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△■ボルネオ 熱帯雨林 ペナン族──失われる環境と人間 ― 2015年05月05日 08:24
ボルネオ島に400人未満しか残っていない、非定住生活を送るペナン族の生活と、熱帯雨林の破壊
秋元 健治 (著)
単行本(ソフトカバー): 152ページ
出版社: 第一書林 (1997/10/1)
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
最後の密林の狩人。森林が刈り尽くされたあとに何がやってくるか。「近代社会による収奪」のなかで生きる先住民族を描く。
内容(「MARC」データベースより)
森林が伐採され尽くしたあとに何がやってくるか。ボルネオ島で生活の糧を森林に大きく依存する狩猟採取生活を営むペナン族と、近代化や開発の名のもとに行われる森林伐採の問題を描く。
■目次
はじめに
プロローグ―人間と自然の原点へ 11
第I章 ボルネオ島の自然と社会 15
1 熱帯雨林の豊かな自然 15
2 政治社会的な背景 18
3 先住民族 19
第II章 熱帯雨林のペナン族 23
1 ペナン族とは 23
2 神秘的世界観 29
3 非定住生活 41
4 狩猟と採取 45
5 生活文化 53
第III章 破壊される熱帯雨林 59
1 ボルネオ島の森林伐採 59
2 マレーシアの木材産業 62
3 森林政策と利権集団 66
4 伐採労働者の労働環境 72
5 海外からの非難 83
6 ブルーノ・マンサー 86
第IV章 抵抗する先住民族 93
1 連邦政府への「直訴」 93
2 林道封鎖 97
3 先住民族の焼畑農業 101
4 無視される先住民族 108
第V章 森は誰のものか 117
1 先住民族の権利 117
2 森林伐採免許 120
第VI章 変わりゆく森の住人 125
1 定住生活と農業 125
2 「迷信」からの解放 130
3 ペナン族の未来へ 134
エピローグ―環境と人間 139
参考文献一覧
■プロローグ(最初の段落と最後の段落を引用)
私たちの祖先は、今から五〇〇世代前ものはるか遠い昔、現在とは非常に異なった生活様式、つまり狩猟と採取に完全に依存する生活をおくっていた。それはいくつかの大河下流に古代農耕文明が芽ばえ、国家の形成がなされ人類の歴史が刻まれるよりもかなり以前のことである。人類の歴史の流れは一八世紀後半まで比較的ゆるやかであったが、産業革命を境として人間は人口とその活動範囲において急激に拡大することになる。地球上の資源が有限であるなどという認識をまったく欠如させたまま、辺境を切りひらき、圧倒的な強さを持つ自然に挑戦する時代が到来した。そうした延長上に位置する今日の物質文明は、経済社会が発達してきた過去二〇〇年たらずのあいだに成立したにすぎない。人類の長大な歴史のなかで、このほんの短期間に地球環境が失ったかけがえのないものはあまりにも大きい。
(中略)
近代化や開発が、国家の名において土着の先住民族の生活基盤を収奪してきた歴史は、まさしく自然環境の破壊の歴史でもあった。すでに荒廃のいちじるしい地球環境が、短期的な利益のためになおも安易に犠牲にされる。この種の利益はその国全体に経済効果、福利厚生を与えながらも、政治家や企業家を中心とする一部の集団の蓄財に寄与することが多く、国内問題にとどまらず、またその国の内政干渉にあたるといって、われわれが軽視できることではない。途上国における富の分配の不均衡を是正し、資源収奪型の開発をあらためることが、途上国の持続的な発展と地球規模の環境保全の両方にとって必要とされる。また先進諸国においても、環境問題に関して、自国内で立地が許されないような公害産業を輸出しない、汚染物資を国外の海洋などに投棄しない、乱開発や人権侵害を助長するような開発援助をしない、などの地球的視点からの取り組みがなされる必要がある。
■お勧めポイント
ボルネオの狩猟採集民というあまり情報のない民族に関する本である点が貴重。
■一言
アフリカの狩猟採集民ピグミーは農耕文明の脇で文明と触れながら狩猟採集生活を続けてきており、あえて狩猟採集生活を選んでいることは、狩猟採集生活が劣った滅びゆく存在ではないことを示している。また、歴史を表層でとらえており提案内容は常識の範囲を出ないように思われる点は残念である。
■書評
るびりん書林
秋元 健治 (著)
単行本(ソフトカバー): 152ページ
出版社: 第一書林 (1997/10/1)
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
最後の密林の狩人。森林が刈り尽くされたあとに何がやってくるか。「近代社会による収奪」のなかで生きる先住民族を描く。
内容(「MARC」データベースより)
森林が伐採され尽くしたあとに何がやってくるか。ボルネオ島で生活の糧を森林に大きく依存する狩猟採取生活を営むペナン族と、近代化や開発の名のもとに行われる森林伐採の問題を描く。
■目次
はじめに
プロローグ―人間と自然の原点へ 11
第I章 ボルネオ島の自然と社会 15
1 熱帯雨林の豊かな自然 15
2 政治社会的な背景 18
3 先住民族 19
第II章 熱帯雨林のペナン族 23
1 ペナン族とは 23
2 神秘的世界観 29
3 非定住生活 41
4 狩猟と採取 45
5 生活文化 53
第III章 破壊される熱帯雨林 59
1 ボルネオ島の森林伐採 59
2 マレーシアの木材産業 62
3 森林政策と利権集団 66
4 伐採労働者の労働環境 72
5 海外からの非難 83
6 ブルーノ・マンサー 86
第IV章 抵抗する先住民族 93
1 連邦政府への「直訴」 93
2 林道封鎖 97
3 先住民族の焼畑農業 101
4 無視される先住民族 108
第V章 森は誰のものか 117
1 先住民族の権利 117
2 森林伐採免許 120
第VI章 変わりゆく森の住人 125
1 定住生活と農業 125
2 「迷信」からの解放 130
3 ペナン族の未来へ 134
エピローグ―環境と人間 139
参考文献一覧
■プロローグ(最初の段落と最後の段落を引用)
私たちの祖先は、今から五〇〇世代前ものはるか遠い昔、現在とは非常に異なった生活様式、つまり狩猟と採取に完全に依存する生活をおくっていた。それはいくつかの大河下流に古代農耕文明が芽ばえ、国家の形成がなされ人類の歴史が刻まれるよりもかなり以前のことである。人類の歴史の流れは一八世紀後半まで比較的ゆるやかであったが、産業革命を境として人間は人口とその活動範囲において急激に拡大することになる。地球上の資源が有限であるなどという認識をまったく欠如させたまま、辺境を切りひらき、圧倒的な強さを持つ自然に挑戦する時代が到来した。そうした延長上に位置する今日の物質文明は、経済社会が発達してきた過去二〇〇年たらずのあいだに成立したにすぎない。人類の長大な歴史のなかで、このほんの短期間に地球環境が失ったかけがえのないものはあまりにも大きい。
(中略)
近代化や開発が、国家の名において土着の先住民族の生活基盤を収奪してきた歴史は、まさしく自然環境の破壊の歴史でもあった。すでに荒廃のいちじるしい地球環境が、短期的な利益のためになおも安易に犠牲にされる。この種の利益はその国全体に経済効果、福利厚生を与えながらも、政治家や企業家を中心とする一部の集団の蓄財に寄与することが多く、国内問題にとどまらず、またその国の内政干渉にあたるといって、われわれが軽視できることではない。途上国における富の分配の不均衡を是正し、資源収奪型の開発をあらためることが、途上国の持続的な発展と地球規模の環境保全の両方にとって必要とされる。また先進諸国においても、環境問題に関して、自国内で立地が許されないような公害産業を輸出しない、汚染物資を国外の海洋などに投棄しない、乱開発や人権侵害を助長するような開発援助をしない、などの地球的視点からの取り組みがなされる必要がある。
■お勧めポイント
ボルネオの狩猟採集民というあまり情報のない民族に関する本である点が貴重。
■一言
アフリカの狩猟採集民ピグミーは農耕文明の脇で文明と触れながら狩猟採集生活を続けてきており、あえて狩猟採集生活を選んでいることは、狩猟採集生活が劣った滅びゆく存在ではないことを示している。また、歴史を表層でとらえており提案内容は常識の範囲を出ないように思われる点は残念である。
■書評
るびりん書林
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