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○■アラブからこんにちは■2016年05月28日 20:11

アラブに嫁いだ日本人妻の暮らす急速に変貌する世界都市


ハムダなおこ (著)
単行本: 342ページ
出版社: 国書刊行会 (2013/6/25)

■商品の説明
内容紹介
日本が原油の9割を依存するUAEに嫁いだ日本女性が、20年余の体験から知られざる湾岸中東生活を語る。
想像を超えた気候、迷信、宗教、人々の考え、生活習慣、女性など、子育てと地域活動から深く観察するエッセイ。

内容(「BOOK」データベースより)
シリコンが溶けてしまう熱さとは?水道水で大やけどする生活とは?砂漠で魔人に遭遇したら?UAE在住20年余の著者が語る知られざるアラブの日常!

著者について
日本UAE文化センター代表1989年早稲田大学文学部文芸科卒。1990年、UAE男性と国際結婚し、UAEに移住。3男2女をもうける。2004年からインターネットでUAE社会についてのエッセイ『アラブからこんにちは』を書き始める。2005~9年、アラブ・イスラームの生活について勉強会を主宰。その後、日本人に向けて講演、エッセイなどでUAE社会を紹介し続ける。2008年、日本UAE文化センターを創設。日本文化をUAE地域社会に、UAE文化を日本社会に伝える活動を続けている。翻訳書に『シャヒード100の命』インパクト出版社がある。2012年、第8回文芸思潮エッセイ賞受賞。

■目次
プロローグ 1
第一章 灼熱との闘い 9
  夏の盛り 10
  こわーい停電の話 26
  砂漠の国に雨が降ると 42
第二章 アラブの女性たち 69
  娘について思うこと 60
  ベールのこちら側 70
  ある結婚式の情景 84
  おんなの生活 102
第三章 超自然現象とのつきあい 119
  モバイルのゆくえ 120
  吹雪の夜 135
第四章 イスラームのはなし 151
  ラマダーンの前夜 152
  喜捨の心得 165
  ラマダーン真剣勝負 180
第五章 湾岸アラブで子育て 195
  砂漠のキャンプ 196
  サプライズ 206
  遅れた新学期 221
第六章 激変するUAE 237
  ザイード大統領の功績 238
  砂に願いを 251
  偉人の思い出 270
  四十年の歩み 284
  ちょっとした思い出 301
祖母のはなし(第八回「文芸思潮」エッセイ賞受賞作) 323
エピローグ 332

プロローグ
  真夏の気温は五十度、湿気は八十%を超え、熱風が街を普通に流れている。 海水は風呂のように熱い。 そんな過酷な自然の中で、果たして人間が人間らしく生きているのかと不思議に思うでしょう。 でも世界にはあらゆる地域があり、あらゆる条件のもとに生活しています。 アラブ首長国連邦(UAE)は、中東アラビア半島の北岸、ホルムズ海峡の南に位置する国です。 私はまさか自分がこのような場所に嫁いで、長い年月を過ごすとは想像もしていませんでした。
  一九九〇年、「世界青年の船」という政府の国際交流プログラムに参加して、夫と出会いました。 ちょうど湾岸戦争が勃発した時期で、私の家族はもちろん結婚に大反対です。 当時中東と聞けば、人々の記憶になるのは石油ショック、宗教の聖地問題、髭面の男性がラクダに乗る砂漠、黒布の女性が抑圧されて生活する地、という印象しかありませんでした。 そこへ嫁にいくなんて、まるで女性蔑視の宗教国に奴隷にいくように想像して、誰もが反対していました。 同時に夫の親族も大反対。 血族を最も大事にするアラブ社会では、外国人の嫁など何の価値もないのです。 しかし私たちは結婚して、五人の子どもに恵まれました。 どんな結婚生活になるか、子どもたちがどう育つかなど、未来がまったく白紙だった時代は過ぎて、自分たちなりに創り上げた自由で豊かな生活をしています。

■書評
本が好き!