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○●おきなわ歴史物語 (1984年) (おきなわ文庫〈16〉)●2015年05月10日 12:00

メインストリートとは別の人々の顔


高良倉吉(著)
発行所: ひるぎ社
1984年7月15日初版発行
163ページ

内容・著者紹介(同書より)
内容
姿勢を正して読む歴史ではなく、くつろいだ気分で、おしゃべりでも楽しむように語り合うことのできる歴史を本書は提供する。近世古文書の中に人知れず眠りつづける歴史を揺り動かし、先人たちの自在な足跡とその多様な表情を示してくれる。この本を手にした時、私たちが親しんできた歴史は「歴史のメインストリート」でしかなかったことに、あらためて気づかされるだろう。歴史を生きた人々の「顔」は実に多彩である。―そのことを、今、つくづく思い知らされる。
著者
高良倉吉(たからくらよし)
1947(昭和22)年10月伊是名村生まれ
1971(昭和46)年3月愛知教育大学卒業後、
京都大学文学部国史学研究室に研究生(国史学専攻)として学ぶ
1973(昭和48)年4月 沖縄県沖縄史料編集所に入り、現在同署の専門員
専攻 歴史学(琉球史)

著書
沖縄歴史序説(三一書房、1980年)
琉球の時代(筑摩書房、1980年)
沖縄歴史への視点(沖縄タイムス社、1981年)
御教条の世界(ひるぎ社、1982年)

■目次
第I部 知られざる歴史の表情
第1話 遊女から愛する男への手紙 11
第2話 流人たちの素顔 19
第3話 久部良割り伝説の背景 27
第4話 中国に渡る密貿易船 35
第5話 人魚と王様 44
第6話 尚寧王の「遺言」 52
第7話 思想としてのユタ問題 60
第8話 牧志朝忠とロシア艦隊 75
第9話 アメリカ水兵の暴行事件 91

第II部 知られざる人物の表情
第10話 改革者の心意気(向象賢) 101
第11話 「日琉同祖論」のねらい(向象賢) 107
第12話 老政治家の回想(蔡温) 113
第13話 名護遷都論のなぞ(蔡温) 119
第14話 誤解された「弾圧者」(小禄親雲上良宗) 125
第15話 島役人への遠い道(チャモ洲鎌) 131
第16話 ある経済振興論(無名者たちの答案) 137
第17話 幕末のコスモポリタン(真栄平房昭) 143
第18話 女と男のいる風景(マカとタラ玉城) 149
第19話 無名者たちの死(神谷と知念) 155
あとがき 161

■「あとがき」(一部分)
話題は近世琉球の古文書や史料から入手した。そして、これまでの歴史書では全くお目にかかる機会の少ないエピソードを中心に集め、しかも、つとめて名もなき人々を優先的にとりあつかうよう配慮したつもりである。その結果、本書は「近世琉球における無名者たちの知られざるこぼれ話集」となってしまったわけだが、このような仕事もまた沖縄歴史とそれをつくりあげた人々の足跡を知るうえで必要なのではないかと思い、あえて一書にまとめたしだいである。歴史の広がり、表情の多様さを身近に感じていただければばぼくの目的は達せられたも同じである。
仕事柄、恰好をつけた小むずかしい論文を書くのも商売のうちであるが、しかし、ぼくはおしゃべりが好きだし、さまざまな友人・先輩たちと好奇心にまかせて談論風発表を楽しむことにエネルギーを費やしたい。スポーツで汗を流すのも気に入っているし、さまざまな土地を旅することも本職の一つと心得ている。不遜かもしれないが、歴史も、そんな自由な気持で楽しみたいのである。歴史家である前に歴史愛好家でありたいし、歴史愛好家である前に人間社会の喜怒哀楽の中に身をおく「生活者」でありたいと思う。そこから歴史なるものを方法として自分の側に置くことができればそれでいい。

■一言:
ここにあるように、「歴史のメインストリート」でも、為政者に好都合な 歴史でもない、人々の顔を伝える内容となっているようです。

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