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○■医療人類学■2016年09月10日 11:52

生業や環境、しきたりなどが健康に及ぼす影響を扱う包括的な医療人類学


アン マッケロイ (著), パトリシア タウンゼント (著)
丸井 英二 (監訳)
杉田 聡 (訳), 近藤 正英 (訳), 春日 常 (訳)

■商品の説明 内容(「BOOK」データベースより)
グローバルな視野でしかも生物学的・社会文化的・政治経済的に書かれた、包括的な医療人類学の入門書。さまざまな文化的背景をもつ人々の生活を考えた国際保健医療が注目されている今日、今後の国際保健医療を探っていく…まさに必読の書。

著者について
Ann McElroy
ニューヨーク州立大学バッファロー校の准教授(人類学)

Patricia Townsend
パプアニューギニアの応用社会経済学研究所の上級研究員を経て、現在、ニューヨークのホートンカレッジの補助准教授(人類学)

丸井 英二(まるい えいじ)
1948年生まれ、千葉県出身
東京大学医学部保健学科卒業
保健学博士
現在、東京大学教授
専門分野は疫学、医学史、国際保健。

杉田 聡(すぎた さとる)
1960年生まれ、大分県出身
東京大学医学部保健学科卒業
保健学博士
現在、大分医科大学助教授
専門分野は、保健社会学、医療倫理

春日 常(かすが つね)
1962年生まれ、東京都出身
東京大学医学部保健学科卒業
保健婦、看護婦
現在(株)テス代表取締役社長
専門分野は健康管理、国際保健

近藤 正英(こんどう まさひで)
1966年生まれ、愛知県出身
東京大学医学部保健学科卒業
医師
現在、東京都立駒込病院外科
専門分野は、国際保健、疫学、保健社会学
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次(中項目まで)
本書について/まえがき/訳者まえがき
序文 3

1章 健康と病気の生態学 9
はじめに 9
医療生態学の実例としてのヤノマモ族研究 10
環境、文化、健康:医療人類学の視点から 14
生態系と健康のモデル 21
コラム:北極における適応 24 参考資料 36

2章 健康問題の学際的研究 39
はじめに 40
共同研究 41
生物環境のデータ 43
コラム:食人する会葬者 49
臨床のデータ 54
疫学のデータ 56
コラム:高血圧の疫学 58
社会・文化のデータ 62
コラム:精神遅滞の人々の日常生活 68
医療人類学:成熟しつつある領域 74
まとめ 75
参考資料 77

3章 適応の意味 79
はじめに 80
生物学的進化における適応 84
コラム:マラリアと農業 92
生理的・発達的適応 101
サモア人の適応と「健康」 106
文化的適応 107
適応不良と文化的パターン 112
直接的な医療コントロール 117
コラム:鎌状赤血球症に対する個人と文化の適応 120
情緒的・社会的なメカニズム 126
適応の限界 127
まとめ 129
参考資料 131

4章 出生・疾病・死亡構造の変化 133
はじめに 134
環境としての文化 135
人口均衡 138
コラム:パプアニューギニア社会での幼児の生存 143
狩猟採集民の野営地での生と死 151
農村での生と死 154
前産業都市での生と死 157
コラム:黒死病 158
産業社会における生と死 163
疾病構造の進化の研究法 171
まとめ 175
参考資料 177

5章 栄養の生態学と経済学 179
はじめに 180
人間の食生活と栄養学的な必要性 180
狩猟採集生活 183
コラム:クン・サン族(!Kungsan)の自給生態学 185
農耕生活 191
食習慣の人類学 200
口のなかに入るものすべてが食品ではない 203
コラム:アンデス高地におけるコカ噛みと健康状態 206
飢えた世界 210
アメリカにおける飢餓 213
栄養過多と他の豊かさの問題 215
まとめ 218
参考資料 219

6章 ライフサイクルと栄養 221
はじめに 222
出生前の栄養 222
乳児期の栄養 225
離乳期と小児期初期の栄養 229
小児期後期と思春期の栄養 235
成人期の栄養 237
コラム:サヘルの干ばつと飢饉 250
栄養不良の社会的コスト 255
まとめ 259
参考資料 260

7章 ストレスと病気 261
はじめに 262
ストレスの概念 263
ストレスのモデル 264
ストレス耐性の個体および文化による多様性 267
ストレスの生理学的理解 268
コラム:魔法による死 273
一般適応症候群 277
ストレスと癒し 282
社会文化的環境でのストレッサー 287
コラム:ストレス・ソーシャルサポート・妊娠 292
ストレスとメンタルヘルス 298
文化結合症候群 300
コラム:北極ヒステリー 305
まとめ 309
参考資料 311

8章 異文化接触による健康への影響 313
はじめに 314
イシの生涯 315
異文化接触というストレッサー 317
異文化接触のかたち 318
文化の変化とアルコール摂取 322
コラム:文化の変化とイヌイットの健康 326
異文化接触に関する研究のモデル 336
疫学的変化:カリフォルニアにおけるマラリア 338
人口学的変化:ニューギニアにおけるアスマット族 342
栄養と保健医療の変化 346
移住におけるストレス 351
コラム:東南アジアからの難民とアメリカの保健医療 356
参考資料 365

9章 近代化における保健医療コスト 367
はじめに 368
新しい道と古い病気 369
近代化の意味するもの 371
近代化と医療多元論 372
経済の開発と低開発 374
農業開発による健康影響の評価 377
コラム:灌漑と住血吸虫症 380
ヘルスケア発展のための戦略 387
開発途上地域での人類学者 395
先進国における少数民族の健康 400
コラム:アメリカ工業都市におけるアラブ人と黒人 406
まとめ 413
参考資料 415

付録:医療人類学プロジェクト 417
引用文献 419
さくいん 467

■「本書について」
  多大なる絶賛を受けた本書は、この10年ほどの間の医療人類学の研究の発展と、現代の健康問題に対する生物文化的なアプローチを反映するために改訂されたものである。生態学的な枠組みを維持しながらも、民族医学、文化精神医学、健康に対して批判的な人類学にも注意をはらっている。本書には、ソーシャルサポートや妊娠、マレーシアの母子栄養、難民の健康問題に関するコラムが加えられている。そのほか、ケーススタディは、クールー、鎌状赤血球症、住血吸虫症、高血圧症、北極ヒステリーに関する新しい研究に変更されている。参考文献の拡充、出典リストの改訂、最新の記録フィルムの概要紹介などによって、本書は教科書としてだけではなく、事典としても十分活用できるだろう。

■書評
生業や環境、しきたりなどが健康に及ぼす影響を扱う包括的な医療人類学