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○■家庭における実際的看護の秘訣 増補新訂版■2015年09月27日 14:29

漢方を中心に民間療法、灸、カイロプラクティックなどまで網羅してかつて一家に一冊常備されていた「赤本」


築田 多吉 (著)
発行所: 研数広文館
1996年11月24日増補新訂版発行
964ページ

■内容の紹介(築田三樹園社Webサイトより)
大正14年(1925)2月に初めて上梓され、以来、千六百十九版(現代語版)を重ね、現在では累計部数は1000万部を優に超えている、超ベストセラーです。 赤本「家庭に於ける実際的看護の秘訣」著者築田多吉 先生 正式名称を「家庭に於ける実際的看護の秘訣」といい、表紙が真っ赤なところから「赤本」と呼ばれるようになりました。 この「赤本」の著書:築田多吉(つくだたきち)は元、日本海軍の看護特務大尉でした。多吉の軍での仕事は多くの傷病兵やその家族を看病し手当てすることでした。 また彼らから故郷に伝わる民間療法の話を聞くうちに民間療法への関心を深め自ら全国を訪ね歩いて、研究、収集し、それぞれの地域に昔から伝わる漢方薬や和漢薬の薬草類、現在でも良く知られている指圧療法、青汁療法、灸、カイロプラクティク、断食療法などを「赤本」で紹介しました。梅肉エキス、卵油の作り方も「赤本」により広めました。当初、「赤本」は海軍関係者のみに配布されていた本であったそうですが、徐々に評 判が評判を呼び、戦前の家庭には「一家に一冊」の大ベストセラーになりました。
現在の世の中にも通用する治療法がたくさん載っており、ご自身の 健康のため実践されている方が、数多くいらっしゃいます。また、 歴史書・哲学書として読まれる方もいらっしゃいます。「赤本」の 著書:築田多吉(つくだたきち)は赤本に書いた健康法を自ら実践 し結核を治し、当時としては長寿である86歳で天寿を全うしました。

■「本書の内容」から
第一 本書はその署名が「看護の秘訣」と題してあるが実は著者の 病院生活三十五年を通じて、医療奉公前後六十年その間に体得せし 漢方療法の体験記録であつて、之を各家庭で誰でも出来る様に民間 療法として掲げたのであるがこの平凡な民間療法でも古人の書き残 した漢方古方の精粋を検討し研究した千に一失無しと云う様な療法 が多く、他の本を見て書取りたり不確実な療法は一件も書てないの であります。

■著者について
築田多吉 つくだ-たきち
1872-1958 明治-昭和時代前期の軍人。
明治5年1月3日生まれ。海軍に入隊し看護特務大尉となる。大正14年「家庭に於ける実際的看護の秘訣」をあらわした。昭和33年3月28日死去。86歳。福井県出身。福井師範卒。

■目次(小項目は省いてあります)
第一章 鈴
・本書の三大使命 1
・第一使命 2
・第二使命 7
・第三使命 10
・ラジオ放送で奥様方に警告 13
・不思議の霊効ある ハブ草の研究 22
・外科手術を受くる場合の参考話 27
・民間療法に就て 31
第二章 家庭看護の要領
・ゆるがせに出来ない病人の室と寝床 35
・冬季室内温度の調整と温度を経済的に保つ方法 36
・室内空気交換の仕方 38
・医者を迎える迄の注意と準備 39
・室内の整頓と清潔法 40
・重病人の衣服はどうして着換さすか 41
・重病人の床換へはどうするか 41
・重病人の身体を拭く方法と順序 42
・重病人や子供の病人に薬や食物を与ふる時の注意と方法 42
・苦い散薬を野ますには 43
・服薬時間の事 44
・ヒマシ油の効能と其分量 44
・ヒマシ油の飲ませ方 45
・体温計の使方と体温の計り方 46
・脉の計り方 47
・素人でも斯様にすれば脉搏の研究が出来マサカの時や不断に便益が多い 48
・呼吸の状態で熱の有無や病気の軽重を見分けることが出来る 50
・嘔吐の原因、吐く時の注意並其手当 52
・「うがひ」の仕方と其効果 53
・浣腸の仕方 54
・重病人の両便はこうしてさせます 56
・「とこずれ」の予防と其手当 58
・芥子泥の作り方と貼り方はこうします 59
・温罨法の種類と其仕方 60
・冷罨法の種類と其仕方 62
・胸や「のど」の湿布の仕方 64
・蒸気吸入はこうしてやります 64
・酸素吸入の仕方 65
・驚くべき効果のある腰湯、脚浴の仕方 66
・色々の病気に卓効のある芋湿布と鰌療法の体験につき所見 67
・家庭按摩(マッサージ)の仕方と其効能 70
・重病人や発狂者を伴れて入院または汽車旅行をする準備と途中の注意ならびに其実験談 75
・簡易包帯 77
・病人食調理と栄養素の話 73
・特殊の食養生を要する食餌療法の体験 96
・いかにして病人の栄養を保持すべきか 106
・カロリー表(熱量)及主なる食品百瓦中の養分表 108
・主なる食品のビタミン含有量 111
・栄養論と新陳代謝の話 114

第三章 呼吸器系の看護法
・感冒(かぜひき)(流感は伝染病の項にある) 119
・感冒根治の抵抗療法 122
・咽喉の病気 127
・肺炎、気管支炎 130
・肺結核(肺病)(肺浸潤)(肺炎カタル) 138
・肺患療養の医学的智識 139
・抵抗療法の偉大なる力 142
・ストレプトマイシンやパス、肺の虚脱療法等を過信するな 142
・肺結核の手当養生 151
・肺病、肋膜炎の抵抗養生法 161
・精神的抵抗と肺病肋膜炎との関係 166
・大気、安静、栄養だけでは病は治らない 177
本書肺病記事の全体を通じての結論
・肺病が必ず治る抵抗養生法の仕方 179
・肋膜炎(胸膜炎) 193
・瘰癧(グリグリ)(呼吸器病にあらざれども便宜上ここに入れます) 200

第四章 消化器病の看護法
・消化器とは(口腔、食道、胃、腸、十二指腸、盲腸、肝臓、膵臓、消火液の話) 201
・急性胃腸カタル、胃痙攣 203
・慢性胃腸カタル 208
・胃アトニー。胃拡張、胃下垂、胃酸過多症 219
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍 224
・胃癌 228
・常習便秘(大便ひけつ)(通じが遅い) 232
・膽石病 235
・肝臓病 238
・イレウス(腸閉塞、腸捻転) 241
・カタール性黄疸、初生児黄疸 243
・回虫病 245
・十二指腸虫病 247
・条虫病 249
・盲腸炎 251
・腸結核 255
・腹膜炎 256
・痔疾 262
・鼠径ヘルニア 267

第五章 血液及代謝関係の重なる病気
・心臓病 270
・糖尿病 276
・腎臓病 283
・腎盂炎 292
・脚気 294
・バセドウ氏病 297
・貧血 299

第六章 伝染病の看護法
・伝染病総論 301
・チフス 319
・赤痢 325
・コレラ 329
・ペスト 332
・猩紅熱 323
・嗜眠性脳炎 325
・流行性感冒 327
・狂犬病 339
・丹毒 340
・マラリヤ(オコリ)(間歇熱) 342

第七章 神経系の病気
・脳及脊髄神経の概要 354
・頭痛 347
・癲癇 349
・卒中(脳溢血)(中風) 350
・動脈硬化、卒中の予防法と養生法 358
・脳貧血 366
・脳充血 367
・神経衰弱 368
・ヒステリー 372
・神経痛とレウマチス 374
・脊椎カリエス 381
・小児脊髄麻痺 384

第八章 小児病の看護法
・小児病の話 386
・在る産院の不思議な授乳栄養法 399
・乳幼児の消化不良 400
・栄養失調症、消耗症、食餌性中毒症 401
・自家中毒症 402
・小児腸カタル 402
・疫痢(はやて)(法定伝染病) 404
・鵞口瘡(口粘膜カタール) 409
・子供の間食に就て 410
・脳膜炎 410
・所謂脳膜炎 411
・ヒキツケ(痙攣) 412
・小児呼吸器病に就て 414
・麻疹(はしか) 415
・「ヂフテリー」(ぱぼふう) 418
・流行性耳下腺炎(お多福風) 422
・百日咳 423
・子供の鼻づまり療法 425
・耳だれ 425
・衰弱児の体質改善法 426

第九章 皮膚病 429~444(トピックを示します)
・皮膚の生理/皮膚病の話/断食/湿疹/子供のふきでものの民間療法/ 白癬、癜風、水虫/頑癬、いんきん、たむし/白ナマズ/疥癬/禿頭/ 梅毒性脱毛/頭虱、毛虱/蕁麻疹/汗疹/アセモ/腋臭/手足の豆/いぼ/ 凍傷/せつ、癬、疔/ふるきず/炎症、はれ、捻挫、打身/ゆびやみ/ ハゼまけ、肥まけ、ウルシまけ/「キメ」をよくする「ベルツ」水

第十章 眼病 445~451(一部のトピックを示します)
目の構造/角膜炎/トラホーム/結膜炎/夜盲症/ソコヒ/角膜軟化症/ 星目、色盲、眼精疲労/近視/老眼/ハブ草/断食療法

第十一章 耳病と鼻病 452~459(一部のトピックを示します)
耳の構造/外耳炎/中耳炎/異物/中耳炎の鰌療法/鼻の病気/鼻血

第十二章 花柳病
・性病に対する理性の判断 461
・梅毒 463
・痳疾 467
・軟性下疳 473
・第四性病 477
・包茎は手術するに限る 477

第十三章 救急手当 478~495(一部のトピックを示します)
止血/創傷の応急手術/打撲/骨折の緊急手当/関節脱臼/ヤケド/ 人工呼吸法/落下/卒倒/ガス中毒/日射病/咬傷/毒虫/毒蛇/折れ針/ のどの魚骨/くらげ/生梅中毒/カドのあるものの飲み込み/餅詰まり/ 唐辛子の多食/口中の荒れ/その他民間療法

第十四章 雑病(一部のトピックを示します)
喘息/肺ヂストマ/肝臓ヂストマ/膀胱カタル/寝小便/肩こり/寝違え/ 痘そう/腎臓結石/狭心症/性的煩悩と素人療法/中毒の救急手当/ 猫いらずの中毒/ふぐ中毒/酸類その他の中毒/甘党、辛党、煙草中毒/ モルヒネ/食べ合わせ/歯痛/肺壊疽/らい病/セムシ/フィラリア/ 小舞踏病/パーキンソン病/壊血病/流行性脳脊髄膜炎/日本脳炎

女の衛生と子供の育て方
第十五章 処女の教育
・動きやすき感情の波動に注意せよ 537
・性的知識 539
・月経の障害または一時の閉止 541
・更年期障害 543

第十六章 妊娠と育児
・妊娠の生理と受胎する作用 546
・産婆が間に合わぬ場合の応急処置 551
・お産に関する参考話 558
・妊娠 568
・妊娠中の摂生法 569
・分娩 571
・産褥婦の摂生法 573
・初生児の生理 576
・初生児の看護及栄養法 577
・哺乳児の生理 580
・哺乳児の栄養法 582
・種痘 590

第十七章 妊娠に関係ある主なる病気の手当てと養生法 591~614(トピックのみを示します)
膣洗浄/悪阻または妊娠吐逆/流産/子宮後屈/子宮内膜炎/ 月経困難、月経過多/不妊/子宮外妊娠/乳の病気/子宮筋腫/ 子宮癌/卵巣膿腫/子宮発育不全/子癇と妊娠腎/産褥熱/後陣痛/尿閉/

第十八章 過程常備薬品
・素人に使用できる家庭薬 616
・小児薬の分量表 616
・下剤および浣腸薬 618
・鎮痛薬 619
・下痢止薬 619
・その他 620
・養老酒 624
・梅焼酎の作り方 624
・漢薬その他の薬草 624
・葛根湯、不老強壮、精力増進の漢薬、孫太郎虫 625
・匁とグラム比較表 626
・素人に出来る尿試験法 627
・死体の処置 629
・高野式胃腸の抵抗養生法 633
付録 物理的療法、民間療法の研究
・日光療法 635
・冷水摩擦と冷水浴 641
・カイロプラクティック療法の話 645
・指圧療法(難病根治)649
・人生の慰安と死の覚悟 658
・長寿者名士の強健法 662
・健康長寿法の真髄(壮年も老年も一読なさい) 663
・人間の寿命 664
・遺伝と長命 665
・まづ短命の黒星を退治せよ 667
・食養生と老衰防止 669
・血液と肺と心臓とホルモンの関係性 672
・健脚と長命 674
・老衰現象とその予防法 676
・酒と煙草の害 676-1

・精力と寿命との関係 676-3 ・冷水摩擦の偉効と長寿との関係 676-3
・気海丹田の修養 676-4
・不老強壮、精力増進の漢薬及民間薬 677
・ペンネット式若返り法の由来 678
・断食療法 691
・虚弱体質、腺病質の抵抗療法 696
・高熱の出た時早期の手当 702
・美容術の参考話 709
・呼吸法の静座法 720
・睡眠術の脅威 722
・不思議に利く各病気の名灸の秘伝 725
・足の裏の灸と塗り薬で肋膜、腹膜の水、腎臓炎、脚気等の水気は訳もなく取れる 738
・重要経穴図 740
・優生学の話 741
・「ホルモン」ならびに若返り法の話 744
・輸血法の話 748
・食塩水注射の話 750
・ワクチン療法の話 750
・血清療法の話 751
・血液沈降速度の話 753
・人体に関する記憶すべき正常数字 754
・ゲンノショウコ草採集に監視読者へ急告 756
・カルシウムと虚弱体質、栄養不良、肺病その他結核諸病との関係 757

体験録
かかりやすい病気に対する防御先手の打方 759~771
健康摩擦の偉大なる効果 772~775
健康摩擦と指圧の順序方法 776~780
肺病、肋膜炎闘病の体験 783~806
肺病、肋膜炎の食餌療法の体験 808~814
腹痛の種類とその手当 816
嘔吐が激しいために衰弱した病人を助けた体験 821~824
偉効ある梅肉エキスの体験 824~833
腎臓病の重要なる体験 834~837
リウマチス、関節炎を根治した体験 838~841
カリエス病の体験 843~848
重い脳溢血を家庭療法で軽快した体験 850
動脈硬化症に対する種々の体験 857
鉄冷鉱泉の偉大なる効果とその体験 863
X線の話 865
病気の予防と健康の秘訣 867
今の医学で絶対不治の病が六つある 877
淤血吸圧療法 880
ポンプ式吸圧療法 886
食欲が出て肥え太る腹の運動法 887
ストレプトマイシンの話 889
ペニシリンとスルフォンアミド剤の話 890
スルフォンアミド剤の話(サルファ剤) 891
青葉汁の偉大なる効果 892
簡単にして安全に出来る避妊法 894
比較的確実で簡単に出来る避妊法 897
婦人病、妊娠関係 900
大阪断食寮見聞記 905
断食療法に就き著者の所感 905
断食療法を終わった病人の感想録 907
名灸の追加発表 925
鍼療法の話 926
小児病に卓効ある小児鍼に就いて 927
敗血症の話 931
回虫の駆除法に就いて 932
枇杷葉療法の偉大なる効果 933
癌は不治の病気ではない 937
癌 抵抗療法その他の特殊療法 945
癌療法の参考話 953
病気手当の早見 957
索引

■一言
本書は、急性の病気は医者に行けばよいが、原因のわからない慢性 的な疾患については原因を特定することなく病人の抵抗力を重視す る漢方療法が適しているとの考えから、主に漢方を中心とする療法 が紹介されています。
本文の前に「新説不老長寿法の真髄続編」が80ページ、「巻頭警 告」が62ページ収録されています。その後に骨格図などがありま すが、少し前のたくましい日本人を思わせる体格が描かれていま す。旧字体の漢字が使用されているほか、活字も使い古されてい るようでつぶれて読みにくい状態になっています。
終わりの「体験録」が役立ちそうです。

■書評
るびりん書林 別館

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