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○■笑顔で花を咲かせましょう 歌って踊るオバァたちが紡いだ「命の知恵」■2016年02月02日 09:33

旧暦で暮らし、布を織り、着物を作る、今の小浜島


KBG84(小浜島ばあちゃん合唱団) (著)
単行本: 205ページ
出版社: 幻冬舎 (2015/12/17)

■商品の説明
内容紹介
たくさん泣いたから、笑顔が輝く。沖縄の離島に住む、史上最高齢のアイドルユニットのオバァたちが明かす、長寿と健康と笑顔の秘訣。

80歳から97歳まで――史上最高齢のダンス&ヴォーカルユニットユニット・KBG84。「小浜島・ばあちゃん・合唱団・平均年齢84歳」の略。
沖縄の離島に住むオバァちゃんたちが明かす、長寿と健康と笑顔の秘訣とは?

○「つらかったこと」を自慢しても、幸せにはなれません。
○いっぱい笑うと、いっぱいお腹が空く。
○泣いていると、人が来ない。
○長生きは、人生のご褒美。
○信じるものには、効果がある!
○神様にいつでも感謝できるように、毎日を丁寧に暮らす。
○来年のために、今年の仕事をする。
○踊ることを覚えたら、楽しみが増えた。
○勝っても負けても、楽しい。
○昼寝はしないのが、元気の秘訣。
○何歳になっても、恋の話は、生きる力になる。
○「不便」と「自由」は隣り合わせ。
○自分に感謝し、自分を褒める。
○相手のいいところを見つければ、怒らずにすむ。
○隠しごとはしない。我慢はしない。
○年上を敬うのはあたりまえ。
○人を褒めると、自分も嬉しくなる。
○一日の始まりはお化粧から。

この島のオバァは、よく働き、よく笑い、よく食べ、よく感謝する。
そして、神様を大切にし、行事を大切にし、自然を大切にし、仲間を大切にする。

内容(「BOOK」データベースより)
80歳から97歳まで―史上最高齢のアイドルユニット・KBG84。沖縄の離島に住むオバァちゃんたちが明かす、長寿と健康と笑顔の秘訣。

著者について
「KBG84」は、「小浜島・ばあちゃん・合唱団・平均年齢84歳」の略。史上最高齢のダンス&ヴォーカルユニットだ。
もとは、二十数年以上も前に高齢者をケアするボランティア組織「うふだき会」のもとに島のオバァたちが集まって始まった合唱団だが、次第にその活動が注目され、2013年にサントリー地域文化賞受賞、2014年には厚生労働大臣から表彰を受けた。2015年には東京と大阪でのライブが大成功。名称を「KBG84」と改め、“天国に一番近いアイドル"としてテイチクレコードよりメジャーデビューも果たす。JapanTimes、AFP、BBC、CCTVなど海外のメディアでも紹介される。
KBG84の入団規則は、80歳以上。80歳未満のオバァは研究生となる。現在、団員は三十人、研究生が十人。

■目次(大項目のみ)
まえがき―人の心に花を咲かせるのは「笑顔」です 3
第一章 笑顔で花を咲かせましょう 目仲トミ(92歳)
第二章 願いをつないで生きる 山城ハル(97歳)
第三章 思う。動く。そうすれば叶う 花城キミ(90歳)
第四章 人を笑顔にするのが「知恵」 白保夏子(84歳)
第五章 私たちの生きる道―オバァたちの座談会
あとがきにかえて―つちだきくお 200
(注:第五章の参加者は、四章までの方々とは別のそれぞれ3名ずつ3回、合計9名です)

■「あとがきにかえて」から(終わり近くの一節)
この本で語られたオバァたちの半生からは、メディアで見せる華やかさとは違う、ひとりの女性としての姿が伝わってきて、僕も知らなかったことが多いです。笑って楽しく生きている彼女たちの背景には、現代の生活に慣れた人にはわかりえない多くの苦難があったことも知り、頭が下がります。
(中略)
もうひとつ最後に――。ばあちゃん合唱団は、花城キミさん(今は名誉会長)の「どうにかしたい」という想いが始まりでした。それを隣に住む白保夏子さんがたぐいまれなジンブン(アイデア)でサポートし、周りの女性たちも巻き込んで、できあがりました。そして今や、世界中にその笑顔が発信され、メジャーデビューまで辿り着き、大輪の花を咲かせました。これを八重山では「ピトゥールピキ ムールピキ(ひとり引き 群れを引き)」と言います。「ひとりを引くと、いつしか群れをも引く」という意味。 まずは「ひとりの一歩から」という意味の諺です。まさにそれが実現したものだと思います。

■書評
別館

◎●食生活と身体の退化―未開人の食事と近代食その影響の比較研究●2016年02月04日 17:34

1930年代、近代人における虫歯の広まりと身体の退化を食い止めようと、未開人社会を調査したW.A.プライス博士


W.A.プライス (著), 片山 恒夫 (翻訳)
-: 509ページ
出版社: 豊歯会刊行部 (1978/12)

■内容(「BOOK」データベースより)
現代文明と接触し食生活が「近代化」しはじめたとたん、先住民族の口腔や顎の構造がどんなに打撃を受け、劣化しはじめるか。―1930年代に世界各地で10数年にわたるフィールドワークをつみ重ね、その事実を明らかにして現代人の食生活に警鐘を鳴らしたウェストン・プライス博士の記念碑的「古典的名著」が、いま、読みやすい形で日本人に提供される。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
片山/恒夫
1910‐2006。大阪歯科医専卒(現・大阪歯科大学)、豊中保健所、大阪府歯科衛生士養成所長、大阪府衛生部、市立豊中病院歯科部長を経て片山歯科研究所を主宰した。元日本歯周病学会理事、元口腔衛生学評議員、医学博士、F.L.C.D.(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
翻訳出版によせて 木所正直 vii
序文 梅棹忠夫 viii
序にかえて 丸山博 ix
推薦のことば 橋本正巳 x
図一覧 xiii
序 [ウェストン・A・プライス] xxi
序文 [アーネスト・A・フートン] xxiii
ヘリティジ版[決定上製版]への序 [グランビル・F・ナイト] xxv
序論 1
1 なぜ未開種族から学ぶのか 5
2 衰退の一途を辿る近代文明 9
3 スイス:―孤立した住民と近代化した住民― 23
4 ゲール族:―孤立した住民と近代化した住民― 43
5 エスキモー:―孤立した住民と近代化した住民― 57
6 北米インディアン:―孤立した住民と近代化した住民― 72
7 メラネシア人:―孤立した住民と近代化した住民― 101
8 ポリネシア人:―孤立した住民と近代化した住民― 113
9 アフリカ諸種族:―孤立した住民と近代化した住民― 126
10 オーストラリア原住民:―孤立した住民と近代化した住民― 158
11 トレス海峡諸島:―孤立した住民と近代化した住民― 180
12 ニュージーランド・マオリ族:―孤立した住民と近代化した住民― 193
13 ペルーの古代文明人 206
14 ペルー・インディアン:―孤立した住民と近代化した住民― 230
15 近代食と未開食の特徴 246
16 未開人の虫歯予防法 271
17 身体的変形の原因 290
18 胎児の栄養的欠陥とその病種 314
19 肉体, 精神と道徳の退廃 340
20 土壌の消耗と動植物の退化 367
21 原住民の知恵の実際的応用 378
増補目次
増補への序文 [ウェストン・A・プライス] 409
増補によせて [Wm・A・アルブレヒト] 412
22 ビタミンに類似した新賦活剤 414
23 食物は土壌の肥沃さに支えられる [Wm・A・アルブレヒト] 437
24 動植物の生育とフッ素 447
25 母なる自然はいかにして我々を造り給うたか 452
26 近代における退化の諸段階 463
27 人類の復興をはかる食事計画 473
28 教育による社会改革 494
結び 我々のもつ対立する二つの大問題は解決されるだろうか 500
訳者あとがき 507


ウェストン・A. プライス (著), Weston A. Price (原著), 片山 恒夫 (翻訳), 恒志会 (翻訳)
単行本: 469ページ
出版社: 恒志会; 増補・改訂版 (2010/10)

◎■家畜になった日本人――ネパールに学ぶ健康な生活■2016年02月07日 09:28

早世した研究者が指摘する、ジョギングや砂糖の危険性、歩くことの素晴らしさ…


著者:今野 道勝 (こんの・みちかつ) 発行所: 山と渓谷社 1982年6月1日発行 217ページ
■商品の説明
内容
産業革命以降の経済発展の代償として「大切な何か」を失った日本人。欧米だけに目が向きがちななか、以前からの暮らしの残るネパールに目を向けることで、自己変革を余儀なくされるほどのショックをうけるとともに、工業先進国の今日的な健康問題を考える場合の新たな視点が定まった。
著者について
今野道勝(こんの・みちかつ)
昭和20年生まれ。東京都出身
昭和45年 東京教育大学大学院修士課程修了(健康教育学専攻)
昭和45年 九州大学教養部助手、同講師、助教授を経て、昭和57年まで九州大学健康科学センター助教授
昭和58年 病没
専門 生理人類学
著書として、『現代生活と体育』(学術図書)<共著>および『栄養と運動と健康――健康の生理人類学』(朝倉書店)がある。

■目次
[プロローグ]
なぜネパールなのか 9
I 歩けなくなった日本人
美しかった彼らの歩行姿勢 16
距離の単位「スタジオン」 23
山岳民族に見る優れた歩行能力 30
なぜ歩くことにこだわるのか 36
ヒトは長距離型の動物だった 42
足は靴のためにあるわけではない 48
カトマンズの散歩道で考えたこと 54
日本の子どもたちは大丈夫か 60
山村の人に多い善玉コレステロール 66
健康の町・久山町の街づくり 72

II 虚弱になった日本人
握力が強ければ体力もあるのか 80
ネパール人の酸素摂取能力 86
虚弱化はすでに若者たちから 93
知っておきたい「適度な運動」の意味 100
繁殖用の豚は運動をしていた 106
日本人の血圧はなぜ高いのか 112
まるで違っていた彼らの耐寒力 119
なぜか薬がよく効く人たち 125
低下している日本人の視力と聴力 130
「文化と子育ては反比例する」 135
鶏と卵と人間と 141

III 錯覚してきた日本人
生物学的な不潔と物理化学的な不潔 148
青い山脈があるということ 153
肉体のバランス機能を測定して 158
「見る祭り」に欠けているもの 164
日本人の大型化がもつもう一面 170
質素な食事と豊かな食事の差 176
問題が多い砂糖の多量消費 182
動物性食品をうまく利用しているか 188
虫歯がない人たちに出会って 195
自給自足の村・コテンの住人 200

[エピローグ]
ヒトの定点観測所 207

参考文献 213
あとがき 214

カバー・扉イラスト 下谷二助
口絵写真 山と渓谷社
本文写真 健康科学研究会・山と渓谷社
ブックデザイン 小泉 弘

■書評と内容の紹介
別館

○●五人のカルテ―病院の病跡 (1971年) (ハヤカワ・ノンフィクション)●2016年02月14日 10:09

文庫本にもなり、ドラマ『ER』の脚本の元となった本





著者:マイクル・クラントン
翻訳:林克己
発行所: 早川書房
昭和46年8月31日再版発行
254ページ

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
原因不明の高熱、骨折、火傷、心臓停止、激しい胸の痛み。マサチューセッツ総合病院の救急治療室には、さまざまな患者が昼夜を問わず運ばれてくる。ここに医学生として勤務した体験をもとに、超ベストセラー作家が刻々と変化していく医療現場の実態をリアルに再現し、その裏側に隠された問題点を鋭くえぐる。全米で驚異的人気を誇るTVドラマ・シリーズ「ER(緊急救命室)」の原点となった話題の医学ノンフィクション。

著者について
Michael Crichton was born in Chicago in 1942. His novels include Airframe, The Andromeda Strain, The Great Train Robbery, Congo, Jurassic Park, Rising Sun, Disclosure and The Lost World and Timeline. He is also a film director and the creator of the hit television series ER. --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

■帯に記された著書の言葉
現在の形の病院は生れてまだ50年しかたっていないのに、あと10年ほどで亡びるだろう、なぜなら、医学・医術が変われば病院も当然変貌するが、医学はここ100年間に過去2000年分以上の進歩を遂げているからである。医者が患者の不幸で金をもうけるという現在の医療制度は早急に変革されなければならない。病院は今や、やって来る病人をなおす機関という従来の受け身の姿勢を捨て、外に向かう積極的な病院となることを迫られている。変化こそ病院の常態である。

■カバーのそでから
マサチューセッツ総合病院に担ぎ込まれた急を要する五人の患者。建築事故で担ぎこまれたラルフ・オーランドは、ごった返す救急棟で止まった心臓に懸命の蘇生術を受ける。しかし……、
原因不明の高熱に襲われて横転するジョン・オコナーは、抗生物質を大量に投与された。しかし、その処置は正しかったのか。
激しい複雑骨折を負ったピーターの片腕を再生させる手術は延々6時間にもおよぶ。
56歳の女性シルヴィア・トムスンは医者のいない空港で胸痛を覚え4キロ離れた医師にテレビを通じて診断を受ける。
55歳のマーフィー夫人は軽度の黄疸があい、腹部は膨満、便に血が混じる。治療手段のない紅斑性狼瘡らしい。
『緊急の場合は』『アンドロメダ病原体』などで医学の問題を追究してき たマイクル・クライトンが本来の医師の立場から、五人の患者を通じて麻酔や手術の歴史、外科医と内科医の反目と協力、教育病院の仕組みと医学教育のむずかしさ、そして医療の最尖端を行くコンピュータ診断の実際と今後の見通しなどを語る。なぜ入院費は上がるのか、入院費はホテル代より高いか。はたして病院はこのままでいいのか。──「変化こそ病院の常態」というクライトンが、行きづまりを露呈し始めた現代の医療制度の病根を冷徹にえぐり、人の不幸を金でもうける現行制度を批判して打ち出した“積極的病院”の構想!

■一言
著者の意図とは逆に、医療の限界を読みとる読者が多いようです。

○●自由からの逃走●2016年02月20日 20:37

フロムの『自由からの逃走』に記された「への自由」を問う新人証券マン

伊東 良 (著)
単行本(ソフトカバー): 570ページ
出版社: 東洋出版 (2016/1/16)

■商品の説明
内容紹介
石坂 啓推薦! 誰のための、何のための株価か!?ブラックだということにも、いじめの存在にも目をつぶり、ただ、バブルだけを膨張させた。あの狂乱のバブル期を証券マンとして経たからこその作者、そして主人公の誠実さが光る。−石坂 啓 あの頃、僕はある中堅証券会社で営業の仕事に就いていた。いわゆる証券マンという奴だったわけだ。……あの頃の僕も、ご多分に漏れず社会の厳しさってやつに打ちひしがれていた。わずかな給料を稼ぐために、詐欺まがいの商売に勤しむ。人間、食ってくためにはここまであさましくなれるんだなんて、日々、驚かされ、心が寒寒する毎日を過ごしていた。もちろん、そんなこと、会社の人間の前では口にしない。……そんなこといおうもんなら、証券業界って世界にどっぶりと浸かり、一般人には想像も及ばない悪戯な商売をしている周りの先輩達から、それこそ半殺しにされてしまっただろう。(本文より抜粋)

著者について
福岡県生まれ バブル期の証券会社に入社。その後、調査会社、IRマガジン「ジャパニーズインベスター」副編集長などを経て、公開企業の投資家向け広報(IR)担当などに従事。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
伊東/良
福岡県生まれ。バブル期の証券会社に入社。その後、調査会社、IRマガジン「ジャパニーズインベスター」副編集長などを経て、公開企業の投資家向け広報(IR)担当などに従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

○■脳の神話が崩れる時■2016年02月21日 16:42

ニューロフィードバックがアルコール依存症の治療と再発の防止やてんかんの治療に役立ち、長年瞑想を続けた修行僧の脳には変化が生じ、催眠は痛みを消し、臨死体験者や宇宙飛行士は価値観を変える


著者:マリオ・ボーリガード
翻訳:黒澤 修司
出版社: KADOKAWA/角川書店
2014年1月30日発行
256ページ

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
科学が導く「心」の正体!自己治癒、催眠、超常現象、臨死体験、多くの実験で明らかになった精神が肉体を凌駕する証拠!

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ボーリガード,マリオ
モントリオール大学の心理学科、放射線科、神経科学研究センターにて准研究教授を務める。『The Spiritual Brain』の共著をはじめ、神経科学、心理学、精神医学について、多くの文献を発表している。神経科学と意識についての研究が認められ、2000年にはWorld Media Netが選出する「21世紀のパイオニア100人」のひとりとして選出されている
黒澤/修司
1980年、埼玉県生まれ。ライター、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
はじめに 人は肉でできたコンピューターなのか? 7
  ──唯物論と心脳問題
第一章 思い込みが生死を分ける 25
  ──プラシーボ効果とノーシーボ効果
第二章 脳を心で操作する 53
  ──ニューロフィードバーック
第三章 心を変えること、それは脳を変えること 79
  ──神経可塑性
第四章 感情が病気を治す 105
  ──心と体の深い繋がり
第五章 心の奥にひそむ力 127
  ──催眠
第六章 時空を超える思い 153
  ──超常現象
第七章 肉体の境界を越えて 179
  ──心と脳、そして臨死体験
第八章 大いなる自己との出会い 207
  ──神秘体験
おわりに 新たなる意識 231
NOTES 250
訳者あとがき 251

■「はじめに」のラリー・ドッシー博士による言葉より
「熟練の科学者たちが子どもたちに決して教えようとしない、ささやかな秘密がある──それは、『科学の世界に足を踏み入れるのならば、自分の精神は棚に上げなければならない』ということだ。これは、いくら人々が精神の存在を感じていようと、現在の科学では存在していないことになっているからだ。意識、意思、感情、そして理論という言葉でさえ、科学においては、脳という言葉に置き換えられてしまうのだ。」

■書評
ニューロフィードバックがアルコール依存症の治療と再発の防止やてんかんの治療に役立ち、長年瞑想を続けた修行僧の脳には変化が生じ、催眠は痛みを消し、臨死体験者や宇宙飛行士は価値観を変える

◎●粋に暮らす言葉●2016年02月28日 08:58

万能性を信じない健全な精神を持っていた江戸の人々


著者:杉浦 向日子
出版社: イースト・プレス
2011年5月20日発行
172ページ

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
杉浦日向子の全著作のなかから、「粋」「生死」「江戸」をテーマに「今に活きる言葉」を集め、漫画や写真とともに構成する。

著者について
杉浦日向子 (すぎうら・ひなこ)
1958年11月30日、東京生まれ。稲垣史生氏に時代考証を学び、1980年、「ガロ」で漫画家としてデビューする。1984年、『合葬』で日本漫画家協会賞を受賞。1988年、『風流江戸雀』で文藝春秋漫画賞受賞。浮世絵を下地にした独特な画風で、江戸の風俗を「まるで江戸の世界から抜け出してきたかのように」生き生きと描くことに定評があり、今もなお多くの読者を魅了し続けている。漫画作品としては、『杉浦日向子全集』(全8巻『二つ枕』『合 葬』『百日紅(上下)』『東のエデン』『風流江戸雀』『百物語(上下)』収録)ほか、『ニッポニア・ニッポン』『YASUJI東京』『ゑひもせす』『とんでもねえ野郎』などがある。
1993年に漫画家引退を宣言し、「隠居生活」をスタート。自らのライフワークである江戸風俗研究家として活動。NHK総合テレビ「コメディーお江戸でござる」では江戸の歴史、風習についての解説コーナーを足かけ10年務めた。晩年は文筆業に専念し、『江戸へようこそ』『大江戸観光』『江戸アルキ帖』『ぶらり江戸学』『東京イワシ頭』『呑々草子』『入浴の女王』『ソバ屋で憩う(編著)』『大江戸美味草紙』『お江戸風流さんぽ道』『一日江戸人』『ごくらくちんみ』『4時のおやつ』『隠居の日向ぼっこ』『食・道・楽』『うつくしく、やさしく、おろかなり』『江戸塾(対談集)』など、多くの作品を遺した。2005年7月22日、下咽頭がんのため46歳で逝去。

■はじめに
  杉浦日向子がこの世を去って6年目、もうすぐ七回忌になります。今でも彼女のことを書いたものをよく見かけますが、亡くなったのではなく産まれ故郷の「江戸」に帰ってしまったのでは、という人がいます。いえ、大多数の人がそう思っているのではないでしょうか。「お江戸でござる」に出演されていた由紀さおりさんも「今でもむこうで、お好きなお酒をちびちびとやりながら(と言いながら左手をクイクイっと飲んでいる仕草)楽しんでいるのではないですか」とおっしゃっていました。
  確かにそうなのかもしえません。6年前に妹を見とどけた私たちでさえ、まだ何処かにいて時々なにかを送ってくるような気がしていました。そして今回の『粋に暮らす言葉』にふれたときにそれは確信へと変わりました。ひとつひとつの言葉の活きが良いのです、今でもピンピンと私の中に飛び込んで来るというか、以前よりも元気になって(存在が)強くなっている言葉も多くあります。
  「私の行動の一割九分が江戸からのナニモノかによる遠隔操作で」(『江戸風流雀』)、と言っているように、ある時から巫女やイタコ(「人をババア扱いして!」と言うかな)のように「江戸」からの通信やナニモノかの意思を受け止める能力が備わったようです。
  生まれたときから知っている私から見ると、その能力は彼女自身がこの世の中を面白く楽に生きるために自然と身につけたものだと思っていました。しかし、あえて断片にした「言葉集」を読んで確信したのは、私を含め、「皆さんにもっと楽に生きて(活きて)いって欲しい」と言っていたということです。
  杉浦日向子があらわす「江戸」は、読んでいくうちに自然と肩の力が抜けていって呼吸も楽になり、悩みが溶け出していく世界だと思うのです。どうもさっきから妹の遠隔操作を受けている気がする私です。
        鈴木雅也(兄)

■但し書き
本書は、杉浦日向子さんが、生前に発表された作品のなかから、言葉を抜粋し掲載しています。掲載にあたり、ご遺族の監修のもと、修正を加えている箇所がありますので、ご了承ください。

■書評
別館