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○■日本語とタミル語■2016年03月13日 10:12

日本語はどこから来たか


大野 晋 (著)
-: 286ページ
出版社: 新潮社 (1981/11)

■著者について
日本語を支えた大野晋さん

■著者について(毎日新聞訃報より)
  日本語の起源をはじめ、言葉を通して日本とは何かを探求した国語学者で学習院大名誉教授の大野晋(おおの・すすむ)さんが14日午前4時、心不全のため、東京都内の病院で死去した。88歳。

  東京生まれ。東大卒、文学博士。橋本進吉に師事して古代日本語研究の道に入った。学習院大教授、東洋英和女学院大教授などを歴任。万葉集や日本書紀の校訂・注釈にかかわり、万葉仮名に清濁の厳密な区別があると指摘した。
  さらに、古代日本語は、南方系とアルタイ系の言語、南インドなどの古代タミル語が重なり合って成立したとの説も発表して、議論を呼んだ。
  国語教育についても発言し、99年には、著書「日本語練習帳」が発売1年で180万部を超えるベストセラーになった。

一方、部落差別に基づく、えん罪事件として問題になった狭山事件では79年、脅迫状が石川一雄被告(当時)のものではないと鑑定し、被告の再審を訴えた。

■帯(表)より
日本語の起源を探り続ける著者が、文化人類学、民族学、言語学の成果を背景に、日本語とインド南端のタミル語の密接な関係を説く。新しい日本語論の全容を結集した話題の書。

■帯(裏)より
*現代に残る古語や方言や生活語は、何時頃から使用されていたのか?それは何処からどのような文化と共に日本に来たのかを知る手掛かりが、数々の話題を通して語られる。
*言葉の“対応”とはどのようにして検討するのか?三百余例でやさしく説く!!
*日本語の成立とそのルーツを推理する、謎解きの面白さが学術研究を通じて伝わる!!
*日本文化の成立を見渡せる知的興味あふれる一冊!!

■目次

第一章 南インドの言葉と日本語 7
ボンガルの話 方言の大きな役割 ハチの話 基礎語の類似 方言の重み 『ドラヴィダ語語源辞典』 二言語にわたる研究 学問するということ

第二章 タミル語を取りあげる 43
比較の中心点――音韻 借入れと偶然の類似と 言語の親族関係の発見 親族関係の探索――ドラヴィダ語の登場 タミル語を取りあげる 語根の比較 第一子音の比較 母音の比較 第二子音の比較

第三章 音韻の対応・母音 88
歩く話 砂利の話 草を刈る話 だらしない話 いもをふかす話 木樵りの話 お茶をいれる話 ニニギの尊の話 いつ、いかに、いくら、の話 無目堅間の話

第四章 音韻の対応・子音 125
白と知るの話 カシラの話 悪い話 恥の話 sの脱落 c2の対応 行くも帰るも 東北方言の発音との類似 畠と祭りの話 太った豚の話 酒の糟の話 さし鍋に湯わかせ ホースケの話 風は命である 「かったい」と「みっちゃ」の話 塵泥の数にもあらぬ 澱の話 早稲の話 さっぱりの話 馬の話 タミル語と朝鮮語と ムサイ話 焼畑の話 タンボとトンボの話 ごみの話 熊木のやらに 雀の話 わが愛し妻 まさかりの話 かゆの話

第五章 この時代の生活を再構成する 215
自然環境 人と体と病気 食べもの着るもの住むところ 人の動作 認識と感情

第六章 日本語研究の今後 241

あとがき 241
タミル語・日本語の対応語表 255

■書評
本が好き!

■その他
同じ著者による、『日本語はどこからきたのか―ことばと文明のつながりを考える』が文庫で出ています。



また中学生以上向けに『日本語はどこからきたのか』ポプラノンフィクションブックスもあります。

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