独自の視点で本を選んで紹介しています。

aroha.asablo.jp/内をGoogle.comで検索します


「Amazon.co.jpアソシエイト」

○□この世に命を授かりもうして□2016年10月16日 20:33

千日回峰行を2度満行した87歳の酒井阿闍梨の言葉


天台宗大阿闍梨 酒井 雄哉 (著)
単行本: 180ページ
出版社: 幻冬舎 (2016/8/25)

■商品の説明
内容紹介
千日回峰行を二度満行、「奇跡の行者」が遺した最後のメッセージ。

「『苦』という字を全部『楽』に変えてしまえば、生きることが楽しくなる」
「自分の人生に自信を持ち、『縁』を大切に、自分が信じる『道』を歩きなさい」
「死」とは何か、「命」とは何なのか。記録が残る比叡山440年の歴史の中で、千日回峰行を二度満行したのは酒井雄哉大阿闍梨を含め3人しかいない。2013年9月23日に逝去した師が伝えたかった、「生きること」の本当の意味。大病を得てたどりついた大悟の境地に、人間の「生」「老」「病」「死」を語り尽くす。
なぜ我々は、自分や近親者の死を恐れ、悼むのでしょうか。それは命の本当の意味を理解していないから。連綿と続く生命38億年の歴史の中で、私たちが生きる時間はわずか数万日です。人生は、生まれてから死ぬまで論文を書く時間。悲しみや苦しみにふさぎこむことなく、仏さまから一人ひとりに課された宿題に一生懸命取り組むことが、「生きること」そのものなのです。
二度の千日回峰行満行後も国内外各地を歩き続けた師が語る、足の裏で地面を踏みしめて「歩く」ことの大切さ。通り過ぎてしまう大事な「縁」を引き寄せる実践力。一人残らず役割を持って授かった「命」の尊さ――。
なぜ生きるのか、どう生きればいいのか。「奇跡の行者」が自らの命と向き合って感得した人生の知恵。

著者について
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
酒井/雄哉
1926年大阪府生まれ。太平洋戦争時、予科練へ志願し、特攻隊基地・鹿屋にて終戦。戦後、職を転々とするがうまくいかず、比叡山へ上がり、40歳で得度。約7年かけて4万キロを歩く荒行「千日回峰行」を80年、87年の二度満行。その後も国内外各地への巡礼を行った。98年より比叡山飯室谷不動堂長寿院住職。2013年9月23日死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
一、ガンを知る、おのれの不始末を知る 16
米寿を迎えて思うこと
病気が命のありがたみを気づかせてくれた
ガンの兆し
病気を甘く見すぎていた
「なんでこんなになるまで放っておいたんですか!」
「生かされている」ことへの感謝を忘れてはいけないね

二、病と向き合う 30
焦らない、迷わない、あきらめない
こうと決めちゃったらいいんだよ
勝手に歩いて看護婦さんに怒られちゃった
再発
悪いこともいいことも、みんな自然の中にある

三、死は怖いものではない 46
ガンよ、死ぬときは一緒に死にましょう
命は「無始無終」
治る自信がないなら、無駄な抵抗はやめなさい
気持ちを切り替えてごらん
人生はなるようにしかならない
生き延びてるのには「生き残されてる」理由がある

四、結縁 66
自分でも気づかぬところに「因縁」がある
人は何歳からでも生まれ変われる
嫁さんのこと
お山への道
お不動さんの祠の夢
目を見開かせてくれたお師匠さんたち
めぐり合わせが「ご縁」なんだよ
縁を「結ぶ」かどうかはその人次第

五、歩くことが生きること 90
歩くことがわが原点
歩けば楽しみが見つかる
いつもの道も毎日違う
「峰」と「峯」
歩くことがヘタだと生きる資格がない
「行き道は いずこの里の 土まんじゅう」
地球を足の裏に感じて歩く
便利さばかり求めていると大事なことを見失う
呼吸のリズムで歩く
コツはそれぞれが自分でつかむもの
歩くとは現実を変える行動力だ

六、「苦」を「楽」にする知恵 118
苦しいことの中に「楽」を見出す
工夫して、失敗して、納得する
箱崎老師の教え
仏さまとの約束と思えば破れない
閻魔さまの審判と人生の卒業論文
極楽行きの条件
ひとりの時間、自分の視点を持つ

七、いま、この瞬間を大切に 136
一期一会は不意打ちで来る
あとから気づく普通の日常のありがたさ
「いま」の大切さ
大局的に見る

八、夢と現実の狭間で見たもの 146
手術後、病院での体験
ドームのような巨大トンネル、ここはどこ?
人とちょっと違う能力を暗示されていた
千日回峰行のときの不可思議な体験
阿弥陀さまの光に包まれて感得

九、愛別離苦 156
情を捨てちゃえ!
別れは必ず訪れる
大事なのは弔い行事をすることじゃない
特別なことしないで、毎日手を合わせればいい

十、この世に命を授かりもうして 168
命の長さよりもどう生きたかが大事
命は預かりもの
「この世に何しに来たの?」
「いま」をきれいに、誠実に生きる
自信が生きる力を支える
生きていることを楽しみなさい!

■扉の次のページに計算されている文章
  比叡山延暦寺(ひえいざんえんりゃくじ)に伝わる天台宗独特の荒行「千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)」。 地球一周に相当する約四万キロを七年かけて歩くこの難行を生涯に二回満行し、「現代の生き仏」と(たた)えられた仏行者、酒井雄哉(ゆうさい)大阿闍梨(だいあじゃり)が、二〇一三年九月二十三日に他界されました。
  九月二十七日に営まれた比叡山一山葬で喪主を務めた酒井大阿闍梨の弟子、藤波源信師は、出棺前の挨拶で、「お亡くなりになった日に、庭に出ると季節はずれの多数の白いチョウチョが飛んでいた。 飛ぶように山を歩いた酒井大阿闍梨の姿に思えた」と(しの)びました。
  本書は、九月上旬、比叡山延暦寺一山長寿院にて二度にわたって行われた酒井大阿闍梨の最後のインタビューをまとめたものです。 大病を患われて静養中にもかかわらず、酒井師は終始穏やかな口調で、にこやかにかつ淡々と「命」とは何か、「生きる」とは何かを語られました。 自らの余命と向き合っていた酒井師の言葉には、まごうことなき言霊(ことだま)が宿っていました。 その魂のメッセージを、今日一日を精いっぱい生きるための糧として、深く()みしめていただきたいと思います。
  謹んで酒井師のご冥福(めいふく)をお祈りいたします。合唱