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○●自然栽培と調理●2015年06月07日 10:01

1903年発行の『果菜栽培及調理法』に索引、植物図などを追加し1998年に発行


梅原 寛重 (著)
発行所: 博品社
1998年1月25日発行
291ページ

■内容(本文より)
  本書は、一九〇三年(明治三十六年)十一月に、東京の有鱗堂より出版された梅原寛重著『果菜栽培及調理』を「栽培と調理」とし、 その「植物名および索引」「調理名索引」を新たに作成し、関連する植物図を付したものである。
  この度、刊行に際し、遺族の了承を得て文章を現代表現にし、度量衡もメートル法に換算した。度量衡については、<日本豆類基金協会> のご協力をいただいた。

著者略歴(本書より)
梅原 寛重(うめばら・かんじゅう:1843-1911)
  天保14年, 伊豆国田方郡神島村(現 静岡県田方郡大仁町)に生
  まれる.
  多くの農書を繙いて蘊奥を探り, 自ら実践・試験を行う傍ら,
  筆を執り数々の農業指導書を著し, その著書は約44種にのぼる.
  著書に, 『三椏培養新説』『草木撰種新説』『椎茸養成独案内』『田
  圃駆虫実験録』(正・続編)『農家暦』(『農事の楽しみに─十二ケ
  月』博品社)などがある.

■内容紹介
現在は伊豆の国市になっており著者の碑が建立されています。
本書は、目次の後に、復刊に関する注記程度の説明文があるだけで、まえがきも後書きもない構成になっています。

本文には、現在も栽培されている野菜が多い中、アカザ、スカンポなどの野草の栽培方法も記されています。野口種苗から固定種の種を購入して育てる他に、 このような本を参考に、野草を積極的に利用することもこれからの食を考える上で重要かもしれません。
たとえば、「椎(しい)」については、肥料として樹下の雑草を刈り 取って根のあたりに施すことや、椎の実が生食に向くことなどが記さ れています。
いまではほとんど利用されない植物が多く記載されており、参考になります。
■目次(大分類とかなによる品種名のみ)
栽培と調理 3
瓜果類 5
・きうり、しろうりとまるうり、すいか、まくわうり、れいし、かぼちゃ、とうがん、かんぴょう、へちま、なす、あかなす、 ごがつささげ、みづら、じゅうろくささげ、なたまめ、いんげんまめ、ふじまめ、あおまめ、えんどう
葉茎類 33
・ねぎ、いっぽんねぎ、かりき、わけぎ、あさつき、にら、にらねぎ、にんにく、のびる、なづな、つくし、いたどり、うど、 ふき、つわぶき、わらびとぜんまい、みょうが、しそ、べにひゆ、おらんだせり、ういきょうせり、うぐいすな、まつばうど、 おらんだみつば、みつば、おかぼうふう、あかざ、こがな、ふじな、こすい、めぼうき、さるびや、おかひじき、かぶらはぼたん、 はぼたん、はごろもはぼたん、ちしゃ、すかんぽ、つるな、ちょうせんあざみ、せんにんこく、まつな、とくな、あかな、 すいぜんじな、はすいも、だいおう、かなから、ひおおぎな、しんぎく、かんあおい、ほうれんそう、ちりめんたかな、 しらくきな、さんとうさい、たいさい、おらんだな、こうとうさい、はなはぼたん、ふだんそう、あざみな、はくさい、 こまつな、みぶな、きょうな
根菜類 77
・だいこん、はつかだいこん、ほそねだいこん、さんがつだいこん、なつだいこん、さとうだいこん、かぶら、かぶらみつば、 ごぼう、きくごぼう、なつにんじん、にんじん、あめりかぼうふう、たまねぎ、ちょろぎ、てんもんどう、さつまいも、 さといも、じゃがたらいも、つくねいも、ながいも、かしゅう、らくだいも、きくいも、こんにゃく、らっきょう、ゆり
水菜類 115
・はす、おにばす、じゅんさい、くわい、くろくわい、なぎ、ひし、あさざ、せり
辛菜類 125
・とうがらし、またで、しょうが、からしな、わさびだいこん、わさび
菌茸類 133 ・しいたけ、まつたけ、はつたけ、しょうろ、むらさきたけ、きくらげ、その他のきのこ
海草類 141
・のり、おんご、こぶのり、もずく、ひじき、あらめ
救荒植物 146
・根の類、茎の類、葉の類、芽の類、蔓の類、花の類、樹皮の類、子実の類、雑の部
果樹類 152
・うめ、すもも、あんず、はたんきょう、ぼたんきょう、もも、すばいもも、なし、りんご、まるめろ、かき、ざくろ、かりん、ぐみ、 ぶどう、むべ、みかん、くねんぼ、たちばな、だいだい、ゆこう、さぼん、ぶっしゅかん、ゆず、すだち、なつみかん、れもん、 べにこうじ、からたち、オランダいちご、おうとう、ゆうり、やまなし、いちじく、なつめ、かや、しい、はしばみ、とち、くるみ、 おりーぶ、けんぽなし、ぎんなん、びわ、やまもも、くり
付録
植物名目録および索引 230
調理名索引 283

■一言
『動物たちの自然健康法』によると、マサイ族やハウサ族は味が良 いとはいえない野草を食べることによって健康を保っているそうで す。私たちも、この本にあるような野生的な植物を食べることで健 康を維持できるかもしれません。

○●日本人の性と習俗―民俗学上の考察(桃源選書)●2015年05月31日 09:46

西洋を頂点とする進化論の立場に立つユダヤ系民俗学者クラウスの著。


F・S・クラウス (著)
安田一郎(訳)
発行所: 株式会社 桃源社
昭和40年10月30日発行
256ページ

内容
   ドイツの偉大なる民俗学者であるクラウスは、つとに、日本民族の習俗、習慣、特に性生活のフォークロアに興味をいだき、日本の隠れた研究者の協力を得てきわめて詳細、かつ正確に、日本人の性生活を明らかにした。本書はその忠実なる翻訳書である。
  クラウスは、われわれ日本人が、如何に性に対して崇高であったかを、信仰、物神崇拝、結婚、絵画等々の面から分析、解明し、理論づけている。
  日本人の性意識を、正しく記録してくれた書物とし て、本著は古典的位置を占めるものである。(カバーから)

著者 Friedrich. S. Krauss
1859年、オーストリア(現、ユーゴスラビア)のボセガに生まれる。
ウィーン大学で民族学を修め、東欧農民の民間伝承を研究し、世界的になる。
1904年、フロイトらとともに雑誌「アントロポフィティア」を創刊。
1917年、ウィーン大学員外教授。
著書多し。
主なる著書:南スラブ族の慣習、風習、信仰からみた生殖、南スラブ族の民間伝承、民族の美と鏡としての女性、プラントーム、ウクライナ農民の性生活等。
1940年、没。(カバーから)

安田一郎
1926年12月 京都に生まれる。
1949年3月 前橋医専卒。
1953年3月 東大文学部心理学科卒。現在横浜市友愛病院神経科医長。
訳著書「フロイト、性と愛情の心理」(1955年、角川文庫)「クラウス日本人の性生活」(1959年、河出書房)「精神分析入門」(1959年、光文社) 「sex探求」(1965年、講談社)(カバーから)

■目次
序文
第一章 序論 3
・わいせつとエロチック 3
・教育者としての日本 6
・日本民族の起原と先史 7
・日本人のわいせつ性 15
・わいせつな見世物 17
・裸体と入浴の慣習 18
・あんまと女あんまの生活 24
・日本最初の裸体画 26
・民族学的展望 28
第二章 植物崇拝と性器崇拝 31
・宗教の発端 31
・エロチックな日本の天地創造の神話 32
・神道 39
・植物崇拝 44
・木の霊としての神 52
・性器崇拝 59
・神殿 63
・露出 65
第三章 性器崇拝 69
・バックレイの性器崇拝の研究 69
・シェーデルの性器崇拝の研究 95
・石棒 104
・エチオピアの対応物 109
・芸術史と民族学 110
第四章 結婚 116
・性行為と宗教 116
・独身と結婚 118
・結婚と木の霊 121
・結婚の慣習 122
・エロチックな歌 128
・夫婦のおきて 130
・琉球の結婚式 133
・嫁盗みと夜ばい 135
・輿入 137
・結婚におけるハマグリの意義 139
・しきいの意義 142
・排泄物によるまじない 143
・結婚式 145
・結婚式についての貞丈の報告 148
・ヒノエウマ 151
・吉日と凶日 154
・死者の結婚 156
・処女性の尊重 158
・期間婚と多妻 161
・近親結婚 163
・離婚と姦通 164
・貞操帯 167
第五章 妊娠と分娩 171
・妊娠 171
・お産の神 172
・分娩 174
・後産と臍帯 177
・まじないの信仰 180
・不妊 183
第六章 子供 185
・赤ん坊の性の決定 185
・人工流産 186
・子供の神さま 188
・幼児期 189
・命名と成人式 190
・養子縁組と相続権 196
第七章 美術工芸 198
・愛の教科書 198
・月の命名 204
・彫刻 205
・カリカチュアとしての春画 206
・巨大な男性性器 209
・科学と芸術 211
・日本美術の特徴 213
・日本の絵画の歴史 220
・男色の絵画 223
・芸術と頽廃 224
・民俗学的な対応物 227
・浮世絵師 232
・芸術専門家の見解 238
・女護の島 244
・医者の刀 247
・ヨーロッパの芸術との相違 248
第八章 結論 249
訳者のあとがき

図版目次
一 下田の公衆浴場風景 19
二 張形の飛出るびっくり箱 29
三 キクの葉に描かれた春画 37
四 金精峠の祭壇 71
五 山田の祭壇 73
六 ロビン・グッドフェロー 77
七 リンガとヨニ(1) 90
八 リンガとヨニ(2) 90
九 生命の門「アシェラ」 92
一〇 クルックス・アンサタ 95
一一 鎌倉の女石 97
一二 横須賀の男根の社 99
一三 奉納額 100
一四 陰陽神石図 101
一五 本宮の男石と女石 102
一六 尊崇の対象たる男根 103
一七 男性性器の象徴 103
一八 仏壇 105
一九 花瓶 105
二〇 男根の玩具 105
二一 石棒 107
二二 カファ王の王冠 109
二三 カラチオをつけた人 111
二四 江戸時代の初潮の習慣 119
二五 新婚旅行 147
二六 密通者に対する罰 165
二七 お産の女神 173
二八 お産に準備する品 178
二九 お産のさいの姿勢 179
三〇 お産のときに使う坐椅子 180
三一 胞衣桶 181
三二 『オージー』 202
三三 屏風 203
三四 てんぐ 206
三五「ことばなき絵」 233
三六 愛する二人 233
三七 無粋な訪問客 234
三八 おいらん道中 235
三九 吉原の女 236
四〇 夜ばい 236
四一 鳥 237
四二~四六 女護の島1~5 238~242
四七 妖怪物語 243
四八 スピントリア 245
四九 医者の刀 247
五〇 ウィーンのカール教会 250

■一言:
『豚と精霊』や『逝きし世の面影』と合わせて読めば、性に対する羞恥 心よりも、生殖に参加できる喜びのほうが本来的であり、西洋的な極度 に人工化した価値観にこそ問題があるのだということが見えてきそう。
日本の習俗をスラブの農民などと比較している点も本書の特徴。
ただし、著者と訳者の経歴を見る限り、単純に受け入れることは非常に危険。
『日本人の性生活』(2000年、青土社)あり。


△●日本一の変人経営者―CoCo壱番屋を全国チェーン店に育てた男の逆境力●2015年05月30日 11:20

「行き当たりばったり」という言葉の裏にある信念


宗次 徳二 (著)
単行本: 214ページ
出版社: ダイヤモンド社 (2009/11/13)

■商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
常識の逆をやれば上手くいく。オンリーワン、ナンバーワンへのこだわり。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
宗次/徳二
1948年、石川県生まれ。愛知県立小牧高等学校卒業後、八洲開発株式会社を経て、1970年、大和ハウス工業株式会社入社。1973年に独立し、岩倉沿線土地を開業する。1974年、喫茶店「バッカス」開業。1978年、「カレーハウスCoCo壱番屋」を創業する。1982年に株式会社壱番屋を設立し、代表取締役社長に就任。1998年、同社代表取締役会長に、2002年には引退し創業者特別顧問となる。2003年、NPOイエロー・エンジェルを設立し、理事長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
まえがき 3
プロローグ
・日本一の標語「お客様 笑顔で迎え 心で拍手」 16
・「ニコ、キビ、ハキ」が壱番屋のモットー 18

第一章 逆境に生まれ育ち、生涯の天職に出会う
・「人生を決定づけた日本一のパートナーとの出会い」 26
・「スーツを捨て客商売に天職を見出す」 38
・「モノのサービスより真心のサービス」 43
・「低迷続く不振店を救った口コミの威力」 48
・「拡大余地ある出前サービスに挑戦」 53
・「こだわりの味より普通の家庭的な味がいい」 58
・「天涯孤独に生まれ極貧の少年期を過ごす」 63
・「貧しい家計を支えた早起きのアルバイト」 67
・「逆境が楽天的で前向きな性格を培った」 74

第二章 無我夢中で働き、日本一幸せな経営者に
・「開店記念の二日間は大盛況だったが」 82
・「失敗は無駄ではない、必ず後で生かされる」 86
・「カレー専門店にすべてを賭け、喫茶店を売却」 90
・「ライスの量と辛さはお好みで、が大ヒット」 96
・「FC加盟の当初条件は夫婦二人、専業で取り組むこと」 102
・「殺到する応募の断りの口実で悩む」 107
・「社員の独立を促すブルーシステム発進」 110
・「なぜBSで独立すると成功の確率が高いのか」 113
・「実験的なファミリー向け店舗が超繁盛店に」 117
・「店舗数増より失敗店を出さないことを優先」 123
・「全国各地で新規出店を加速、株式公開を果たす」 127
・「信頼できる日本一の後継者に恵まれ53歳で引退」 132

第三章 早起きと掃除、そして真心の接客が成功の秘訣
・「夫婦の絶妙なコンビで創業期を乗り切る」 140
・「創業経営者は現場第一主義を率先垂範で示せ」 143
・「クレームも、励ましも、経営上の貴重な財産」 150
・「モーレツ社長は日本一の働き者」 153
・「経営者は社交的でないほうがいい」 158
・「人生、経営の成功は早起きから始まる」 161
・「目標設定は小さいほうが絶対よい」 165
・「売上不振の店は掃除で蘇る」 167
・「心の接客サービスにゴールはない」 176

第四章 公明正大な経営姿勢が健全で強い企業をつくる
・「人材は経営者の背中を見て勝手に育つ」 182
・「ガラス張りの経営体質が強い会社をつくる」 186
・「社会貢献や慈善活動は経営者の義務」 189
・「夢や目標を持つ人たちを支援したい」 193
・「クラシック音楽は人をやさしくすると実感」 197
・「もっとクラシックファンを増やしたい」 202
・「お客様の視点に立った日本一の音楽ホールに」 208

あとがき 210

■「モノのサービスより真心のサービス」から抜粋
(最初に始めた喫茶店について)
  「バッカス」では、開店以来、モーニングサービスを一切行わず、ピーナッツ一皿に30円の値段をつけて販売した。(第2段落)

  銀行の融資担当者や焙煎業者にも「モーニングサービスは絶対にやらなければダメ」とアドバイスされたが、私たちの店づくりの本質じゃないと突っぱねた。 私も妻の直美も、こうした「モノや安売りのサービス」には抵抗があった。(第4段落)

  また、このころの喫茶店といえば、ヒマなときは店の従業員がお客様の席に座って食事をしたり、 マスターがタバコを吸いながら競馬新聞を読んでいたりする、ちょっと常識に欠けた場所だった。 さらに常連客だけが居心地のいいような店も多かった。 私たちはそうしたことを一切せず、初めて訪れる一見さんにも常連さんにも公平な態度で接し、 お客様本位のサービスと店づくりに徹しようと心がけた。(第6段落)

  中でも、トーストやサンドイッチの人気は群を抜いていた。他店ならモーニングサービスでコーヒーに付いてくるトーストを当たり前のように次から次へと注文してくれるのだ。 その人気のパンは、保証人を引き受けてくれた義兄が勤めていた製パン会社の評判の逸品だった。(第10段落)

■一言:
客単価の高さ、よさそうな労働環境、一般的な味など、独自性を感じる経営
安売りをせず、安定した品質と、利用のしやすさを提供して、一定の利用者を維持。

△●歩く速度で暮らす―あしたのための生活ガイド (シリーズしごとの発見 2)●2015年05月26日 10:07

土と水に親しんで生きる知恵、生きる力を取り戻す




槌田 劭 (著)
単行本: 191ページ
出版社: 太郎次郎社 (1985/07)

■内容紹介
「新幹線には原則として乗らない」著者が、徹底的に語りおろした、どう食べ、どう買い、どう育て、どう変える、暮らしのヒント集。ある日、玄関にドサッと置かれた小松菜が、「考える素材」だったとは?バランスというキイワードをもとに、衣食住から親子の断絶、有機農業、人類史の哲学までを縦横無尽にえがきだす。

著者
槌田劭(つちだ たかし) 一九三五年、教徒に生まれる。
京都大学理学部化学科卒業。一九七六年、京都大学工学部助教授―金属物理学―辞職。
一九七九年~現在、京都精華大学教員。
一九七三年、「使い捨て時代を考える会」設立。
(本の奥付けより)

■目次
第1章 どう食べる 7
1 食卓の上に、よろこびを盛る 8
・野菜ジュースと五点セットの食卓 8
・ストレスがたまれば食べかたもくずれる 9
・空腹のときこそエネルギーがみなぎる 11
・子どもも「ぼく、朝ごはんいらない」 12
・わが家のニンジン、タマゴ。素材のぜいたく 13
・食卓が変わると味覚も回復する 16
・季節のよろこびを食べる 19
・人間のおなかはゴミ箱じゃない。自然に返す 20
・玄関に積まれた小松菜が「考える素材」 23
・ジャガイモ料理の授業料は八千円 24
・混乱があったことを忘れない解決法とは 25
・「料理」と「奴隷的労働」のちがい 27
・最高の調味料は、空腹・楽しさ・思いやり 28
2 なぜ、どうやって肉から豆へ? 31
・肉と豆の「近代栄養学的考察」 31
・なぜぼくが肉を食わないのかの、ふたつの理由 32
・子どもに肉をやめさせるための「無意識メニュー」 35
・ブレーキになる亭主は、まずいばらせる 37
・なぜぼくらの会でトリ肉は食べるのか 38
・有機農業を安定させるニワトリ・タマゴ戦略 40
・未来の使役牛のために、牛肉も食べる 42
3 食費がどんどん減っていく 44
・六年間、わが家の食費は変わらなかった 44
・狂乱物価も、子どもの成長期も、関係なし 45
・無農薬の野菜は、金持ちじゃないと食えないか 46
・ほんとうのぜいたくは、お金がかからない 47
・デパートで自然食を買う、ということについて 49
・オヤジが教えてくれた生きのびる知恵 51
・ヘビのつかまえかた、食べかた 52
4 カゼひき人間が薄着になるまで 54
・朝の寝床でやるネコ体操 54
・ある日、かぜをひかない決心をした 55
・たくさん着こめば肩もこる 57
・ネクタイの先は権力の手に握られている 58

第2章 どう買う 61
1 わかっていても「買いたい」病 62
・スーパーに群がる人びとの一方向の流れ 62
・お金にふりまわされて 64
・欲求不満がショーウィンドウに出会うとき 65
・買いたいときは、買うしかない 68
・「ムダな買い物をやめる」まえにすべきこと 70
・みみっちく買うより、五千円高いものを 72
・一円二円に三〇分ついやすオロカさ 74
2 値切る世界と無心する世界 77
・どうしてモノには値段がついているのか 77
・ダイコンの高い安いなんて、計算できない 78
・値ぶみがないから、よろこべる関係 80
・「破れタマゴもらいます。ありがとう」 81
・お金に支配されぬ自立を 83
・金のピリオドが、人間を分断する 84
・どんぶりかんじょうのできる関係が誕生した 86
3 お金に負けない農的な暮らし 88
・都会にいたって、農的暮らしはできるのだ 88
・それぞれの生きかたで、ともに生きる 90
・貪欲な農業がムリを生む 91
・不必要なものを生んできた人類史 93
・奪う思想がつくった社会を、進歩と呼べるか 95
・エデンの園には帰れない、ということから出発 96
4 新しい人間関係を創造する 98
・つきあいかたが変われば、つくりかたも変わる 98
・農薬のかかっているものでも、感謝していただく 99
・損得計算からのスタートでも…… 100

第3章 どう育てる 105
1 子どもが教えた父親のつとめ 106
・親子関係も「投資」になってきた 106
・親はあとから親になる。父は社会がつくる 107
・ぼくがダメな父親であったことを自覚したとき 109
・子どもの問題は親自身の問題だ 111
・かんたんに、イエス、ノーは言わない 113
・ラジコンは茶碗洗い一回五〇円から 114
2 オヤジと息子の修行旅行 116
・父と子の修学旅行のテーマ 116
・なぜ高校に行きたいのかを三年間でみつけろ 117
・解答の期限がやってきて…… 119
・最初から正解をおしつけるな。しくじりがだいじ 121
・もう大丈夫だから、危険に近づきたがる 122
・親の抑圧は、自信がないから生じる 124
・ある基準さえ守れれば、流されない 125
3 めざしを子どもに食べさせるゲーム 128
・めざしは、大きな皿に盛っておく 128
・「それ、とうさんがもろていい?おいしいわ」 130
・反発させないだけで、最初はじゅうぶんだ 131
・親は、子どもの玄米弁当にも工夫を 132
・自分の大好きなおとなが身をもって教えること 134
・よろこんで食べる条件をどうつくるか 136
・とびとびに、めんどうがらずに 138
4 大きく育てる思想のまちがい 140
・「あんなもん食わせて、子どもは育つのか」 140
・目上の人に対して従順になるクスリ? 141
・バランスのいい食事で、育たぬはずがない 143
・親よりも一割大きかったら、病弱と考える 144
・世の中が変わってしまっているという認識を! 146
・うしろ姿で子どもに教えた父親 149

第4章 どう変える 151
1 自分が変われば、みんなも変わる 152
・自分だけ変わったてしかたがない? 152
・エスカレーターの前の小さな選択 154
・ぼくにでも、ほかのことならできるかもしれん 157
・自分にできることを楽しみ、他人におしつけない 158
・タバコを吸ってても反公害を語る資格はある 160
・肉をやめれば、自給率も上がる 161
2 お互いがお互いのなかに入りあう 164
・相互批判よりも茶飲み話の論理 164
・「まず信頼できないところから始めよう」 167
・人間が裏切ることはない 168
3 テレビのある社会で自分をつらぬく法 170
・仙人になってもしかたがない 170
・ソフト・エナジーと科学技術信仰のワナ 171
・冷蔵庫のいらなくなる暮らしは、空想じゃない 173
・自分を変えるしんどさと楽しさ 175
4 ふたとおりの未来に向かって 177
・未来予測はしない。どうつくるかだ 177
・原子力を語らねばならない文明の犯罪 178
・まず、みんなが額に汗して働くこと 181
・三反の土地で、一家族食べられる 183
・あずかった土地の、未来へのつながり 185

あとがき 188

■「あとがき」
  田植えの終わった水田には、カエルの合唱がにぎやかに流れています。 よろこびの声であり、生命の叫びなのでしょう。 深まりゆく緑とともに、日本の自然のすばらしさにため息がでるほどです。 この自然の恵みのあるかぎり、私たちはしあわせな未来が約束されているような、豊かな思いが広がります。
  しかし、現実の社会と暮らしをかえりみるとき、不安な思いに心は曇ります。 先日の連休にも、町の繁華街には若者たちがごったがえし、飲食店街には華美なショーケースが並び、 皿には食べ残しがめだちました。 山や田園風景を楽しむ若者はわずかで、まして土に親しむ者の姿などほとんどありません。 それどころか、疾駆するマイカーの窓からあきカンをほうり投げて、沿道の畑の老いた農夫を悲しませるしまつです。
  金とものの「豊かさ」に、酔いしれている現代です。 しかし、いつまでも続くのでしょうか。 商工業の繁栄が幻であり、没落が避けられないことは、この本でもくり返して述べました。 すでに現代の若者たちの心も体も、ともに病んでいるのです。 いや、若者だけでなく、国民総半病人時代、ガン死の時代に突入しているのです。 そしていまや、農業をひきつごうとする若者さえ少なくなって、日本の緑が約束してくれるはずの食料生産力は、 惨憺たるものとなりました。
  しかし、なさけながっていても、しかたがありません。 私たちは、生きねばなりません。 生きる以上、楽しく、よろこびに満ちて、生きたい。 深刻ぶるのはやめにして、日常の暮らしのなかから、希望をつかみとりたいものです。
  小さく思えることでも、できることを発見し、楽しくやってみましょう。 食べること、歩くこと、なんでもよいのです。 そのことで知恵がつきます。 生きる自信ともなります。 土に親しみ、水に親しみ、そのなかから生きる知恵をとりもどせば、すばらしい自然は、生きる力を与えてくれます。 楽しく、ゆったりと、隣人とはげましあい、助けあうことのなかに、しあわせをみつけたいと思うのです。
  そのような願いをもって話しあった記録が、本書です。 わたしは、将来の夢である晴耕雨読・直耕を実現すべく、荒地に鍬を楽しんでいますが、 その場、滋賀県栗東町に、小野伸尚氏とこまざきひろし氏を迎えて、ゆかいな時をすごしました。 その楽しさが読者に伝わり、生きる自信として根づくことに役立ちえたとすれば、 それはすべて、両氏のご尽力の結果と感謝いたします。 もし、まとまりが悪ければ、散漫な話を展開した私の責めでありますが、やさしく、 賢明なみなさんによって、不足する行間をうめていただけるものと願っております。

1985年5月 槌田劭

■一言:
Youtubeに動画がありました。20120328 槌田劭(つちだたかし)さんのお話(前)
「使い捨て時代を考える会」は設立40年を迎え、活動を継続

定住生活が環境破壊を招き、人びとの精神を病ませているという視点を持つと、
本書とはまた違った結論が出てきそうです。

○●イラスト図説「あっ!」と驚く動物の子育て―厳しい自然で生き抜く知恵 (ブルーバックス)●2015年05月22日 09:56

イラスト図説「あっ!」と驚く動物の子育て―厳しい自然で生き抜く知恵 (ブルーバックス)


長澤 信城 (著)
新書: 192ページ
出版社: 講談社 (2006/5/18)

出版社 / 著者からの内容紹介
人間よりも賢い!?感動すら覚える子育て
微生物発酵で卵自動温め装置を作るクサムラツカツクリ、自分の血管から栄養を子供に吸わせて育てるコモリガエル・・・。
死と隣り合わせの過酷な自然の中で編み出された「あっ!」と驚く子育て法の数々を、著者自らの手による豊富なイラストを交えて紹介。

著者について
 
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
長澤/信城
1930年、長野県の山里に生まれる。幼年時代から花鳥風月を愛し、アリストテレスの倫理学に傾倒する。東京高等師範学校(現筑波大学)動物科卒業後の教職中は、高等学校用教科書、実験指導書、視覚教育教材、学習参考書等を多数手がける。現在は自慢の健脚を武器に、ナチュラリストとしての日本的イベントを計画し、準備中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次(大項目の抜粋)
まえがき 7
第1章 そもそも、なぜ子育てをするのか 16
第2章 親子の絆の形成 22
第3章 子育てをひとまかせにする 42
第4章 子供を守る 60
第5章 子を殺す・子を捨てる 78
第6章 子育ての場所と餌の調達 96
第7章 一族あげての子育て(子育てヘルパー) 126
第8章 学習 148
あとがき 178
力になった主な参考文献など 181
さくいん 189

■まえがき(終わり前の2段落)
  さて、この子育てを時代がどうとらえてきたかをみると、古くは親子の愛情行動、社会愛行動としてとらえられ長く不動であった。 しかし、ダーウィンが『種の起原』を発表するに至って、これが冷静に見つめられて科学的に分析され、そして今日では集団遺伝学、動物行動学、動物経済学等の進歩 によってほのぼのした要素が一掃され、愛などはどうでもいい、ただ自分の遺伝子を持った子ができるだけ多く残ればいい、それにはどうしたらいいかという 動物の利己的行動を強く意識した取り上げ方も台頭してきている。
  子育ての真実は、見方によっては愛より発した行動であるともとれるし、自分を残す利己的行動ともとれるが、 この本を読むことによって或る時は感動的に或る時は理論的科学的にとらえるのもいいと思う。 また、子育て方法は種によって固定的不変であると考えがちであるが、これも地域や環境に変化によって変動する。 そのため本書には既存の文献とは違ったところがあるが、それは最近の研究報告にもとづき、 著者が考察を加えたものであることを了承していただきたい。

■一言:
動物たちの生き残り戦術

○サンカの民と被差別の世界 (五木寛之 こころの新書) ○2015年05月21日 08:49

消えゆく記憶と消してはいけない歴史


五木 寛之 (著)
新書: 288ページ
出版社: 講談社 (2005/10/26)

商品の説明
内容紹介
消えゆく記憶と、消してはいけない歴史

語られることのない、日本の歴史の深層を真摯に探訪する。
かつてこの列島には、土地に定住することなく、国家に帰属することもなく自分の身分証明をした人びとがいた。海の漂泊民「家船」と山の漂泊民「サンカ」である。そして関東には、江戸・東京を中心とした被差別の世界があり、社会の底辺に位置づけられた人びとがたくましく生きた。賤民を束ねたのが浅草弾左衛門、非人頭は車善七だ。

<著者のことば>
私は、隠された歴史のひだを見なければ、“日本人のこころ”を考えたことにはならないと思っています。今回は「家船」漁民という海の漂泊民から「サンカ」という山の漂泊民へ、そして、日本人とは何かという問題にまで踏みこむことになりました。それは、これまでに体験したことのなかった新しいことを知り、自分自身も興奮させられた旅でした。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
五木/寛之
1932年9月福岡県に生まれる。生後まもなく朝鮮に渡り47年に引き揚げたのち、早稲田大学露文科に学ぶ。その後、PR誌編集者、作詞家、ルポライターなどをへて66年『さらばモスクワ愚連隊』で第6回小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で第56回直木賞、76年『青春の門 筑豊編』ほかで第10回吉川英治文学賞を受賞。『青春の門』シリーズは総数2000万部を超えるロングセラーとなっている。81年より一時休筆して京都の龍谷大学に学び、のち文壇に復帰。小説のみならず、音楽、美術、歴史、仏教など多岐にわたる文明批評的活動が注目されている。また、『日本人のこころ』シリーズなどにより第50回菊池寛賞を受賞、英文版『TARIKI』はアメリカで2002年のブック・オブ・ザ・イヤー(スピリチュアル部門)に選ばれ、さらに2004年、第38回仏教伝道文化賞を授与された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次(大項目抜粋)
原郷への旅 3

第一部 海の漂泊民、山の漂泊民 17
○海を住処とする「家船」の人びと 19
○幻の「サンカ」を求めて 85
○漂泊者の思想とその豊饒な文化 139

第二部 東都の闇に生きた被差別の民 173
○「浅草弾左衛門」と呼ばれた賤民の王 175
○生と死、聖と賤、美と醜の境界 215
○「フーテンの寅さん」へのあこがれ 243

お礼のことば 274
主要参考文献 275

■一言
『漂泊の民 山窩の謎』では「五木」はイツキ・サンカ(比較的長期間とどまっているサンカ)から取ったのではないかと指摘

○混浴と日本史○2015年05月18日 10:07

日本人が残し続けた、生命の力


下川耿史 (著)
単行本: 224ページ
出版社: 筑摩書房 (2013/7/24)

内容(「BOOK」データベースより)
温泉列島・日本に花開いた混浴文化。常陸風土記にも記され長い歴史をもち、ときに権力から弾圧されながらも、庶民の日常生活の一風景となっていた。いっぽうで、宗教や売春の歴史ともかかわる面を持っていたのも事実である。明治維新後、西欧文明の波が押そ寄せ不道徳とされながらも、消えずに残った混浴。混浴が照らし出す、日本人の心性に大胆に迫る! 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
下川/耿史
1942年、福岡県生まれ。著述家。風俗史家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次(大項目)
はじめに 7
第一章 混浴、歌垣と禊ぎ 20
第二章 国家仏教と廃都の混浴 42
第三章 平安朝、風呂と温泉の発展期 74
第四章 湯女の誕生と一万人施浴 99
第五章 江戸の湯屋と地方の温泉 115
第六章 日本の近代化と混浴事情 168
あとがき 220

■帯書き
猥らなのか、
おおらかなのか、
なぜか顔が
ほころぶ

日本列島に
花開いた独自文化
混浴について
初めての通史!

■一言:
西洋文明を否定的に評価したい。

○●アイヌ人物誌●2015年05月17日 10:17

平凡社ライブラリーにも収録されている幕末のアイヌのルポ。



松浦 武四郎(著)
更科 源蔵(翻訳)、吉田 豊(翻訳)
発行所: 農山漁村分化協会
1981年8月10日第1刷
342ページ

内容紹介:
アイヌ民族の高貴な品性と勇気を称え
日本人の悪徳と野蛮な収奪を告発する
幕末の北方探検家がルポしたエゾ地に生きる
豪勇の酋長・烈女・孝行娘など百人の人物誌
(帯から)

平凡社ライブラリー版の内容紹介
その雅号、北海道人から北海道と名づけられたといわれる松浦武四郎。アイヌ人の誠実にして剛穀な生き方を丹念に記録し続けた稀有な日本人による、ヒューマンドキュメント。86年農山漁村文化協会刊の再刊。

■目次(大項目と、小項目のキーワード)
解第 松浦武四郎と『近世蝦夷人物誌』 更科源蔵 11
訳者例言 29

近世蝦夷人物誌 初編 31
・近世蝦夷人物誌序文(獨松居士) 32
・凡例 35
初編 巻の上 41
・兄弟の豪勇/酋長/三女の困窮/孝子/老人/烈婦/小使役/呪い師
初編 巻の中 64
・豪傑/貞節な女/酋長/貧女/夫妻の強勇/正義の人/孝子/ 豪勇の兄弟/いざり/縊死/酋長/義民
初編 巻の下 102
・孝子/豪傑/猟師/貧しい/困窮/石狩の下男/酋長/盲人/ 正義の訴え/酋長

近世蝦夷人物誌 弐編 141
序 142
凡例 146

弐編 巻の上 147
・百歳翁/孝子/怪童/孝子/農夫/孝子/いざり/豪勇/ 兄弟の孝心
弐編 巻の中 181
・豪勇/困窮/彫物師/老女/酋長/酋長/庄屋と弟/彫物師/ 下男/盲人/縊死
弐編 巻の下 221
・鬚の老人/豪勇/切腹/孤老/よみがえり/小使/手がきかぬ/ 孝子/渡し守/酋長/帰化アイヌ/憤死

近世蝦夷人物誌 参編 253
参編 巻の上 254
・孝子/烈女/感心な少年/困窮/馬丁/孝行娘/豪勇/孝行娘/ 孝行息子/酋長/貞節
参編 巻の中 281
・豪傑/仇討/孝行娘/北蝦夷の酋長/八十九翁/酋長/孝子/ 小使/大刀/義心/義人/兄弟の譲り合い/孝子/酋長/占い者/ 感心な少年/仙人/孝子
参編 巻の下 323
・義心/大工/古老/孝子/酋長/豪勇

■一言:
当時のアイヌの風俗や状況を知るためにも役立ちそう。
不思議な術を使う者、信じられない怪力の持ち主なども登場。
松浦武四郎は単なる探検家としてではなく、北海道調査の特命を
受けた人物として理解すべきなのかもしれません。

●人生はふんどし1枚で変えられる●2015年05月14日 10:22

本当に好きなもの(ふんどし)を仕事にして人生が変わる

中川ケイジ (著)
単行本(ソフトカバー): 208ページ
出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン (2014/1/24)

内容(「BOOK」データベースより)
夫婦愛に涙が止まらない。ウツのすえに本当に好きなものに出会い、人生が変わった37歳の人生の記録。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
中川/ケイジ
一般社団法人日本ふんどし協会会長。有限会社プラスチャーミング代表取締役。1976年、兵庫県生まれ。大学卒業後、美容師に。その後コンサル会社に転職するも、営業成績が悪く思い悩み、うつ病に。その時たまたま出会った「ふんどし」の快適さに感動。ふんどしで日本を元気にしたい!と強い使命感が芽生え独立。おしゃれなふんどしブランド「SHAREFUN(しゃれふん)」をスタート。同時に「日本ふんどし協会」設立。2月14日を「ふんどしの日」と制定、ベストフンドシスト賞を発表するなど、斬新で体当たりな普及活動が話題に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次(大項目の抜粋)
第1章 仕事のできない男
第2章 運命的なふんどしとの出会い
第3章 うつの発症
第4章 たった一人での起業
第5章 おしゃれなふんどしSHAREFUN(R)誕生
第6章 パンツを捨てて、ふんどしを仕掛ける!
第7章 広がりはじめた「ナイスふんどし!」
第8章 ふんどしブーム前夜
第9章 そしてこれから
おわりに 204

■「おわりに」の冒頭部分
  僕はつくづく幸せ者だと思います。
  たまたま出会ったふんどしに魅了され、「世界中に広めたい!」と一歩を踏み出してしまってから、すべてがうまく回りはじめました。 まるで「ふんどしの神さま」が背中を押してくれているような、そんな気さえしてしまうほど、多くの人の支えに助けられています。

  大学受験で失敗したこと、東京での一人暮らし、就職活動で悩んだこと、美容師になったこと、兄の会社に入ったこと、病気になったこと……。
  「あの時に戻れるなら、もっと違うことをしていたのに」と過去の自分を否定ばかりしていた、かつての僕。
  ですがそれらの過去の経験たちは、決して失敗なんかではなく、それを通ってきたからこそ今があるんだと知りました。 すべての経験が、まさに今、活きているからです。 無駄なことなんて何一つなかったのです。

  今はまだ、会社の通帳とにらめっこつぃて「今月の給料は大丈夫かな」とハラハラすることばかりです。 残念ながらまだサクセスストーリーではないのですが、それでも毎日が充実して楽しすぎて怖いくらいです。
  やりたいことが見つかってそれが実現したら、世の中も自分もうれしいっていうことを全力でできる喜び。 これってやっぱりスゴイ。

一言:■
実際に自分の好きなことと出会った生き方

●砂漠で見つけた夢●2015年05月13日 19:58

キャビン・アテンダントから日本初のアボリジニ・アート・プロヂューサに転身


内田 真弓 (著)
単行本(ソフトカバー): 208ページ
出版社: ベストセラーズ (2008/5/16)

内容(「BOOK」データベースより)
キャビン・アテンダントから日本初のアボート・プロデートプロデューサーに。安定を捨てて引き寄せた夢。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
内田/真弓
1966年、茨城県生まれ。都内の短期大学卒業後、航空会社に客室乗務員として入社。二六歳で退社後、アメリカ語学研修を経て、オーストラリアで日本語教師として勤める。1994年よりオーストラリア南部の都市メルボルンにある国内最大のアボリジニ・アートを紹介する画廊で、アートコンサルタントとして六年間働く。現在は独立し、フリーのアボリジニ・アート・プロデューサーとして活躍中。日本で開催された多くのアボリジニ・アート展に関わる。メルボルン在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

■目次
はじめに 1

I 日本での生活 11
1 「夢見る夢子」だった子ども時代 12
・将来への思い
・みんなと違っていたい

2 キャビン・アテンダントになったものの 14
・ハードな日々
・赤面のヌードル事件
・次第に膨らむ違和感
・次への道を探りはじめて
・海外へ行こう
・忘れられない「ラスト・フライト」
・旅立ち

II アボリジニ・アートとの出会い 25
1 成田→シアトルー>オーストラリア大陸へ 26
・憧れの外国暮らしだが……
・一時帰国で再起をはかる!
・オーストラリアへ
・運命の出会い
・アボリジニの描くアートって?
・予期せぬ申し出

2 アボリジニ・アートと関わって 35
・画廊勤めを始めたものの…
・現状を変えるには?
・現代社会におけるアボリジニ
・アボリジニ村へ入るまでの道のり
・「思えば叶う」
・画廊での仕事は順調だったが
・画廊を去る
・気軽に立ち寄れる場所を目指して

3 夢の日本進出 48
・届いたあるファックス
・実現するまでの長~い道のり
・シドニー・オリンピックの開催が転機に
・「なんでも屋」です!
・いよいよ本番に向けて
・そして、オープニング・セレモニー
・次なる夢を追って

III アボリジニ村滞在記 59
1 アボリジニ村訪問記 その1―二〇〇〇年十二月 60
・マウント・リービックへ
・快調なスタート
・「よく戻ってきたなあ」
・アボリジニの家とは
・急転する天候
・引き続き、降り続く雨
・雨の砂漠の恐怖
・地獄に仏! アボリジニ登場
・ドラマの終わりに

2 アボリジニ村訪問記 その2―二〇〇〇二年九月 76
・珍メンバーの終結
・いよいよ出発
・再びマウント・リービックへ
・アボリジニ村での宿泊
・アボリジニの食事情
・蜜アリ狩り体験
・アボリジニと大地が教えてくれたこと

3 女性の伝統儀式への参加 その1―二〇〇四年七月 89
・「オマエは男だ」
・砂漠への招待状
・水がない暮らし
・強烈体験の連続
・果敢に料理に励む!

4 女性の伝統儀式への参加 その2―二〇〇六年五月 101
・「砂漠忍耐ド根性物語」のはじまり
・五月二六日(金)―ほぼ徹夜で出発の日を迎える
・五月二七日(土)―砂漠の女王様たちをピックアップ
・五月二八日(日)―アボリジニの女性たちとの道中より
・五月二九日(月)―儀式の初日
・五月三〇日(火)―「強烈な」アボリジニ女性との出会い
・五月三一日(水)―終わりに

IV 愛しの砂漠の友人たち 117
1 チビッコ・ギャング 118
・キラキラした瞳に魅せられて
・スーパースターの妹
・アボリジニの伝統文化を学ぶ
・アボリジニにとっての「明日」とは?
・まだまだ続く、「アボリジニ熱」

2 ユニークなゲストたち 129
・砂漠からのお客様
・好奇心旺盛な女王様たち
・忘れられない夜に
・人生で「かけがえのないもの」とは

3 わが友、バーバラ・ウィラーのこと 135
・ユニークな女性アーティスト
・日本のお茶の間に登場
・バーバラ、日本へ
・白亜のリゾートホテルで勃発した喧嘩
・バーバラの生い立ち
・尊敬すべき名ハンター

4 偉大なアボリジニ画家 エミリー・ウングワレー 146
・大地が生んだ天性のアーティスト
・驚異的な「創作力」
・エミリーとの出会い
・国際的な高い評価
・エミリー展の日本での開催

V ニッポン珍道中 155
1 アボリジニのおばちゃんたち、東京へ 156
・砂漠へ届いたニッポンからの招待状
・入念な下準備
・到着からすでにハプニング

2 初めてづくしの東京滞在 164
・雨に大ハシャギ
・「初めての体験」をしたのは……
・デパ地下めぐり
・ファミレス大好き!

3 夢の温泉旅行 171
・グリーン車で大名旅行!
・温泉宿にて
・いよいよ入浴
・旅館の豪勢な食事は?

4 ジャッキー・チェーンとの感激の対面(?) 176
・アボリジニの憧れのヒーロー
・ジャッキー登場
・おわりに

VI アボリジニ・アートの魅力 183
1 歴史 184
・長い歴史をもつ民族
・苦難の時代から和解の時代へ
・歴史的な記念すべき出来事

2 アボリジニ・アートについて 190
・ちょっと真面目な話
・アボリジニ・アートの特異な点とは
・絵にこめられた意味
・アボリジニ・アートの種類
・アクリル絵の具との出会い
・一躍、注目を浴びる
・絵を描くということ―「ドリーミング」
・上がるアートの市場価値

おわりに 203

■帯から
キャビン・アテンダントから日本初のアボリジニ・アート
プロヂューサーに。
安定を捨てて引き寄せた夢。
幸せは自分の
ハートが決めるもの!

■「はじめに」
  私は「アボリジニ・アート・プロデューサー」という仕事をしている。 あまり聞きなれないかもしれないが、つまりは「自由業」で、何でも屋でもあるのだ。
  砂漠へ飛んでいって才能あるアボリジニ画家を発掘し作品を買い付けたり、それを販売するための企画展を練り画家を来日させたり、どこかの大学で学生たちにアボリジニの講義を行ったり。 さらに言えば、アボリジニ村で年間合計一〇〇ほど過ごし、ともに狩りに行って誰よりも大きなイモムシを捕まえたり、アボリジニと一緒に焚き火を囲んでこんがり焼けたカンガルーのしっぽにガブリとかぶりついたり、来日した画家のために連日コンビニに走り、彼らのために鶏の唐揚げを調達したり。 また車で砂漠をゆうに五〇〇キロの距離をすっ飛ばしたり……。
  毎月決まった給料をもらっていたころからは想像もつかない生活だ。
  一五年前、私は日本の企業で働いていた。 そのころは、それなりに不自由のない生活が保障されていた。そもそも、会社に「守られている」という安心感が私にとって大きな心のセキュリティであったのだ。
  今、ほんの偶然の出会いから、こうしてアボリジニ・アートに関わる仕事をしているが、もちろんすんなり来たわけではないし、不安もたくさんある。 だが、かつて日本で仕事をしていたとき、自分に問いかけた言葉がある。
  自分の心が一〇〇%満足しきっていないのに、世間の目に映る自分のイメージを気にするのか。
  幸せというのは、自分のハートが決めるのではないだろうか。
  会社の名前でなく、私個人の名前で何かやろうと思わないのか。
  自分の人生のシナリオを、自分で書いてみてはどうだろう。
  安定した生活を捨て、日本を出てからしばらく月日が経ったころ、ある日アボリジニ・アートが私の人生に登場した。 そのとき「これだ!」と直感的に心が叫んだ「あの感覚」は、説明しろと言われても困ってしまうが、それこそ「やってみたい」と素直に思えたものに出会えたことに感謝したい。 そしてその気持ちが一五年経った今でも、ちっとも変っていないという奇跡にも。
  あっちこっちと遠回りをしながらも、今の不安定な自由業を自分の責任でやってみるのだって、なかなかダイナミックで楽しいものだということが、ここへきてだんだんとわかってきた感じがする。
  本書が、あなたの生き方の指針になってほしいなどとおこがましいことは全然考えていない。 そもそもそんなことを偉そうに言えるのであれば、この人生、これまで周り道もしなければへこんだり不安な長い夜を過ごすこともないだろうに。 これからだって、どこへ向かっていくかなど、誰にわかるだろう。
  ただ、自分の心の声に耳を傾け、それに従って一歩踏み出してみると、きっと人生のデザインはより魅力的で、美しいものになる、という思いを伝えられたらと思う。 私がこのような気持ちを抱くようになったのには、アボリジニとの出会いは不可欠だった。 「あるがままの私」でいられる、彼らとのつきあいは、私にとってこの上もなく貴重でかけがえのない時間である。
  本書を通して、一人でも多くの方が日本でまだそれほど馴染みのない、アボリジニの姿やアートに触れ、関心をもっていただけたら、このうえなく嬉しい。

■一言:
当店で力を入れている「生き方」本の一冊
伝統的または昨今のアボリジニの暮らしも知ることができそう