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×●ある森林インディアンの物語●2015年05月20日 09:11

一神教に屈したインディアンの話


ポール ラディン (著), 滝川 秀子 (翻訳)
単行本: 222ページ
出版社: 思索社; 〔新装版〕版 (1991/08)

内容:アメリカ先住民はヨーロッパアメリカ人に何を贈ったのだろうか?土地、バッファローの毛皮、勇気、神話、自然保護、つつましやかさ、沈黙。いづれにしてもアメリカ国家の創成の秘密は森林・平原インディアンとの出会いの中にある。アメリカ人の明るさ、天真らんまんさはむしろ彼らから学んだのではないか?算奪者であり文明の伝導者である白人たちとの出会いと決して奪われることのない魂のあり方を自分と父親の物語の中に託する。

■はじめに(各段落冒頭部分)
  未開社会に生きる民族を研究する際の最大の難関n一つは、彼らが内側から見た自分たちの文化について彼らの口から、しかも自ら進んで語ってもらうことである。(後略)
  こうした障害の多くは、調査者がその部族の一員になってしまうことによって解消することもできようが、これはまず無理な話だろう。(後略)
  長い間、民族学者たちは自分たちの記述に「雰囲気」が欠けているのは実に重大かつ根本的な欠陥だということ、そしてその欠陥をうまく埋めるにはその土地の人物に自らの文化について語らせることだ、と自覚してきた。(後略)
  筆者はこうした自伝をウィネバゴ族のアメリカ・インディアンから得て、一九一三年に「アメリカ民俗学誌」(the Journal of American Folk-Lore)第二六巻に発表した。この最初の自伝に対する反響のおかげで、筆者は更にこの方面に努力を注ぐことになった。第二の自伝の目的は、ある傑出した人物から自伝風の詳細な話を得ることではなく、ふつうの能力を持った典型的な中年期の人物に、彼が育った社会集団とのつながりにおいて自分の障害を語ってもらうことであった。筆者は一連の好運な事情に恵まれて、ウィネバゴ族のある非常に有名な家族の一人から、やや長めの自伝を手にいれることが出来た。ここに紹介するのがその話である。このインディアンは、先にあげた第一の自伝を書いたウィネバゴ族の人物の弟に当たる。(後略)
  自伝そのものは第一部で終わる。第二部は、ウィネバゴ族に伝えられる人生のしつけの体系をおさめたもので、それだけで独立した単位を構成している。(後略)
  個々の見出しは筆者がつけ加えた。説明を要すると思われることはすべて原注に入れておいた。

■目次
はじめに ポール・ラディン 1
第一部 わたしの生涯の物語 7
1 幼年時代 9
2 思春期の頃 12
3 断食 14
4 少年時代の思い出 20
5 求婚 22
6 義兄とその断食体験 27
7 ウォー・バンドル(戦いの包み)の祭 28
8 放浪と狩り 32
9 大おじの養子になること 34
10 メデシン・ダンス入会 36
11 結婚 42
12 ショーの一座と共に 45
13 放とう 48
14 兄の死 50
15 飲酒にふけること 51
16 自慢と祝福 53
17 にせの祝福の効き目 54
18 サーカスと共に 56
19 放とうの続き 63
20 わたしがポタワトミのクーをとること 66
21 ネブラスカへの旅 70
22 女とけんかすること 74
23 錯乱状態になり不思議なものを見ること 75
24 逮捕されて自白したこと 77
25 殺されたポタワトミ族の男の性格 82
26 刑務所暮らしと裁判 84
27 刑務所からの釈放 87
28 ペヨーテとの最初の出会い 89
29 ペヨーテを食べること 94
30 ペヨーテの効き目 99
31 わたしが改宗すること 102
32 創造主(神)および幻を見ること 104
33 改宗の結果のつづき 107
34 不思議な体験をしたこと 113
35 おわりに
第二部 わたしの父が教えてくれたこと 119
1 断食の教訓 121
2 社会的立場およびメデシンの価値に関する教訓 125
3 結婚に関する教訓 135
4 女性のための教訓 140
5 老人から知識を得る方法 147
原注 151
訳者あとがき 207
この本について 原ひろ子 216(実際は218)

■一言:
断食のすすめがピダハンと共通
キリスト教に改宗して過去を否定しており、まったく残念です

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