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○■間引きと水子――子育てのフォークロア――■2016年09月02日 21:27

「間引き」という文化現象を検証しなおす

■書評
るびりん書林 別館


千葉 徳爾 (著), 大津 忠男 (著)
-: 256ページ
出版社: 農山漁村文化協会 (1983/07)

■商品の紹介
内容
「間引き」は一つの文化現象であって単なる嬰児殺害ではなかった。文化というものはその背景となる社会が生み出したものであり、そのにないては人である。
そのような文化を持つ前代日本人の文化行動の基礎となる本質的な構造と思考の方式とが、どの点では変りどの部分では古いものを保っているのか。また、そのような社会・文化の諸要素の組合わせと、それらの変動、つまり文化的構造の推移のしかたと、それが表面的社会現象としてはどのような形となるのか、などを考察してみたいというのが著者らの目的である。

著者に付いて
千葉徳爾(ちば とくじ)
1916年千葉県生れ。1939年東京高等師範学校文科4部卒。東京教育大、信州大、愛知大、筑波大を経て現在、明治大学教授。
『狩猟伝承研究』正統後篇(法大出版局)
『風土論』(朝倉書店)
『地域と伝承』(大明堂)
『切腹の話』(講談社)

大津忠男(おおつ ただお)
1956年福島県生れ。1979年筑波大学人文学類卒。
現在、茨城県立茨城東高校教諭。
(本書の発行時に掲載されていたデータです)

■目次
まえがき
第一部 間引きは常習ではなかった
序章 日本人の生命観
1 死者・墓・霊魂 14
・死者―墓のない人 14
・墓とは何か 16
・遺体処理にみる生命観のちがい 18
・差別される子どもの墓 20
・仏にしてはならぬ魂 24
・民衆の霊魂観 25
2 間引きと子どもの霊魂 27
・間引きという言葉 27
・子殺しは中世にもあった 29
・間引きの地方呼称 31
・生命観の地域的変化 35

第2章 通説「間引き論」批判
1 著者らの問題意識 39
2 間引きに対する通説と疑問 41
・間引き「通説」のいつくか 41
・「通説」への疑問と研究方法の批判 46
3 間引き資料としての絵馬の問題 65
・柳田国男の見たもの 65
・木版絵と地獄図の間引き 71
・間引き絵馬奉納の意味 76
・絵馬分布のかたよりが示すもの 78

第3章 江戸期の人口停滞の原因
1 間引きがなくても人口が停滞する根拠 81
・問題の手がかり――凶荒の影 81
・越前国「宗門改人別帳」の研究 83
・会津山村にみる貧農の結婚難 89
・昭和初期でも五割に近かった乳幼児の死亡率 91
2 寺院過去帳による分析――事実に即しての考察 94
・津軽金木町の過去帳の研究 94
・飛騨地方における過去帳の研究 96
3 結論――間引きは常習ではなかった 107

第二部 間引きをめぐる先人の心意――民俗学の方法
第4章 民俗学における間引きの見方
1 民俗資料による間引き・子おろしの考察 112
・民俗資料を使う意義 112
・資料『日本産育習俗資料集成』 について 114
・間引きをめぐる伝承 118
・子おろしをめぐる伝承 125
・子おろしの原因――密通 129
・間引きと子おろしの地域的差異が示すもの 131
2 間引きの底流にあるもの――津軽の民俗調査から 135

第5章 子どもの葬法からみた先人の心意
1 子どもの葬法に関心がもたれなかった不思議 143
2 著者らが選んだ調査地の概要 150
3 成人の葬法にみる死と霊魂についての考え 151
4 子どもの葬法の特徴 162
5 子どもの霊魂はどこへ 168
・ジゾッコとタモトオトシという言葉 169
・サイノカワラについて 172
6 生れかわる子どもの魂 178
・平田篤胤『勝五郎再生紀聞』 178
・輪廻思想とのかかわり 180

第三部 子育てのフォークロア――現代への架橋
第6章 子育てからみた常民の心意
1 子どもの無事を祈る民俗のかずかず 186
2 通過儀礼と庶民の心意 190
・通過儀礼研究の意義 190
・胎児の段階 192
・幼児の段階 197
・地域の特性はみられるか――調査から 203

第7章 かつて子どもは地域全体で育てられた
1 子どもの成長と地域社会の承認と支持①――脇川の調査から 209
2 子どもの成長と地域社会の承認と支持②――玉取の調査から 215
3 着衣の変化からみた社会的承認 222

終章 現代の子育てをめぐって
1 荒廃する現代の子育て――水子供養のはやる背景 235
2 叱り方にみる親と子の真実の絆 238
・「お前は拾った子だから……」といわれても 238
・孤独な群衆としての子どもの出現 241
3 郷党教育の後退と精神的間引きの増大 243
4 今、親たちに望むもの 248

参考文献 253
あとがき 255

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