこと」の中心を占めているのである。
-○エデンの彼方―狩猟採集民・農耕民・人類の歴史○【進歩史観を排して人類の歴史を根本から捉え直した瞠目の書】 ― 2016年05月17日 15:05
ヒュー ブロディ (著), 池 央耿 (翻訳)
単行本: 310ページ
出版社: 草思社 (2003/12/10)
■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
狩猟採集民の社会・文化の特質を農耕民のそれと対比しながら、進歩史観を排して人類の歴史を根本から捉え直した瞠目の書。
内容(「MARC」データベースより)
人類学者・記録映画作家としての30余年のフィールドワークを踏まえて、狩猟採集民の社会・文化の特質を農耕民のそれと対比しながら、進歩史観を排して人類の歴史を根本から捉え直す。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ブロディ,ヒュー
人類学者にして記録映画作家。1943年、英国のシェフィールドで生まれる。オクスフォード大学トリニティ・カレッジで学んだのち、アイルランドのクイーンズ大学で社会人類学を教える。現在、ケンブリッジ大学スコット南極研究所の名誉研究員とトロント大学比較文学部の準教授を勤める。1997年以来、南アフリカのサン研究所でブッシュマンの歴史と土地に対する権利の研究を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
はじめに 7
第1章 イヌイット語を学ぶ 13
第2章 天地創造 69
第3章 時空を翔ける 103
第4章 言葉を奪われて 163
第5章 農耕民の神、狩猟採集民の神 215
第6章 狩猟採集民と人類の歴史 259
補遺 297
訳者あとがき 308
■「はじめに」の冒頭部分
極地の夜は紺青に澄みきっている。 満天に星をちりばめ、オーロラが頭上に孤を描く。 刻々に姿を変えながら、永遠不動の宇宙を感じさせる壮麗な光の乱舞である。 氷原は月明に照り映えて、遠く視野の
■「訳者あとがき」
本書はイギリスの人類学者で記録映画作家のヒュー・ブロディが三十余年のフィールドワークを踏まえて著した辺境の文化誌、THE OTHER SIDE OF EDEN:Hunter-gatherers, Farmers and the Shaping of the Worldの翻訳である。 副題が示す通り、狩猟採集文化と農耕文化の接点に立つ著者が、人類史の地平を越えた遠い彼方へ視線を馳せる企てで、詩情に満ちた極北の風景もさることながら、大方の通念を覆すブロディ持ち前の斬新な切り口は一種衝撃的とさえ言える。 二〇〇〇年の刊行以来、各国で高い評価を得ている一書である。
ヒュー・ブロディは本書で、今や滅びゆく少数民族と目されている狩猟採集民の実情を紹介し、圧倒的多数、いや、事実上は狩猟採集民以外のすべてである農耕民が彼らを辺境に追いやった歴史を検証している。
二つの文化は決定的に異質である。
だが、それは文化に優劣の差があることを意味しない。
ましては、それぞれの文化を営み人間の能力の問題では断じてない。
農耕民は文明の先端を歩み、狩猟採集民は進歩に取り残された未開人であるという固定観念は無理解ゆえの偏見でしかない、と著者は言う。
辺境に暮す少数民族とはいえ、明らかに農耕民よりも長い歴史を負っている狩猟採集民の知的な蓄積は
獲物を追って絶えず遊動する狩猟採集民は放浪者であり、地を耕して家を守る農耕民は定住者であるとよく言われる。 著者ヒュー・ブロディはこの考えを大胆に否定する。 歴史的観点から二つおn文化を眺めれば、遊動が常態であるかに見えながら、その実、獲物の棲息範囲を一歩も出ない狩猟採集民こそが定住者であって、代を重ねるうちに余剰人口が新しい土地を求めて移住せざるをえない農耕民は、古来、放浪の運命を課されている。
ヒュー・ブロディの説く逆転の発想に意表を衝かれる読書は少なくなかろうが、なお興味深いことに、著者は流浪の農耕民族の原点を旧約聖書、『創世記』に見だしている。 弟アベルを殺した罰に、農夫カインは浪々の身となり、額に汗して痩せ土を耕しながら遊動生活を続けなくてはならない。 が、やがてカインの末裔が行く先々で町を興し、都市文明を築く。 これが農耕民族による植民地開拓のはじまりである。 植民地の伸展によって、狩猟採集民は農業の成り立たない土地で昔ながらに生きることを余儀なくされた。
著者ヒュー・ブロティはイギリスに生まれ育ったが、両親はディアスポラの境遇にあるユダヤ人で、ブロディ自身、幼少の折りにユダヤ教の律法であるモーゼ五書、いわゆるトーラーを叩き込まれたことは本文にも述べられている。
世間一般の普通人とは比較にならないほどユダヤ教の世界を深く知る著者の、旧約に依拠した歴史解釈が根底を貫いているところに本書の際立った特色があると言えよう。
ブロディは狩猟採集民に対して
本書を通じて、読者は随所でさまざまな発見をするに違いない。 ヒュー・ブロディは広い視野と深い洞察から、現代社会で打ち捨てにはできない問題を提起してもいる。 例えば、植民地政策によって言葉を奪われた狩猟採集民の心情など、文章語と古典を失いかけている今の日本を考えると、とうてい他人事では済まされまい。 一方、イヌイットの暮しの情景を間近に見る写生文は本文の味わいを豊かにする貴重な記録である。 入口がいくつもあって、奥行きの知れない佳編と言うに値しよう。
原著には膨大な量の後註が付されている。 その半ばは参考文献を紹介しながら持説を傍証する内容だが、本文と重複するところも多々あって、いささか煩雑の感を免れない。 編集とも相談の上、補遺として抄訳の形で概略を伝えるに留めることをお断りしておく。
邦訳に際しては、草思社編集部の平山濶二氏にひとかたならずお世話になった。 また、日本ユニ・エージェンシーの武富義夫氏からは何かと助言をいただいた。 この場を借りて、深甚の感謝を表す次第である。
二〇〇三年十一月
■統計情報
ページ数 | 310 |
目次数 | 9 |
目次の細かさ | 34.4 |
索引の数 | 0 |
参考文献一覧 | 補遺に含めてあり一覧性なし |
印象 | 旧約聖書を引くなど『イシュマエル』との共通点が多い。これまでに私が得た知識と符合する内容が多いようである。 |
目次数はページ番号の付いた目次項目の数
目次の細かさは(ページ数/目次数)
目次の細かさが小さいほど、丁寧に目次が振られていることになります。
-○全脳革命-ヘミシンクで無限の可能性を広げ、人生や実生活に役立てよう○ ― 2016年05月14日 20:18
ロナルド ラッセル (著), 【監訳】坂本政道 (その他), 日向 やよい (翻訳)
単行本(ソフトカバー): 464ページ
出版社: ハート出版 (2011/3/23)
■商品の説明
内容紹介
データや実例が証明した究極の脳活技術
ヘミシンク有効活用法
「人生の目的が見つかった」
「学習障害を持つ子供の様子が安定した」
「不眠症が改善した」「外科手術の麻酔が 不要になった」
「学級崩壊から教室が立ち直った」……
ヘミシンクは精神世界だけのツールではありません。
さまざまな実生活の分野で応用され、成果を上げているのです。
ヘミシンクは多くの分野の専門家の興味をひきつけている。 こんにち、トレーナーやワークショップ開催者のいる国が20カ国ほどあり、ヘミシンクを用いたコースに参加する人々が、世界の50カ国からヴァージニアのモンロー研究所にやってくる。
さらに、特定の目的のために使用されるヘミシンクCDやテープは、 おびただしい数にのぼる。『全脳革命』は、あなたがこれまで可能だとは思いもしなかったような能力に満ちた、まったく新しい世界へとあなたをいざなう。
出版社からのコメント
へミシンクというアメリカ発のオーディオ・ガイダンス技術をご存じだろうか? 特殊な音をステレオヘッドフォンで聴くことで、左右の両脳が同期(シンクロ)した状態へと安全かつ効率的に導く技術である。右脳と左脳がバランスして活動する、いわば全脳状態が導かれる。集中して学習するのに適した状態へも導くことも可能で、これぞ、究極の脳活技術と言ってもよいかもしれない。
へミシンクはロバート・モンローにより1960年代から70年代に開発され、その後モンロー研究所によるさまざまな専門機関との40年以上にわたる共同研究により、その安全性、有効性が科学的、臨床的に証明されてきている。モンロー研究所が中心となって、医療機関や教育機関などとタイアップした実践的な研究が40年以上にわたってなされてきている。
本書はこういったへミシンクの実用面での応用に焦点を当てている。
医療、精神医学、教育、睡眠導入、介護現場などでの応用
具体的に言うと、医療での応用、精神医学と心理療法での応用、学習障害児や自閉症児に対する応用、介護施設での応用、睡眠障害における応用、教育における応用、ビジネスにおける応用などである。
本書では、こういった分野におけるへミシンクの驚くべき効果を数多くの実例を挙げて紹介している。紹介している人たちは、医療現場のドクターや精神科医、心理療法士、物理学者、教育者、カウンセラーなどであり、その報告は専門的な立場からの信頼性の高いものとなっている。厳密に科学的な手法を用いた、学術的にも意義の高い研究も含まれている。
本書で紹介される多くの実例の中から、ほんのいくつかを挙げよう。
(1)従来の手法ではなかなか効果が得られなかった何人もの学習困難児が、へミシンクにより集中できるようになった。
(2)手術中にへミシンクを聴いた患者は、手術中、対照群の4分の1の量の鎮痛薬しか必要としなかった。術後にも、鎮痛薬が少ししか必要なかった。
(3)どの学校からも追い出され、行き場のなかった若者たちが集まる教室で、授業中にヘミシンクを聴かせたところ、彼らの多くが授業を真面目に受けるようになった。
(4)癌を含む複数の合併症を持ってホスピスに入院した患者が、死への恐れを解消し安らかな気持ちで旅立っていくことができた。
(5)ヘミシンクを聴くことで集中力が上がり、そのおかげで仕事の能率が上がったり、適度にリラックスすることができて作業効率も上がった。
(6)痛みに伴う不眠や精神的な悩みに伴う不眠が解消され、夜ぐっすりと眠れるようになった。
(7)その他、多数の研究、報告あり。
実は、へミシンクというと、これまで、精神世界での深遠な体験やスピリチュアルな体験を手助けする方法という印象をもたれている方が多かったのではないだろうか。
本書の主眼はこういった精神世界の体験にはない。もっと日常的な、実用的な応用についてである。へミシンクには、そういうすばらしい面がある。
著者について
【編著者】ロナルド・ラッセル(Ronald Russell)
英国生まれ。英国空軍で軍務に就いたのち、オックスフォード大を卒業。その後教職に就き、いくつかの大学で試験官や講師を務める。
現在、グラスゴー大学で人間の意識に関する講座を担当。モンロー研究所の顧問委員会および専門委員会のメンバー。
著書や編著書は英国および米国で15冊ほど出版されている。1993年に本書の先行版である「Using the Whole Brain」を編集している。
【監訳者】坂本政道(さかもと まさみち)
モンロー研究所公認レジデンシャル・ファシリテーター
(株)アクアヴィジョン・アカデミー代表取締役
1954年生まれ。
1977年東京大学 理学部 物理学科卒。1981年カナダトロント大学電子工学科 修士課程終了。
1977年~87年、ソニー(株)にて半導体素子の開発に従事。
1987年~2000年、米国カリフォルニア州にある光通信用半導体素子メーカーSDL社にて半導体レーザーの開発に従事。
2000年5月、変性意識状態の研究に専心するために退社。
2005年2月、ヘミシンク普及のため(株)アクアヴィジョン・アカデミーを設立。
最新情報については著者のウェブサイト「体外離脱の世界」とアクアヴィジョン・アカデミーのウェブサイトに常時アップ。
【訳者】日向 やよい(ひむかい・やよい)
東北大学医学部薬学科卒業。主な訳書に「殺菌過剰!」(原書房)、「新型殺人感染症」(NHK出版)、
「ボディマインド・シンフォニー」(日本教文社)、「異常気象は家庭から始まる」(日本教文社)、
「類人猿を直立させた小さな骨」(東洋経済新報社)、などがある。
■目次
全能革命 もくじ
監訳者まえがき――本書の魅力とその役割 坂本 政道 4
刊行によせて ローリー・モンロー 12
ヘミシンクの道 ロバート・A・モンロー 14
はじめに ロナルド・ラッセル 18
フォーカス・レベル 25
第1章 ヘミシンクで自分の能力を啓く 35
勉強に、スポーツに、健康にもヘミシンク テレサ・ブラード 36
セミナーは人間成長の場 フェリシア・ポッター 45
ヘミシンクで友人の人生が変った ティモシー・K・アンブローズ(博士) 50
人生の転機に正しい選択を スザンヌ・ブルー 61
自身のトラウマを解消する ゲイル・M・ブランシェット 64
ヘミシンクとともに、自閉症に立ち向かう アン・カーペンター 70
刑務所におけるヘミシンクの実践 ロナルド・ラッセル 77
第2章 ヘミシンクと子供たち 81
子供たちの学習支援にメタミュージック スザンヌ・エヴァンズ・モリス(博士) 82
摂食障害のある子供とメタミュージック スザンヌ・エヴァンズ・モリス(博士) 93
ヘミシンクが自閉症児に学習の扉を開く ノラ・ローゼン、ベレニス・ルーケ 104
ヘミシンクを小児科診療に利用する試み ジャクリーヌ・マスト(理学・教育学修士) 116
第3章 教育現場におけるヘミシンクの活用 127
ADDに対するバイノ^ラル・ビートの効果 ロバート・O・ソーンソン 128
なぜメタミュージックが学習困難に効果的なのか バーバラ・ブラード(文学修士) 135
教育プログラムにおけるヘミシンク リセ・D・ドロング(博士)、レイモンド・O・ワルドゲッター(教育学博士) 147
荒れた教室をヘミシンクで立て直す ピーター・スピロ 153
第4章 ヘミシンクを医療に役立てる 169
医療にヘミシンクを用いて効果をあげる ブライアン・D・デイリー(医学博士) 170
入院生活でヘミシンクを有効利用 マーティー・ゲルケン 185
ヘミシンクでエネルギーヒーリングの効果を高める キャロル・セイピック 193
聴覚障害の患者がヘミシンクを使うためには ヘレン・N・ガットマン(博士) 201
第5章 ヘミシンクと精神医学 205
精神科診療にヘミシンクを導入する ジョナサン・H・ホルト(医学博士) 206
強化された直感的心理療法 ゲイリー・D・シェイキン(医学博士) 215
ヘミシンク=自己の癒し ゲイリー・D・シェイキン(医学博士) 228
ヘミシンクは内なるセラピスト ノラ・ローゼン 238
ヘミシンクでアルコール性鬱病を治療する ジョン・R・ミリガン(博士)、レイモンド・O・ワルドゲッター(教育学博士) 244
とある患者の体験より パトリシア・マーチン 250
第6章 ヘミシンクによる睡眠効果 255
痛みに伴う不眠を克服する スコット・M・テイラー(教育学博士) 256
不眠症とヘミシンク エドワード・B・オマリー(博士)、メアリー・B・オマリー(医学博士) 268
明晰夢 ブライアン・D・デイリー(医学博士) 277
第7章 介護施設におけるヘミシンクの活用 281
コミュニケーション・ギャップに橋を架ける デブラ・デービス(教育学修士) 282
長期入所者に対する補完治療法としてのヘミシンク リチャード・スタウト、ジュディー・マッキー 294
第8章 ビジネスに活かせるヘミシンク 303
ビジネス・セミナーでヘミシンクを使う リン・ロビンソン(博士) 304
ヘミシンクで仕事を効率化 ジェイムズ・エイケンヘッド(教育学博士) 311
第9章 世界に広がるヘミシンク 327
キプロスにおけるヘミシンク リンダ・ルブラン 328
ポーランドにおけるヘミシンク ポーウェル・ビック 339
スロヴェキアにおけるヘミシンク ペーター・シムコヴィチ 345
スコットランドにおけるヘミシンク ロナルド・ラッセル、ジル・ラッセル 356
メキシコにおけるヘミシンク ジーン・バステリス 362
第10章 ヘミシンクは動物にも効果があるのか 367
動物の苦痛をやわらげ安心感を与える スザンヌ・モリス他 368
第11章 ヘミシンクを科学的に検証する 383
バイノーラル・ビートの効果に関する研究 ジェイムズ・D・レーン(博士) 384
ヘミシンク中の脳と意識の働きを研究する F・ホームズ・アトウォーター 398
ヘミシンク中における脳波の状態を研究する ジョナサン・H・ホルト(医学博士) 409
"意識に関する"出版物におけるロバート・モンローの影響 スティーヴン・A・グラフ(博士) 416
第12章 ヘミシンクで広がる無限の可能性 425
影を取り戻すことによる癒し=リチャード・ヴェーリングの仕事 ロナルド・ラッセル 426
マジカル・ミックス キャロル・セイビック 431
シンクロニシティとソートボールの交差点 リン・B・ロビンソン(博士) 437
第13章 ヘミシンクを自発的に学ぼう 447
ヘミシンクCD(アルバム) 448
ヘミシンクCD(シングル) 453
モンロー研究所提供の滞在型プログラム 455
■第11章 「ヘミシンクを科学的に検証する」の扉より
『Using the Whole Brain』が1993年に出版されて以来、ヘミシンク・プロセスと、意識の状態に対するその影響に関する研究は着実に進んできた。F・H・「スキップ」アトウォーターが言うように、ヘミシンクが意識にどのように影響を及ぼすのかを正確に理解しようとするなら、「バイノーラル・ビート同調という限定的な概念」から一歩離れる必要がある。
ジェイムズ・レーン・スキップ・アトウォーター、ジョナサン・ホルトによる本章の3つの小論は、それぞれの分野の専門家によっていまどのようなタイプの研究が集中的に行われているのかを明らかにする。この音響技術が科学界により広く受け入れられるには、そしてその結果がさらに幅広く利用され、最高の効果を発揮するには、こうした研究が欠かせない。
それらと対象的ではあるが、やはり非常に関連性の高いのが、スティーヴィン・グラフの分析である。彼はロバート・モンローと研究所が意識にまつわる文献に与えた影響を分析している。彼の所見はきわめて明快であり、モンローの発見と著書の影響力の大きさを如実に示す証拠となっている。
■基礎データ
ページ数 | 464 |
目次数 | 67 |
目次の細かさ | 6.9 |
索引の数 | 0 |
参考文献一覧 | 29 |
印象 | 右脳と左脳で働きを分担することで成長に対応した新皮質は、再度統合されるのだろうか。しかし、危惧を感じることも事実である。 |
目次数はページ番号の付いた目次項目の数
目次の細かさは(ページ数/目次数)
目次の細かさが小さいほど、丁寧に目次が振られていることになります。
■関連書評
『脳の神話が崩れるとき』
『宇宙無限力の活用』
○○色のない島へ―脳神経科医のミクロネシア探訪記 ―○ ― 2015年11月24日 09:49
オリヴァー サックス (著), Oliver Sacks (原著), 大庭 紀雄 (翻訳), 春日井 晶子 (翻訳)
単行本: 318ページ
出版社: 早川書房 (1999/05)
■内容(「BOOK」データベースより)
色覚のない人々の驚くべき視覚生活とは?先天性全色盲、原因不明の神経病―特異な風土病とともに生きる人々の姿を感動の筆致で描く医学エッセイ。
内容(「MARC」データベースより)
先天性全色盲の患者が集団で暮らすピンゲラップ島、原因不明の神経病が多発しているグアム島…。「島」という環境ゆえに特異な風土病が残るミクロネシア。奇妙な病気とともに生きる島の人々の日常生活を心暖まる筆致で描く。
著者について
オリヴァー・サックス
1933年、ロンドンで医師の両親のあいだに生まれる。オックスフォード大学で生理学や生物学などを学び、1958年に医学学士号を授与される。その後アメリカに渡り、カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校やロサンジェルス校で神経科の専門医としてトレーニングを積む。1965年にニューヨークへ移り、ブロンクスのベス・エイブラハム病院のスタッフとなる。1973年に発表した『レナードの朝』は、ここで出会った患者たちとの体験をもとにしたものである。その後も脳神経外科として診療に携わるかたわら、作家活動を展開し、全米で大ベストセラーとなった『火星の人類学者』(早川書房刊)をはじめ、『妻を帽子とまちがえた男』『手話の世界へ』など数々の作品で世界中に感動を与え続けている。2015年没。
大庭紀雄(おおば・のりお)
鹿児島大学医学部教授(眼科学講座)。1962年東京大学医学部卒業。以後、眼科の臨床と研究に携わり、1969年から2年間にわたって米国ミシガン大学医学部視覚研究所で視覚研究に従事。帰国後、東京大学医学部講師を経て、1978年より現職。色覚異常や神経病に関する英文・和文の論文を多数発表している。編著に『遺伝性眼底疾患』『眼科検診に役立つ遺伝学』などがある。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
前書き 11
第一部 色のない島へ
・島めぐり便 19
・ピンゲラップ島 47
・ポーンペイ島 80
第二部 ソテツの島へ
・グアム島 121
・ロタ島 207
註 231
監訳者あとがき 313
■一言:文庫版あり。評価は高いですが、余計な描写が多く、お勧めではありません。
○●ラクダの文化誌―アラブ家畜文化考● ― 2015年10月20日 09:33
堀内 勝 (著)
単行本: 464ページ
出版社: リブロポート (1986/03)
■商品の説明
受賞歴
第8回(1986年) サントリー学芸賞・社会・風俗部門受賞
内容(「BOOK」データベースより)
アラブ遊牧民のひとコブラクダに関する膨大な知識・伝説を全て網羅し、ラクダを基点にアラブ文化を解読する世界初の野心的試み。
著者について
堀内勝(ほりうち まさる、1942年6月- )は、アラブ文学者、中部大学教授。
山梨県生まれ。東京外国語大学アラビア語科卒業。カイロ・アメリカン大学大学院課程修了。中部大学国際関係学部教授。1986年『ラクダの文化誌』でサントリー学芸賞受賞。専門領域は言語人類学・民族誌。
■目次
はじめに
第1章 アラブのラクダ観 3
第2章 名高いラクダ 19
―アラブ種の名種、名産地―
第3章 ラクダを崇める 37
―サムード族伝説と神聖ラクダ―
第4章 ラクダを記す 56
―歴史に名高いラクダ―
第5章 ラクダを叙す 65
―ラクダの体の部位(1)―
第6章 ラクダのコブについて 85
―ラクダの体の部位(2)―
第7章 ラクダの蹄について 101
―ラクダの体の部位(3)―
第8章 ラクダが生きる 108
―成長段階―
第9章 ラクダが年とる 141
―ラクダの年齢階梯
第10章 ラクダが群らがる 171
―「群れ」考(1)―
第11章 ラクダを数える、頭数 189
―「群れ」考(2)―
第12章 ラクダが鳴く(1)
 ―アラブの擬声音文化考(1) 208
  ラクダ以外の動物のオトマトペイア―
第13章 ラクダが鳴く(2)
 ―アラブの擬声音文化考(2) 221
  ラクダ以外の動物のオトマトペイア―
第14章 ラクダが運ぶ 241
 ―駄用ラクダ―
第15章 ラクダが引っ張る 258
 ―牽引用ラクダ―
第16章 ラクダに乗る 274
 ―乗用ラクダ・旅用ラクダのこと―
第17章 ラクダが歩く 292
 ―距離単位、ラクダ日―
第18章 ラクダが踊る 308
 ―キャラバンソングについて―
第19章 ラクダに据える 345
 ―ラクダ鞍の考察―
第20章 ラクダに掛ける、吊るす 378
 ―運搬用荷具―
第21章 ラクダで身をあがなう 401
 ―血の代金とラクダ―
第22章 ラクダで
 ―婚資について―
第23章 ラクダで税を払う 431
第24章 ラクダを信じる 442
 ―ラクダに関する俗信―
 引用・参考文献 456
 おわりに 461
装丁 加藤光太郎
■はじめに
本書は定住民と遊牧民の重層する伝統的アラブ社会の中にあって、基層文化を保持した遊牧社会の基本的家畜であったラクダに視点をあてて追究したものである。 もちろん、「文化誌」としての領域にも、生態学的、生物学的観点は混入している。 本書でも随所に触れられているが、こうしたラクダの自然科学的側面、その発生から進化・生息分布等については、概説的に「動物」「家畜」関係の類書に触れられているし、和書では特に加茂儀一著『家畜文化誌』に詳しい。 考古学的知見、発生論、進化論はすべてその書に譲ろう。
本書ではアラブのラクダ観を通して家畜文化、遊牧民文化、アラブ文化の個別文化としての特殊性と普遍性を追ってみた。 「ラクダ」という動物と最も深いかかわりを持ったアラブの、人間と動物との文化的対応と諸層を、アラブの内側からの視点で探ろうと心懸けた。 ラクダを通してのアラブ民族固有の価値観、認識の仕方の分析、思考の型の抽出に意を注いだ。 具体的にはアラビア語のコーパス(資料体)の言語分析を主に、現地人・西洋人の旅行記、さらに筆者の現地調査による聞き書きとをつき合わせて追究したものである。
資料体は巻末に記したように数多くあるがそれでも、本書の利用に供したものは筆者の能力不足から、まだまだ少ない。 またアラビア半島の現地調査とはいっても二つの大きな制約があって思うにまかせないのが現状である。一つはサウジアラビアを初めとする湾岸諸国は調査を受け容れずビザをくれないこと。 特に遊牧民の調査となると不可能である。 他は車の普及にともなってラクダの価値が殆ど無きに等しくなり、ラクダ遊牧民が急速に解体してしまってきていることである。 従って本書に供した筆者の現地の知見は、アラビア半島の遊牧民といってもイエメン、シリア、ヨルダン、パレスチナ、ネゲブ、エジプトといった半島周辺の砂漠地帯の調査行に基づくものである。
スーダン南部ヌエル族の牛と人間の深いかかわりは、エヴァンス・プリチャードの名著『ヌエル族』によってつとに名高い。 人間のあらゆる生活様式を牛の属性に喩え、また意味付ける発想は、牧畜生活を基盤におく文化領域ならある程度推察はつくであろうし、プリチャードのように長期に深く現地調査をすれば、その具体例から分析できよう。 アラブ遊牧民の場合は家畜の用途の中に、本書でも比重をおいた乗用、競争用の訓育が加わり、用途の一層の広がりのあることは特記せねばならない。 中央アジア、アナトリア、サハラ以内のアフリカにおけるラクダ遊牧民とはこの点が相違しよう。
またもう一点、ラクダを中心として他の家畜との重層構造が多層的に展開できることも牧畜文化の深層を探る上では重要なポイントとなろう。 本書でもいくつかの章の中で、ラクダと他の家畜、動物についての比較を試みているのもこうした構造化を探り得るとみたからに他ならない。
本書を一層理解していただくためには、筆者の前書『砂漠の文化』(教育社、歴史新書<東洋史>B2)を併読されたい。 アラブの基層文化としての理念的遊牧民像・遊牧民社会を追求したものであり、この中にもラクダ遊牧の伝統的姿とその価値観についてある程度言及しており、透かして読みとり得るはずである。 本書は前書の内容的基盤に立って、もっぱら家畜にスポットをあてたものなのである。
?●石油と原子力に未来はあるか―資源物理の考えかた (1978年)● ― 2015年09月10日 10:09
槌田 敦 (著)
-: 231ページ
出版社: 亜紀書房 (1978/02)
■商品の説明
内容
現代の科学技術は石油の科学技術であり、資源の劣化と廃物の蓄積によって近く破綻することは確実である。原発核融合も結局は石油文明であって枯渇する石油の代替エネルギーたりえない。気鋭の物理学者が「生存の条件」の準備が緊急に必要であることを明快に解明する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
槌田/敦
1933年東京生まれ。東京都立大学理学部化学科卒業。東京大学大学院物理課程D2修了後、同大助手を経て理化学研究所研究員。定年退職後、94年から名城大学経済学部教授。06年定年退職。05年4月から09年3月まで高千穂大学非常勤講師(本データはこの新版が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
まえがき
第I部 脱石油文明の方向 1
核融合は未来の火ではない 3
脱石油文明の方向 21
「現代の博物誌・月火水木金土日」を読んで 59
第II部 核と人類は共存できない 69
原子力平和利用は故意の犯罪 71
核融合の夢と現実 91
原子力は石油の代替か
アンチプロジェクト 129
―原子力開発における歯止めについて
第III部 資源物理の考えかた 137
資源とは何か 139
1)物理価値
2)エントロピー
3)実用価値
4)低エントロピー資源
5)技術
6)消費の限界
定常開放系の世界 207
あとがき 227
■「まえがき」の終わりの部分
このように代替エネルギー開発はどれをとっても、詭弁や、欺瞞や嘘に満ちあふれている。 そのようなことになる理由は、エネルギー問題の根源が消費の構造にあり、代替エネルギーの開発では解決しないのに、無理にこじつけようとするからである。 また、仮に開発に成功したところで焼け石に水ということもある。 そのうえ、資源の多消費は廃物廃熱の捨て場所を失っている。 1960年代以後(とくに1977年)の異常気象と、資源多消費による廃物廃熱との相関は誰も否定できないだろう。
従って、資源から廃物廃熱への消費の構造を基本から考えなおすことが、今問われている。 これがこの本の主題であって、人間社会にとって資源とは何かをじっくり考えてみたい。
さて、順序が逆になったが、この本は最近2カ年間、いろいろな雑誌に書いたり、講演したりしたものの中から集めたものである。 重複する部分が多く、とても気になるが、これを整理すると、それぞれの論文の意図を損うので、削除・加筆は最小限にとどめた。 読み苦しい点を許していただければ幸いである。
1978年1月
?○脳はバカ、腸はかしこい○ ― 2015年08月12日 10:27
藤田 紘一郎 (著)
単行本: 219ページ
出版社: 三五館 (2012/10/20)
■商品の説明
内容紹介
バカな脳は自分だけが満足すればいいので、甘いものや煙草やアルコールがやめられず、そのたびに身体(腸)は悲鳴をあげています。人間をコントロールしているはずの脳は、じつはダマされやすい、偏見まみれの自惚れ屋でした。
悠久の生物の歴史では、40億年前にまず腸ができ、そのずっとあと5億年前にようやく脳が誕生。生物と腸とのつきあいは長いものの、脳とのつきあいはまだ短く、それゆえ生物は脳をうまく使いこなせていない。
「腸内環境を整えることでドーパミンやセロトニンなどが脳に運ばれ、良好な精神状態が作られる」とする著者自身の最新研究成果も盛り込み、「脳」と「腸」の関係性について、わかりやすく紐解きます。
出版社からのコメント
「脳」に関わる本は今なお隆盛ですが、そんな脳を一刀両断に切り捨てる書き下ろし作品が登場。本当に大切なのは「脳」ではなく「腸」だった!
内容(「BOOK」データベースより)
腸が脳を支配していた。ダイエットが失敗するのも、タバコがやめられないのも、勉強に弱いのも…腸を鍛えていないから。キセイチュウ博士、最新書き下ろし。
著者について
藤田紘一郎(ふじた・こういちろう)◎1939年、旧満州ハルビン生まれ。東京医科歯科大学名誉教授。人間科学総合大学教授。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。免疫や伝染病研究の第一人者であり、免疫学を下敷きにしての文明批評にも定評がある。専門医学から下ネタまでを縦横に行き来する軽妙洒脱な文章家としての顔も持つ。『笑うカイチュウ』『清潔はビョーキだ』など著作多数。本書では、「脳論」の一歩先を行く「腸論」の地平を切り拓く。この人の腸が見たい。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
藤田/紘一郎
1939年、旧満州ハルビン生まれ。東京医科歯科大学名誉教授。人間総合科学大学教授。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。免疫や伝染病研究の第一人者であり、免疫学を下敷きにしての文明批評にも定評がある。専門医学から下ネタまでを対象とする文章家としての顔も持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■一言:
微生物たちの活躍する畑と腸の類似性
○○アマチュア森林学のすすめ―ブナの森への招待○ ― 2015年08月04日 09:30
西口 親雄 (著)
単行本: 216ページ
出版社: 八坂書房; 新装版 (2003/05)
■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
ブナ林に息づく様々な生物たちの姿をとおして、森という宇宙のメカニズムを探る。その考察は洪水や水質問題にまでおよび、自然保護を考える「アマチュア」のための入門書。
内容(「MARC」データベースより)
ブナ林に息づく様々な生物たちの姿をとおして、森という宇宙のメカニズムを探り、洪水や水質問題までも考察。自然保護を考える「アマチュア」のための入門書。1993年刊の新装版。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
西口/親雄
1927年大阪生まれ。1954年東京大学農学部林学科卒業。東京大学農学部付属演習林助手。1963年東京大学農学部林学科森林動物学教室所属。1977年東北大学農学部付属演習林助教授。1991年定年退職。現在、NHK文化センター仙台教室・泉教室講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次(中項目まで)
I 雑木林とブナの森 ―まえがきにかえて― 1
1 ブナの森は緑色 2
2 早春の森をゆく 7
II 森の生産者 ―樹木の社会― 13
1 陽樹の戦略 ―タネは風に乗って― 14
2 灌木の戦略 ―タネは小鳥に乗って― 20
3 広葉樹の萌芽戦略 28
4 陰樹ブナの森の構造 32
5 ブナの生活戦略 ―結実と芽生え― 40
6 ブナの生活戦略 ―稚樹から老木の枯死まで― 46
7 ブナ更新のなぞ 51
8 ササ進化論 ―日本列島で発展― 57
9 ブナの森探訪 ―ブナとカンバ類とシナノキ― 61
10 ブナの森探訪 ―ブナとスギとアスナロと― 66
III 森の消費者・昆虫 73
1 森の動物の代表は昆虫と野鳥 74
2 消費者のルール 80
3 ブナの実の害虫第発生 84
4 ブナアオシャチホコの大発生 91
5 ブナの森の蝶・チョウセンアカシジミ 97
6 ブナの森の蝶・フジミドリシジミへの進化 104
7 ブナの森の蝶・ササを食草とする蝶 109
8 ブナの森の蛾・キシタバ類 111
9 雑木林のアブラムシ ―その生活戦略 114
IV 森の消費者・野鳥と哺乳動物 121
1 野鳥 ―一次消費者の見張り番― 122
2 ブナの実の豊作と野ネズミの大発生 127
3 野ネズミの進化論 130
4 ノウサギの天敵 135
5 シカとカモシカ 142
6 大台ケ原のシカの害 148
V 森の分解者 ―森の掃除屋― 155
1 糞虫、牧場で大活躍 156
2 樹木の穿穴虫とキツツキ 162
3 シラカンバの敵・ゴマダラカミキリ 168
4 ブナの森はきのこ天国 171
5 松のこぶ病 ―雑木林の生きもの― 176
VI 森と水 183
1 ダムと森林伐採 184
2 川は汚れる、なぜ? 192
あとがき 203
参考文献 208
索引
△●火の神の懐にて ― ある古老が語ったアイヌのコスモロジー● ― 2015年08月03日 11:28
松居 友 (著), 小田 イト
単行本: 284ページ
出版社: 洋泉社 (1999/09)
■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより) 北海道を終いの住処ときめた著者が、ひとりのアイヌの古老とじっくり膝をまじえ、話を聞いた。その古老の語ることばや生き方のなんと黄金のようにきらめいていることか。―死と葬儀と引導渡し、臨死体験と死後霊、鮭の霊送り、熊送り、一匹の蠅も神になるなど、神々と人間の交歓を描いて、アイヌの精神文化と豊かな世界に私どもを誘ってくれる。
内容(「MARC」データベースより) 死と葬儀と引導渡し、臨死体験と死後霊、鮭の霊送り、熊送り、一匹の蝿も神になるなど、ひとりのアイヌの古老の言葉が神々と人間の交歓を描いて、アイヌの精神文化と豊かな世界に誘う。JICC出版局93年刊の再刊。
■目次
まえがき 1
誕生の丘、神々に囲まれて 13
移住、大地は個人の所有物ではない 19
家は聖堂であり主人は祭司 23
最初の記憶、父さんの死 33
彼岸への思い、墓標は死者を送る杖 39
天界の方位と世界像 47
死者の国はどこにあるのか 56
死と葬儀と引導渡し 65
死後の霊の状態 76
先祖供養、死者の国における霊の成熟 85
[付記]ジョン・バチュラーの著作との符合と若干の考察 96
地獄とは霊の腐りゆく場所である 102
カムイの本質は霊であり、善い霊と悪い霊がいる 111
カバリ幻想 122
母さんの思い出、コタンの秋 132
春、カムイとともに生きる喜び 146
千船のばあちゃんは吟遊詩人 159
愛馬が死後、夢で自らの気持ちを訴える 164
娘時代、親友トヨちゃんとの思い出の日々 169
アイヌと和人、すぐれた精神文化は滅びない 173
妹、障害をもった和人のもらい子 181
子どもは神の国からくる 188
雀になった子ども 197
死者の語る夢の教え 205
丸木舟と千歳川、鮭の霊送り 215
喜代作さんが熊を獲った話 224
霊を迎えてもてなして霊を送る 229
イヨマンテ、熊送りの思い出 237
霊送りに秘められたもの 245
一匹の蠅も尊い神になること 253
アイヌ文化の復活 270
あとがき 277
■「まえがき」の一部抜粋
少なくとも長い間私は、ゲーテの自然科学にはじまって自然界や人間社会、文化や宗教のなかに、 またユングやゼーデルマイヤーの著作などのなかに一貫してコスモロジーの問題を追求しつづけてきました。 そして今も探求しつづけていうのでありますが、まだまだアイヌ語ができないものの、長年に積み重ねてきた探求が役に立つにちがいない。
アイヌ文化のもつすぐれたコスモロジー(世界像)は言語のみではなく、イトばあちゃんのあらゆる生き方や考え方のなかににじみ出ているにちがいない。 それなら、イトさんの語るあらゆることに関心を持ち聞いていこう、そうすれば何かがわかるにちがいない。 ――そんなわけで私は、アイヌ文化云々の前に、イトばあちゃんその人の生き方そのものをうかがうようにつとめたのです。
ですから、この本には単にアイヌ文化のことのみではなく、たとえば田植えや盆踊りおn思い出などもでてきます。 しかし、それらのなかにも重要な要素がにじみ出ていることを慧眼な読書は見抜いてくださることと思います。
さらにそれが幸いしたのでありましょう。 おばあちゃんに出会い、徒然なるままにお話をうかがっておりますとその生き方や語る内容のなかに予想もしなかった驚くべき精神文化とコスモロジーが潜んでいるのをしだいに発見しはじめました。 それは、イトばあちゃんが語る細部、その人生のさまざまな模様にいたるまで見事に浸透しているのです。
■一言:
無味乾燥な客観性を超えて文化の伝承を目指した作品ではあるが、「アイヌ―歴史と民族」のような作品とは異なり、たぶんに理想化が含まれていると感じる。
最近のコメント