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○■奈良時代の貴族と農民―農村を中心として―■2016年06月18日 16:48

正倉院所蔵荘園絵画を史料として奈良時代の農村生活を探る


著者:彌永貞三(いやなが ていぞう)
出版社: 至文堂
昭和31年3月15日発行
204ページ

■商品の紹介
内容
正倉院所蔵の荘園絵画の調査に従事することを契機として、絵図を史料として村落生活を研究し、近江の国覇流村・水沼村の考察を中心として奈良時代の中央政治に大きく影響を受ける地方農民の暮らしを推測。

著者について
弥永貞三(いやなが ていぞう)
彌永 貞三(いやなが ていぞう、1915年(大正4年)7月12日 - 1983年(昭和58年)12月30日)は、日本の歴史学者。東京大学史料編纂所所長。従四位勲三等瑞宝章。東京出身。
東京大学史料編纂所在職中は大日本古文書の東大寺東南院文書の編纂に従事した。ほか、東京大学百年史編集委員、文化財保護審議会専門委員、平城宮跡発掘調査指導委員などを歴任した。

■目次
序説 1
一 班田制 4
二 条里制 17
三 聚落と耕地(其の一)―近江国水沼村・覇流村― 36
四 聚落と耕地(其の二)―越前国足羽郡道守村― 125
五 農村の生活 175
むすび 201

図版目次
水沼村絵図(史料編纂所蔵複製本) 巻頭一
覇流村絵図(史料編纂所蔵複製本) 巻頭二
越前国坂井郡東大寺荘園並ニ口分田関係位置図 16
滋賀県愛智郡の条里制遺構 18
条里遺構の分布図 19
平流村略図 39
石寺附近より荒神山(覇流岡)を望む 40・41
稲里村公会堂所蔵平流村絵図 42
荒神山より曾根沼を望む 48
水沼村略図 50
大門池の水門 103
弘福寺領平流荘の推定位置図 123
道守村の荘域推定図 126
折込地図 124~125
表A図 近江国平流村復原図
  B図 近江国水沼村復原図
裏C図 越前国道守村耕地分布図
  D図 越前国道守村耕地分所有関係図

■「むすび」より
農民たちの生活は、中央貴族たちの生活と決して無関係ではなかった。中央政界に於ける変動が彼等の生活に敏感に伝わって来たことは、道守村の例で見て来たところである。のみならず、奈良の都で営まれた華やかな天平文化を築き上げた経済的基礎は、農民等の調庸物であり、それよりも大きなのは、農民等が提供した賦役労働であった。
  貴族等も亦農村に対して大きな関心を持った。班田制から三世一身法、墾田私有法に移行する土地制度の変化、更には雑徭の半減と公出挙制の成立など、対農民政策に於ける重要な転機が、常に中央政界の変動と随伴していることは何よりもこれを物語っている。
  奈良時代を通じて、墾田は大いに開発され、国家経済は大いに発展した。しかし乍ら農民等の生活はこれがために向上したとは考えられない。農民などの一部は地方豪族乃至有力な農民として成長して行ったが、多くのものはその隷属下に入ることによってかろうじて生活をつづけて行ったと考えられる。かような有力農民の数は、奈良時代の経過するにしたがって増加して行ったようである。そしてこれらの 治田主が次の荘園時代を造り上げる主柱となったのである。

■書評
るびりん書林別館

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