独自の視点で本を選んで紹介しています。
「Amazon.co.jpアソシエイト」
aroha.asablo.jp/内をGoogle.comで検索します
「Amazon.co.jpアソシエイト」
○■一万年前 気候大変動による食糧革命、そして文明誕生へ ― 2015年05月08日 22:06
定説を覆し、今の文明を生んだ農耕が人類史上初めての経験であるという重要な点を指摘した良書
安田喜憲 (著)
単行本: 280ページ
出版社: イースト・プレス (2014/1/22)
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
湖の底に静かに堆積し、長い年月をかけて美しい縞模様を刻んできた「年縞」、それは地球の記憶そのものだった。 過去の標準時計として、世界から認められた日本の年縞が、次々と新たな事実を明らかにしていく。危機の時代を生き抜いた生存戦略とは―「年縞環境史学」が解き明かす人類史の謎。
著者について
安田喜憲(ヤスダヨシノリ)
1946年、三重県生まれ。東北大学大学院理学研究科博士課程退学。理学博士。国際日本文化研究センター名誉教授。東北大学大学院環境科学研究科教授
2007(平成19)年紫綬褒章受章。気候変動と人類の生活・歴史の関係を科学的に解明する「環境考古学」の確立者。 著作に、『山は市場原理と闘っている』(東洋経済新報社、2009年)、『稲作漁撈文明』(雄山閣、2009年)『生命文明の世紀へ』(第三文明社、2008年)、 『環境考古学事始』(洋泉社、2007年)、『一神教の闇』(筑摩書房、2006年)『気候変動の文明史』(NTT出版、2004年)など多数
■目次
はじめに―一万年という尺度で地球を読み解く 4
第1章 「年縞」という画期的な年代測定法の発見 11
第2章 大洪水・高潮・暴風雨・豪雪・気候第変動の時代 55
第3章 土器と稲作がもたらした一万年という時間 129
第4章 麦作と牧畜から始まる破壊の歴史 161
第5章 縄文土器から生まれた心 187
第6章 危機を乗り越える縄文人の知恵 211
第7章 生命文明の時代へ 247
第8章 日本が立ち上がるために 261
おわりに―日本が世界から注目を集めるとき 269
年縞の研究を支えていくふたりの研究者より 北川浩之/中川毅 274
■「はじめに」の「これまでの歴史学の限界を超える」より
日本が近代西洋文明に肩を並べようとしていた明治ごろの歴史学は、近代以降を知っておけばことたりるものだった。それは川勝平太氏が『資本主義は海洋アジアから』 のなかで指摘したことである。歴史学者の内藤湖南氏は、「今日の日本を知るために日本の歴史を研究するには、古代の歴史を研究する必要は殆どありませぬ。応仁の乱 以後の歴史を知っておられたらそれでたくさん」と記していた。
明治以降、西洋から導入された歴史学が、なぜ、近代以降の研究に主眼をおいたのか。その理由は、先ほどの内藤湖南氏の一文を見れば明らかである。 日本の歴史学が近代西洋文明に追いつき、それを追い越すための一助たらんとする役割を担っていたからである。
ところが、二一世紀、近代西洋文明が生み出した金融資本主義の世界には、実質経済と乖離した金融中心の市場原理主義が横行し、格差社会が出現した。 未来を担う若者の生活は困窮し、おまけに、自然支配の文明は、地球環境を激しく破壊している。 近代西洋文明が生み出した「力と闘争の文明」は、多くの問題をかかえるようになった。 その延長戦上で起こったのが、東日本大震災と原子力発電所の事故だった。
この事故は、明治以降における歴史学の時間軸の限界をも、暴露することになった。
地震学者や電力会社の担当者が最初に口にした言葉は「想定外」だった。 近代以降を対象とする彼らの歴史の時間軸では、マグニチュード九の地震は存在しえなかった。 しかし、二〇一一年からさかのぼること一一四二年前、西暦八六九年には、同クラスの「貞観地震」がすでに起きていたのだ。
■一言:
せめて一万年の時間を考えなければ、現在人類が直面しているさまざまな問題は解決できない。
西洋文明は森林を破壊しては場所を移して存続してきたが、ついに地球上から森林がなくなろうとしている。
文明と森は共存できるのかどうかを考えてみたい。
■書評:
るびりん書林 別館
安田喜憲 (著)
単行本: 280ページ
出版社: イースト・プレス (2014/1/22)
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
湖の底に静かに堆積し、長い年月をかけて美しい縞模様を刻んできた「年縞」、それは地球の記憶そのものだった。 過去の標準時計として、世界から認められた日本の年縞が、次々と新たな事実を明らかにしていく。危機の時代を生き抜いた生存戦略とは―「年縞環境史学」が解き明かす人類史の謎。
著者について
安田喜憲(ヤスダヨシノリ)
1946年、三重県生まれ。東北大学大学院理学研究科博士課程退学。理学博士。国際日本文化研究センター名誉教授。東北大学大学院環境科学研究科教授
2007(平成19)年紫綬褒章受章。気候変動と人類の生活・歴史の関係を科学的に解明する「環境考古学」の確立者。 著作に、『山は市場原理と闘っている』(東洋経済新報社、2009年)、『稲作漁撈文明』(雄山閣、2009年)『生命文明の世紀へ』(第三文明社、2008年)、 『環境考古学事始』(洋泉社、2007年)、『一神教の闇』(筑摩書房、2006年)『気候変動の文明史』(NTT出版、2004年)など多数
■目次
はじめに―一万年という尺度で地球を読み解く 4
第1章 「年縞」という画期的な年代測定法の発見 11
第2章 大洪水・高潮・暴風雨・豪雪・気候第変動の時代 55
第3章 土器と稲作がもたらした一万年という時間 129
第4章 麦作と牧畜から始まる破壊の歴史 161
第5章 縄文土器から生まれた心 187
第6章 危機を乗り越える縄文人の知恵 211
第7章 生命文明の時代へ 247
第8章 日本が立ち上がるために 261
おわりに―日本が世界から注目を集めるとき 269
年縞の研究を支えていくふたりの研究者より 北川浩之/中川毅 274
■「はじめに」の「これまでの歴史学の限界を超える」より
日本が近代西洋文明に肩を並べようとしていた明治ごろの歴史学は、近代以降を知っておけばことたりるものだった。それは川勝平太氏が『資本主義は海洋アジアから』 のなかで指摘したことである。歴史学者の内藤湖南氏は、「今日の日本を知るために日本の歴史を研究するには、古代の歴史を研究する必要は殆どありませぬ。応仁の乱 以後の歴史を知っておられたらそれでたくさん」と記していた。
明治以降、西洋から導入された歴史学が、なぜ、近代以降の研究に主眼をおいたのか。その理由は、先ほどの内藤湖南氏の一文を見れば明らかである。 日本の歴史学が近代西洋文明に追いつき、それを追い越すための一助たらんとする役割を担っていたからである。
ところが、二一世紀、近代西洋文明が生み出した金融資本主義の世界には、実質経済と乖離した金融中心の市場原理主義が横行し、格差社会が出現した。 未来を担う若者の生活は困窮し、おまけに、自然支配の文明は、地球環境を激しく破壊している。 近代西洋文明が生み出した「力と闘争の文明」は、多くの問題をかかえるようになった。 その延長戦上で起こったのが、東日本大震災と原子力発電所の事故だった。
この事故は、明治以降における歴史学の時間軸の限界をも、暴露することになった。
地震学者や電力会社の担当者が最初に口にした言葉は「想定外」だった。 近代以降を対象とする彼らの歴史の時間軸では、マグニチュード九の地震は存在しえなかった。 しかし、二〇一一年からさかのぼること一一四二年前、西暦八六九年には、同クラスの「貞観地震」がすでに起きていたのだ。
■一言:
せめて一万年の時間を考えなければ、現在人類が直面しているさまざまな問題は解決できない。
西洋文明は森林を破壊しては場所を移して存続してきたが、ついに地球上から森林がなくなろうとしている。
文明と森は共存できるのかどうかを考えてみたい。
■書評:
るびりん書林 別館
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://aroha.asablo.jp/blog/2015/05/08/7629938/tb
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。