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○●無人島に生きる十六人 (新潮文庫)●2015年08月20日 09:31

明治31年、北西ハワイ諸島とおもわれる無人島に流れついた16人の男たちの冒険談


須川 邦彦 (著)
文庫: 258ページ
出版社: 新潮社 (2003/6/28)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
大嵐で船が難破し、僕らは無人島に流れついた!明治31年、帆船・龍睡丸は太平洋上で座礁し、脱出した16人を乗せたボートは、珊瑚礁のちっちゃな島に漂着した。飲み水や火の確保、見張り櫓や海亀牧場作り、海鳥やあざらしとの交流など、助け合い、日々工夫する日本男児たちは、再び祖国の土を踏むことができるのだろうか?名作『十五少年漂流記』に勝る、感動の冒険実話。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
須川/邦彦
1880(明治13)年、東京生れ。1905年、商船学校航海科卒後、大阪商船に勤務。また、日露戦争に従軍し、水雷敷設隊として奮戦。第一次大戦では敵艦の出没する洋上に敢然、船長として乗り出し、日本海員魂を発揮した。その後、商船学校教授を経て、東京商船学校校長、海洋文化協会常務理事を歴任。’49(昭和24)年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
1
中川船長の話 11
龍睡丸出動の目的 13
探検船の準備 16
大西風 21
世界の海員のお手本 29
故国日本へ 39
海がめの島、海鳥の島 46
パール・エンド・ハーミーズ礁 52
暗礁をめがけて 57
待ち遠しい夜明け 67
伝馬船も人も波に 71
波の上の綱渡り 76
龍睡丸よ、さらば 86

2
みんな、はだかになれ 93
命の水 95
四つのきまり 102
心の土台 105
火をつくる 109
砂山つくり 113
見はり番 121
見はりやぐら 127
魚の網 130
海鳥の季節 132
海がめの牧場 137
アザラシ 142
宝島探検 145
無人島教室 156
塩をつくる 164
天幕を草ぶき小屋に 167
竜宮城の花園 170

3
学用品 179
茶話会 182
鳥の郵便屋さん 193
草ブドウ 204
われらの友アザラシ 209
アザラシの肝 215
アホウドリのちえと力 220
川口の雷声 224
船だ 227
的矢丸にて 234
よろこびの朝 240
さらば、島よ、アザラシよ 245
母国の土 248

痛快!十六中年漂流記 椎名誠
イラスト カミガキヒロフミ

■まえがき
  日本は海の国であるのに、海国日本の少年たちの心に、海の息吹をほんとうにふきこむ物語のないのを、私はながいあいだ気にしていました。
  ところが、昭和十六年十月から、少年クラブに、須川(すがわ)君の書いた私の無人島生活の話が、十三カ月つづけてのせられました。 私は、毎月まちかねて読みましたが、読んでいるうちに、私は物語の中にすっかり引きこまれ、四十年の昔にかえって、無人島生活をしているのだと思うことが、いくどもありました。
  私たちが無人島で難船したときは、日本の海の男として、あたりまえのことをしたのでしたが、須川君は、日本の作家に欠けている海の男としての体験があり、船長として大海原をじぶんの海のように航海して、海と船とをよく知っているので、たっしゃな筆で、興味深い物語に書かれたのです。
  この物語を読んで、私は龍睡丸(りゅうすいまる)の十五人の人たちは、ほんとうにりっぱな人たちであったと、つくづく昔のことを思いうかべるのです。 そして、昔、練習船帆船(こと)()(まる)の実習学生時代の須川君のことも、思い出されます。
  だが、十六名の無人島生活をした人々で、今日生き残っているのは、私のほかにはほとんどいないことを考えると、まことに心がさびしくなります。 そしてこの物語の本こそ、今はこの世にいない同志の人たちには何よりの供養となり、またつぎの時代を引きつぐべき少年諸君のために、りっぱな贈り物ができたと私は信じるのです。
  こういうわけで、昔、練習生時代に私が教えた学生の一人であった須川君が、私の昔話をよくおぼえていて、それを一つの物語に書いて、さらにこんどは一冊の本として出版されたことを、私はうれしく思います。

■実際の乗組員と当時の記事
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