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○■密林の食葬族■2016年03月06日 10:20

1970年、コンゴ民主共和国の南キブ州周辺に住んでいた食葬族を訪ねた手記


著者:芥川 玲司(あくたがわ れいじ)
出版社: 恒友出版株式会社
昭和59年3月15日発行
276ページ

■著者について
芥川 玲司(あくたがわ れいじ)
1940年(昭和5年)、上海市の郊外で養蜂業を営む中国人の長男として出生。幼年時を日本で過ごした後帰国、16才の時再び来日。雑誌などの記者を経て海外旅行関係の仕事を始める。1965年(昭和40年)に日本女性と結婚、1男1女を得たが離婚。精神的ショックから脱出するためにアフリカ行きを決意。1968年(昭和43年)夏、同行者3名と共にアフリカ横断の旅に出て2年間にわたり各国の部族と起居を共にする。現在、縫製と貿易関係の仕事に従事。東京都杉並区に在住。(出版時のデータです)

■カバー裏表紙に記載された紹介文
文明の届かぬ中央アフリカの奥地に、死者を食う部族=食葬族=がいた。
彼らは、死者を弔うために、
その生肉を、骨ひとつ残さずに食べるのだ。
著者は、アフリカ横断の最後に、前人未踏の密林に向う。
そして、食葬族(ベラル族)に出会い、神秘の儀式=食葬=を目撃する。
初公開!!食葬族の風習、密林での野生の生活。想像を絶する体験記。

■帯(表)より
魂よ永遠に!!
アフリカの奥地に遺る、神秘と怪奇の「食葬の儀式」。初めて公開されるアドベンチャー・ドキュメント

■帯(裏)より
著者は、異民族との心の交流を求め、2年間にわたってアフリカ全土を旅した。

■「あとがき」の終わりの部分
  アフリカ横断中の約二年間に、われわれは五百本以上のフィルムで撮影をしたが、一九七八年(昭和五十三年)一月十五日夕刻、私の外出中に隣家から出火した火災により、私の家も全焼し、貴重なフィルムを焼失してしまった。いまさらながら残念でならない。
  われわれをベラル族の部落まで案内してくれがンガとフウリカの二人は、再び彼らの部落まで案内してくれた。ムサンボ族の部落で約束どおり私は牛を贈った。ンガは、その牛をフウリカの父親に贈り、結婚した。部落あげての結婚式を見ていて、私は二人がいつまでも幸せであることを祈った。
  この手記は、十三年目にしてようやく陽の眼を見ることになった。最後になったが、陽を当てていただいた恒友社出版斎藤繁人社長ほか社員の皆様方に深く感謝の意を表する。
一九八四年二月吉日 芥川玲司

■書評
別館

○■動物の「超」ひみつを知ろう(シリーズ楽しい科学)■2016年03月08日 22:25

冬眠、渡りから、ビッグフット、ネッシーまで


ジュディス ハーブスト (著), Judith Herbst (原著), 山越 幸江 (翻訳)
単行本: 203ページ
出版社: 晶文社 (1994/06)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
動物は、人間にはとてもかなわない、ふしぎな力をもっている。冬眠やからだの再生のしくみはどうなっているのか。雪男やネス湖の怪獣はほんとうにいるの。なぜ恐竜は絶滅したのか。あっとおどろく、ウソのようなホントの話。

内容(「MARC」データベースより)
カエルは化石として閉じ込められても、ふたたび生き返る。魚は空を飛ぶ。動物は人間がとてもかなわない力を持っている。あっと驚くウソのようなホントの話。科学の楽しいミラクル・ワールドへ出発しよう。

■目次
1 わたしの犬はうらないい師――予知 9
2 寝る子はよいこ――冬眠 28
3 消えた手足をつくります――再生 38
4 群れのひみつ――集合意識 48
5 ふしぎな大旅行―― 渡り 64
6 カエルが空から降ってきた 92
7 化石からの生還――仮死 104
8 恐竜はどこへ消えた? 126
9 そこにはなにかがいる――未発見の動物 145
10 ネッシー物語 170
用語解説 191
訳者あとがき 200

■書評
本が好き!

○■日本語とタミル語■2016年03月13日 10:12

日本語はどこから来たか


大野 晋 (著)
-: 286ページ
出版社: 新潮社 (1981/11)

■著者について
日本語を支えた大野晋さん

■著者について(毎日新聞訃報より)
  日本語の起源をはじめ、言葉を通して日本とは何かを探求した国語学者で学習院大名誉教授の大野晋(おおの・すすむ)さんが14日午前4時、心不全のため、東京都内の病院で死去した。88歳。

  東京生まれ。東大卒、文学博士。橋本進吉に師事して古代日本語研究の道に入った。学習院大教授、東洋英和女学院大教授などを歴任。万葉集や日本書紀の校訂・注釈にかかわり、万葉仮名に清濁の厳密な区別があると指摘した。
  さらに、古代日本語は、南方系とアルタイ系の言語、南インドなどの古代タミル語が重なり合って成立したとの説も発表して、議論を呼んだ。
  国語教育についても発言し、99年には、著書「日本語練習帳」が発売1年で180万部を超えるベストセラーになった。

一方、部落差別に基づく、えん罪事件として問題になった狭山事件では79年、脅迫状が石川一雄被告(当時)のものではないと鑑定し、被告の再審を訴えた。

■帯(表)より
日本語の起源を探り続ける著者が、文化人類学、民族学、言語学の成果を背景に、日本語とインド南端のタミル語の密接な関係を説く。新しい日本語論の全容を結集した話題の書。

■帯(裏)より
*現代に残る古語や方言や生活語は、何時頃から使用されていたのか?それは何処からどのような文化と共に日本に来たのかを知る手掛かりが、数々の話題を通して語られる。
*言葉の“対応”とはどのようにして検討するのか?三百余例でやさしく説く!!
*日本語の成立とそのルーツを推理する、謎解きの面白さが学術研究を通じて伝わる!!
*日本文化の成立を見渡せる知的興味あふれる一冊!!

■目次

第一章 南インドの言葉と日本語 7
ボンガルの話 方言の大きな役割 ハチの話 基礎語の類似 方言の重み 『ドラヴィダ語語源辞典』 二言語にわたる研究 学問するということ

第二章 タミル語を取りあげる 43
比較の中心点――音韻 借入れと偶然の類似と 言語の親族関係の発見 親族関係の探索――ドラヴィダ語の登場 タミル語を取りあげる 語根の比較 第一子音の比較 母音の比較 第二子音の比較

第三章 音韻の対応・母音 88
歩く話 砂利の話 草を刈る話 だらしない話 いもをふかす話 木樵りの話 お茶をいれる話 ニニギの尊の話 いつ、いかに、いくら、の話 無目堅間の話

第四章 音韻の対応・子音 125
白と知るの話 カシラの話 悪い話 恥の話 sの脱落 c2の対応 行くも帰るも 東北方言の発音との類似 畠と祭りの話 太った豚の話 酒の糟の話 さし鍋に湯わかせ ホースケの話 風は命である 「かったい」と「みっちゃ」の話 塵泥の数にもあらぬ 澱の話 早稲の話 さっぱりの話 馬の話 タミル語と朝鮮語と ムサイ話 焼畑の話 タンボとトンボの話 ごみの話 熊木のやらに 雀の話 わが愛し妻 まさかりの話 かゆの話

第五章 この時代の生活を再構成する 215
自然環境 人と体と病気 食べもの着るもの住むところ 人の動作 認識と感情

第六章 日本語研究の今後 241

あとがき 241
タミル語・日本語の対応語表 255

■書評
本が好き!

■その他
同じ著者による、『日本語はどこからきたのか―ことばと文明のつながりを考える』が文庫で出ています。



また中学生以上向けに『日本語はどこからきたのか』ポプラノンフィクションブックスもあります。

○■日本人を狂わせた洗脳工作─いまなお続く占領軍の心理作戦■2016年03月13日 13:03

War Guilt Information Program (WGIP) の証拠文書の発掘


著者:関野 通夫
出版社: 自由社
2015年3月3日発行
82ページ

■商品の説明
内容紹介
占領軍GHQの「日本人洗脳プログラム」の証拠書類を発掘! 「憲法九条を守れば日本は永遠に平和」「狂気の軍国主義にかられ、無謀な大戦に突入し、アジア諸国に侵略し暴虐をきわめた」など常識として定着している概念が、GHQの狙いどおりの成果だとしたら……。 日本はじめ、米中韓など世界の国々に広く流布した戦争犯罪国家のイメージが、GHQが仕組んだ洗脳工作の成果だとしたら……。
WGIP=War Guilt Information Program(戦争についての罪悪感を日本人の心に植え付けるための宣伝計画)の証拠文書は従来発見されておらず、真偽不明だった。日本をおおう暗い影を直感的に感じていた著者が、2万5千点のGHQ文書の中から、タイトルに「War Guilt Information Program」とある文書、及び関連文書を多数発掘。新聞、ラジオのマスコミ操作、数百万の郵便物の検閲、教育への露骨な介入、伝統文化の否定等々、GHQの舌をまくほど絶妙な心理戦略が、このブックレットによって、白日のもとにさらされる!
戦後70年にして、日本を米国に恒久的に隷属させる作戦の呪縛からようやく解き放たれる!

出版社からのコメント
「自由社ブックレット」創刊第1号は、歴史的な意義をもつ本書です。衝撃の真実、タイムリーなテーマ等を、簡潔に、分かりやすくまとめ、日本に広く発信してまいります。ご期待ください!

内容(「BOOK」データベースより)
狂気の軍国主義にかられ、無謀な大戦に突入し、米国やアジア諸国にひどい被害をもたらした―日本はじめ、米中韓など世界の国々に広く流布した犯罪国家のイメージが、実は占領軍の精密巧妙な洗脳工作の成果だとしたら…大手自動車メーカー関連会社米国法人社長を務めた著者が、GHQの2万5千点の文書から、幻だったWGIPの証拠文書を発掘した!

■著者について
昭和14年鎌倉市生まれ。昭和39年東京大学工学部航空学科卒業後、本田技研工業(株)入社。
工場勤務後、フランス5年半(技術部長)、イラン2年(合弁会社の本田代表者)、アメリカ9年(執行副社長、社長)駐在。その他、東アジア、ブラジルの海外生産活動の責任者。
平成13年退職、実務翻訳に従事。
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
序 外交評論家 加瀬英明 3
1 未だ気づかれていない洗脳工作 11
  日本人を狂わせた根源的なもの 11
  友人の作家の慨嘆 12
  工学部系実験屋の習性 15
  不可解な"国連人権委員会" 10
  ジュネーブの"4ナイ"反日人士 18

2 内部文書"WGIP"の発見 21
  約2万5千点の文書を絞り込む 21
  "WGIP"とは何か? 22
  WGIPを実施したCIE(民間情報教育局) 23

3 洗脳と検閲の両面作戦 26
  表の洗脳・裏の検閲と焚書 26
  日本政府を前面に出した二人羽織 28
  東京裁判というショーウィンドー 30
  国会はABC級戦犯の遺族に年金を与えた 33
  30項目の報道規制 35

4 発見文書から内容を読みとる 37
  文書<イ>【1945年12月21日付】 40
  広範で綿密な作戦 43
  いまなお続く刷り込みの効果 44
  CIEに与えられた役割 46
  WGIPが謀略である証拠 49

5 CIEと東京裁判の関係 51
  緊密な連携 51
  表紙原文 52
  メディア工作・文書<ト> 54
  民間情報検閲支隊 56

6 WGIPでCIE(民間情報教育局)が懸念したこと 58
  原爆投下と東条陳述への懸念 58
  CIEの対応策 59
  文書<ホ>【1948年2月8日付】 60
  CIEの手先にされた朝日新聞 63
  文書<ヘ>【1948年3月3日付】 64
  四大教育指令 66

7 東京裁判に対するアンチテーゼ 68
  無罪を主張した人々 68
  マッカーサーも意見を変えた 69

8 東京裁判における清瀬一郎弁護士の冒頭陳述 71
  格調高い戦犯無罪論 71
  ナチスと日本の相違 72
  リットン報告書 73
  盧溝橋事件の責任 74
  支那事変の勃発 75
  日米通商航海条約の破棄 76
  イギリスの認識 77
  真珠湾は奇襲か 78

あとがき 80

自由社について(サイトトップのあいさつ文)
自由社
「新しい歴史教科書をつくる会」の
中学歴史、公民教科書を刊行しています。
誇りをもって国を愛し、支える若者を育てるために
真実の歴史を伝える唯一の教科書です。

また、先祖の尊い犠牲の上に
歴史上、稀な平和と豊かさを享受する日本を
子、孫、ひ孫へ…と連綿と手渡していくために
広く読んでいただきたい書籍を刊行してまいります。

自由社は左翼系全般の出版界にあって
保守の砦となる所存です。

ご支援、ご声援を賜りますよう
衷心よりお願い申し上げます。

代表取締役社長 加瀬英明

■「序」より
GHQ(マッカサー総司令部)は日本を軍事的に征服したうえで、日本民族から記憶を奪い、精神を破壊して、占領を終了した後も、未来永劫にわたってアメリカの属国としてつくりかえるために、日本に対して全面的に歴史戦を開始した。WGIP(War Guilt Information Program戦争についての罪悪感を日本人の心に植えつけるための宣伝計画)は、日本をアメリカに隷属させる計画の柱だった。

■書評
本が好き!

○■江戸とアフリカの対話■2016年03月20日 08:38

歴史の中の動物を追求する塚本氏と自然を追求している伊谷氏の対話


著者:伊谷 純一郎、塚本 学、篠原 徹
出版社: 日本エディタースクール出版部
1996年6月30日発行
166ページ


商品の説明
内容(「MARC」データベースより) 人類史の行きつく果ては、人間は他の動物と共存できるかということ。近世社会史を専門とし、動物とヒトとの交渉史を見てきた歴史研究者と、世界的なサル学者として知られる自然研究者による対談集。

著者について
伊谷 純一郎 (いたに じゅんいちろう、1926年5月9日 - 2001年8月19日)は、日本の生態学者、人類学者、霊長類学者。京都大学名誉教授。理学博士(京都大学、1962年)。今西錦司の跡を継ぎ、日本の霊長類研究を世界最高水準のものとした。鳥取県鳥取市生まれ。

塚本 学(つかもと まなぶ、1927年1月14日 - 2013年4月12日[1])
日本の歴史学者。専門は日本近世史、地方史。国立歴史民俗博物館名誉教授。 福岡市出身。旧幕臣塚本明毅の子孫。福岡県立修猷館高等学校を経て、1950年東京大学文学部国史科卒。愛知県立高校の教諭を経て信州大学人文学部教授、国立歴史民俗博物館歴史研究部教授、1992年定年退官、名誉教授。2013年4月12日、心不全のため死去。86歳没。

篠原 徹(しのはら とおる、1945年 - )は、日本の民俗学者。国立歴史民俗博物館・総合研究大学院大学名誉教授、滋賀県立琵琶湖博物館館長[1]、人間文化研究機構理事。 
中国長春市生まれ。1969年、京都大学理学部植物学科卒業。1971年、同文学部史学科卒業。岡山理科大学助教授、国立歴史民俗博物館教授、総合研究大学院大学教授。1995年、「海と山の民俗自然誌 -海村・山村の生活に関する生態学的視点」で筑波大学博士(文学)[2]。2010年、定年、名誉教授、滋賀県立琵琶湖博物館館長[1]。日本民俗学会会長を務めた[3]。専門は民俗学、生態人類学。

■目次
はじめに 篠原 徹
1
イヌとサル 6
支配か、棲みわけか 13
江戸時代の意識の変化 17
動物相の変化 22

2
人間と類人猿の距離 26
動物の本能と文化 36
アフリカ横断 40
「社会構造」と「心」 47
音声を記録する 53

3
歴史は足で書く 60
五百冊のフィールド・ノート 67
何かを投影して理解する 71
スペシアという概念の意味 82
類推する以外にない 85
最後まで仮説かも 91
価値判断と社会進化 96

4 伝統と近代 102
動物との交渉と共存 105
動物の危害のイメージ 113
自然保護の問題 121

5 学問の系譜 128
進化論と進歩主義 134
列島の人類社会史 144
人間が人間を見直す時代 148

対談のあとに
擬人化と共存と 伊谷純一郎 153
原初的なすがたとヒト・動物関係 塚本 学 160

用語・人名解説 薮田慎司
装本 中山銀士

■書評
本が好き!

○■火山と日本の神話■2016年03月25日 13:16

戦後まもなく出版された「火山と太陽」を復刻し、日本列島の火山神話の謎に迫る


アレクサンドル・アレクセビッチ ワノフスキー (著), 鎌田 東二 (著), 野村 律夫 (著), & 2 その他
単行本(ソフトカバー): 269ページ
出版社: 桃山堂 (2016/2/10)

■商品の説明
内容紹介
日本の神話のいちばん深いところにあるのは、火山をめぐる記憶である──。戦後まもなく刊行された『火山と太陽 古事記神話の新解釈』は、古事記を火山神話として読み解いた論考として、一部で注目されたものの、長く忘れられていた。著者はロシアの革命家であり、日本への亡命者アレクサンドル・ワノフスキー。『火山と太陽』の復刻に加えて、専門家による解説、ワノフスキーの評伝などにより、亡命ロシア人の火山神話論を多角的に紹介し、日本列島の歴史と精神文化において、火山とはどのような存在であったのかを探る。

内容(「BOOK」データベースより)
ロシアの革命家で日本への亡命者ワノフスキーは、古事記の根幹に火山の記憶を発見した―。戦後まもなく出版された『火山と太陽』を復刻。同書を手がかりに日本列島の火山神話の謎に迫る。

著者について
ワノフスキー,アレクサンドル・アレクセビッチ
一八七四年、帝政時代のロシアに生まれる。ロシアの革命家で、ソ連共産党の前身・ロシア社会民主労働党の創設メンバー。日本亡命のあと、早稲田大学でロシア文学、ロシア語を講じる。一九六七年、東京都内の病院で死去。火山神話についての先駆的作品『火山と太陽──古事記神話の新解釈』は日本語のほか英語版も出版されている。

鎌田/東二
宗教哲学、日本思想史の研究者であり、神道の神主としても活動している。京都大学こころの未来研究センター教授。一九五一年、徳島県生まれ。『超訳 古事記』『ウズメとサルタヒコの神話学』『神道とは何か』などの著書で、火山と神話のつながりについて言及している。

野村/律夫
地質学者。島根大学教育学部教授。出雲神話と地質学をリンクさせる「くにびきジオパーク」のプロジェクト長。一九五二年、鳥取県生まれ。著書、訳書に『20世紀の異常海水準変動と沿岸生態系の動態解明のための層位・古生物学的手法の確立』『海洋堆積学の基礎』などがある。

保立/道久
歴史学者。東京大学史料編纂所教授、所長を経て、二〇一三年に退職。東京大学名誉教授。一九四八年、東京都生まれ。『物語の中世』『歴史のなかの大地動乱』『かぐや姫と王権神話』などの著書で、火山や地震の神話に考察している。

蒲池/明弘
編集者、ライター。桃山堂株式会社代表。一九六二年、福岡県生まれ。読売新聞東京本社に記者として勤務。編著書に『豊臣秀吉の系図学─近江、鉄、渡来人をめぐって』など。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ワノフスキー,アレクサンドル・アレクセビッチ 1874年、帝政時代のロシアに生まれる。ロシアの革命家で、ソ連共産党の前身・ロシア社会民主労働党の創設メンバー。日本亡命のあと、早稲田大学でロシア文学、ロシア語を講じる。1967年、東京都内の病院で死去

鎌田/東二
京都大学教授(こころの未来研究センター)。宗教哲学、日本思想史の研究者であり、神道の神主としても活動している。1951年、徳島県生まれ

野村/律夫
地質学者。島根大学教育学部教授。1952年、鳥取県生まれ

保立/道久
歴史学者。東京大学史料編纂所教授、所長を経て、2013年に退職。東京大学名誉教授。1948年、東京都生まれ

蒲池/明弘
編集者、ライター。桃山堂株式会社代表。1962年、福岡県生まれ。読売新聞東京本社に記者として勤務したあと、桃山堂を設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第一部 アレクサンドル・ワノフスキー『火山と太陽』ほか
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
火山と太陽――古事記神話の新解釈
◆火山の女神イザナミ
津田左右吉さの論考を検討する 16
諸外国の大地の女神との比較 21
日本列島を産んだ火山の女神 23
なぜ、イザナギ、イザナミは闘争したのか 26
◆スサノオの火山的性格
ヨミの国は火山の国か 30
スサノオを涙と火山の涙 33
火山と太陽 36
古事記と噴火現象を比較してみると 39
大地を鎮める祝詞 41
◆火山の神と天上の神
火山の神は善悪ふたつの顔をもつ 45
スクナビコナの化学反応 49
水の神話、火の神話 52
◆古事記神話の新解釈
創世神話と建国神話の類似構造 57
神武天皇を倒した「熊」は火山なのか 59
神話と国土の有機的統一 63
国譲り――大地を鎮めるタケミカヅチ 66
天孫降臨――サルタヒコを火山神話として読む 68
火山の叙事詩 71
◆火山列島の記憶
戦前期の異端史観――日本民族メソポタミア起源説 74
九州――火山神話の発祥地 77

運命の謎――古事記神話を研究した道程について
素晴らしい宇宙の祭典 82
火山島にて 91
幻影と大震災 115
古事記の迷宮 127
夢の自己分析 133

大きな運命を担う人――地下運動時代のレーニンを語る 136

浅間山の幻想 147

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第二部 『火山と太陽』を読む
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
火山と黙示録――鎌田東二 京都大学教授(宗教哲学、日本思想史)
日本列島の精神史 151
火山神話論の先駆者として 153
辺境と神秘主義 158
火山の神から太陽の神へ 162

地球の時間、人間の時間――野村律夫 島根大学教授(地質学)
地質学と叙事詩 165
火山がつくった出雲の大地 167
歴史の彼方の時間を見る 171

歴史学からみる火山神話――保立道久 東京大学名誉教授(歴史学)
すべてを火山から考える 174
天孫降臨についての独自の主張 176
ワノフスキー古事記論の限界と問題点 178
歴史学にとっていま必要なこと 181

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第三部 評伝ワノフスキー「火山と革命」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ロシアにて
歴史の舞台の登場人物として 184
ロシア革命の幼年期 186
風景のなかの聖なる気配 189
革命家ワノフスキー 190
レーニンへの批判と畏敬――欺瞞に満ちた現代のモーゼ 193

大正時代から戦前の日々
早稲田大学ロシア文学科 195
火山の神々――三原山、浅間山、富士山への旅 199
伊豆大島――プレートがつくった火山群島 201
夢と同じ物質から我々は作られている 202
関東大震災のあと、火山神話が語られはじめた 204
寺田寅彦の火山神話論 207
関東大震災を予言? 208
グレゴリーエフとの共同研究 210
浅間山のふもとにて――戦時下における強制移住 212

晩年の輝き
八十一歳のデビュー作 214
黙殺と賞賛 217
畏るべき九十三歳 220
挫折した革命家――北一輝とワノフスキー 223
大地の裂け目から出現する菩薩たち 225
世界の終わりと火山――「ヨハネ黙示録」 227
亡命ロシア人社会、最後の証言者 229
断絶の四半世紀 232
大いなる未知に囲まれて 233
火山神の巡礼者 237

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第四部 火山と神話の現場からの報告
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
日向神話と火山
九州南部で史上最大の噴火が起きた 240
「火山の冬」とアマテラス神話 243
天孫降臨――火山を鎮める王 245
高千穂峰は縄文時代に出現した 247

出雲神話と火山
出雲でも起きた超巨大噴火 250
国引き神話の舞台裏――実は火山が多い島根県 253
地震を鎮める鹿島の神 256
なぜ、日向と出雲が神話の舞台とされたのか 258
出雲から熊野火山へ 261

■書評
本が好き!

○■ヘンプ読本─麻でエコ生活のススメ■2016年03月27日 08:25

ヘンプ(大麻)のさまざまな使い方・使われ方を解説


著者:赤星 栄志
出版社: 築地書店
2006年8月1日発行
268ページ

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
ヘンプとは、麻の英語名でアサ科の一年生植物。大麻草のこと。世界各地で栽培され、3カ月で3メートル以上に成長し、農薬や化学肥料がほとんどいらないという特徴をもつ。スローライフやLOHASなどのキーワードとともに、これからの社会に不可欠なアイテムとして紹介されるヘンプ。衣料、食品、化粧品、紙、住宅建材、プラスチック、エネルギー…ヘンプのさまざまな使い方・使われ方を解説。

著者について
1974年、滋賀県生まれ。
日本大学農獣医学部卒業。
現在、Hemp Revo, Inc. 代表。
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク理事、
NPO法人ヘンプ製品普及協会理事。
学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、
農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て、
バイオマス(生物資源)の研究開発を行なうHemp Revo, Inc.を設立。
麻の実料理教室、麻の農業体験教室「麻畑サポート」などを行なっている。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
赤星/栄志
1974年、滋賀県生まれ。日本大学農獣医学部卒業。現在、Hemp Revo,Inc.代表。NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク理事、NPO法人ヘンプ製品普及協会理事。学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て、バイオマス(生物資源)の研究開発を行なうHemp Revo,Inc.を設立。麻の実料理教室、麻の農業体験教室「麻畑サポート」などを行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
はじめに 3
1 ヘンプの基礎知識
縄文時代から使われてきたヘンプ 13
  ヘンプの品種は大きく分けて3つ 15
  いろいろな麻とヘンプの違い 17
  法律上の位置づけ 21
  海外では栽培が次々に解禁 26
  なぜヘンプは規制されたのか? 27
  大麻の「麻」と麻薬の「麻」 29
  ヘンプが注目されている理由 31
  地球環境問題とヘンプ 35

2 ヘンプとはどんな植物か
  繊維用の品種の種類 39
  気候と土壌条件 41
  栽培方法 42
  レッテング(精練)と運搬 47
  加工方法 49
  収量と経済性 54
  【コラム】昔の麻畑の感覚 57

3 日本文化と麻
  正月は麻の鈴縄を振ってお参りする 58
  麻の神様を祀る大麻比古神社と忌部神社 59
  麻と『古事記』『日本書記』 60
  麻と『古語拾遺』 62
  木綿=大麻繊維=依り代はなぜ? 63
  化学繊維を使った神社では願いごとはかなわない!? 65
  麻の葉文様 66
  お盆と麻 68
  弓弦と麻 70
  凧の糸は、麻の糸 71
  横綱の化粧回し、結納品、書道、灯油油などにも麻 72
  【コラム】日本の文化財を支える麻 75
  【コラム】麻が使われている日本の文化財 76

4 ヘンプを着る
  麻を身に着けてきたご先祖さま 77
  日本の守るべき伝統技術「麻織物」 79
  コットンの服を着ているだけで環境破壊に貢献 82
  ヘンプはすべてオーガニック 83
  高温多湿な日本にはヘンプの服がいい 86
  ヘンプ繊維の特性 88
  ヘンプアクセサリーが手芸分野の一角に! 91
  ヘンプ・ブランド 92

5 麻の実を食べる
  古くて新しい麻の実 95
  日本人は飽食なのに栄養失調? 98
  麻の実タンパクで元気になる 101
  麻の実の食物繊維でお腹すっきり 102
  ヘンプオイルは必須脂肪酸バランスがよい 104
  ミネラルとビタミンをバランスよく含む 104
  麻の実料理と加工食品107
  毎日の簡単な麻の実料理レシピ 110
  【コラム】"ヘンプ・レストラン麻"の挑戦 112

6 ヘンプオイルで美しくなる!
  化粧用オイルと食用オイルを併用しよう! 113
  ヘンプオイルで血液サラサラ・肌をきれいに 114
  ヘンプオイルは低温圧搾法でしぼる 118
  ダイエットにはヘンプオイルが最適 118
  脳の機能の維持にも役立つ 120
  健康と美容のために1日スプーン1杯を! 121
  スキンケアには、ヘンプオイル 122
  ヘンプオイルでマッサージ 125
  ヘアケアにヘンプオイル 127

7 ヘンプでつくる癒しの空間
  麻の蚊帳 128
  麻の寝具 131
  麻と畳 132
  麻炭を部屋のインテリアに 134
  アロマテラピーとヘンプ 137
  ヒーリングとヘンプ 139
  ヘンプと動物 142
  【コラム】麻で育った野菜と有機卵 144

8 ヘンプハウスに住みたい
  ヘンプが住宅の建材に! 145
  茅葺屋根の材料 147
  漆喰壁には麻スサ 149
  塗料としてのヘンプオイルフィニッシュ 150
  ドイツで開発されたヘンプ断熱材 151
  ヘンプ内装材で呼吸する壁に 153
  ヘンプ布クロス(壁紙)とヘンプ和紙壁紙 154
  ヘンプ建材でリフォームを体験 155
  ヘンプクリートで家を建てる 161

9 ヘンプ紙で森を守る
  麻紙は、世界最古の紙 164
  野州麻紙工房で紙漉き体験 166
  非木材紙のヘンプ紙 168
  日本で市販されているヘンプ紙 171
  世界で使われているヘンプ紙 173
  無薬品パルプ化装置でつくるヘンプ紙 175
  ヘンプ紙は、やはり麻布ぼろでつくる? 177

10 ヘンプでプラスチックをつくる試み
  植物由来プラスチックとは? 179
  バイオマス・プラスチックの特徴 180
  バイオマス・プラスチックの可能性 181
  ヘンリー・フォードのヘンプカー 183
  ベンツに使われているヘンプ 184
  プラスチック材料に使う試み 186
  ヘンプからプラスチック樹脂をつくるには? 188
  ヘンプ・ナノテクノロジーで楽器をつくる 191

11 ヘンプエネルギーで車が走る
  ヘンプカー、北海道から沖縄まで走る 195
  ヘンプオイルをバイオディーゼル燃料にする 199
  ガソリン車にはエタノールを添加しよう! 202
  バイオマス・エネルギー社会が来るのか? 205
  【コラム】ヘンプ潤滑油で自転車を走らせる 209

12 ヘンプから医薬品をつくる
  脳内マリファナの発見 211
  脳内マリファナの役割は? 213
  毒性作用研究から創薬研究への転換か? 214
  カンナビノイドがさまざまな症状を緩和する 216
  イギリスGW製薬の挑戦 218
  これからの医療大麻 220
  【コラム】マリファナ効果のあるTHC量とは? 222

13 ヘンプの可能性に挑戦する
  ヘンプ商品開発の現場より 223
  黄金の繊維に魅せられて 226
  長野県の美麻の挑戦 229
  北海道から国産化プロジェクト 232
  【コラム】栽培免許をとるには? 235

14 ヘンプ生活24の方法
  無料でできること、すぐできること 237
  ヘンプのある暮らしをしてみる 239
  ヘンプを体験する 243
  ヘンプでセレブな気分になる 247
  企業、行政、大学にできること 249

おわりに 254
参考文献 260
ヘンプのメーカー、ショップ、団体リスト 258

■「はじめに」の終わりの部分
  本書では、ヘンプという植物をまったく知らない人のために、文化、衣料、食品、化粧品、癒し、住宅建材、紙、プラスチック、エネルギー、医薬品、法律という分野別にその特徴を解説し、使い方を紹介している。各章を読むことによって、万能植物ヘンプの多様性と可能性を知ることができる。興味のある章どこからでもお読みいただけるようになっている。
  さらに、地域活性化のテーマ、研究のテーマ、新しいビジネスを探している方にも役立つよう、現在わかっているデータはなるべく掲載した。
  本書の巻末には、さらにくわしく知りたい人のために、参考文献やヘンプ商品を販売しているメーカーやお店を多数紹介している。本書をきっかけに、多くの人が暮らしにヘンプをとり入れていただければ幸いだ。

■書評
本が好き!
関心空間
別館