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○■未開人のエロス■2015年12月10日 21:58

1968年発行の世界中の「未開」地域から性にまつわる話を集めた、少し?な本


白川 竜彦 (著)
発行所: 大陸書房
昭和43年9月3日発行
476ページ

■目次(大項目)
プロローグ 13
第一篇 黒アフリカのエロス 23
I 黒いセックスの世界 25
II 秘密結社マウマウ入団の儀式 39
III キクユ族の"禁じられた遊び" 47
IV 亡びゆくバクツ族の性生活 64
V カラハリ砂漠のブッシュマン 75
VI イツリの森のバンプチ小妖精 87
VII ホッテントットの性の奇習 99
VIII ブガンダ王国ガンダ族のセックス 109
IX "女の戦士"ダホメ王国 115
X コンゴの"黒いハレム"騒動記 126

第二篇 アマゾン裸族のエロス 139
I 南米原住民の性習俗 141
II 獰猛クシカオ族の夜の宴 149
III 母系社会カシボ族の女酋長 163
IV 女だけの種族ワツンバ族 172
V 裸族ウイトト族の奇習 186
VI 乾首を製造するヒバロ族 199

第三篇 メラネシア原住民のエロス 211
I ニューギニア高地人の性習俗 213
II 原始パプアの妻のレジスタンス 221
III 高地イピリ族の一夫多妻 230
IV モゲイ族の未知なる避妊薬 238
V 滅びゆくオーストラリア原住民 254
VI 砂漠の放浪者アボリジン 261
VII アランタ族の流血の成人式 276
VIII 失われゆくアボリジンの習俗 287

第四篇 南太平洋のエロス 299
I ポリネシア人の性習俗 301
II タヒチ島のヴァヒネたち 304
III トロブリアンド島の愛の戯れ 313
IV ポリネシアの愛の島々 328
V パーマストン島の白人王者 333
VI ミクロネシアの性習俗 343

第五編 中近東のエロス 349
I 中近東・白アフリカの性習俗 351
II モロッコ王の禁断のハレム 355
III 砂漠の者ベドウィン族 365
IV サハラ砂漠の"青い人"トアレグ族 369
V エチオピア・ガラ族の結婚式 377

第六篇 東南アジアのエロス 385
I 東南アジアの人と性習俗 387
II フィリピンの未開種族 390
III マレー高地セノイ族の女呪術師 399
IV スマトラ古代王国の末裔たち 412
V ボルネオの未開種族 432
VI 知られざるセレベス島 435
VII 楽園バリ島の試験結婚 438
VIII 台湾山地の原住民・高砂族 449

第七篇 インドのエロスの神々 455
I 不潔なる神々の国 457
II 印度未開種族の習俗 462

エピローグ 473
(カバー写真撮影・高木康允)

■「プロローグ」から
(前略)
  程度の差があるにせよ、現代人の精神はその肉体以上に蝕まれ病んでいるのだ。そして、このような病理的な現象が最も尖鋭な形で現れているのが、そのセックスの部分である。
(中略)
  事実、今日の地球上では、健康で人間的な精神のパターンは、このような未開社会に最も多く残されている。むろん、そこに現代人の常識からすれば異常で歪んでみえる未開種族の習俗が数多く存在していることは事実である。だが、それも生活の基盤なり条件が異なれば、それもまた止むをえないことである。Aの環境では、正しいものが、Bの環境で悪とみなされることも決してめずらしくはないのだ。人間の社会とは常にそのようなものなのである。
  したがって、われわれが未開社会における幾多のセックスに関する習俗を知ることによって、数々の貴重な教訓を与えられるにちがいない。
(中略)
  人類の性の神秘は、少なくとも心理学的、人類学的には深い霧のなかに今日もなお沈んでいるのである。
  とはいえ、そのような学問的な探究が本書の目的ではない。それは広い分野にわたった種々の学問的、専門的な調査なり研究が、長い時間をかけて追求すべきアカデミックなテーマだからである。未開社会におけるセックスをめぐる数々の習俗を探検家、調査隊の目をとおしてながめることにより『われら、ひとしく人間』という実感を得ることができれば、本書の意図も達せられたというべきであろう。
(後略)

■「エピローグ」から(中程の一段落)
  セックスは決して穢れたものでもなければ、不潔なものでもない。人類が生きるためには当然行うべき行為である。このことは、まことに平凡で当然なことなのかも知れない。だが、われわれ現代人がセックスの健康を回復するためには、いま一度この平凡な言葉へ回帰する必要がある。このため本書が多少なりとも役に立つことができれば、望外のよろこびである。

■書評
るびりん書林 別館

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