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◎■神話伝説辞典■2017年08月18日 22:09

普段から交流のある国文学、民俗学、神話学を先行する四人の学者が共同で編集したこの辞典で、この地の人々が伝承してきた重要な知識を綜合的に振り返る



朝倉 治彦 (編さん)
単行本: 513ページ
出版社: 東京堂出版 (1963/04)

■商品の説明


内容紹介


日本の神話・伝説・説話・昔話・信仰・歌謡など説話的要素をもつ一切の伝承文芸を収め、学問的成果をとり入れてやさしく解説す。

共編者


朝倉 治彦
井之口 章次
岡野 弘彦
松前 健

■目次


序 一
凡例 六
分類項目表 七
本文 二三
作品 五一三

■凡例(抜粋)


一、この辞典は日本の神話・伝説・昔話・説話およびそれに関連する歌謡・芸能・信仰などの項目について解説したものである。説明にはなるべく話の内容を示すように努めた。
一、上代古典にあらわれる人物は、すべて神話の部に入れた。また豊臣秀吉、源義経など実在の人物であっても、その伝記が著しく伝説的性質を帯びているものは、項目として選んだ。
一、時代の呼び方は、奈良時代・平安時代・鎌倉時代などとし、場合によっては古代・中世・近世などと記した。
一、古事記・日本書紀・日本国現報善悪霊異記・新撰姓氏録・延喜式神名帳・古今和歌集などの書名は、それぞれ記、紀、霊異記、姓氏録、神名帳、古今集のように、一般に知られている略称で記し、また日本書紀垂仁天皇の条などは、垂仁紀と略記した場合がある。
一、神話・伝説などの出典は、できるだけ示すようにした。口頭伝承の伝説・昔話の場合は、柳田国男編『日本伝説名彙』、関敬吾著『日本昔話集成』などに集成されているので、伝承者・採録者や出典を省いた。
一、分類項目表では、二つ以上の分類に関連する項目は二ヶ所以上にかかげた。
一、分類項目表の歌謡の部には、歌謡の他に芸能をも納めている。

■分類項目表目次


1 総論 七
(巨人伝説、口承文芸、旅芸人、童話、能、祭など)
2 神話 八
(安曇磯良、海部、現人神、高天原、小さ子話、中臣氏、倭建命など)
3 伝説 一〇
(石の成長、小野小町、座頭転し、なんじゃもんじゃ、養老の滝など)
4 昔話 一三
(姥捨山、和尚と小僧、吉四六話、鶴女房、無精くらべなど)
5 説話 一五
(赤城の本地、石川五右衛門、おしら祭文、蝉丸、明徳記など)
6 歌謡 一七
(阿漕、采女、久米歌、浄瑠璃、土蜘蛛、和讃など)
7 信仰 一九
(淡島信仰、いたこ、百鬼夜行、来世観、六部など)

■書評


普段から交流のある国文学、民俗学、神話学を先行する四人の学者が共同で編集したこの辞典で、この地の人々が伝承してきた重要な知識を綜合的に振り返る

○■ヒトと文明:狩猟採集民から現代を見る■2017年08月22日 10:32

83歳の人類学者はゴーギャンの絵を引いて、人類学は「我々はどこへ行くのか」を探求するという。彼が狩猟採集民を持ちだす意味を知って欲しい。



尾本 恵市 (著)
新書: 296ページ
出版社: 筑摩書房 (2016/12/6)

商品の説明


内容紹介


「日本人はどこから来て、どこに行くのか?
尾本人類学の集大成! 」
福岡伸一氏(『生物と無生物のあいだ』著者)大推薦。

二〇世紀後半から、生物学としての人類学「ヒト学」は大きく変貌した。著者の専門である分子人類学は、タンパクの遺伝マーカーの研究で始まったが、現在ではゲノム全体の情報を用い、アジアの古層民族集団の起源および系統進化を明らかにしつつある。さらに、日本で長い歴史をもつ人類学は、文理合同の学際研究を通じて、ヒトの特異性と多様性および起源の総合的な解明をめざす。本書は筆者の研究史を追いながら、「DNAから人権まで」をモットーに「文明とは何か」「先住民族の人権」「人類学者の社会的責任」などの問題を解き明かしてゆく。
内容(「BOOK」データベースより)
二〇世紀後半から、生物学としての人類学「ヒト学」は大きく変貌した。著者の専門である分子人類学は、タンパクの遺伝マーカーの研究で始まったが、現在ではゲノム全体の情報を用い、アジアの古層民族集団の起源および系統進化を明らかにしつつある。さらに、日本で長い歴史をもつ人類学は、文理合同の学際研究を通じて、ヒトの特異性と多様性および起源の総合的な解明をめざす。本書は筆者の研究史を追いながら、「DNAから人権まで」をモットーに「文明とは何か」「先住民族の人権」「人類学者の社会的責任」などの問題を解き明かしてゆく。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)


尾本/恵市
1933年、東京生まれ。1963年東京大学大学院理学系研究科博士課程中退。Ph.D.(ミュンヘン大学)、理学博士(東京大学)。東京大学理学部教授、国際日本文化研究センター教授、桃山学院大学文学部教授を歴任。人類学・人類遺伝学専攻。日本人、アイヌ、フィリピンのネグリト等の遺伝的起源に関する研究を実施(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

目次

はじめに 009
第一章 人類学との出会い 017
1 昆虫少年からの出発 017
2 人類学とは何か 026
第二章 ユニークな動物・ヒト 039
1 人間に関する用語―人間・人類・ヒト 039
2 ヒトの特徴と進化 043
3 脳と心 050
4 ヒトの成長と生活史 060
第三章 日本人の起源 067
1 さまざまな日本人起源論 067
2 分子人類学の登場 071
第四章 ヒトの地理的多様性 095
1 出アフリカと拡散 095
2 地理的多様性はなぜ生じたか 106
第五章 ヒトにとって文明とは何か 119
1 文明の成り立ち 119
2 狩猟採集民と農耕民 134
第六章 現代文明とヒト 157
1 地球史の中のヒトと文明 157
2 文明は「もろ刃の剣」 173
第七章 先住民族の人権 195
1 いまなぜ先住民族か 195
2 狩猟採集民こそ真の先住民族 209
終章 残された問題 227
1 植民地主義――最大の人権問題 227
2 自己規制する発展は可能か 250
おわりに 277
参考文献 291

「おわりに」より


  人間は微生物やウイルスを絶対に根絶できないだろう。日本の大学医学部から「寄生虫学教室」をなくしたことは、浅はかな大学行政の誤算だった(杉晴夫)。今、東大の「人類学教室」が消えようとしている。生物科学という総合的ではあるが学問の文化・特異性を無視する体制にひとからげに組み込まれるのは賛成できない。仮に、ネットで基礎学問に関する人気投票をしてみればよい。人類学は必ず上位に入るだろう。

書評

83歳の人類学者はゴーギャンの絵を引いて、人類学は「我々はどこへ行くのか」を探求するという。彼が狩猟採集民を持ちだす意味を知って欲しい。