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◎■千島学説入門―生命発生からガン治療まで■2015年05月12日 17:19

■赤血球が細胞になる、細胞の死が生命を生む、血液は腸で作られる、ガンは血球に由来する
→血液の浄化こそ健康の根本


忰山 紀一 (著)
単行本: 253ページ
出版社: 地湧社 (1983/09)

■目次
まえがき 1
プロローグ
科学史は迫害の歴史か 14
エネルギー保存の法則の発見者 15
三十五年間埋もれていたメンデルの法則 19
赤血球分化説の発見 23
審査を拒否された学位請求論文 28

第一章 生命の自然発生をめぐって
ギリシア時代の自然発生説 36
スパランツァニイ対ニーダムの論争 38
偉大なるパスツールの登場 39
オパーリンの新しい自然発生説の誕生 42
千島喜久男のバクテリア自然発生説 45
千島のパスツール実験追試 47
パスツールの実験のトリック 49
千島喜久男とオパーリンの出会い 53
オパーリン学説への千島批判 57
  生命(Life)と生物(Organism)についての概念の混乱/生物進化の段階と
  進化方向の波動と螺旋性/"猿から人間へ"のたとえ話/生命は管制している
  いるから、今日はでもはや発生しないという考え方


第二章 細胞概念とその諸原理について
生物の基礎単位である細胞とは何か 66
細胞の起原をめぐって 69   シュライデンとシュワン/ヘッケルのモネラ説/細胞分裂説の登場/ウィル
  ヒョウの学説

レペシンスカヤ学説の登場 77
誤解を受けた千島の細胞新生説 79
レペシンスカヤ説と千島説の違い 81
細胞新生説に対する批判 82
細胞の分裂像について 84
細胞分裂説の盲点 89
  級数的細胞分裂について/脳細胞ば分裂しないという矛盾/卵細胞も分裂し
  ない/骨髄は脂肪で充満されている/死は生の契機である/バクテリアが二
  分法で増殖するのを見たものはいない/細胞分裂説は前成説に通ずる

細胞はAFD現象によって自然発生する 97

第三章 血球の起原とその運命について
赤い血潮は生命の本体 102
オリエント医学も血液が中心 104
血液を神聖視するキリスト教 105
アーユルヴェーダは生命の学問 107
全体を重視した古代中国の医学 109
見直すべき日本の漢方医学 111
東洋医学に学ぶべきもの 113
古代のギリシア医学と血液 116
医聖ヒポクラテスの医学 118
ハーヴェイの血液循環説 120
ハーヴェイ以後の血液学 122
現代の血液学への推移 125
再びレペシンスカヤの登場 127
もう一人の発見者 130
毛細管は開放型である 133
血液の行方とその運命 138

第四章 血球の可逆性と造血について
細胞分裂像とガン腫 142
血球の逆分化という新説 144
第一次造血場所の探求 148
骨髄造血説の盲点 151
  矛盾に充ちた赤血球の成熟過程/骨髄造血説の不可解な実験/分裂しない赤
  芽球/手足の長骨を失っても生きられる


第五章 遺伝学・進化論の盲点をめぐって
遺伝と環境について 158
ルイセンコの植物の育種についての学説 160
ルイセンコ学説論争の結末 163
現代遺伝学は片肺飛行 169
メンデルの法則はエンドウの法則 171
赤血球と遺伝質の関係 176
生殖細胞は血液から 178
それでも盲点のあるダーウィンの進化論 179
"共生"こそ進化の最大の要因 183

第六章 生命の波動と螺旋性について
未完に終わった生命弁証法 190
科学的方法論について 195
現代科学は万物流転を無視 201
量の蓄積による質的変換 202
部分と全体の問題とAFD現象 207
生物が保有している生物的半面と無生物的半面 210
エントロピーの法則に対する疑問 216
生命現象は波動と螺旋運動である 220
パリティー保存の法則の否定 224
千島進化論と共生思想 227

エピローグ
血液の浄化こそ健康の根本 232
ガンの血液由来説 236
ガンの自然治癒を臨床的に実証する加藤式療法 239
加藤式療法と千島学説 241
輸血禍の問題と血液代用液 243
レーリィ現象と伝染病の概念 244
東洋医学への回帰 248
千島学説は百年後の学説か 252

あとがき 254

■「まえがき」から
  そして、どうやら人類は自らの手で自らを滅ぼす道に踏み出したように見えます。 何故そうなったのかといえば、それは私たちが精神分化を軽視して、経済を重んじる方向に走ったからです。 これは政治家が悪いからだとか、教育者が無能であるからだとか、誰かに責任を押しつける問題ではなく、 今日の人間の一般的傾向性のなかに潜んでいる問題です。 つまり、ネズミが集団で水に没したという事例が示したように、人類全体が水際に向かって走り出しはじめているのではないかということです。
  私たちの生命を脅かしているさまざまな問題に対して、識者はいろんな提案を出しています。 正しい議論もあれば、単に代替的なものもあります。 人類がこの危機を乗り越えるには、現状の部分修正ではもはや間に合わないといえます。根本を変えるということです。 根本を変えるということは、私たちが今までの考えを捨て、新しい哲学をもつということです。
  そのひとつの指針として、私は"千島学説"の採用を提案します。
  千島喜久男教授は、世界的な生物学者であると共に、哲学者でもありました。科学する人であるとともに哲学する人だったのです。 千島学説は、現代生物学(科学)にことごとく反対しています。いわゆる部分修正の学説体系ではありません。
  現代生物学、医学、農学の基礎は、
  1、漸進的変異による進化の否定
  2、獲得性遺伝の否定
  3、生殖細胞の体細胞由来説の否定
  4、生命自然発生説の否定
  5、細胞新生説の否定
  異常の五大否定論から成り立っていて、それが学界に君臨しています。
  しかし、千島教授は否定の否定、すなわち五大否定論をことごとく否定する側にまわったのです。 これはどういうことはといいますと、現代科学は間違った基礎の上に立っている幻の楼閣だというのです。 教授は観念論で現代科学を批判したのではなく、その事実を証明して見せてくれています。
  千島学説は、異端の説として学界ではタブーになっています。何故タブーになっているかといえば、 それを認めれば既成の生物学、医学は、教科書の第一ページから書き直さなければならなくなるからです。 そして、既成学者たちの現在の研究は、理論的根拠を失い大半が無に帰するからです。
  異端の説として、知的好奇心からこの書を読まれる読者もおられることと思います。 それは著者としても異論はありません。千島学説は、考える科学という十九世紀的な愉しさがあり、 科学が決して専門化の独占物ではなく、私たちの身近かなものであると教えてくれているからです。
  しかし、著者は本書を異端の書として書いたのでは決してありません。 千島学説には、現代が直面している危機に対して、私たちはどう対処すればよいか、その知恵が示されており、それを紹介したかったのです。
  本書を上梓するのに七年余の歳月を費やしました。専門外である一無名作家の仕事として、いささか荷がかち過ぎたきらいはあります。 でも、ここに千島学説の最初の入門書が成ったことは、感慨無量なのです。

  一九八三年六月十二日 高槻玉川橋団地の自室にて・著者

■一言:
食べたものが血となり肉となるという言葉を裏付ける腸造血と赤血球分化説。

■書評:
るびりん書林 別館

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