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◎●粋に暮らす言葉●2016年02月28日 08:58

万能性を信じない健全な精神を持っていた江戸の人々


著者:杉浦 向日子
出版社: イースト・プレス
2011年5月20日発行
172ページ

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
杉浦日向子の全著作のなかから、「粋」「生死」「江戸」をテーマに「今に活きる言葉」を集め、漫画や写真とともに構成する。

著者について
杉浦日向子 (すぎうら・ひなこ)
1958年11月30日、東京生まれ。稲垣史生氏に時代考証を学び、1980年、「ガロ」で漫画家としてデビューする。1984年、『合葬』で日本漫画家協会賞を受賞。1988年、『風流江戸雀』で文藝春秋漫画賞受賞。浮世絵を下地にした独特な画風で、江戸の風俗を「まるで江戸の世界から抜け出してきたかのように」生き生きと描くことに定評があり、今もなお多くの読者を魅了し続けている。漫画作品としては、『杉浦日向子全集』(全8巻『二つ枕』『合 葬』『百日紅(上下)』『東のエデン』『風流江戸雀』『百物語(上下)』収録)ほか、『ニッポニア・ニッポン』『YASUJI東京』『ゑひもせす』『とんでもねえ野郎』などがある。
1993年に漫画家引退を宣言し、「隠居生活」をスタート。自らのライフワークである江戸風俗研究家として活動。NHK総合テレビ「コメディーお江戸でござる」では江戸の歴史、風習についての解説コーナーを足かけ10年務めた。晩年は文筆業に専念し、『江戸へようこそ』『大江戸観光』『江戸アルキ帖』『ぶらり江戸学』『東京イワシ頭』『呑々草子』『入浴の女王』『ソバ屋で憩う(編著)』『大江戸美味草紙』『お江戸風流さんぽ道』『一日江戸人』『ごくらくちんみ』『4時のおやつ』『隠居の日向ぼっこ』『食・道・楽』『うつくしく、やさしく、おろかなり』『江戸塾(対談集)』など、多くの作品を遺した。2005年7月22日、下咽頭がんのため46歳で逝去。

■はじめに
  杉浦日向子がこの世を去って6年目、もうすぐ七回忌になります。今でも彼女のことを書いたものをよく見かけますが、亡くなったのではなく産まれ故郷の「江戸」に帰ってしまったのでは、という人がいます。いえ、大多数の人がそう思っているのではないでしょうか。「お江戸でござる」に出演されていた由紀さおりさんも「今でもむこうで、お好きなお酒をちびちびとやりながら(と言いながら左手をクイクイっと飲んでいる仕草)楽しんでいるのではないですか」とおっしゃっていました。
  確かにそうなのかもしえません。6年前に妹を見とどけた私たちでさえ、まだ何処かにいて時々なにかを送ってくるような気がしていました。そして今回の『粋に暮らす言葉』にふれたときにそれは確信へと変わりました。ひとつひとつの言葉の活きが良いのです、今でもピンピンと私の中に飛び込んで来るというか、以前よりも元気になって(存在が)強くなっている言葉も多くあります。
  「私の行動の一割九分が江戸からのナニモノかによる遠隔操作で」(『江戸風流雀』)、と言っているように、ある時から巫女やイタコ(「人をババア扱いして!」と言うかな)のように「江戸」からの通信やナニモノかの意思を受け止める能力が備わったようです。
  生まれたときから知っている私から見ると、その能力は彼女自身がこの世の中を面白く楽に生きるために自然と身につけたものだと思っていました。しかし、あえて断片にした「言葉集」を読んで確信したのは、私を含め、「皆さんにもっと楽に生きて(活きて)いって欲しい」と言っていたということです。
  杉浦日向子があらわす「江戸」は、読んでいくうちに自然と肩の力が抜けていって呼吸も楽になり、悩みが溶け出していく世界だと思うのです。どうもさっきから妹の遠隔操作を受けている気がする私です。
        鈴木雅也(兄)

■但し書き
本書は、杉浦日向子さんが、生前に発表された作品のなかから、言葉を抜粋し掲載しています。掲載にあたり、ご遺族の監修のもと、修正を加えている箇所がありますので、ご了承ください。

■書評
別館

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