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◎■家庭でできる自然療法■2016年10月10日 22:00

「もっと早く知りたかった」という声の多い、自然療法のバイブル的ロングセラー


東城百合子 (著)
出版社: あなたと健康社 (1978/1/1)

■商品の説明
平成22年に第920版出版という驚異的な増版を重ねる本書は、著者が若い頃に擢患した結核を玄米菜食と、自然の手当て法によって克服した休験を元に編み出されました。

著者について
東城百合子
大正14年岩手県に生れる。
昭和17年、当時日本の栄養学の草分けだった佐伯矩博士に師事、栄養士となる。
昭和24年重症の肺結核となり、玄米自然食によって白らの病気を克服する。以来自然食を主とした健康運動に力をそそぎ終戦後の混乱のさめやらぬ沖縄にわたり、沖縄全島に健康改革の灯をともし、沖縄の健康運動に力をそそぐ。
世界的な大豆博士といわれ、当時国際栄養研究所所長、国連保健機構理事、W・H・ミラー博士に師事。いよいよ健康改革運動に情熱をもつ。
昭和39年沖縄より帰京、東京に居をすえて、出版活動、自然食料理教室、栄養教室、講演活動と自分を育てるために啓蒙運動に力をそそぐ。
昭和48年5月、月刊誌「あなたと健康」を出版し、以来出版活動を中心に運動を進め今日に至る。
(http://www.binchoutan.com/toujou.html?gclid=CLHz0dym0M8CFReUvQodqrgPsgより)

■目次(大項目)
はじめに 1
一、自然が教える栄養学 13
二、治療のための自然食と自然療法 27
(1)病人のための食養生の実際 28
(2)家庭でできる手当て法 70
(3)健康づくりと体操 134
三、家庭でできる自然療法 147
四、自然良能力のすばらしさと体験談 371
索引 430

■「はじめに」より
健康に生きたいのは、誰もの願いですが、願いのようでなく、心のように成るのも、自然の成行き。自然のいのちを大切に、身近な日々の食物、植物、薬草などをはじめ、海の幸、山の幸で早めに無理なく、生命力を高めることそこ大事な事と私は自分の体験を通して思うのです。健康に生きたいのは、誰もの願いですが、願いのようでなく、心のように成るのも、自然の成行き。自然のいのちを大切に、身近な日々の食物、植物、薬草などをはじめ、海の幸、山の幸で早めに無理なく、生命力を高めることそこ大事な事と私は自分の体験を通して思うのです。

■書評
「もっと早く知りたかった」という声の多い、自然療法のバイブル的ロングセラー

◎■金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った■2016年09月03日 19:44

この本に描かれた世界史は実に理解しやすい。たぶん、つじつまがあっているからだろう。


安部 芳裕 (著)
文庫: 336ページ
出版社: 徳間書店; 第9刷版 (2008/09)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
誰も知らなかった本当のお金の仕組み。“彼ら”の手口を逆手にとれば自立型経済が実現。ロスチャイルドに学ぶ成功哲学。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
安部/芳裕
1999年に地域通貨グループ「レインボーリング」を立ち上げる。講演や体験型ワークショップを全国の自治体・商店街・商工会・大学・NPO・NGOなどで数多く行ない、その実践もサポート。2007年4月からネット上で「反ロスチャイルド同盟」を立ち上げる。豊富な資料をそろえ、マスメディアが伝えない情報を発信している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次(小項目は抜粋改変して掲載)
はじめに――金融システム設計者の意図に気づいた理由 5
第1章 お金の歴史 銀行という詐欺システムが誕生したカラクリ 19
お金とは何か/自給自足から物々交換へ/便利な交換手段/お金の発達史/金細工師/信用創造という詐欺行為/金融カルテル/中央銀行制度/世界恐慌/第二次世界大戦/金本位制の崩壊
第2章 お金の問題点 ―利子という椅子取りゲームが貧富の差を産んだ 43
本来存在しない利子返済/破綻必須のシステム/本当の勝ち組銀行家/お金の転移
第3章 金融の歴史 ―国家の命運は銀行家が握っている 61
ユダヤ教徒への迫害と金融システム/国家・企業・銀行の力関係
第4章 ロスチャイルドの世界革命行動計画 67
秘密会議による25の計画案/ユダヤ人/ユダヤ教の聖典とタルムード/自称救世主と改革派ユダヤ教
第5章 ロスチャイルド関連の世界史① ―近代史の謎が解けた!! 87
ロスチャイルド家の勃興/イルミナティ創設とロスチャイルド/フランス革命とフリーメーソン/スカル&ボーンズ/モルガン商会/ペリー来航・明治維新とロスチャイルド/リンカーン暗殺/ジェイコブ・シフ/第三次世界大戦/円卓会議・チャタムハウス・CFR・IPR/シオニズム運動/情報とお金/私有銀行FRB/ウィルソン大統領/無から有を生み利息を支払わせるFRB/ルシタニア号事件/「中東三枚舌外交」/ロシア革命/日中戦争/国際連盟/世界恐慌とBIS設立/ナチス・ドイツ/真珠湾攻撃/基軸通貨ドル/途上国を支配するIMFと世界銀行
第6章 ロスチャイルド関連の世界史② ―戦後世界の枠組みも彼らが作った! 183
原爆投下と国連/占領政策/GHQによる言論統制/ウォー・ギルド・インフォメーション/米国の手先となった日本の黒幕たち/洗脳政策としてのテレビ放送/ケネディ暗殺/ネオコン/競争的な市場/湾岸戦争と中東パイプライン建設/奪われた郵便貯金と清和会外資族/米国同時多発テロ事件/偽テロから終末宣言へ
第7章 世界の現状 ―このままではロスチャイルドの狙う地球独裁体制になってしまう!? 261
経済危機(悪循環/国債/国家破産の方法/ネバダ・レポート/原油決済の転換/アメリカ経済の実質破綻/北米共通通貨AMERO)/戦争危機(中東危機からハルマゲドンへ/中東大戦争)/環境危機(地球温暖化/食料危機)/支配計画(新世界秩序/新階級社会)
第8章 未来への提案 ―偽りの経済システムをこえて自立型経済の実現へ 295
不当な経済システム/国際金融資本から独立した自立型経済/政治家を活用/日本国憲法/通貨発行権の回復/陽経済と陰経済/外部通貨と内部通貨を並行して使う/食糧自給/エネルギー自給/メタンハイドレート/風力発電/太陽光発電/電気自動車/海流発電/支配者層の手口を知ることが自立型経済実現への一歩

参考文献/参考サイト 330

■扉の次のページに記された文章
ロスチャイルドという名を御存知ですか?

閨閥によって地球を網の目のように覆い
200年以上にわたり世界を動かし続ける陰の支配者。

「そんな……小説じゃあるまいし」と思われますか?
いや「事実は小説よりも奇なり」です。

彼らが目指すのは、大衆を家畜のように管理・コントロールする社会です。
一部のエリートが絶対的な権力で支配しようとしています。

ほとんどの人は
「そんなバカな」とか「くだらない陰謀論だ」と思うことでしょう。

その原因は、多くの人がお金の仕組みを知らないためだと思います。

「お金のことぐらい知っているよ」と思われることでしょう。
しかし、本当にお金の仕組みを理解している人は
実際にほとんどいないのが実情です。

信じるも信じないも貴方しだいですが、まずは事実を知ってください。

教科書もマスコミも絶対に教えてくれない
ロスチャイルドが作った世界支配の構造をお伝えしましょう。

■書評
この本に描かれた世界史は実に理解しやすい。たぶん、つじつまがあっているからだろう。

○■睡眠文化を学ぶ人のために■2016年07月16日 09:47

食が文化であるように睡眠も文化である。


高田 公理 (著, 編集), 重田 眞義 (編集), 堀 忠雄 (編集)
単行本(ソフトカバー): 267ページ
出版社: 世界思想社 (2008/4/20)

■商品の説明
内容紹介
豊かで楽しい眠りの世界へ! 夢のコントロール技法、諸民族の夢理論、就眠儀礼、シエスタ文化、眠具、狸寝入り......。文系/理系の枠を超えたアプローチで、眠りの文化の全貌を明らかにし、新しい研究へと誘う。テーマ別文献リストつき。

出版社からのコメント
睡眠文化研究の集大成

内容(「BOOK」データベースより)
夢のコントロール技法、諸民族の夢理論、就眠儀礼、シエスタ文化、眠具、狸寝入り…文系/理系の枠を超えたアプローチで眠りの文化の全貌を明らかにし、新しい研究へと誘う。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
高田/公理
1944年、京都生まれ。佛教大学教授(社会学・文明学・観光学)。学術博士。京都大学理学部卒業後、酒場経営、武庫川女子大学教授などを経て現職

堀/忠雄
1944年、北海道生まれ。広島大学名誉教授(睡眠科学・睡眠心理学)。医学博士。早稲田大学院博士課程(心理学専攻)中退後、金沢大学医学部研究生、福井大学保健管理センター講師(カウンセラー)、広島大学教授などを経て現職。現在、財団法人福山通運渋谷長寿健康財団睡眠研究所所長

重田/眞義
1956年、京都生まれ。京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科准教授(アフリカ地域研究、人類学、民族植物学)。農学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
序章 睡眠文化とは何か 高田公理 i
第I部 夢と睡眠行動部 1章 フロイトの夢分析と脳科学 北浜邦夫 24
2章 夢の民族誌 豊田由貴夫 39
3章 眠り<プレイ>モデルと寝室地図 藤本憲一 58
4章 相互浸透する眠りと覚醒 掘忠雄 76

第II部 眠りの時空間
5章 眠りの時間と寝る空間―歴史的考察 高田公理・鍛冶 恵 94
6章 眠りを誘う音・光・香り 鳥居鎮夫 111
7章 眠具―眠りにまつわるモノの世界 松浦倫子 124

第III部 睡眠文化学の未来へ
8章 人類学からのアプローチ 豊田由貴夫 146
9章 社会学からのアプローチ 重田眞義 164
10章 心理学・行動科学からのアプローチ 掘 忠雄 179
11章 睡眠諸科学の基礎づけ―哲学的考察 藤本憲一 192
12章 睡眠文化を学ぶ人へ 重田眞義 212

終章 人はなぜ眠るのか 座談会(高田公理・掘 忠雄・重田眞義・鳥居鎮夫・豊田由貴夫・藤本憲一) 225

ひと眠りコラム
1 宇宙での眠り 水野 康 56
2 居眠りと狸寝入り ブリギッテ・シテーガ 90
3 『源氏物語』の眠りと光 小山恵美 122
4 枕の世界地図 鍛冶 恵 142
5 眠りの進化論 山際寿一 162
6 眠り姫になれなくて 鷲田清一 210

引用文献 246

睡眠文化を学ぶための文献リスト(テーマ別) 261

睡眠文化を学ぶためのキーワード解説 253

あとがき 243

■序章「睡眠文化とは何か」より
  睡眠、すなわち「眠る」という生理的な行為それ自体は、遺伝的に組み込まれた先天的な資質に由来する。それは人間だけでなく、広く動物一般に普遍的にあてはまる。しかし「人間の寝方や眠り方」は、地域や時代ごとに、さまざまなバリエーションを示す。こうした多様性は、それぞれの環境条件のもとで、歴史的に形成されてきた。それを人びとは後天的に見につける。それは「睡眠文化」と呼ぶほかないのだ。
  という意味で「眠り」は「食」に似ている。動物も人間も必ず何かを食べる。そうでないと生きていけない。「食べる」という行為は「眠る」という行為に似て、人間を含む動物一般に普遍的、かつ先天的な生理的行動である。
  しかし「食べる」ための食物を生産し、料理し、仲間と共食する動物は人間だけだ。しかも、食べ物、料理法、食事マナーなどは、地域や時代ごとにおびただしい多様性を示す。それは、さまざまな「人間の寝方や眠り方」お同様「文化」の一領域を形づくっている。そして、それを対象とする食文化研究は今日すでにおこなわれている。
  ならば、人間の睡眠や眠りを、地域や時代ごとに比較し、人間の睡眠について考える研究領域が開拓されてもいい。そこで、われわれ睡眠文化研究会は「睡眠文化研究」の第一歩を踏み出した。その成果のひとつに『眠りの文化論』(吉田編 二〇〇一)がある。

■書評
るびりん書林 別館

◎■身体の人類学■:「制服」からの脱却2016年07月12日 17:07

超越的世界へ上昇しようとする知ではなく、「生」と一体化した「知」のあり方


菅原 和孝 (著)
単行本: 311ページ
出版社: 河出書房新社 (1993/01)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
問わねば誰もが知っているはずのまじわる身体の経験を追い人間とその社会の隠された生き方をとらえる学問の冒険考。

著者について
菅原和孝(すがわら・かずよし)
一九四九年、東京生まれ。京都大学理学部卒業。現在、京都大学総合人間学部助教授。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
まえがき 1
序章 フィールド・ワーク 13
I 身体から見えること
第一章 身体の人類学へ向けて―デカルト的袋小路からの脱出 48
第二章 身体が表示すること―男と女、おとなと子供 60
第三章 身体のなわばり―訪問と挨拶 92
第四章 儀式化される身体―理論化への試み 121
第五章 遊ぶ身体―「あたりまえ」のなかの謎 158

II 身体と言葉
第六章 「しゃべる身体」へ―グウィ自身はどう感じているのか 184
第七章 関係としての身体―ふれることへの意味づけ 197
第八章 身体のイディオム―「身ぶり」と「すがた」への言及 217
第九章 「性」としての身体―愛と嫉妬 248

終章 フィールドから帰って 283
注 294
あとがき 308

■「まえがき」の冒頭部分
  二十歳(はたち)になるまえのころだったろうか、ある雑誌で、アフリカ南部のカラハリ砂漠でくらした日本人の人類学者の寄稿したカラー写真入りの記事を、わくわくしながら読んだ。
  そこには、広大な原野のただなかでカモシカを狩り、野生の植物を採集して生きている人々のことが生き生きと語られていた。 豊かな胸をした娘が、てれくさそうに微笑みながら木の実を摘んでいる写真を見つめ、私は、自分の求めているのはこのような世界ではなかったのかと、憧れに胸を熱くした。
  それからおよそ一〇年後、私はいろんなめぐりあわせで、この「ブッシュマン」とよばれる人たちのもとで調査を始めることになった。 それからまた、さらに一〇年近い歳月が流れてしまった。 そのあいだ、私は四度にわたりカラハリ砂漠に足を運び、足かけ二年に近い歳月をかれらとともにすごした。
  この本では、これらのフィールド・ワークを通じて、私がこだわりつづけてきた「身体」というテーマについて語ってみたい。 具体的にいえば、かれらの日常生活のなかで起こっている、「からだのふれあい」「(シラミ)とり」「ふさけあい」「けんか遊び」「挨拶」「おしゃべり」といったありふれた行動を徹底的に、しつこく観察することによって、人と人とが生身の身体として直接的にかかわりあう、その経験の成り立ちを明らかにしたい。 さらに、このような「身体の経験」という「基礎」から、この人たちの社会とその生きかたの本質をとらえなおしてみたい。

■書評
るびりん書林 別館

◎■図説 東洋医学<基礎編>■2016年07月07日 13:18

こじんまりとした便利な入門書として企画・構成され、長く売れている良書


山田光胤 (著), 代田文彦 (著)
はやし浩司 (企画・構成)

■商品の説明
内容
漢方の勉強をしたいが何か適当な本はないかと問われたとき、入門書といわれるこじんまりとした便利な本がなかなか見当たらないという状況があった。本書は、これに応えようとしたものである。東洋医学の起源から説き起こし、その発展の経緯をまず紹介し、基礎理論である陰陽五行、臓腑、営衛気血、経絡経穴を解説し、更に東洋的な診断から治療に至るメカニズムを余すところなく述べている。なかでも特徴となる点は、色刷による漫画的な図説によって、興味を感じつつ楽しく理解できるように工夫されていることである。面倒な理屈をぬきにして、漢方全体の見方、考え方を知ろうとされる方にお勧め。

著者について
山田光胤(本名照胤)
1924年東京に生まれる。1951年東京医科大学卒業。1958年電撃療法の生化学的研究で医学博士の学位をうける。漢方医学を大塚敬節先生に師事して研究。現在漢方診療専門医として、医療法人中将湯ビル診療所、及び北里研究所附属東洋医科研究所勤務。財団法人日本漢方医学研究所常務理事。社団法人日本東洋医学会会長。およな著書に、漢方処方―応用の実際―(南山堂)、漢方の科学(日刊工業新聞社)、漢方療法の本(大塚敬節共著・読売新聞社)、薬草小辞典(長塩容伸共著)などがある。

代田文彦
1939年長野県に生まれる。1965年信州大学医学部医学科卒業。1966年東京大学医学部物療内科入局(現医局員)。1969年財団法人日産厚生会玉川病院に出張。日本東洋医学会評議員。日本針灸治療学会理事。東京女子医科大学講師。

はやし浩司
1947年岐阜県に生まれる。金沢大学法学部法学科卒業。メルボルン大学法学部へ留学。現在静岡県浜松市在住。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次(中項目まで)

口絵
漢方のメカニズム 27
五運行大論の図 28
五行の相性と相剋 29
五臓の色体表 30
漢方の起源と発達 32
人体の部位名 34

この本を読まれるかたへ 3
緒言 9
漢方医学の歴史 9
漢方医学と西洋医学 19
陰陽五行説について 23
第1章 臓腑の整理と病理 35
人体の構成と相互関係 36
五臓 44
六腑 54
奇恒の腑 64
営・衛・気・血 67
精・神・津液 77
第2章 経絡と経穴 83
経絡 84
経穴 103
第3章 病因 141
外因 142
内因 148
不内外因 151
第4章 診法 155
四診 156
・望診 158
・聞診 178
・問診 182
・切診 194
第五章 八綱と証候分類法 205
八綱 206
・陰陽 207
・表裏 208
・寒熱 211
・虚実 213
証候分類法 219
・六経(三陰三陽) 219
・衛気営血と三焦の病証 224
第6章 予防と治療の法則 227
病気の予防 228
治療の法則 232
・八法 232
・正治と反治 235
・標本 236
・付・方剤の原則 238
・<出典> 242
●用語の解説 243
●索引 253

■「この本を読まれるかたへ」(代田文彦氏)より
  針灸や湯液の漢方医学を勉強するにあたって大切なことは、経穴の名前や処方の名前を覚えることではなく、漢方特有の基礎概念の理解・把握である。それは、漢方のものの考え方や、一つの現象を説明するにあたっての約束事が多く含まれているからである。
  基礎概念の理解が充分であれば、病人に対坐して動じないし、また常に全体視観をもって、治療の法則を見失うことなく、臨床にあたることができる。
(中略)
  ここに一人の勇敢な青年がいた。はやし浩司君である。
  彼はこつこつと漢方医学を勉強する過程で、その持ち前の絵の才能を駆使して、この難解な漢方基礎の内容を図で説明するという形で料理しにかかった。この作業は彼が漢方医学を趣味として勉強している恵まれた環境にあったからこそ踏み切れた快挙である。職業として漢方医学にたずさわる専門家ならおじけづいて最初から手をつけられないでいるからである。泥くさい臨床とのギャップを埋めるために山田光胤先生には当初の企画から詳細に御校閲たまわり、重要な部分をご執筆いただいた。
  不思議なもので絵になったものを見ると一目瞭然、百聞は一見に如かずの譬のとおり理解が早いものである。また今回絵にあらわしてみて漢方医学の概念がいかに漠然としたものであり、今までなんと自分の理解がありまいであったかを恥入った次第である。

■書評
るびりん書林 別館

◎■織田信長 最後の茶会■2016年06月10日 22:10

貨幣、資源、交易、暦、宗教――国際政治の黒幕が信長の命を奪ったのかもしれない


小島 毅 (著)
211 ページ
出版社: 光文社 (2009/7/20)

■商品の説明
内容紹介
暗殺前日、信長は何を言ったのか? 「本能寺の変」後、寺から消えたものは? そして、この同じ年に起きた、世界史上の大事件とは? 東アジアの視点で描く、新たな信長像!
内容(「BOOK」データベースより)
本書は、本能寺の変について「東アジア」という視点から考察を加えていく。私の本業は東アジアの思想文化についての研究である。したがって、室町時代の政治史に関しては門外漢であり、単なる「愛好家」にすぎない。だが、信長の「変」前日の行動をめぐる従来の研究・叙述のほとんどが、視野を日本国内に限定していることに対して長いこと違和感を懐き続けてきた。十六世紀後半の世界情勢のなかに「天正十年六月一日」を置いて眺めてみると、同時に存在していたさまざまな動きが見えてくる。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
小島/毅
1962年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、東京大学人文社会系研究科准教授。専攻は、儒教史、東アジアの王権理論。文部科学省科学研究費補助金特定領域研究「東アジアの海域交流と日本伝統文化の形成」(2005~2009年度)の領域代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

目次
プロローグ――本能寺の変とその前日 3

第一章 信長はどう描かれてきたか――天皇との関わり 19
(1)司馬遼太郎 20/「司馬」以前は「勤王家」イメージ
(2)頼山陽『日本外史』 25/天皇に尽くした「勤王家」
(3)田中義成『織田時代史』 30/政治的手段としての勤王ぶり/頼山陽と田中義成の史観のねじれ (4)徳富蘇峰『近世日本国民史』 35/安土桃山時代の画期的な意義/経世的勤王家/勤王を実践するための幕府再興/一種の信長待望論/平泉澄の『物語日本史』
(5)ふたたび司馬遼太郎 44/欠けている「天皇」

第二章 本能人の変の黒幕候補たち 49
(1)正親町天皇 50/三職推任問題/譲位問題の解釈/「即位」もままならない/信長と正親町天皇の関係/百二十年も続いた「慣例」/百三十年ぶりの生前譲位復活
(2)近衛前久 62/将軍足利義晴の名の一字を拝領/足利家・織田家・豊臣家・徳川家を渡り歩く/前久が守ろうとしたもの
(3)徳川家康 70/家康の特殊性/家康の不安/変の前日、茶会を三つ掛け持ち/話がうますぎる「神君伊賀越え」
(4)沢彦宗恩 78/大徳寺と妙心寺/「心頭滅却すれば火もまた涼し」/信長のブレーン/二度目の陰謀?/「本能寺の変」を国際関係のなかで考える

第三章 永楽銭、石見銀山、倭寇――東アジアの経済交流 91
(1)永楽銭 92/信長の旗印/東国限定の通貨/江戸時代に生まれた思い込み/信長ひとりが「変人」/信長の財政基盤は、尾張と伊勢を結ぶ海路商圏/環伊勢海政権/明の皇帝の旗のもとに戦った信長
(2)東アジアの国際情勢 106/日本国王――良懐(懐良親王)から足利義満へ/「勘合貿易」に対する違和感/つかの間の安定体制にあった明
(3)南蛮文化 115/大航海時代と信長/種子島への鉄砲伝来/信長の果たした役割
(4)倭寇の時代 120/石見銀山/「日本出身の海賊」はむしろ少数派/義満と同じ役割を演じた秀吉
(5)大内氏と毛利氏 127/京に並ぶとも劣らぬ文化都市・山口/毛利氏を頼って足利義昭/京都中心の偏った歴史認識/最後の勘合貿易船/寧波の乱/博多との対立/天正十年六月一日をめぐる状況

第四章 安土城、名物茶道具――信長と唐物 145
(1)唐様安土城 146/信長の中国趣味/天皇行幸を重視していた信長/安土城に見える信長の中国志向/天主のなかに描かれた障壁画/「謙」の徳
(2)名物茶道具 159/撰銭問題/金や銀が通貨とみなされるようになった時期/本能寺に運び込まれた三十八種の「唐物」/薬や油を入れる容器にすぎなかった「九十九茄子」/「東山御物」を下賜し、権威を保つ/『君台観左右帳記』――由緒正しい最高級唐物のリスト/「贋作」と言えるか?/「牧渓のくわい」/茶の湯御政道/上野一国と信濃の一部に相当する「殊光小茄子」

第五章 東アジアの暦と太陽暦、太陰暦 180
(1)東アジアの暦について 180/旧暦=東アジアの暦/無視できない「月の力」/イスラーム圏で使われ続ける「太陰暦」/「一日」はなぜ「ついたち」か/東アジアの暦における、月の番号の決め方/二十四節気の名称/十二個の「中」が「月」を決める/閏月は十九年に七回の割合で設定される
(2)京歴と三島歴 193/新年を迎える月が一月異なる/公家たちにとってゆゆしき事態
(3)ローマでの改暦事業 196/ユリウス暦/グレゴリウス暦への改暦/世紀の変わり目なのに三百六十五日しか無い年/ローマ教会の暦の導入はありえたか?

第六章 明暦と日本 207
(1)「壬二月廿九日」 208/対馬宗氏と島井宗室/閏二月の書状/「閏三月」ではありえない理由/「閏二月」は存在した/そもそも誤記ではない可能性も
(2)明暦の拡がり 221/正朔を奉ず/宣明暦と様々な地方暦/確実に伝わっていた明暦の情報/日本だけが特殊

第七章 宗教と信長王権 229
比叡山の焼き討ち/東大寺焼き討ちとの相似/一向宗との戦争/安土宗論/五山文学/和学の壁/「国風文化(和学)」と「五山文化」/信長は「無信仰」だったか/自らの誕生日を祝わせた信長/誕生祝いは中国伝来か/「日本国王」である証/正月元日を誕生日として祝わせた秀吉

エピローグ――そして太陽暦が採択された 253
あとがき 256
参考文献 258

■「プロローグ」から
本書は、この疑問(引用注:本能寺の前日になぜ敢えて京都で盛大な茶会を開いたのか)について「東アジア」という視点から考察を加えていく。私の本業は東アジアの思想文化についての研究である。したがって、室町時代の政治史に関しては門外漢であり、単なる「愛好家」にすぎない。だが、信長のこの日の行動をめぐる従来の研究・叙述のほとんどが、視野を日本国内に限定していることに対して長いこと違和感を懐き続けてきた。十六世紀後半の世界情勢のなかに「天正十年六月一日」を置いて眺めてみると、同時に存在していたさまざまな動きが見えてくる。
とりわけ、天下人となった織田信長が、自身をどのように位置づけようとしていたかという関心から光を照らしたとき、京都で茶会を開催しようとしたことわきわめて重大な意味をもってくる。私自身が研究対象としている「東アジアにおける王権のありかた」という点からこの日のできごとを再考してみるというのが、本書の趣旨なのである。

■書評
るびりん書林 別館

◎■看取り士――幸せな旅立ちを約束します■2016年06月04日 10:50

暮らしの中の死の文化を取り戻す


柴田 久美子 (著)
単行本(ソフトカバー): 208ページ
出版社: コスモトゥーワン (2013/5/8)

商品の説明
内容紹介
「看取り士」とは、文字通り旅立つ人を看取る人のことです。
住み慣れた自宅や本人の希望する場所で自然な最期を迎えたい人に、24時間より添い、旅立ちを支援します。
幸せに死ぬためにはどうしたらいいのか・・・
生きる意味、死の意味に気づいていただければ幸いです。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
柴田/久美子
島根県出雲市生まれ。日本マクドナルド(株)勤務を経てスパゲティー店を自営。平成5年より福岡の特別養護老人ホームの寮母を振り出しに、平成14年に病院のない600人の離島にて、看取りの家「なごみの里」を設立。本人の望む自然死で抱きしめて看取る実践を重ねる。平成22年に活動の拠点を本土に移し、現在は鳥取県米子市で在宅支援活動中。新たな終末期介護のモデルを作ろうとしている。また、全国各地に「死の文化」を伝えるために死を語る講演活動を行っている。現時は一般社団法人なごみの里代表理事、介護支援専門員、吉備国際大学短期大学部非常勤講師、神戸看護専門学校非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
まえがき 3
第1章 看取りの瞬間
●看取りの瞬間に親子になれた、千代さん 17
●心と心が重なる旅立ちの時……マサさんとの12年の歳月 24
●ただ共感することの尊さを教えてくれた武雄さん 36
●私の腕の中で逝った和子さん 47
●私の中に生き続ける父 52

第2章 お金では買えない最期の贅沢……看取り士
●しあわせな死とは 59
●看取りの場面は奇跡の連続 61
●抱きしめて送るつもりが抱きしめられていた 63
●愛や喜び、すべてを受け渡す看取りの現場 66
●看取り士の立ち位置 67
●看取る人がしあわせになるための四つのポイント 69
①家族で肌の触れ合いを 69
②傾聴、反復、沈黙 70
③大丈夫と声をかける 72
④旅立つ人と呼吸を共有する 73
◆コラム:痛いと言われたらさする……ガン末期の方 75
●旅立つ人がしあわせになるための三つのポイント 77
①死を受容する 77
②お迎えは必ず来る 80
③旅立つ人は最期の状態を自分でプロデュースする 81
●看取り士の具体的な仕事 83
・余命宣言を受けてから始まる看取り士の仕事 83
・どこで死にたいのか 84
・重要な医師との連携 85
・身体を拭き、好きな服を着せてあげる 86

第3章 病院で死ぬしかない日本の制度
●病院で死ぬしかない現実 89
●家族が壁になる 92
・延命治療と家族のエゴという問題 92
・死んだらどうしようという不安 94
●延命治療をするとどうなるか 95
・胃ろうをしない選択、する選択 97
●私たちは子供たちに地獄を見せているのではないか!? 101
●病院で死ぬしかない制度に医療関係者も矛盾を感じている 103
●特別養護老人ホーム(特養)で実現すべき尊厳ある死 107
・「看取り加算」という制度ゆえに、自宅で死ぬことが難しくなっている 107
・施設に入り、最期は病院へ 108
・介護を受けている人の悲しみを受け止めたい 110
◆コラム:介護の現場 113

第4章 平穏に死ぬための準備をしよう
●60歳になったら必ず死の準備をする 121
・人は一人では死ねない 121
・家族で話し合う 123
●看取りとは、ひと昔前に行われていたことを取り戻すこと 126
●死は第二の誕生 128
◆コラム:魂と魂を重ねる時間 130
●死の恐怖を取り除く内観とは 132
●光を感じた瞬間 134
●母の死 136
◆コラム:死後も大切なこと……初七日・四十九日 140
●「1億総ヘルパー」時代に突入 142
●しあわせに旅立つための「エンゼルチーム」 145
●帰りましょう、帰りましょう……エンゼルチームの活動から 148

資料編 柴田さん頑張れ!!
……医師との対談と医師からの応援コメント
●医師が一番知らない平穏死
――長尾和宏医師に聞く 154
●融合医療を目指して
――日本心身医学会専門医 内科医師 岩田千佳 192

あとがき 202
※巻末資料:看取り士とエンゼルの仕組みをご利用いただくために

「まえがき」より
  抱きしめて送り、私のこの腕の中で最期の呼吸を終えたその人々が私にその身体を使って教えてくれたこと、その尊い体験を私は一人のものとはせず、一人でも多くの方に伝えたい。
  この本には『看取り士』というタイトルがついていますが、言い換えれば、旅立つ人の本当の気持ちを伝える本であるとも言えるでしょう。
  しあわせに死ぬためにはどうすればいいのか、本書を通して一人でも多くの人が「看取り士」という存在を知り、生きる意味や死の意味に気づいていただければ幸いです。

■書評
るびりん書林 別館

◎■超心理学――封印された超常現象の科学■2016年06月02日 09:11

正統的な科学的手法による研究の歴史を通じて超心理学(テレパシー、透視…)をめぐる可能性と限界を探る


石川幹人 (著)
単行本: 388ページ
出版社: 紀伊國屋書店 (2012/8/29)

■商品の説明
内容紹介
テレパシーや透視などの超常現象を科学的に探究する超心理学という学問は、正統的な科学の手法で研究されているものの、科学者たちからオカルト扱いされ、まともにとりあわれず「封印」されてしまう。日本における超心理学の第一人者が、その研究内容や成果などを詳細に解説するとともに、正しくても理解されない実態を明らかにし、科学のあるべき姿を問う。

内容(「BOOK」データベースより)
超心理学の研究内容や成果を解説するとともに、それらが学問として受けいれられない背景を明らかにし、科学のあるべき姿を問う。テレパシー、透視、念力などの解明を目指す学問の第一人者による、渾身の書き下ろし。

著者について
石川幹人(いしかわ・まさと):1959年東京生まれ。東京工業大学理学部卒。同大学院物理情報工学専攻、一般企業での人工知能研究などを経て、現在明治大学情報コミュニケーション学部長。博士(工学)。専門は認知情報学および科学基礎論だが、超心理学研究をライフワークとし、日本の第一人者。2002年ライン研究センター客員研究員。ASIOS(超常現象の懐疑的調査の会)発起人メンバー。著書に『人間とはどのような生物か』ほか。

■目次
序章 予知かそれとも偶然か◆超心理学協会
      デューク大学とJ・B・ラインの研究◆ライン研究センター
      本書の構成
第I部 超心理学の実態
第1章 テレパシーの証拠をつかんだ 28
・ガンツフェルト模擬実験◆厳密なガンツフェルト実験の成果
・不遇な「現代のガリレオ」
第2章 米軍の超能力スパイ作戦 56
・マクモーニグルの遠隔視実験◆スターゲイト・プロジェクト
・遠隔視実験を改良した透視実験◆ガンツフェルト実験とのちがい
・スターゲイト・プロジェクトの幕引き
第3章 超能力の実在をめぐる懐疑論争 80
・トンデモ超能力対談◆かたくなな否定論者
・超心理学の不祥事◆厳密化する超心理学

第II部 封印する社会とメディア
第4章 奇術師たちのアリーナ 112
・ホットリーディング◆奇術師VS奇術師◆私の来歴
・超心理現象に興味をもつ人
第5章 超能力と称する人々 134
・ナターシャの人体透視◆御船千鶴子の千里眼事件
・能力者研究の背景◆「自分には超能力があります!」
・職業欄はエスパー
第6章 マスメディアの光と影 158
・ドラマの科学監修◆能力者へのインタビュー
・大衆の受容と排除◆心理学より工学だ
・マスメディアは両刃の剣◆演出家やらせか

第III部 封印は破られるか
第7章 心の法則をもとめて 186
・東洋的な問い◆ヒツジ・ヤギ効果◆ESPの発揮を高める要因
・超心理学の実験者効果◆超心理現象は無意識のうちに起きる
・内観報告による心理分析
第8章 予知――物理学への挑戦 216
・未来は予感できる◆予知も透視のひとつか
・透視の焦点化◆簡単に実施できる予感実験
第9章 意識に共鳴する機械 254
・感情エージェントが笑う◆乱数発生器によるミクロPK実験
・地球意識プロジェクト◆下降効果のとらえにくさ
・超心理現象の情報システム理論
第10章 霊魂仮説について考える 284
・霊魂という万能仮説◆懐疑論者が一目おく超心理現象
・霊魂は肉体の死後も存続するのか
・霊魂仮説から超心理発揮仮説へ◆詰めこみ理論から拡がり理論へ

終章 物理学者とのオカルト対談◆オカルト論議は信念論争
      封印構造の認知的側面◆封印は解かれるか

あとがき 336
付録 ◆用語集◆統計分析の基礎◆読書ガイド 381
索引

■書評
別館

◎■サバンナの動物親子に学ぶ■2016年05月08日 09:14

動物たちに学ぶ命のありかた


羽仁 進 (著), ミロコ マチコ (著)
単行本: 128ページ
出版社: 講談社 (2011/8/23)

■商品の説明
内容紹介
アフリカの動物親子から学ぶ生きるとは何か
親に捨てられ必死に身を隠して生き延びようとする子ライオン、親を求めゾウに立ち向かうヌーの赤ん坊。死は生きてきたことを証明する一瞬の出来事にすぎないのか


「作家 落合恵子氏 推薦」
ここに、すべてのいのちの、原点がある。
寄り添う姿、分かち合う姿、協力し合う姿。
そうして、時には突き放す姿もまた。
わたしたち、人間が学ぶ、暮らしの流儀が
ここに、確かにある。
落合恵子
内容(「BOOK」データベースより)
「生」とはなにか、「死」とはなにか。短くても美しく生きる捨て子ライオン。子どものために死の中に飛び込むヌー。他者の死を悼み弱者をいたわる象…「生」の重さはその長さだけではない。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
羽仁/進
1928年、東京生まれ。共同通信社記者となるが、岩波映画製作所創立に参加し、映画監督となる。代表作に『絵を描く子どもたち』『不良少年』『初恋・地獄篇』『アフリカ物語』など。キネマ旬報作品賞・監督賞、ベルリン国際映画祭特別賞、モスクワ国際映画祭審査員特別賞、日本映画ペンクラブ賞受賞。記録映画保存センター代表理事

ミロコ/マチコ
1981年生まれ。画家・絵本作家。勢いのままに書く動植物を自由な思考と多彩な発想で表現する。大阪・東京を中心に展覧会多数開催。2010年、初の絵本となる『やまのいえで』をカイトプレスより刊行。同年より美術同人誌『四月と十月』の同人となる。第6回ピンポイント絵本コンペ入選。第160回、164回、165回ザ・チョイス入選。HBファイルコンペvol.21藤枝リュウジ賞大賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
序章 5
・いかに生を楽しむか 6
・死を完成させる 10
・死は必要なもの 12
・生と死を見つめ直す 15

第1章 生の重さはその長さだけではない 19
・短いが美しい生命 捨て子のライオン 20
・生きていこうと必死の兄妹ライオン 26
・人間の手で解決できないこと 30

第2章 生きることの大切さを学ぶ 33
・小さい動物の子の巧みな戦略 ガゼルの子の場合 34
・死の中に飛び込む 新しい母を探すヌーの子ども 42

第3章 子のために生きる母 55
・ライオンの代理母の場合 母と子の姿は多様だ 56
・自分の行動に真面目であること
  子を殺された母ライオンの怒りと悲しみ 62
・生と死の境目 新しい経験に挑む 72
・子のためにワニのいる河を渡るヌーの母親 79

第4章 他者の死を悲しむ 83
・喜びを分かち合う バッファローの赤ちゃんから逃げる巨象 84
・他者の死を悼む 弱者を思いやる気持ち 95
・弱者をいたわる心 象は他者を死から守ろうとする 100

第5章 肉食には存在意味があるのだ 107
・多くの生命に新たな生を与える ライオンとバッファローの戦い 108

終章 117
あとがき 124

■帯より
動物も人も死を避けるために、いろいろ工夫をします。
しかし、その工夫は「生」全体のあくまで一部なのです。
そんなことばかり工夫していては、「生」の楽しみを忘れて
しまいます。
死はせつないけれども、必要なもの、大切なものなのです。
いまこそ、私たち人間は、「生」と「死」を見つめ直す時間
なのかもしれません。

■書評
別館

◎■虫はごちそう■2016年04月15日 17:32

虫は高級品として扱われる「ごちそう」。ラオスで、カラハリで、虫を食べる人々の暮らしは温かい。


野中 健一 (著)
単行本: 183ページ
出版社: 小峰書店 (2009/11)

■商品の説明
出版社からのコメント
  イナゴ、コオロギ、イモムシ、スズメバチ......。たくさんの虫が世界で、そして日本で食べられている。
  肉よりも値段が高く、コクのある味が外国人観光客にも人気のコオロギ(ラオス)。蒸し焼きにすると、ほくほくした食感がおいしいイモムシ(アフリカ・カラハリ砂漠)。愛好家のおじさんたちが魚や肉や砂糖水を与え、いとおしんで育てる「はちの子」(日本)......。
  食べ物を口にすることは、自然を身体に取り込むこと。虫の生態や周囲の環境を知り、技を駆使してつかまえ、こだわって料理し、おいしさを分かち合う。自然と人とのつながり、そして人と人とのつながりの深さが、食べ物を「ごちそう」という豊かなものにする。
  20カ国以上をまわり、現地の人々と暮らしをともにしてきた野中健一・立教大学教授が、子どもたちに向けた初めての書き下ろし。「世界には、さまざまな虫を食べる人がいるんだ、という驚きや感動が、世界の人々の暮らしや価値観、環境へと関心を広げていく」。一匹の虫から、食べることの本質や、世界各地の人々がそれぞれ大切にしてきた文化へと、思いは広がります。
  イラストを描かれたのは、『一清&千沙姫シリーズ』『とりかえ風花伝』(いずれも白泉社)などで知られる少女漫画家・柳原望先生。楽しさと資料性に富んだ図解、なんと実物大の虫の線画、そしてパラパラ漫画まで、読んでも眺めてもお楽しみいただけます。
  この一冊をきっかけに、子どもたちの世界や他者に向けるまなざしがより開かれることを願ってやみません。(小峰書店編集部)

内容(「BOOK」データベースより)
イナゴ、コオロギ、イモムシ、スズメバチ…。たくさんの虫が世界で、そして日本で食べられている。虫を知り、採る技をみがき、こだわって料理し、おいしさにほほ笑む。さあ、虫と、それを食べる人々の暮らしをみにいこう。

著者について 著者 野中健一(のなか・けんいち) 1964年,愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科史学地理学専攻中退。博士(理学)。現在,立教大学文学部教授。専攻は地理学,生態人類学,民族生物学。
祖父がハチ採りの名人だったことや,大学時代に林業の仕事で山に入った際にはちの子を口にしたことが,昆虫食の研究につながった。これまでに20を超える国々を訪れ,昆虫食を通して,自然と人間との関わりについて考察を進めている。学術書に『民族昆虫学-昆虫食の自然誌』(東京大学出版会),『ヴィエンチャン平野の暮らし-天水田村の多様な環境利用』(編著,めこん),『環境地理学の視座-<自然と人間>関係学をめざして』(共著,昭和堂),『野生のナヴィゲーション-民族誌から空間認知の科学へ』(編著,古今書院)など。一般向けの本に,2008年に人文地理学会賞を受賞した『虫食む人々の暮らし』(NHKブックス),『昆虫食先進国ニッポン』(亜紀書房)がある。

イラスト 柳原 望(やなはら・のぞみ)
漫画家,イラストレーター。愛知県生まれ。少女漫画誌を中心に活躍する。代表作に『一清&千沙姫シリーズ』『とりかえ風花伝』(いずれも白泉社)など。家庭用ロボットを描いたSF『まるいち的風景』(同)は,『TIME』誌アジア版のロボット特集にも掲載された。いっぽう,野中氏のフィールドワークに同行,取材し,『虫食む人々の暮らし』や『昆虫食先進国ニッポン』のイラストを担当。自然と人間との複合的な関わりを楽しく,分かりやすく表現している。現在,若手の地理学者を主人公に,食と家族の絆を描くコメディ『高杉さん家のおべんとう』(メディアファクトリー)を執筆。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
野中/健一
1964年、愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科史学地理学専攻中退。博士(理学)。現在、立教大学文学部教授。専攻は地理学、生態人類学、民族生物学。祖父がハチ採りの名人だったことや、大学時代に林業の仕事で山に入った際にはちの子を口にしたことが、昆虫食の研究につながった。これまでに20を超える国々を訪れ、昆虫食を通して、自然と人間との関わりについて考察を進めている。『虫食む人々の暮らし』で2008年に人文地理学会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■もくじ
初めに 6
・虫のチョコレート!? 6
・虫も食べ物 8
・昆虫食を探ってみよう 11

第一章 お弁当にバッタ!?――イナゴと日本人―― 14
・イナゴ採りの思い出 14
・学校はイナゴ基地 15
・母のイナゴ採り 18
・イナゴを料理する 21
・はじめて食べてみると 26
・ほかのバッタはどうだろう 28

第二章 コオロギは町のごちそう
――ラオスの暮らしと自然への信頼― 30
・秋の市場 30
・イナゴ採りに励む 35
・ラオスの村に住む 38
・田んぼと暮らし 44
(雨の夏の日/実りの秋に)
・コオロギ採りの日々 56
(コオロギ少年/川の中の道/出作り小屋)
・冬はカメムシ 72
(男の子の活躍/フンコロガシ/お母さんはツムギアリ採り)
・チュオを作ってみよう 86
(ラオスの食事/虫のグルメ/虫チェオ)
・町の市場――虫は高級食―― 91
(虫の売り方いろいろ/市場で売ること) 93

第三章 砂漠に生きる ――イモムシのおやつ―― 100
・カラハリ砂漠と狩猟採集民 100
・イモムシが出てくる 107
(はじめてのイモムシ採り/子どものおやつ/サソリを作るのか?)
・シロアリが飛んだ 117
(夕立ちがくる/虹の後から)
・タマムシの季節 125
(おいしく料理する)
・アフリカのイモムシ食 130
(自然の中の想像力)

第四章 大人は はちの子 ――スズメバチに挑む―― 136
・スズメバチは危ない? 136
(獰猛なハンター/森では気をつけよう)
・スズメバチを採る 139
(掘り出す)
・はちの子を料理してみよう 144
(はちの子ご飯)
・クロスズメバチを育てる 149
(みんなで育てる文化/7キロの巣/2000本の五平餅)

第五章 「ごちそう」は「親しむ」ことから 166
・「おしいさ」の意味は? 169

あとがき 177

□コラム「野中先生の虫よりな話」
①ラオスのたこ焼きはアリのコで 85
②カブトムシの「絆」―タイ北部のカブトムシ相撲 97
③カラハリ砂漠の虫遊び 134
④幻のカミキリムシを求めて 158
⑤虫料理を作ってみよう 164
⑥学校で試食 173

○昆虫食に親しむためのガイド 183
イラスト・口絵 柳原 望み
装幀 こやまたかこ
企画編集協力 戸谷龍明

■「あとがき」より(中間部分)
  科学というと、新しいことを発見したり、公式を作ったりすることだと思う人もいるだろう。もちろん、それは大切だ。人の暮らしにも公式といえるものがあるかもしれない。 けれども、その公式からどれほど外れられるのか、公式にあてはまらないことも現実にあるんだって知ることは、まだまだ人間はできることがあるんじゃないかと気づくきっかけになるだろう。 ぼくの研究の立ち位置はそんなところになる。

■書評
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