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◎■グアヤキ年代記―遊動狩人アチェの世界 (インディアス群書)■ ― 2015年07月26日 22:51
後に「国家に抗する社会論」へと飛躍したピエール・クラストルの初仕事
ピエール クラストル (著), Pierre Clastres (原著), 毬藻 充 (翻訳)
単行本: 440ページ
出版社: 現代企画室 (2007/01)
■商品の紹介
内容
権威を根底から拒否し、権力の絶対的否定を表明する集団
南米パラグアイの熱帯森林に生きるグアヤキ(自称は「人間」を意味するアチェ)民族は、南米先住民の中では例外的なことに、遊動の狩人・採集民である。
フランスの民族学研究者ピエール・クラストルは一九六三年、グアヤキの宿営区に入り、一年間生活を共にする。
性愛、出産、狩猟、食、住居、用具などにまつわる日常生活の仔細な観察、微苦笑を誘わずにはいない子どもたちや若い女性たちとの交流に始まる叙述は、
次第にその神話世界、「征服」以降の歴史過程、食人習慣の分析へと展開する。
伝統的な「未開」社会観を根底から覆すだけの衝撃力を秘めた、クラストル初のこの仕事は、やがて「国家に抗する社会」論へと飛躍していく。
権力の拒否、無益な過剰の拒否など、グアヤキ社会の自律的な原理は、現代の私たちに何を語りかけるだろうか。
著者について
「訳者あとがき」に記された、原著の紹介文の翻訳より)
「ピエール・クラストルは一九三四年に生まれ、パリで哲学を研究した後、民族学に向かった。
数年間をパラグアイのさまざまなインディオの部族―グアヤキ、グアラニ、チャコのアシュルスレー―で過ごし、一時期サンパウロで教鞭をとった後、 アマゾンのベネズエラ領に居住するヤノマミのもとに滞在した。
フランスに帰国して国立科学研究センター研究員、コレージュ・ド・フランス社会人類学研究所(クロード・レヴィ=ストロース主宰)の研究員になった。
この著者にとっては、民族学者はみずからの研究の編纂者や未開社会文化の記録保管者ではなく、政治思想家である。
グアヤキのもとに滞在した体験をもとに、彼は賞賛すべき著者『グアヤキ・インディオの年代記』を出版した。 この著作は本質的な証言であり、ここでクラストルはほんの些細なグアヤキたちの慣行や言葉や思考にも、限りない精密さで観察の眼を向け、それらについて詳述している。 著者はグアヤキたちの振る舞いや思想と文字通り相互浸透しながら、この部族と親密に交流したのである。
ピエール・クラストルは一九七七年に事故で亡くなった。 彼はわれわれの時代の魅力的な研究者の一人でわり続けるだろう。 政治人類学という観点で、彼は民族学に専念し、それを表現したのである」
毬藻/充(まりも・みつる)
1950年生まれ。現在、同志社大学で哲学講義担当。龍谷大学ほかでヨーロッパ・フランス文化論系の講義を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
第一章 誕生 7
第二章 二つの平和条約について 53
第三章 逆方向に 89
第四章 大人 142
第五章 女性たち、蜜蜂、戦争 192
第六章 殺害 241
第七章 同性愛者の生と死 286
第八章 食人種 325
第九章 終末 369
議論と批評 375
訳者あとがき 408
挿絵一覧表 416
テーマ索引 i
名前と場所の索引 xx
■「議論と批評」より(本書に対する反響)
国家のない
古典的人類学は、国家のない社会と国家によって統制された社会とを対立させる。 国家がなければ社会は欠如の状態にあり、歴史の周辺部に引きこもり、権力を知らないであろうし、 そうした社会は惨めな生存経済でくたくたになっているだろう、というわけである。 「未開」社会という名前はここに由来する。 それは生産の発展にもとづくわれわれの歴史的社会に対立して用いられているのである。 この貧弱な分析のなかに、ピエール・クラストルは一世代の研究者たちが抱いていたあらゆる政治的、哲学的偏見を読み取り、この分析に対して彼は、理論を正当化する代わりに 事実を研究することで決定的に反論するのである。 未開社会は権力について何でも知っているのであり、彼らの組織全体はこのような分析とは逆のことを示している。 その社会は最初の豊かな社会、余暇の社会であり、不平等、奴隷状態、社会の分化―ここから国家は生じる―をもたらす余剰の財を避けるために、 「熟慮して」労働を制限しているのである。 未開社会は国家に抗する社会である。
グザウィエ・デルクール、『ル・モンド』、一九七七年八月五日
■一言:
わかりにくいが、極めて重要な事実を指摘した本
■書評:
るびりん書林 別館
ピエール クラストル (著), Pierre Clastres (原著), 毬藻 充 (翻訳)
単行本: 440ページ
出版社: 現代企画室 (2007/01)
■商品の紹介
内容
権威を根底から拒否し、権力の絶対的否定を表明する集団
南米パラグアイの熱帯森林に生きるグアヤキ(自称は「人間」を意味するアチェ)民族は、南米先住民の中では例外的なことに、遊動の狩人・採集民である。
フランスの民族学研究者ピエール・クラストルは一九六三年、グアヤキの宿営区に入り、一年間生活を共にする。
性愛、出産、狩猟、食、住居、用具などにまつわる日常生活の仔細な観察、微苦笑を誘わずにはいない子どもたちや若い女性たちとの交流に始まる叙述は、
次第にその神話世界、「征服」以降の歴史過程、食人習慣の分析へと展開する。
伝統的な「未開」社会観を根底から覆すだけの衝撃力を秘めた、クラストル初のこの仕事は、やがて「国家に抗する社会」論へと飛躍していく。
権力の拒否、無益な過剰の拒否など、グアヤキ社会の自律的な原理は、現代の私たちに何を語りかけるだろうか。
著者について
「訳者あとがき」に記された、原著の紹介文の翻訳より)
「ピエール・クラストルは一九三四年に生まれ、パリで哲学を研究した後、民族学に向かった。
数年間をパラグアイのさまざまなインディオの部族―グアヤキ、グアラニ、チャコのアシュルスレー―で過ごし、一時期サンパウロで教鞭をとった後、 アマゾンのベネズエラ領に居住するヤノマミのもとに滞在した。
フランスに帰国して国立科学研究センター研究員、コレージュ・ド・フランス社会人類学研究所(クロード・レヴィ=ストロース主宰)の研究員になった。
この著者にとっては、民族学者はみずからの研究の編纂者や未開社会文化の記録保管者ではなく、政治思想家である。
グアヤキのもとに滞在した体験をもとに、彼は賞賛すべき著者『グアヤキ・インディオの年代記』を出版した。 この著作は本質的な証言であり、ここでクラストルはほんの些細なグアヤキたちの慣行や言葉や思考にも、限りない精密さで観察の眼を向け、それらについて詳述している。 著者はグアヤキたちの振る舞いや思想と文字通り相互浸透しながら、この部族と親密に交流したのである。
ピエール・クラストルは一九七七年に事故で亡くなった。 彼はわれわれの時代の魅力的な研究者の一人でわり続けるだろう。 政治人類学という観点で、彼は民族学に専念し、それを表現したのである」
毬藻/充(まりも・みつる)
1950年生まれ。現在、同志社大学で哲学講義担当。龍谷大学ほかでヨーロッパ・フランス文化論系の講義を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
第一章 誕生 7
第二章 二つの平和条約について 53
第三章 逆方向に 89
第四章 大人 142
第五章 女性たち、蜜蜂、戦争 192
第六章 殺害 241
第七章 同性愛者の生と死 286
第八章 食人種 325
第九章 終末 369
議論と批評 375
訳者あとがき 408
挿絵一覧表 416
テーマ索引 i
名前と場所の索引 xx
■「議論と批評」より(本書に対する反響)
国家のない
古典的人類学は、国家のない社会と国家によって統制された社会とを対立させる。 国家がなければ社会は欠如の状態にあり、歴史の周辺部に引きこもり、権力を知らないであろうし、 そうした社会は惨めな生存経済でくたくたになっているだろう、というわけである。 「未開」社会という名前はここに由来する。 それは生産の発展にもとづくわれわれの歴史的社会に対立して用いられているのである。 この貧弱な分析のなかに、ピエール・クラストルは一世代の研究者たちが抱いていたあらゆる政治的、哲学的偏見を読み取り、この分析に対して彼は、理論を正当化する代わりに 事実を研究することで決定的に反論するのである。 未開社会は権力について何でも知っているのであり、彼らの組織全体はこのような分析とは逆のことを示している。 その社会は最初の豊かな社会、余暇の社会であり、不平等、奴隷状態、社会の分化―ここから国家は生じる―をもたらす余剰の財を避けるために、 「熟慮して」労働を制限しているのである。 未開社会は国家に抗する社会である。
グザウィエ・デルクール、『ル・モンド』、一九七七年八月五日
■一言:
わかりにくいが、極めて重要な事実を指摘した本
■書評:
るびりん書林 別館
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